機動戦士ガンダムSEED Urd   作:めーりん

29 / 29
更新お待たせしました。
なお、スバルは"敵"には慈悲はないです


PHASE-29

†††††

 

メンデルを離脱したアークエンジェル、イズモ、エターナルの三隻は展開していたMSを回収後、一路アメノミハシラを目指していた。しかしその最中、ある情報が入り通信を介しての緊急の会議が行われていた。

 

「アメノミハシラのミナ・サハクからレーザー通信を用いた緊急連絡があった。彼女の弟で行方不明だったギナ・サハクの元から離反した人物からの情報で、ギナ・サハク本人が私やカガリを艦諸共に消すため、この先で待ち構えているそうだ」

 

「プロトアストレイ一号機、通称ゴールドフレームに回収したブリッツのパーツを組み込んだ改造機を操るとの事。当然ながらミラージュコロイドも使用可能だそうよ」

 

通信を受けたクサナギの艦長"レドニル・キサカ"が情報を提示すれば、クサナギの格納庫でM1の調整をしていたエリカ・シモンズが補足を入れる。

 

「とはいえアメノミハシラでスバルさんやニコル君の機体の最終調整をしないとならない以上、この航路を避けるのは時間のロスが大きすぎる。先の戦いでドミニオンにそれなりの損傷を与えたとはいえ、時間的余裕があるとは言えないわね・・・・」

 

「とはいえ情報通りならギナ・サハクの腕や機体特性から鑑みても生半可な腕じゃ返り討ち。数もミラージュコロイド相手じゃ逆に不利になっちまうな・・・・」

 

アークエンジェルのブリッジで艦長のマリューとムウが困ったように意見を述べる。アークエンジェルのブリッジクルー達も何か策がないかと頭を働かせる。

 

「ミナ・サハクから、機体の撃破許可も出ている」

 

「ならば少数精鋭による逆奇襲による速攻戦しかないだろうな。俺が前衛、ニコルが後衛だ」

 

補足としてウズミが情報を出すと、既にパイロットスーツに身を包んだスバルがアークエンジェルの待機室から通信を入れる。その内容にマリューらは唖然とする。

 

「スバルさん、貴方は・・・・」

 

「エリカから聞いた話ではヤツは他のプロトアストレイを攻撃したことがあるらしい。俺やニコルの機体も一応はプロトアストレイの流れを汲んでいる。必ず食いつくさ。ここであまり時間をロスしたくない」

 

マリューの言葉を遮るようにスバルが意見を述べる。その表情を見たマリューは諦めたようにため息を吐くと、通信越しではあるがウズミに目を向ける。

 

「スバル一佐、済まないが頼めるか?元を正せば我々オーブの政治的な対立が原因ではある。が、彼の思考は現在のミナ・サハクとすら袂を分かったもの。野放しにはできない」

 

「了解です」

 

「スバルさんとニコル君の機体を出すわよ。その後艦の速度はこのまま、第二戦闘配置を維持します」

 

ウズミも通信越しではあるが頭を下げる。スバルが了承して通信を切ると、マリューは手早く指示を出すのであった。

 

 

††††

 

アークエンジェルから発進したスバルの試製一号機が先行し、ニコルの二号機が後に続く。二機とも近距離戦になる事を意識した試作パッケージを装備しているが、今回はあえてプロトアストレイのIFFを使用している。

 

「こんな子供騙しに引っかかるんですかね?」

 

「聞き及んだギナ・サハクの性格なら間違いなく食いつく。・・・・ゴールドフレームは極力損傷させずに確保したいものだが・・・・」

 

罠だと丸わかりなIFFの変更に思わずニコルがボヤく。だが、聞いていたギナ・サハクの性格上、感情的に動くであろうと予想したスバルは苦笑しながらも油断せずに機体のモニターを見ている。

 

「通信だと・・・?」

 

「反応はザフト軍のナスカ級ですね。広域の緊急救難信号みたいですが・・・・。見えない敵からの攻撃ってまさかゴールドフレームのミラージュコロイド・・・!?」

 

「先行する!ニコル、バックアップ頼む!」

 

唐突に二機の通信機にノイズ混じりではあるが慌てたような声が届く。冷静に通信を分析したニコルだったが、通信内容から判断した襲撃者の正体に思い至り唖然とする。

 

ニコルと同時にその正体に行き着いたスバルは機体を加速させる。ニコルもスバルの機体をサポートできる距離で続くのであった。

 

††††

 

ナスカ級からの救難信号が発された宙域に二機が到着した時、そこに居たのは禍々しい気配と称するに相応しいシルエットを持つ魔改造機(ゴールドフレーム)と航行機能を奪われ、今まさに撃破されても不思議ではないナスカ級と、武装だけが破壊されたのかナスカ級を機体を盾にしてでも守ろうと展開する複数のゲイツだった。

 

「させるか・・・・!」

 

「そこまでですよ・・・!」

 

「何!?」

 

スバルの操る試製一号機が重ショットガンと収束モードに切り替えたビームショットガンを放ち、さらにニコルの試製二号機が回避方向を遮るように試作型テレスコピックバレル延伸式対艦ビームスナイパーキャノン"カグラ"を放つ。甚振るようにナスカ級をレーザーライフルで撃っていたゴールドフレーム(アマツ)のパイロット"ロンド・ギナ・サハク"はレーダー上のIFF情報に気を取られた為、バックパックの武装"マガノイクタチ"が両方とも被弾する事になる。

 

「私の知らない"アストレイ"だと!?」

 

「言葉は最早不要。ミナ・サハクの命により、討たせてもらう・・・・」

 

焦りと憤りが合わさった声音と共にレーザーライフルを乱射するギナ・サハク。スバルは敢えてそれに答えるようにオーブ軍の通信帯で宣言すると、バレルロールでレーザーを回避しつつ広域モードでビームショットガンを放つ。

 

「ミナの命、だと・・・!?」

 

「道は違えられた、という事だ。覚悟は出来ていたのだろう?」

 

放たれたビームの散弾を動揺しつつも回避するギナ・サハク。それを追い込むように重ショットガンから対MS用に開発された散弾を放ち、バックパックに搭載されている戦闘用サブアームが保持する、連合側の追加装甲"フォルテストラ"すら蜂の巣にできる、と保証されている対MS用最終試験型65mmアサルトガンポッド"イナヅマ"が回避を許さないと言わんばかりにばら撒かれる。

 

「っ・・・・おのれぇ!!」

 

重ショットガンの弾頭を機体の頭部に被弾し、不完全な視界(モニター)に悪態を吐きながらもトリケロス改で放たれた"イナヅマ"の致命的な弾丸の嵐を防ぐギナ。ミラージュコロイドの起動を許さない弾丸の雨は徐々にギナの正気を削りとってゆく。

 

「私は世界を・・・!」

 

「油断大敵でしたね・・・・!」

 

ギナ・サハクがスバルの試製一号機に注視しすぎていた事を見切ったニコルの操る試製二号機が、戦場を回り込みながらスラスターを全力稼働させたことによって可能となった神速の踏み込みと共にゴールドフレーム(アマツ)の胴体右側に十二分に加速の乗った蹴り(ヤクザキック)を叩き込む。

 

「さよならだ・・・・」

 

その衝撃で一瞬とはいえ意識がトんだギナが血走った瞳で最後に見たのは機体の視界(モニター)一杯に映る試製一号機の真紅に染まった死神(モノアイ)とその右手に逆手で握られた対装甲コンバットナイフ"アーマーシュナイダー"であった。




秒殺されたロンド・ギナですが、個人的に彼の技量は高いのですがミラージュ・コロイドの初見殺しに支えられているモノと思っています。確かにロウのガーベラ・ストレートを白羽取したりと技量はあるのですが、いかんせん感情任せな部分があるかな、と。
その為"半身"とされるミナ・サハクからの訣別、自分の知らない"アストレイ"の出現による混乱、ゴールドフレーム"天"のスペックが知られている事が重なり、ロウや劾が来る前に秒殺される事になりました。

なお、例によって復活(?)はあるのでご安心を。あと、ロウや劾にも出番はありますのでご安心ください。個人的にもやりたい事ありますので
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:20文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。