機動戦士ガンダムSEED Urd   作:めーりん

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スバルの実力の一端が垣間見えます。
まあ、スバルはMS操縦の経験だけなら多分トップクラスですので


PHASE-27

†††††

 

大西洋連邦を中心にした部隊とオーブを中心にした部隊の戦闘を混乱させるかのようにZAFT軍のクルーゼ隊の旗艦ヴェサリウスから唐突にランチが射出される。そしてそのランチに乗っていたのはJOSH-Aで転属命令を受けたはずの少女"フレイ•アルスター"であった。

 

クルーゼの狙いを知るため、そして何よりフレイを保護する為にオーブ軍のパイロット"スバル・クロガネ"は彼女が乗る救命ランチを回収するために行動を開始する。

 

†††††

 

「回収のチャンスは一回こっきり。二度目はない・・・・・!」

 

「嫌な予感がする。連合側に回収させちゃならないね」

 

フレイが乗るランチを回収すべく機体を駆るスバル。それに続くリコも嫌な予感がする、と険しい表情で愛機を操る。連合側もフレイの言葉に興味を持ったのか、回収すべく機体の一部をランチ側に回していた。

 

「新型らしき機体1、未確認のダガータイプ1、ストライクダガー25・・・・いや、これでストライクダガーは20か。どれもユーラシアの認識コード・・・・。リコ、ランチは任せる」

 

「了解。ヴェサリウスへの攻撃は完了したみたいだが・・・・・ちっ。ヴェサリウスから出たゲイツとデュエルを追うように姫達が追走中か」

 

ランチに向かう部隊を見てスバルが試製ビームショットガンを先頭を行く新型機に牽制も兼ねて放ち、更に加速しつつ近場のデブリを蹴り飛ばして右に移動しながら試製ビームショットガンを二連射。牽制のビームを回避した新型機と異なり、スバルの機体の急激な機動に追従できなかった複数のストライクダガーがビームの散弾で一気に爆散する。

 

 

リコはランチに向かっていた敵部隊がスバルに背を向ければ即座に彼に撃たれると理解してスバル機の対応に集中した、と判断するとそのままランチを回収すべく機体を加速させる。しかしながらレーダーにこちらに接近してくる二つの反応を捉え、思わず舌打ちする。

 

「シホはデュエルを抑えろ!ミーシャと姫はフリーダムが支援に入るからそのゲイツを頼む。適当に相手すればいいからな!特に姫!」

 

「分かってるってーの!ミーシャ合わせるわよ!」

 

「任せてください。リコ、貴女にランチは任せますよ」

 

「了解。あの人の弟子だもの・・・・役目はきっちり果たしてみせる・・・!」

 

接近してくるデュエルと明らかに専用機であると分かるグレーのゲイツの足を止めさせるように自身専用にカスタマイズしたゲイツの右手に装備しているキャットゥスを振り向きざまに二連射、その反動を利用して再反転してリコはランチの回収に向かうのであった。

 

††††

 

リコにランチの回収を任せたスバルはいきなり味方機が撃破された動揺からか動きが鈍くなっているストライクダガーを乱戦下に引き込むべく移動先にあったデブリを蹴り飛ばし、絶妙なバランスの加減速をもって突撃を敢行する。

 

「お得意の物量戦も、こうまで肉薄されたら意味がないと貴様達は学習するべきだな。・・・・・いや、MSの技量も戦術も未熟なだけか」

 

「貴様・・・・・!」

 

ストライクダガーも、スバルの機体を寄せ付けまいと必死にビームライフルを連射するが、連携もなにもない射撃ではスバルの緩急をつけた加減速による突撃には意味をなしておらず、新型機はストライクダガー隊の出鱈目な乱射によるフレンドリーファイアを避けることに手一杯であった。

 

「残り5」

 

「貴様らは後退して(フネ)を守れ!アルテミスの秘蔵っ子!手を貸せ!」

 

「五月蝿い!俺に命令をするな!」

 

未確認のダガータイプ(105ガンバレルダガー)が何とか統制を取り戻した時、25機居たストライクダガーは僅か5機まで撃破されていた。未確認のダガー(105ガンバレルダガー)のパイロットである"モーガン•シュバリエ"がストライクダガーの生き残りを後退させるために牽制にビームライフルを放ちながら新型機(ハイペリオン)に連携を要請する。

 

新型機(ハイペリオン)を操る同じユーラシア連邦所属のコーディネーター"カナード•パルス"はそんなモーガンの要請に反発。ストライクダガー隊が引いたことをいいことにスバルの機体にザスタバ•スティグマト(ビームサブマシンガン)を乱射しながら接近して行く。

 

「悪いが、逐一相手をする義理はないんでな・・・・」

 

「バカな・・・・!この俺が、このハイペリオンが手も足も出ない、だと!?」

 

新型機(ハイペリオン)の放つビーム弾の雨を緩急をつけた加速で回避したスバルの操る試製一号機は、その加速を維持したまま新型機(ハイペリオン)の右脚部とザスタバ•スティグマト(ビームサブマシンガン)を保持していた右腕、更にはバックパックの一部を機体を捻るように動かし、すれ違い様に両手に持ち替えた対MS戦用グラディウスで挟みこむように叩き斬っていた。

 

「秘蔵っ子!今すぐ後退しろ!」

 

「くっ・・・・・」

 

「アレは・・・・」

 

対MS戦用グラディウスを持つ際に手放していた対MS用試作型ショットガンと試製ビームショットガンをバックパックから伸びる戦闘用サブアームが保持した事を見たモーガンが57mmビームライフルを連射しながら新型機(ハイペリオン)の退避を支援する。放たれるビームを回避しながら未確認のダガータイプ(105ガンバレルダガー)新型機(ハイペリオン)へとサブアームが持つ試製ビームショットガンがビームの散弾を放つが、それはは新型機(ハイペリオン)の左側に展開されたモノフェーズ光波防御シールド(アルミューレ•リュミエール)によって防がれる。

 

「アルテミスの傘・・・・。これは少し厄介だな」

 

「やはりあのマーク・・・・!」

 

新型機(ハイペリオン)の防御性能に、突破の厄介さを感じ取り眉間にシワがよるスバル。そんな彼の機体の右肩を見たモーガン•シュバリエは、怒りに身を任せそうになる自分を必死に律していた。エル•アラメインでの攻防戦以来、モーガンの部隊が乾坤一擲の作戦を行おうとするたびにそれを絶妙なタイミングで邪魔する部隊と、その隊長機と思わしき機体に描かれていたパーソナルマーク。モーガンにとって、そのマークはまさに死神にも等しい存在であったのだ。

 

††††

 

スバル達ムーンウルブスの面々が戦闘を開始した頃、地球連合の部隊を足止めすべく交戦中のアークエンジェルに、連合の新型艦から通信が入る。不審に思いつつも、時間稼ぎが目的であった為マリューは通信を繋ぐ。通信相手はJOSH-Aで別れたかつての副官"ナタル•バジルール"であった。

 

「・・・・お久しぶりです。ラミアス艦長」

 

「久しぶりね、ナタル。貴女が新型艦の艦長なのね」

 

「ええ。アークエンジェル級の二番艦"ドミニオン"の艦長に任命、少佐になりました」

 

「おめでとう、バジルール少佐。再会がこのような形になったのは非常に残念ね」

 

表情の堅いナタルに対し、穏やかな笑みを浮かべるマリュー。そのマリューからの言葉に、思わずナタルは声を荒げる。

 

「何故ですか!?何故、貴女達は生き延びたのに軍に戻らなかったのです!?」

 

「それは貴女が一番理解していると思うわ、ナタル。私達は"地球連合"ではなく、あの作戦で指揮をとっていた"大西洋連邦"に強い不信感を抱いているの。連合と一口に言っても、最も政治的な力を持つのは大西洋連邦。その大西洋連邦に不信感を持ってしまった以上、私達は大西洋連邦が舵をとる"地球連合"という組織に戻ってJOSH-Aの時のように捨て駒にされるのは真っ平ごめんなのよ」

 

声を荒げるナタルに対し、マリューは決然とした表情で答える。そんな中、とある男が笑いながら通信に割り込む。

 

「あっはっはっは。艦長さん、ならばアレは敵です。敵ならば撃たなくてはならない。そうでしょう?」

 

「アズラエル理事!そうなったのはあなた方大西洋連邦が原因のはずだ!」

 

「ですが"今"貴女は我々大西洋連邦の(フネ)の艦長だ。ならば我々の命令に従って貰いましょうか?」

 

「あの男、確かブルーコスモスの盟主だったはずですよ。あんな軍人でもないヤツがバジルール少佐の上役だなんて・・・・」

 

アークエンジェルと通信が繋がっているにも関わらず、言い争いを始めるナタルとアズラエル。それを見て小声でノイマンが嫌悪を示す。

 

「艦長、エターナルから連絡きました。いつでも行けます」

 

「ならチャフスモークを装填。掠めるように離脱します。エターナル、イズモ、ムーンウルブスの面々にも通達を」

 

未だに繋がったままの通信先で言い争いをしているナタル達を傍目に、チャンドラが小声で告げる。マリューも心得たとばかりに小声で告げると、困った表情で通信先の画面でアズラエルに噛み付くように糾弾を続けるナタルに声をかける。

 

「ナタル、悪いけど、我々はこの戦争を一刻も早く終わらせるため、そして何よりも自分自身に恥ずかしくないように行動します。だから、貴女も自分に恥ずかしくない判断をして」

 

「ラミアス艦長・・・・!」

 

マリューの声に、思わずナタルは思わず口を噤む。そんな彼女が何かを言う前に、アークエンジェルの後方から放たれた高出力のビーム砲がドミニオンの右舷ゴッドフリートを吹き飛ばす。

 

「ラミアス艦長、待たせてすまないねぇ。信号弾放て!現宙域を離脱する!」

 

「イズモよりM1隊!敵を牽制しつつアークエンジェル、イズモ甲板上に着艦、敵を寄せ付けるな!」

 

ドミニオンの右舷ゴッドフリートを吹き飛ばしたのはメンデルから発進したエターナルの甲板に着艦したバスターの超高インパルス超射程狙撃ライフルであった。

 

そんなバスターを甲板に乗せたまま突き進むエターナル。艦長のバルトフェルドが矢継ぎ早に指示を出すのと同時に、イズモからもキサカが指示を飛ばす。こうしてメンデルでの戦闘は次の段階に移行するのであった

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