帝都の悪夢 作:悪性情報
帝都……そこは人の形をした魑魅魍魎が我が物顔で跋扈する、汚職と腐敗の蔓延した都である。治安は乱れに乱れており、帝都の民たちの間では多種多様な噂話が流れていた。
曰く、帝都郊外で大量の人間の死体をみただとか
曰く、罪人たちの処刑人が夜な夜な帝都の民を斬首しているだとか
曰く、大臣の食欲に際限がなくなってきたとか
曰く、最近帝都東部にて有名になっている宗教の教主が危険種だとか
曰く、帝都を震え上がらせている殺し屋集団であるナイトレイドが、実は汚職にまみれた奴ばかりを狙っている正義の味方だとか――
最初の頃は、唯の噂であったのだが。何時の頃からかこの噂、事実で無い噂のなかでも悪い噂だけがほぼすべて現実になっているのである。帝都の人々はこれをタタリと呼んだ――――
帝都の街中を黄昏ながら歩く少年が一人。故郷の村を貧困から救うために帝都に出てきたのであるが、つい先ほど胸のデカイ女にだまされ有り金すべてを奪われたのである。
そんな彼に話しかける、身なりの良い少女。泊まる当てが無いならうちに来ないか、と。周りに護衛の兵士が言うには、お嬢様はお前のような奴を放っておけないそうだ。お嬢様という言葉から貴族の娘なのだろうとあたりをつける少年。
最初は警戒して断っていたが、人のよさそうな笑顔と、野宿ではなく屋根の下で寝れると考え世話になることに決める。
貴族の少女の名前は「アリア」。帝都では珍しく後ろ暗い話がほとんど聞こえてこないことで有名な貴族の一人娘……らしい。
そんな彼女の家にて道端で黄昏ていた事情を説明する少年。住んでいた村を貧困から救うために友人たちと3人で帝都へ向かったこと。帝都へくる途中、盗賊たちの夜襲で親友たちと離れ離れになったこと。帝都についてから騙されて有り金すべてを奪われたこと。
最後の話を聞いたアリアと護衛の兵たちは笑いを抑えきれずに爆笑。一通り笑った後アリアは少年……タツミに、彼の友人たちが帝都に到着しているか調べてあげると約束をした。タツミは友人を探してもらうお礼に、しばらくの間アリアの護衛を手伝うことにする。
その後、タツミは案内された部屋に入ると、少し大きめのベットへと身を倒す。タツミは彼の友人の二人、サヨとイエヤスが無事帝都へとたどり着いていることを祈りつつそのまま眠りについた。
翌日、タツミはアリアの買い物の付き添いをしていた。もちろん護衛の仕事として付いて行ったはずなのだが、なぜか彼は荷物もちをしていた。
アリアが買い物をしている間、戻ってくるのを待っている護衛の人間とタツミが雑談をしていると、周囲の人の話が聞こえてきた。なんでも最近、悪い噂ばかりが現実に起こり始めているという噂話である。
そんな馬鹿なとつぶやいたタツミに、彼と雑談をしていた護衛がそんなことは無いぞと語りかける。
「この間あった話なんだが、少し前に帝都郊外に人の死体が山積みになっているってうわさがながれたんだよ。んで、その次の週に俺が郊外に出る用事があって帝都のそとに出たんだが、実際に山積みの死体をみたんだよ」っと。
タツミは冗談だろ、たまたまだろっと言って否定しようとした。護衛の男はまぁ信じる信じないはお前の勝手だ。と話を切り上げた。
この話にタツミは、心の片隅に引っかかりを覚えて、記憶にとどめておくことにする。そう決めたと同時にアリアと、買い物についていったもう一人の護衛がもどってきた。前が見えないほどの大量の買い物品を山積みに持って。そんな彼を助けるべく、タツミは荷物の半分を持つべく近づいていく。そのときどこからか声が聞こえてきた。
地方から出てきた人を捕まえて薬漬けにし、苦しむ様を楽しんでいる貴族がいると。その話から、タツミはいやな物を想像してしまう。
彼の友人二人が薬漬けにされ殺されてしまう未来――
アリアに声をかけられ正気にもどるタツミ。ブンブンと首を振りなんでもないですよと声をかけ彼女の屋敷へ戻る。
――――この噂話がことの始まりになるとは露と知らずに――――
噂は流れる、夜の帝都に。溶ける様に、融ける様に。
「おやおや。この町の人間達は姿を見せない殺し屋を恐れているようだが……数年ぶりに舞台を開くのも悪くはない。さてさて、此度の演目はどんな悪夢と相成るかね?」
「――――さぁ、開幕といこう!」
というわけでプロローグでした。
今回は短いですが、以降は3000字を目安にしていきたいとおもいます。
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追記
しばらくこの作品で感覚を取り戻したいと思います。
ある程度感覚を取り戻したら、以前投稿していた作品の投稿を再開したいと思います。