インフィニット・ウィッチーズ 空駆ける自由の翼   作:天野蒼夜

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現れたネウロイ。碧と一夏はISを身に纏って魔女と共に大空を舞う。

OP:
「STRAIGHT JET」唄:栗林みな実

ED:
「DREAMIN'」唄:東京パフォーマンスドール




第7話「ISと魔女」

あれから坂本さんについて行った後、俺達は基地の外でぐだりきっていた。

 

原因は坂本さんが俺達に用意した特訓のメニューを全てやったからだ。

 

「何だ何だ、宮藤とリーネはともかく、男のお前までバテてどうするか」

 

「そ……そうは言ってもですね坂本さん。さすがにこの基地の外周十周は男の俺でもさすがにキツいですよ……」

 

俺はいつもIS学園である程度鍛えてるから立っていられるが、宮藤とリーネはへたりこんで息を荒くしている。

 

ペリーヌは立ててはいるが、今にも倒れてしまいそうになっている。

 

大方大好きな坂本さんの前で自分は大丈夫だというところを見せたいのだろう。

 

「ま、まったく……貴女達は鍛え方が足りませんわね。この程度のことで根を上げるだなんて……」

 

「へっ……無理しなくていいんだぞペリーヌ。顔、すげぇ汗かいてるぜ?」

 

「お黙りなさい!さっきまで走っていたのですから汗をかいているのは当たり前ですわ!」

 

「はっはっは!ペリーヌは元気がいいな~。じゃあもう十周追加しておくか?」

 

「え゛……!?」

 

おおらかに笑う坂本さんの鬼畜発言にさすがのペリーヌも顔が引きつる。

 

坂本さん……あんた鬼教官だよ……千冬姉にヒケを取らないほどのな……。

 

「い……いえ……私はもう……」

 

「遠慮するな、顔はまだ走りたがってそうじゃないか。もう少し走って青春の汗を―――」

 

【ブーン!ブーン!】

 

坂本さんの言葉を遮るようにどこからともなく警報が聞こえてくる。

 

何だ!?火事か!?

 

「皆!訓練は中止だ!ネウロイが出現した!」

 

「ネウロイ!?」

 

これはネウロイが出てきたのを知らせる警報だったのか。

 

俺がそう理解するとさっきまでバテていた宮藤達も凛とした表情に戻る。

 

「まずはミーティングルームでミーティングをするのが先だ。行くぞ!」

 

『了解!』

 

俺達のその返事を合図に俺達は特訓をやめてミーティングルームへ走って行った。

 

 

―――――

 

 

警報が鳴ったのを聞いて、僕は基地の散策を中断して皆のいるミーティングルームにやって来た。

 

シャーリーさんが言うにはネウロイが出現した時は基本ここで戦闘前のミーティングをするみたいなのだ。

 

「皆、集まったわね。調査隊の話だと現在中型の戦闘機タイプのネウロイがガリアからロマーニャ方面に向かって侵攻しているわ。数は二体いるとのことよ」

 

「それって多いんですか?」

 

「今までの私達の戦力からしたら多いほうね。でも、今は東条君と織斑君がいるから安心してるわ」

 

床に立ってミーナさんの話を聞いている僕と一夏にミーナさんが笑顔を向ける。

 

だが、それもすぐに消えて凛とした表情に戻った。

 

「だが、油断はできない。ネウロイは未知の生き物だからな。今回の戦闘班は東条と織斑を含め、私、宮藤、リーネ、バルクホルン、シャーリー、ルッキーニで出撃する。残りの者達は基地で待機だ」

 

「そんな数で大丈夫なの?」

 

「東条と織斑の戦闘スペックを見ての配分だ。あれだけの戦闘をした二人がいればこれだけでも十分だろう」

 

あ、そういえば坂本さんは僕達が戦ってるところを魔眼で見てたんだっけ。

 

まさか僕達はそこまで坂本さんに評価されていたなんて思わなかったけど。

 

「分かりました。どれだけの期待に応えられるか分かりませんが、できるだけ期待に応えられるように頑張ります」

 

「俺もです」

 

「一緒に頑張ろうね、二人共!」

 

僕達の近くに座っていた宮藤さんがわざわざ立って僕達に笑顔で言ってくる。

 

いい子だな。

 

「ああ、特攻しかできない俺だけど精一杯やってやる!」

 

「よし、二人共その調子だ。期待しているぞ!」

 

『はい!』

 

坂本さんに大きく返事をして、僕達は格納庫に向かっていく。

 

皆はそこでそれぞれの専用のストライカーユニットを履き、使い魔の獣耳を頭とお尻に生やす。

 

僕達がそれを興味深く見ていると坂本さんから声をかけられ、小さな豆粒のような機械を渡された。

 

「何じゃこりゃ?」

 

「知らないの?インカムだよ。これで遠くの人と通信できるんだ。僕達の場合はISに通信機能がついてるから使う機会ないけど」

 

「戦闘中のやり取りも必要だからな。急遽お前達の分も用意したんだ。戦闘中は常にそれを耳に着けていてくれ」

 

「分かりました」

 

坂本さんに返事をして、インカムを両耳に装着する。

 

イヤホンを耳に当てているような感覚だ。

 

「皆!ストライカーを履いたな!では出撃するぞ!」

 

『了解!』

 

それを合図に僕達は格納庫から滑走路を突き抜けて出撃した。

 

 

―――――

 

 

基地から出撃すること数分。

 

僕達は上空に二体の中型の戦闘機タイプのネウロイを発見した。

 

ネウロイ達もそれに気付き、問答無用で全方位にレーザーを発射してきて、

僕達はそれを避ける。

 

「たしか昨日戦ったのも似たような攻撃してたな。ネウロイってああいうのばかりなのか?」

 

「ネウロイには様々な中達のものが存在するが基本はそうだ。しかし、だからといって油断するなよ、織斑」

 

「了解、ぱぱっと片付けてみせますよ!」

 

「一夏、君はあっちのネウロイを頼む。ただし、あんまり深追いはしないように」

 

「ああ、じゃあそっちのネウロイは任せるぜ。さあネウロイ!俺が相手だ!」

 

そう言って一夏が二体いる内の一体のほうに雪片弐型を召喚しながら突っ込んで行った。

 

まったく……言ってるそばからあれだよ……ま、一夏の専用機の性質上あれが

一番正しいんだけどさ

 

「おいおい!あいつネウロイにたった一人で挑んで行ったぞ!?大丈夫なのか!?」

 

「ああ、大丈夫ですよ。あれが一夏の戦闘スタイルですから。一夏は他の誰よりも近接格闘に優れてるんです」

 

「ああ、私も魔眼で見た時も似たような戦いをしていた。私そっくりだな」

 

一夏にそっくりってことは坂本さんも近接格闘に優れてたりするのかな?

 

ああ、でもそういえば坂本さんいつも日本刀持ち歩いてるからあれを武器に突っ込むのかな?

 

ありえそうだ。

 

「ではあのネウロイは織斑に任せて我々は残りのネウロイw―――」

 

坂本さんが言い終わる前にネウロイがビームを坂本さんめがけて発射してきた。

 

僕はそれに咄嗟に気付けたので坂本さんの前に入り、イージスを展開して坂本さんを守ることができた。

 

「ふぅ……間一髪。怪我はありませんか?坂本さん」

 

「ああ、お前が守ってくれたから大事ない。ありがとう」

 

「すっご~い!その機械あたし達みたいにシールド張れるんだ~!」

 

「うん、これはイージスといってフリーダムに搭載されてる防御システムで―――って、説明してる場合じゃない。今はネウロイを倒すのに集中しないと」

 

「そうだな、私はコアを探す。お前達はそれまで時間を稼いでくれ」

 

「分かりました!」

 

「了解です!」

 

「よし、行こう!」

 

坂本さんが少しネウロイから離れ、眼帯で隠れている右目を開いて怪しく光っている魔眼でネウロイのコアを探し始める。

 

だが、ネウロイもそれは分かっているはずだから坂本さんを第一に狙ってくるはずだ。

 

「坂本さんを守りましょう。ネウロイは坂本さんの能力を把握してるはずですから」

 

「ネウロイはそんなまわりくどいことはしないはずだが……」

 

「念には念をです。ネウロイが坂本さんを攻撃してこない保障はありませんから」

 

「バルクホルンさん、東条君の言うことにも一理あると思います。ネウロイは坂本少佐の能力を把握してるしてない関係なく私達を攻撃するはずですから」

 

「ふむ……たしかにそうだな。よし、では坂本少佐を守りながら戦うぞ。東条は遊撃を頼む」

 

「それは状況に応じて臨機応変に対応しろということでいいですか?」

 

「ああ、そういうことだ。私もお前の戦いぶりには期待してるからな」

 

「過剰な期待には応えたくなる主義なんです。了解しました。では坂本さんだけでなく、皆さんのこともお守りします」

 

「大きく出たな」

 

「男ですから」

 

「頼もしい限りだ。では……行くぞ!」

 

バルクホルンさんが二丁の機関銃を手で一本ずつ持ってネウロイに向かっていく。

 

ネウロイもそれを迎え撃つように全方位にレーザーを縦横無尽に発射する。

 

しかしその攻撃全てをバルクホルン含めた皆が避けていき、そうしながらそれぞれの武装で銃弾を当てていく。

 

だがネウロイはまだピンピンしている……コアに当てられていないからだ。

 

「(コアはたしか赤い宝石みたいなやつだったな……よし、ここは)ライオット!」

 

背中に装着されている機動ウィングに四基装着されているライオットを機動ウィングから離脱させてネウロイめがけて飛ばす。

 

飛ばされると四基のライオットを全方位にそれぞれ移動させてレーザーを放つ。

 

だがそれでもネウロイはピンピンしている。

 

これでもコアには届かずか……やっぱり闇雲に撃っても当たらないね。

 

「お~!何今の!?背中から何かがビューンって飛んでって色んなとこから攻撃したよ!?」

 

「あんな機能まであるのか……すげぇなISって……」

 

「異世界の開発技術、侮り難し……だな」

 

僕がライオットで攻撃するのを見てバルクホルンさん達が驚いている。

 

だが今はそんなことを気にしている場合じゃない。

 

今は戦いに集中しないといけない時なのだから。

 

「……見えた!コアは丁度中心に位置している!宮藤!リーネ!そこに集中砲火だ!」

 

「了解!」

 

「あったれぇえええええええええええええええええぇええぇええ!!!」

 

坂本さんの指示で宮藤さんとリーネさんがネウロイの中心部分に銃弾の雨を降らす。

 

しばらくそれが続くと撃たれたところから赤い宝石のようなものが僕達の前に姿を現し、二人はそのままそれに銃弾を撃ち放って破壊した。

 

赤い宝石もといコアが破壊されるとネウロイは黒い戦闘機から白い粒状のものに変化して消滅した。

 

これでまずは一体……いや……。

 

「はぁあああああああああああああああああああああああああああぁ!!!」

 

一夏のほうに視線を向けると、丁度一夏が雪片弐型でネウロイを一刀両断してるところだった。

 

一刀両断されたことにより、そのネウロイも白い粒状になって消滅した。

 

「何て破壊力だ……中型のネウロイを一撃で両断するとは……」

 

「うむ、あれは私の烈風斬に匹敵、もしくはそれ以上かもしれん……」

 

「何にしてもこれでネウロイは消滅されました。やはり二人で戦うより皆で戦ったほうが早く済みますね」

 

「二人共すごいよ!ISもだけどそれを自分の手足のように扱うんだもん!」

 

「うん!これぞ完全勝利ってやつだね!」

 

皆が僕達の活躍を見て喜んでいる。

 

僕達がこうやって戦い、ネウロイを倒すことによって皆が笑顔になるなら僕達はこの世界に飛ばされてよかったのかもしれない。

 

……でも。

 

「(箒達……きっと心配してるだろうな……)」

 

一日帰っていないのだ。

 

そろそろ皆が僕達を捜し始めてもおかしくない。

 

いや、あの皆のことだから大げさに警察沙汰になっているかもしれない。

 

早く帰りたいところだが、帰るにはこの世界を救わないといけない。

 

だから箒達には申し訳ないが僕達はまだ帰ることを許されないのだ。

 

「(それまでは皆のところにいよう。この世界が救われる……その日まで)」

 

僕は心の中でそう決め、皆の笑顔に笑って返した。

 

ごめんね………箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、千冬さん。

 

僕達はまだ…………帰れません。

 

 

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