魔法少女?リリカルなのはDiabolical Modified 〜魔改造された彼女たちの運命〜 作:アリヤ
中編と後編は続きものです。本来ならば一話で終わらせる予定でした……
しかし文章が2倍になりそうですので、分割した感じです。
今回、心のセリフはありますけども、普通のセリフはありません。なんか書いてたらそうなってた。
それではどうぞ!!
追記、
すみません。あまりにも話が長くなりそうでしたので、プロローグ 中編をやめて第一話とサブタイを変えさせてもらいます。プロローグ 前編のみがプロローグとなります。
第一話
なのはが高町家に戻ってきてから約一年後の九月中旬、なのはは私立聖祥大学付属小学校へと通い、学校へと向かっていた。
しかし、小学校に入学して五か月だというのにも関わらず、なのはは一人も友達が出来ていなかった。
どうしてなのか、その理由はなのはが誘拐から帰ってきた家の時から全く変わっていないからだ。なのはは特に誰とも何も話さず、ただ一人で学校を過ごしている事が多かった。
家も帰ってきたときからと変わらず、必要最低限の事しか家族と話さなくなっている。もう一年以上経つというのに何も変わっておらず、誘拐された一年の間に一体何があったのかと思ってしまうくらいだった。
そして、本来のシナリオではなかったことがもう一つ。私立聖祥大学付属小学校は唯の私立小学校というわけではなく、異能力者を集めた私立小学校と変化している事だ。
だからこそ、なのはが通うこの小学校は異能の力によってランキング制がとられている。授業の中にある一対一の異能者の勝利の数によってランキングが上がり、上位三名は特別クラスとしてされてそれ以後は約四十人クラスが六クラスあるという感じだ。一年生は入学したばかりという事で三クラス四十人の三クラス四十一人で授業が行われている。
その中でも、なのはの異能はずば抜けているほど異常だった。七つの悪魔と契約し、七つの力を持ち合わせているなのははほぼ無敵に近かった。
色欲の力で近くにある機械や人間を操り、攻撃自分の力を使わずに相手に攻撃し、さらには守りにする事も出来るあるなのはの兵士。たとえ攻撃がなのはに当たりそうになろうとも、憤怒の力で相手からの攻撃をほぼ守ってしまうという完全防御に近かった。また、暴食の力によって相手の攻撃を先読みすることもあり、なのはへの攻撃はほぼ当たらず、さらには相手の隙をすぐに見つけてしまうのだ。
もちろんこれらにはデメリットがある。それもそれぞれの力によって違い、色欲ならば女の子を見ると胸がドキドキしたり、憤怒ならば本来受けるダメージを怒りのエネルギーとして発散したり、暴食ならば突然空腹が襲ってくるというデメリットが存在する。他の力もあるのだけども、それは追々と伝えていこう。
しかしそんなデメリットがあろうと、その力のおかげでなのはは全勝無敗であり、まだ戦ったことがない同級生もいるけども、このままいけば上位クラスは間違えなしだった。
本来ならばなのはの立ち位置的には雲の上の存在みたいな感じになるのだけども、なのはが余りにも誰とも話そうともしてこないほどの寡黙であり、喜んだり怒ったりなどの喜怒哀楽のような顔を誰一人見た事がないがために、逆に気味悪いようなイメージを持つ人が多かった。
その影響でなのはの立ち位置はさらに悪化する。ある生徒がなのはの怒らせた顔を見てみたいという事から発端が始まり、最初は『負けろと』かそのような軽い言葉ばかりをなのはの机の中に書かれていた。しかしそれでもなのはは起こる事もせず、誰が犯人なのかという事も問い詰めなかった。それがさらに悪化させる原因となり、なのはを怒らせてみたいという気持ちがさらに強くなっていた。
そしていつのまにか、机や教科書などに『死ね』とか『学校来るな』と虐めへと発展していき、それでもなのはは何も言わず、泣きもせずに唯机を綺麗に拭いていたりしていた。発端となった生徒もその時には好奇心というよりも気味悪いという方が強くなり、虐めのレベルへと達していた。
教科書ももはや使い物にならないレベルへと達しているというのにも拘らず、なのははあまり気にしなかった。しかも普通の筆記テストとかをやったところで成績は上位で、それがさらに気に食わなくなり、いつの間にかクラス中へと虐めは発展していた。
どうしてなのはが虐めを受けているというのに、何も感じていないのか。それは誘拐されたときの出来事がきっかけだった。
最初に言うと、なのははどうして誘拐から逃げ出すことが出来たのかは記憶に思い出せない。しかし、誘拐されている間に受けた拷問はなのはの記憶にかなり残っている。その時受けた拷問は今のような虐めなんかよりもさらに酷く、今のなのはを作らせた原因でもあった。要するになのはのとってこの虐めは精神的ダメージを与えるようなわけでもなく、逆にアホらしく思えてしまうのだった。
どうでもいい――それが虐めに対するなのはの思った事だった。虐めということはなのはも曖昧に知っていてはいたが、まさか自分が受けるとは思いもしなかったし、虐めというものがこれほどくだらない事なんだと実感したくらいだった。こんな生易しい精神的攻撃はなのはにとってもう慣れてしまっていたから――
――まぁ、私もどうして生きているのか分からないのだけどね。
自分が生きている意味、それを誘拐されている間に幾度も考えてしまったがために、なのははそのような事を思っていた。
そして学校へ着き、直接教室へと向かって行く。教室の前に着いていつも通り教室の中に入ろうとすると、なのはの机の前で二人の少女が四、五人の男子と揉めており、つい入口の前で立ち止まってしまうのだった。
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時間は少しさかのぼる。
――まったく、どうして何も言わないのよ彼女は。
アリサ・バニングスはこの数ヶ月苛立ちが日に日に増していた。
それはこの数ヶ月クラスの中で起こっている虐めの事だった。
虐められている本人も何も感じてはいないようだけども、それでも多数で一人の人を、それも自分と同じ少女を虐めているのを見ていると見ていられなかった。
最初はアリサも静観しているつもりでいた。しかし相手は自分と同じ全勝無敗の一人であり、彼女の力ならば簡単に倒せるだろうとも思うが、怒って異能を使おうとも嫌そうな顔などは一度もしていない。
いや、アリサは彼女が自分が虐められている事に関して、どうでもいいと思っている事をなんとなく察していた。まるで、そんな事は彼女にとってはかなりどうでもいいような事だと思っているかのように。
それを察したアリサは気味悪いと思わず、逆にどうしてこのような性格になってしまったのかと思った。彼女みたいなことを他人がやれば精神的にも耐えられないと思うし、不登校になるだろうと誰だって考えるだろう。アリサだって自分があのようないじめを受ければ、学校に行きたくなくなると思っていた。
それなのに彼女は何とも思っていないのだ。さすがにこれは同級生でも気味悪いとは思うし、怖いと思ってしまうだろう。だが、そうなった理由は何かあるだろうと思い、何をすれば彼女はああなってしまったのだろうかと気になってしまった。
別に同情しているわけではない。どちらかと言えば好奇心に近い気持ちで、ただ単純に彼女に興味を持ち、近寄ってみたいとここ最近思い始めていた。そのためには彼らは邪魔で、ただ気味が悪いと思う彼らが気に食わずにいて、怒りが次第に増していたということだ。
――もう見てられない。彼女は気にしてないかもしれないけども、見ている側からしたら苛立ちがこみ上げてくるのよ。
そう思い、アリサは立ち上がって彼女の机に落書きしている彼らへと近づいて行った――
そしてもう一人、虐められている彼女を気にする人物が存在した。
――どうして、彼女が居ない間にあんなことをされているというのに何も思わないの?
月村すずかはこの学校に入学してから彼女の事が気になっていた。
その理由はすずかの姉、月村忍から話を聞いていたからだ。忍の恋人であり、虐められている彼女の兄でもある恭弥から事情を聴き、恭弥から支えてやってくれと言われていたからだ。
もちろん、入学して間もないころにすずかは彼女と接しようとした。しかし彼女に話しかけても言葉を返さず、何度も話しかけたけどもすずかのほうが挫けてしまったくらいだった。
どうして彼女がそのようになったのかも恭也から事情を聞いているので知っている。誘拐され、無邪気だった彼女をあのような性格にさせてしまったという事を。何があったのかは恭也でも知らないらしいが、性格をあそこまで変えてしまうという事は明らかにその誘拐されたときに酷い事をされていただろうと思った。
その後もすずかは何とかして彼女を元気な彼女に取り戻そうと何度も話しかけるが、その度に彼女からむしられてる。だけどそんな彼女を救いたいという気持ちが強く、あまり自分から進んで実行しないすずかだけども頑張ろうと思っていた。
そんな矢先に彼女が虐められる事件が起こってしまう。
最初はすずかも気づいていなかった。彼女が何も悲しそうな表情をしないから、虐められているとは思っていもいなかった。気づいたのはいつも通り彼女に話しかけようとして、そのとき机の上に置いてあった教科書の落書きをみて気づいたくらいだった。そのあと彼女が虐められていることが全体的に伝わり、誰もがそれを止めようとしなかった。
虐めを知ったすずかはすぐさま虐めている彼らを止めようとした。しかし、彼女に接しようとするだけでも頑張っていたというのに、そこまでの勇気は出てこなかった。また、虐めを止めたところで自分が虐められるのではないかということを心のどこかで思っていたために、さらに勇気が出てこないでいた。
そのおかげで日に日に虐めが増していったが、それでも彼女は何も気にしないような感じだった。多分、誘拐された時の出来事が強烈で、虐め何て彼女とにとっては生易しいものだと考えていたのだろう。だけどそれでもすずかは止めなければならないと思っていた。
――これ以上、悪化させる前に止めさせる。私が勇気を出さなければ変わらないのだから……っ!!
すずかはアリサとほぼ同時に席に立ち上がり、アリサと同じ様に彼女の机に落書きしている彼らへと近づいて行った――