魔法少女?リリカルなのはDiabolical Modified 〜魔改造された彼女たちの運命〜   作:アリヤ

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第十四話

「……どうか間に合ってっ!!」

 

 ジュエルシードが発動する前に何とかしたいと思っていたなのは、すずか、アリサ、そしてフェレット姿のユーノは急いで向かっていた。

 しかしどこへ向かったのかわからないため、さらに言えばいなくなってから五分以上は経っているために急ぐ必要があった。

 このままは知っても間に合わないかもしれない――そう思ったすずかは一度なのはとアリサにあることを話しかける。

 

「ねぇ、私の能力なら間に合えるかもしれない」

「能力――ってすずか、あんた天使の力を借りるってわけ?」

「うん。それが一番手っ取り早いと思うけど……」

 

 確かにすずかの言う通り、天使召喚で天使を呼び出した方がかなり早いが、ある問題が一つだけあった。

 すずかが呼ぶ天使は、基本的すずかの事以外はどうでもいいと思っている者が多い。さらに言えば、なのはに対してかなり相性が悪く、悪魔を使えているなのはに対して天使の方が嫌っているのだ。もっと言えば、七つの大罪の悪魔であるルシファーは天使の階級でも最上位であった熾天使(セラフィム)の階級にいたにも関わらず、堕天した悪魔の王でもあるために、天使にとってはなおさらなのはの印象が悪くしていた。

 だからこそ、アリサはすずかが言ったことに対して乗り気ではなかった。それはアリサだけではなく、なのはもあまりいい策ではないのではないかと思っていた。だがすずかは横に首を振り、話し続ける。

 

「大丈夫。天使でも堕天したとも言われている黄道十二宮の天使なら大丈夫だと思うよ。悪魔や天使って人間たちの影響を受けているのは前にも言ったと思うけど」

「なるほど。すずかちゃんが言いたいことは何となく分かったよ。とりあえずそれでやってみようっか」

 

 神にしろ悪魔にしろ天使にしろ、それらの物は人間の影響によるものが多い。そのため、黄道十二宮の天使は宮を守護する立場ではいたが、堕天して宮を支配する悪魔になったともされているために曖昧になっている。堕天したかという事が曖昧なため、天使という立場ではいるけどもさほど悪魔に対して敵意を出すことはあまりないだろう。そう考えたすずかは天使でもなのはに対して敵意などがない黄道十二宮の天使を召喚に選んだというわけだ。

 なのはもすずかの案に賛成することになったため、残るはアリサ一人だけになったのだが、アリサは一度ため息を吐きながら二人に言った。

 

「まぁ、なのはが良いというのならばやってみてもいいんじゃない? 私はなのはの為に言ってたから、そのなのはが賛成しているのならば構わないわよ」

「じゃあ決まりね。それじゃあはじめるよ」

 

 三人はそこでようやく足を止め、なのはとアリサはすずかから距離を取るように離れる。

 そして地面に特殊な魔法陣を展開させ、すずかは唱え始めた。

 

『第五の階級、力天使(デュミナス)に属しウェルキエルよ。我の前に現し我の力となれよ――っ!!』

 

 刹那、すずかの魔法陣がさらに輝きだし、すずかを中心としていた魔方陣が前方へと動き出す。魔法陣の移動が止まると、その魔法陣の中央で地面から何かが現れる。

 姿的には女性で、背中からは翼が対象となるように生えており、髪は金髪のセミショートで、頭部にも二つの小さな翼が生えていた。そして右手には剣を持っており、天使とは思えないほどの鎧を着せていることから戦乙女のような姿をしているところから、まるで戦い続けているような姿だった。

 そして彼女はすずかの前に片膝をするようなかたちとなり、天使なのにまるですずかを敬うような姿をしていることに、ユーノは何か違和感を覚えた。

 

「黄道十二宮――獅子宮の天使、ウェルキエル。マスターの命にて参上いたしました。それでご命令は?」

「今すぐ私が言う方向へ向かってほしいの。なのはちゃんとアリサちゃんと一緒に」

「悪魔に仕える者とアリサさんをですか……私を呼んだ理由はそういうことですか」

「まぁね。他の黄道十二宮の天使でもよかったのだけど、一番早いのはウェルキエルだし、突然の対応にも優れているからね。他の天使はなのはちゃんがいる時点で多分言うこと聞いてくれなさそうだし」

「分かりました。それでは全員捕まっていてください」

 

 ウェルキエルはすずかを自分の肩に乗せ、右手にアリサ、左手になのはを掴み、一気に羽ばたいて上空へと飛んで行った。

 そしてすずかが方向を示しながら進んでいき、目的の人物がなのは達の目から見えるような距離まで追いついていた。

 

「あの子!! あの子がジュエルシードを持っているかもしれないって言ったのは!!」

「ウェルキエル、あそこにいる二人の男女のところまで急いで!!」

「了解!!」

 

 ウェルキエルはすずかに言われた通り、すずがが指した方向へと一気に向かって降下していく。

 その男の子は隣に居た女の子に青い宝石みたいなものを渡している光景がなのは達から見え、そのおかげで本当にジュエルシードだったのかということが確認できた。

 しかし――

 

「まずい、これじゃあ間に合わ――」

 

 ユーノが何かを言おうとした刹那、ジュエルシードから青白く輝きだし、なのは達はまぶしくて思わず目を瞑ってしまう。そしてそのジュエルシード辺りからかなり太い植物の枝が周りに現れていきます。

 結界をはる準備をしていなかったため、周囲の人間にもかなり太い植物が伸びてくることに気づき、突然の事態に慌てだしてすぐさまその場から逃げていく人であふれていた。

 ウェルキエルはすぐさま植物の枝を避け、一度発生源の場所から離れて安全地帯へと移動し、近くにあったビルの屋上へと着陸してなのは達を降ろした。すずかに命じられたわけじゃないが、とりあえず立ち向かわずに安全なところへ避難することを一度しておくべきだと考えて行動したのだ。

 

「ここまでくればとりあえず安全かと」

「ありがとう。こうなった以上は私たちで止めるからウェルキエルは戻っていいよ」

「しかし失礼ながら申し上げますが、マスターは私たち天使の力がないと戦えないのでは……」

 

 突然すずかから自分の役目はこれで終了と言われ、ウェルキエルは少し驚いた。ウェルキエルはこのままあの植物を対処するためにすずかから命じられると思っていたため、すずかの言葉に驚き、そうすればすずかが戦えるないと分かっているからこそなおさら疑問に思え、失礼な質問だと思いながらもすぐさま理由を聞いていたということだ。

 

「分かってる。けどあれは異能ではなくて魔法だから。魔法の原因は魔法で解決させるということだから――」

「……わかりました。マスターの命令通り、このまま失礼します」

 

 ウェルキエルはその言葉の直後に突然と姿を消し、ビルの屋上にはなのは達三人とフェレットであるユーノが残る形となるのだった――

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