インフィニット・ウィッチーズ 空駆ける自由の翼   作:天野蒼夜

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白騎士と自由の翼が戦場に舞う。

ちなみに碧の妄想CV.は堀江由衣さんです。

OP:
「STRAIGHT JET」唄:栗林みな実

ED:
「DREAMIN'」唄:東京パフォーマンスドール



第2話「白騎士と自由の翼」

「うおぉりゃああああああああああぁっ!」

 

白式を起動させ、一夏は右手に雪片弐型を持って蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物に向かって行く。

 

雪片弐型を振る度に空を切る音が聞こえるが、蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物はその攻撃を全て避けていた。

 

「こいつ……百獣の王なだけあって簡単にやらせてくれないな……。だったらこれならどうだぁ!」

 

一度距離を取り、一夏は雪片弐型を持っていない左手からか荷電粒子砲を連続で発射する。

 

その粒子砲は蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物を中心に爆撃と共に煙が発生し蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物の姿は見えなくなる。

 

しばらくして煙が晴れると若干ボロボロになっているが、まだ重症とまでは達していない蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物の姿が見えた。

 

「耐えたってのか……結構硬いな……」

 

「そのモンスターは強靭な肉体を持っている。ハンパな攻撃じゃビクともしないぜ」

 

一夏の戦いを傍観している蒼いローブの男が言う。

 

「あんた、本当に一体何者なんだ……?モンスターを召喚するなんて人間のできることじゃないぞ」

 

「その内明かしてやるよ。今は戦いに集中したらどうだ?そうしないと若い命

を散らすことになるぜ?」

 

「何!?うわっ!?」

 

正面から放たれた衝撃波を反射的に避ける。

 

待ちぼうけしている蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物が口から放ったのだ。

 

「生憎俺の召喚するモンスターは気が短いんだ。さっさと相手してやらないと真っ先に殺されるぞ」

 

「くっ……!」

 

蒼いローブの男がそう言い終わると、蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物は口から衝撃波を連続で吐き出す。

 

一夏はその軌道を見切り、避けたり避けれない場合は雪片弐型で斬り裂いて対処する。

 

全て避けきり、雪片弐型を振って衝撃波を発射するが、蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物はジャンプして避けて一夏に近付き、握り締めた右拳でパンチする。

 

どうにかその攻撃は雪片弐型の刀身でガードすることができたが、衝撃で後ろに吹き飛ばされてしまう。

 

吹き飛ばされた身体を背中のブースターで停止させる。

 

「くそっ……!こうなりゃアレをやるっきゃないかな……体力使うからあまり使いたくないんだけど……」

 

覚悟を決めたように一夏が雪片弐型を構え直す。

 

「けど、あっちは出し惜しみして勝てるほど甘くないみたいだし。やるっきゃないよな……はぁああああああぁっ……!」

 

一夏が雪片弐型を構えたまま両目を閉じ、金色の粒子を集めて全身に纏う。

 

一夏がそうなると雪片弐型の刀身が伸びる。

 

白式のワン・オフ・アビリティーである零落白夜だ。

 

「よし行くぜ!はぁああああああああああああああああああああああっ!!」

 

全身に金色の粒子を纏ったまま、蒼い毛並みをした怪物に突撃していく。

 

蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物は迫ってくる一夏に口から衝撃波を発射して迎撃してくるが、一夏はそれを雪片弐型で斬り裂いて蒼い毛並みをした怪物に向かっていく。

 

「おりゃぁああああああああああああああああああああぁ!!!」

 

そして蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物の猛攻を掻い潜り、目の前まで来ると一夏は雪片弐型を振るい、蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物を真っ二つに斬り裂いた。

 

蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物は斬り裂かれると、そこから激しい爆撃と共に黒煙が発生する。

 

黒煙が晴れるとそこに蒼い毛並みの獅子の姿をした怪物の姿はなく、消滅したことを示していた。

 

「さすがのモンスターも俺の零落百夜には敵わなかったみたいだな」

 

「さすが福音を倒しただけはある。俺の使役するモンスターを倒すとは恐れ入った」

 

「これはISの力だ。俺自身の力でやってるわけじゃない」

 

「だが、あまり慢心するんじゃないぞ。さっきの奴は俺が使役するモンスターの中でも最弱クラスだ。まだお前はその程度の奴にそれを使いでもしないと勝てないレベルってことだ。だが、テストは合格だ」

 

「お前のテストなんてどうでもいい。俺は碧を助けに行く」

 

「待て、加勢することは許さない。加勢して勝てばお前達を消滅させる」

 

白い毛並みの虎の姿をしている怪物と戦っている碧を助けに行こうとする一夏を蒼いローブの男はそう言って脅す。

 

表情こそは分からなかったが、あまりに冷静な口調で言っているので、本気だと分かった一夏は留まる。

 

「お前……一体何を企んでる?何故俺達にこんなことをさせる!?」

 

「言ったはずだ。俺はあの世界の危機を救ってくれる英雄を探していると。これはその資質があるかどうかのテストなのだと」

 

「何でお前に英雄の資質なんてものが分かるんだ?」

 

「分かるさ、俺の直感でな。英雄の資質がある者には特有のオーラを放っている。お前達には微量ではあるがそれを感じる」

 

言い終わると、蒼いローブの男は白い毛並みの虎の姿をしている怪物と戦っている碧のほうを見る。

 

「特にあの男……他人とは思えないほどの強大な資質を持っている。その資質は全ての世を照らし出せるほどだろう」

 

「何を言っているのかサッパリ分からん。つまりどういうことだ!?」

 

「人間ながらに並外れた英雄の資質を持っているかもしれないってことだ」

 

「(こいつ……さっきから何わけ分からないことを言ってるんだ……?やっぱこいつ分かんねぇ……)」

 

ますます蒼いローブの男が分からなくなりながらも一夏は視線を蒼いローブの男から白い毛並みの虎の姿をしている怪物と戦っている碧に向ける。

 

状況は互角といったところだが、徐々に碧のほうが押し始めていた。

 

「ビーム砲をも跳ね返す強靭な肉体、並外れた身体能力、そして口から発射される衝撃波……なるほど、たしかにこれはモンスターだな。けど……」

 

白い毛並みの虎の姿をしている怪物の右腕から繰り出されるパンチを右手に握られているカリバーンで防いで弾いた後、右足で白い毛並みの虎の姿をしている怪物に旋風脚を炸裂させて吹き飛ばす。

 

「今まではお前の性能を見極めるために防御に徹していたけど、もう十分に動きは分かった」

 

冷静に言う碧にキレたのか、白い毛並みの虎の姿をしている怪物は口から連続で衝撃波を発射する。

 

碧に向けて集中的に発射されたそれ等は爆撃と共に煙を発生させて碧の姿を覆い隠す。

 

「碧!!」

 

「騒がないで一夏、僕なら大丈夫だから」

 

煙の中から碧の声が聞こえたかと思うと、煙が晴れて碧の姿が確認できた。

 

しかしさっきと違い、右手に握っていたカリバーンを引っ込め、代わりに白く輝く防壁を展開していた。

 

「あれは……フリーダムの防御システムの!そうか、さっきの衝撃波をそれで防いだのか!」

 

「そう、このフリーダムに搭載されている防御システム【イージス】は遠距離からの砲撃や近距離攻撃を防ぐことができる。つまり、君の放つ衝撃波は僕には効かない!」

 

言い終わると、碧は左手に握っているカリバーンを両手に持ち、背中の機動ウィングを展開させて空を切りながら白い毛並みの虎の姿をしている怪物に向かって駆け抜けていく。

 

「これで……終わり!」

 

白い毛並みの虎の姿をしている怪物の横を通り過ぎ際にカリバーンで白い毛並みの虎の姿をしている怪物の腹部を斬り、上半身と下半身を分裂させる。

 

下半身は力なく倒れ、下半身から分裂された上半身は宙を舞った後、地面に落ちて下半身と共に爆発して消滅した。

 

白い毛並みの虎の姿をしている怪物が消滅したのを確認すると、碧はカリバーンを収納した後、フリーダムを待機状態に戻す。

 

「貴方の出したモンスターは倒してました。これでいいんですか?」

 

「ああ、見事だ。織斑一夏に続いてお前も合格だ。それも満点だ」

 

「それで、その危機にさらされているっていう世界は何ですか?」

 

「おい!まさかこいつの言うことを信用するんじゃ!?」

 

「話を聞くだけだよ」

 

一夏は蒼いフードの男に関してはまだ半信半疑だったが、碧がそう言うと【話を聞くだけなら……】と言って了承した。

 

一夏が了承すると蒼いフードの男は喋りはじめる。

 

「お前達、ストライクウィッチーズってのは知ってるか?」

 

聞いたことない単語に碧と一夏は頭上に疑問符を浮かべて首を傾げる。

 

二人のその反応で蒼いローブの男は知らないことを察した。

 

「簡単に言えば空を駆けて悪い奴等と戦う魔女集団のことだ。その集団が存在している世界が今危機に陥ろうとしている。いや……もう陥っているのかもな」

 

「おいおい、まさか俺達にそれを救えってのか?RPGのラスボスみたいな魔王と戦えってのか!?」

 

「ああ、そういうことだ。そうすればお前達はその世界では英雄になれる。歴史に名を残せるほどのな」

 

蒼いローブの男が言い終わると、碧と一夏の足元が黒い異次元空間が広がり、徐々に二人を吸い込んでいく。

 

「っ!?」

 

「身体が……動かねぇ……!おい!俺達に一体何しやがった!?」

 

「百聞は一見に如かずって言葉を知っているか?俺がここでどうこう言うよりも実際にその世界に行ってもらったほうが早く理解できるってことだ」

 

「あ!そういえば俺の財布!まだ返してもらってないんだけど!」

 

「お前が英雄になることができれば返してやるよ。それまでこれは俺が預かる。おっと、中身の金には手を出さないから心配するな」

 

「そういうことを言ってるんじゃねぇ!しかも俺達まだ行くなんて言ってないし!」

 

「お前達が英雄になることは運命が決めたことだ。いいか?これはもう決定事項なんだよ。お前達に拒否権はない」

 

「く……どんどん吸い込まれる……!」

 

「こんなことして……!お前、一体誰なんだよ!?」

 

「ああ、そうだな。じゃあ次名前で呼んでもらえるよう名乗っておくか」

 

一夏に名を聞かれると、蒼いフードの男は蒼いローブを翻して名乗った。

 

「俺の名はブルーナイト、魔術師さ。次会う時はそう呼んでくれよ?織斑一夏」

 

「ブルーナイト……その名前、絶対ぇ忘れねぇからなあぁぁあああ!!」

 

陽気に名乗る蒼いフードの男―――ブルーナイトに対する一夏の叫びを最後に二人は異次元空間の中に吸い込まれて行った。

 

やがて完全に吸い込まれると異次元空間は溶けるように消え、背景もさっきまでの公園広場に戻る。

 

「さて……これで第一段階は終了した。あとは二人が奴等と接触すれば……」

 

独り言のように言うと、ブルーナイトは転移して消えて行った。

 

この時、物語の幕が開かれたのである。

 

 

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