魔法少女?リリカルなのはDiabolical Modified 〜魔改造された彼女たちの運命〜   作:アリヤ

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第十九話

 その日の夜――ジュエルシードの反応がしたなのはとアリサはすずかを起こし、家族に気付かれないように外へと出て行き、ジュエルシードの反応があった方へと走っていた。

 途中でなのはとアリサはデバイスを起動させてバリアジャケットを着た姿になり、その姿のまま目的地に着くと、そこには金髪の少女――フェイトとその使い魔であるアルフの姿がおり、既にジュエルシードが封印されていた。

 

「ちっ、遅かったか」

 

 アリサは封印されていたという事が分かり、思わず舌打ちをしてしまうが、いつ戦いになってもいいようになのは達は構えていた。

 

「さっき忠告したはずだよ。これ以上ジュエルシードに関わるのならばがぶっといくとね」

「それは私に勝ってから言うべき言葉だよ。前回は私が勝ったというのに」

「ふん、あんときはアンタの力が解らなかったからだ!!」

「相手の力が解らないのは普通だと思うけどね?」

「ぐっ」

 

 アリサの言葉にアルフは何も言えなくなり、歯を噛み締めてた。

 そんな中、すずかは先ほどなのはがアルフに対して言った口調を聞いて少し違和感を覚えた。いつもならば強そうな声で言わないはずなのに、今回は強い口調でアルフに言いかえしていた。

 いや、もっと言えばアルフに会った時からなのはに何か違和感があった。まるでその雰囲気は、人を殺めたことがない人間が戦いの何がわかるというような感じだった――

 

「それで、なんであんた達はジュエルシードを集めているわけ? それが危険な物だという事は分かっているのでしょ?」

「そんなことを言う必要はあるのかい?」

「確かにないわね。なら、力ずくで問いただすというのが一番というわけよ!!」

「ほう、私に勝てるのかい!!」

 

 アリサとアルフはそのまま衝突し、そのままなのは達とは距離を離れて行った。

 そんな様子を見ていたなのはとすずかは、正直心配していた――アルフの無事を。

 

「アリサちゃんと戦い始めた子……大丈夫かな?」

「にゃははは、すずかちゃんがそう思う理由は私も分かるよ。はっきり言って一方的な戦いになりそうな気がして正直怖い」

「え、え? それどういう事?」

 

 先ほどまでなのははアルフに対して強い口調で言っていたが、アリサが相手となれば逆に心配になってしまう。

 そんな二人がアルフの心配をしていることを聞いて、フェイトは思わず二人に聞き返してしまう。アリサの魔法を教えても勝てる魔導師はいないだろうと二人は思い、アリサの魔法について少しだけフェイトに話すことにした。

 

「異能がこの世界にあるという事は知ってる?」

「う、うん。一応聞いてはいるけど……」

「アリサちゃんは異能でありながらも外の魔法を使う人間なの。けど、アリサちゃんの魔法は常識が通じないの」

「じょ、常識が通じないって……どういうこと?」

 

 それぐらいの強さなのかと思ったのかと思いきや、どうやらよくわかっていないようだったため、なのはとすずかはつい苦笑いをしてしまった。

 答えても構わないが、さすがにすべてを教えるわけにはいかないと思い、すずかはアリサの魔法がどれくらい強いのかという事を教えた。

 

「敵に詳しいことを教えることはできないけど、とりあえずいえることは異能を持つ私たちよりも強いのよ。私たちの学校は異能に特化した学校なんだけど、その学校で最強の少女と言われているからね……そこのなのはちゃんよりも」

 

 この前戦ったなのはよりも強い――そんな人間がこの前の時に待機していたとなるとフェイトはぞっとした。そしてなのはとすずかが思っていたように、フェイトはアルフの無事をかなり気にするようになり、軽い負傷で済むことを祈った。そう思ったフェイトはとんでもない人物を相手にしてしまったという事を理解した。前回の戦いだって、なのはがよそ見したというのに負けたのだから、なのはも強い人間だという事はなんとなく理解した。

 そして、この前の戦いでなのはが使ったものは異能だという可能性もフェイトは考えられ、どんな異能だか知らないけどもジュエルシードを諦めるわけにはいかなかった――

 

「……それで、これからどうしよっか? ジュエルシードを一つだけ賭けて勝負する?」

「うん、お願い」

「それじゃあ、始めようか。あ、その前に名前だけ教えてもらって良いかな?」

「フェイト……フェイト・テスタロッサ」

「フェイトちゃんね。じゃあ、今度こそ始めよっか」

 

 それからなのはとフェイトの二人は、上空へと上がっていき、ジュエルシードを賭けた戦いを始めた。すずかはそんな二人の様子をみており、どうなるのかという事を様子見することにした。お互いに一定の上空へと上がり終え、そして同時に動き出した。

 最初の仕掛けたのはフェイトで、射撃魔法をなのはへと放った。なのははその攻撃を避けていき、避けきった後にフェイトに少し近づいてなのはが逆に仕掛ける。

 

「ディバイン・シューター――っ!!」

 

 4発の弾丸を放ち、距離的には避けられるかか微妙な攻撃を、なのははフェイトがどのように対応するかという事を考えていた。フェイトの魔法について詳しくは知らないため、なのはは相手がどのような魔法を繰り出してくるのかを試し、すべての魔法を見れるとは思っていないが、できるだけ相手の魔法を見てからどう対策するのかというのが、なのはの戦闘パターンだ。これはなのはが誘拐され、人を殺めないといけないときに相手の異能を見て、どうしたら相手を苦しまずに殺せるかという事を考えていたからという癖だった。未来を見ずに殺めるという事ももちろんさせられたため、そのような行動をとるようになっていたのだ。

 そしてフェイトがとった行動は、避けるという選択を取った。なのはが思っていたよりもフェイトはスピードが速かったようで、少々予想外だった。そしてフェイトはそのままなのはへと近づき、フェイトのデバイス――バルディッシュを魔力光によって鎌を作りだしたサイズフォームに変えて一気になのはへと斬り放とうとする。

 

「サイズスラッシュ――っ!!」

「くっ、プロテクションっ!!」

 

 なのは先ほどの速さから逃げても追いつかれると即座に思い、防御魔法を貼る。しかしそれはあまりにも無意味な事で、フェイトが使ったサイズスラッシュはバリア貫通能力を持っていた。そのため、フェイトの攻撃であるサイズスラッシュがなのはのプロテクションに当たった直後、なのはのプロテクションが壊れた。

 

「なっ、くっ!?」

 

 まさかプロテクションが破壊されるとは思ってなかったが、割られた時のためにフェイトが近づいてくるほんの少し前に憤怒の異能を発動してはいた。そのため、なのははフェイトのサイズスラッシュを受けるが、物理的な事だけでダメージはなかったけども、ほんの少し飛ばされ上下に一回転してなのはは安定させるようにする。

 憤怒の力を使ってしまったために怒りっぽくなってしまうが、それでもなのはは憤怒の異能だけは基本的使う。反射的に使ってしまうという理由があるが相手の攻撃を把握するためにも丁度いい異能でもあったからだ。前回の戦いで隙を見せたのは相手の余裕を見せるためとは前にも言ったが、攻撃を把握するという役目もあった。

 

「さて、そろそろ本気を出すよ」

「っ!? 雰囲気が変わった?」

 

 これ以上様子を見るのは疑われる可能性があるため、このあたりでなのはは反撃に出ることにした。フェイトは先ほどの攻撃をまともに受けていないという事に内心驚いていたが、なのはの雰囲気が変わった事に今度は気になり、何かが来るという感じがした。

 なのははフェイトに向けてディバインシューター放ち、今度はフェイトでも簡単に避けられるような距離だったためにフェイトは迷わず避ける行動を取った。しかし、なのははその間にレイジングハートをカノンモードに変え、魔力を収束していた。

 避けたことによってなのはの方を見ていなかったせいもあってか、フェイトはなのはが次の攻撃に備えていることに気付かず、ディバインシューター囮だったという事に気付く、しかし気づいたときにはすでに遅く、なのはは収束した魔力を放とうとしていた。

 

「ディバイン――バスター――――っ」

 

 フェイトは防御魔法を貼ろうと急ぐけども、それよりもなのはの砲撃の方が早かったため、もろに直撃を受けてしまう。そのまま飛ばされ、森の中へと突っ込んでいった。

 すぐになのははフェイトの様子を見るために、フェイトを飛ばした方へと向かいにいく。フェイトの様子を見ると気絶したというわけではないが、かなりのダメージを受けているようだった。フェイトもなのはに気づきゆっくりながらも体を動かしていた。

 

「さて、これで一応私の勝ちだね。まぁ、正直私が勝ったという気持ちにはならないんだけど」

「ど、どういう……こと?」

「あまり人に言いたくないけど、私の異能のせいで私はアリサちゃんやすずかちゃんと違って戦い方や人の殺め方を学んでいるの。そんなことがなければ、私はフェイトちゃんに負けてるでしょうね」

 

 今までなのはは何度も勝利をしたことは何度もあるが、なのはにとってどれもが勝ったという気持ちにはなれなかった。誘拐されることがなければ、魔法に長けているフェイトには負けるだろうとはなのはでも分かっていた。そう思っていたからこそ、ここで勝ったことを嬉しく思ってしまえば、結果的に誘拐されたことが良かったという解釈になってしまうために、なのはは勝ったことを嬉しいなどという気持ちにはどうしてもなれないのだ。

 そしてなのははレイジングハートからジュエルシードを一つだし、フェイトの前に投げた。

 

「だからこそ、今回だけはジュエルシードをあげるよ。どうせ互いに集めあっているのだから、また対立することは目に見えてるし」

「…………」

 

 フェイトは何も言わなかった。なのはの顔が怒っているようにも見え、悲しそうにも見えたからだ。同い年だというのにあのような顔をこの年でするのかと考えると、フェイトは自分以上(・・・・)に悲惨な目にあったのかもしれないと思った。

 数分してそのことを問おうとしたが、すでになのはは移動してフェイトの前から姿を消していた。一体なのはに何があったのかという事が気になってしまい、また異能というものがどんなものなのかという事をフェイトは詳しく知りたいとも思ってしまった。

 また会えるだろうと思い、フェイトはとりあえずアリサとの戦いが終わっているだろうと思われるアルフのところへとアルフの魔力を頼りに歩き出すのだった――




次回、なのはとすずか回かもしれん。
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