とある部隊長の独白   作:⚫︎物干竿⚫︎

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主人公

階級:中尉
神機:第一世代型
刀身:バスター(クレイモア系)
装甲:シールド(汎用シールド系)

古参の神機使いの一人。

一応の容姿。
白髪の目立つ黒の短髪で、髭剃りなどが面倒なので無精髭が目立つ。
春夏秋冬問わず灰色のオーバーコートを着込み、その下にはー1日十喰と言う趣味の悪いロゴの入ったシャツ。都市迷彩柄のズボンを履いている。


とある部隊長の独白

この世界はどうしようもないくらい人間に厳しく、そして何よりも美しい。

そう思ったのは何年前の事だろうか。

 

 

『中尉の周囲にアラガミの反応を多数確認。すぐに移動してください。包囲されます」

 

耳につけたインカムからオペレーターの声が聞こえる。

オペレーターの言葉の中のアラガミとは、人類だけに限らず、この地球上に存在するあらゆる存在にとっての天敵と言える存在だ。

 

アラガミは今から10年ほど前に初めて発見確認されたオラクル細胞と言う細胞生物の集合体である群体生物で、その体を構成するオラクル細胞は“生物であろうがそうでなかろうがとにかく捕食し、取り込み変化する”と言う特徴がある。

 

それでどう言う事が起きたかと言うと、オラクル細胞を持たない通常の兵器群はアラガミの前にはほぼ無効化され人類は身を守る術を失った。なにせ、銃弾なら奴らに着弾した時点で取り込まれるし、刀剣の類で斬ろうとすれば、それも奴らに触れた瞬間取り込まれる。まぁ、流石にミサイルなどの大型質量兵器は一程度の効果は示す。周囲への被害を考えなければ、殲滅も出来るには出来た。

 

だが、周囲への被害を無視すればどうなるかと言えば、都市の壊滅や死傷者だ。それを減らすために抵抗しているのに出していては本末転倒だ。だからこそ、あの頃は正しくこの世は地獄だった。まぁ、今では決して少なくはない犠牲の上にオラクル細胞やアラガミの研究も進み、奴らにほぼ一方的に蹂躙されるような事は無くなった。

 

オラクル細胞を持たない兵器で駄目ならば、オラクル細胞を持った兵器を作ればいい。そうして開発されたのが神機と呼ばれる兵器だ。

俺も持っているが、人が振るうにはあまりにも大きな代物だ。なにせ俺が持っているものなどは、全長が2メートルを越し、幅もすっぽりと俺を隠してしまうほどに巨大だ。とてもじゃないが、普通に考えて人が振るえるようなものじゃない。

 

だが、俺達神機使い。またの名を神を屠る者ゴッドイーターならば扱える。

ネタをバラすとオラクル細胞による身体能力強化だ。俺達神機使いの体内には偏食因子と言う人の手が加えられたオラクル細胞が埋め込まれていて、これによって、神機の使用や身体能力強化などを可能としている。

 

 

 

「さぁて、かかって来いバケモノども」

 

言った瞬間、すぐそこの廃墟と化したビルの窓ガラスを突き破って白い巨体が飛び出してきた。

全体的に見ると、鳥のようにも見えるが全然違う。翼は無いし、何より仮面のような甲殻で覆われた頭部と何かの顔のようにも見える尾が大きすぎる。このアラガミの名はオウガテイル。名前の由来は尾が、このかつては日本と呼ばれた極東地域に古くから伝わる鬼と言うバケモノの顔に良く似ている事からそう名付けられたらしい。まぁ、どうでもいいことだが、

 

飛びかかってくるオウガテイルに対して、俺は横にずれて攻撃を回避して、肉厚で巨大な神機の刃をオウガテイルの横っ腹に叩き込む。頭部と違って、羽毛のような毛に覆われただけの胴は柔らかい。そのまま攻撃を続ける。

 

切っ先は下に柄を上に向けて、半ば背負うようにして構え、真下から一気にオウガテイルの顎に向かって振り上げる。オウガテイルの顎が大きく跳ね上がり、頭部の甲殻にヒビが入る。続けて、神機の柄を両手で握り担ぐように構え、力を溜める。それに合わせて神機の機関部から刀身を覆うように赤黒い光が溢れ、それが3メートルにも達するような光の刀身を形作る。溜めた力を一気に解放し、神機を振り下ろす。

 

オウガテイルの顔の甲殻が完全に割れて、そこから肉とは違う発光する何かが見える。オラクル細胞の集合体だ。この中にアラガミの全身のオラクル細胞を統括するコアが存在し、それを破壊することで、アラガミはその活動を停止する。

 

神機の切っ先を真っ直ぐオウガテイルに向けて、神機に宿るオラクル細胞を解放する。

機関部の上下部が変形し、まるで何かの生き物の頭部のような形を作る。捕喰形態。ある意味で、神機の本来の姿がこの形態だ。神機には、アラガミのコアが組み込まれている。つまりはこれも広い意味では一個のアラガミと言う訳だ。

 

アラガミを使ってアラガミを狩る。なんとも形容がし難いことだが実際、これ以外アラガミひいてはオラクル細胞に対抗する術が無い現状は文句も言えない。

 

捕喰形態となった神機がオウガテイルの甲殻が割れた部分に食い付き、神機がオウガテイルを放した瞬間、糸の切れた人形のようにオウガテイルが倒れ伏し、雪だるまが溶けるようにその姿が崩れていく。コアを失い、オウガテイルとしての姿を保てなくなったのだ。

 

それにしてもおかしい。これだけ戦闘の音をさせているのに、他のアラガミが集まって来ない。どういう事だろうかと考えていると、

 

 

「ひ、ひぃぃいいいい!? た、助けてくれぇぇえええ!」

 

人の声だ。

 

 

「密漁者か……」

 

破棄されたこの都市廃墟はある種の宝の山だ。なにせ、現在は人類が活動出来る範囲が限られている以上、資源も限られてくる。そして、この都市廃墟には廃棄された車などの、再利用可能な資源がそこらじゅうにある。今の悲鳴の男もそうだが、食い詰めた連中がこうして出張って来てアラガミに食い殺されると言う事例は後を絶たない。

 

 

「要救助者を確認。直ちに保護する」

 

『了解です。すぐに撤退ルートを送ります』

 

「了解……さて、とそれじゃあ人命救助と行くか」

 

 

瓦礫を軽く蹴って飛び越していく。これもまた神機使いとしての異常なまでの身体能力の賜物だろう。

さっきの声を辿って行くと、そこには壁際に追い込まれたいかにも食い詰め者と言った風体の男と、それを追い詰めるように扇状に包囲している6匹のオウガテイルと巨大な猿のようなアラガミが1体いた。この猿のようなアラガミの名はコンゴウ。それなりに危険な部類のアラガミで、新米神機使いにとっての脅威とも言うべきアラガミだ。まぁ、1番恐ろしいのは群れた雑魚アラガミだがな。

 

腰に付けたポーチの中から手投弾を取り出す。これはスタングレネード。アラガミ出現以前から今に至るまで現役の数少ない兵器のひとつだ。相手の視覚を奪うこの手投弾には殺傷能力は無いが、アラガミの足を止めるという事に関しては優れている。

 

 

「目をつぶれ!」

 

 

包囲網の中に飛び込み、男にそう指示をして、手投弾を地面に叩きつけるようにして投げる。世界が一瞬白く染まる。そして、アラガミの動きが止まる。視界を奪われて混乱している。その間に俺は男を肩に担いでさっさと逃げる。

 

相手にできなくも無いが、非戦闘民と言う重りを付けながら相手出来るほど驕り高ぶっちゃいない。て言うか、驕り高ぶった瞬間この世界では死ねる。

 

 

 

幸いなことにアラガミ達は追いかけて来なかった。スタングレネードへの抵抗力が薄いまだ若いアラガミだったのかは知らないが、まぁ助かった。おかげですんなりと脱出地点でヘリに乗っておさらば出来たんだから、

 

 

「とりあえず、これに懲りたら外に出るのは諦めることだな」

 

隣で下を向いて何も言わない密漁者の男にそう言う。

向かい側には俺と男を回収した後、別のポイントで乗って来た同じ隊の神機使い達が座っていて、雑談に興じている。

 

「仕方ないじゃないか……配給だけじゃ辛いんだよ……神機使いには分からんだろうけどな」

 

「減らず口が聞けるなら大丈夫だな。それと生活辛いのはこっちだって一緒だ。確かにあんたらに比べたら俺達は優遇されてるだろう。だが、それは命の対価だ」

 

「……ちくしょう……俺も神機使いになれさえすれば……」

 

「神機使いになれればなんだ? 良い生活が出来るって? そんな訳がないだろう。俺からすればあんたらの方が羨ましいよ。辛く苦しい生活なのは知ってる。でも、命の心配をしなくて良いことがどれだけ素晴らしいことか。俺達はいつ死ぬか分からない。今日死ぬかもしれないし、明日死ぬかもしれない。そんな死と隣り合わせなのが俺達神機使いってもんだ」

 

 

俺の同僚はもう殆ど残っちゃ居ない。両手がいっぱいになるほど居た同僚達は皆、作戦行動中に死んでいて、もはや片手で数えられるくらいしか残っちゃ居ない。

 

 

ヘリの窓に目を向ける。その向こう側には夕暮れの日が照らす世界が広がっていた。

荒れ果てた文明の残骸が広がる世界が夕日に染め上げられて、俺の心をつかんで離さない。

 

この地獄のような好きになれるような要素はひとつとしてありやしないこの世界だが、この美しい光景だけは好きだ。

 

 

 




ゴッドイーター2RBをやってて、なんとなく思い付いたそれだけのネタ。
主人公の名前は特に考えてない(何

ブラッドとの作戦行動は殆ど無いが、ブラッドの面々との交流はそれなりにある。


まぁ、どっちにしろ続かないボツネタだけどねー。
とりあえずゴッドイーター面白いです。ストーリー? うん、あれはあれで良いんじゃ無いかな?
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