どうも、神機封印食らって書類仕事やる以外はぷー太郎なおっさんです。部下達は今日も元気にお仕事です。そういや、俺がぷー太郎やってる間に、アキラとマギーがヴァジュラぬっころしてとうとう一人前の仲間入りを果たしました。
祝ってやらねばと、パーティーの画策中……有り余ってる金を使って、ちょっと豪勢に行くか……
「あー暇だー」
「だったら、うちのトレーニングに付き合ってくださいよー」
ラウンジにて、サクラ作の例の黒いアレを食いながら、愚痴ってるとそんなことを言われた。まぁ、それも悪くはないだろう。シエル考案のトレーニングメニューをこなしてるブラッドなら、俺のやってるトレーニングにもある程度はついてこれるだろうし、
だが、こう言っちゃなんだが、サクラ以外のブラッドとは面識が正直無いとも言える。副隊長のシエルとは仕事上、多少の付き合いがあるが仕事以外のプライベートでは、件のガチ式くらいでしか付き合いが無い。
「サクラ。言っちゃあ悪いが、俺はお前以外のブラッドとは面識無いが大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫。中尉さんは知らなかもだけど、皆は知ってるから」
そういう訳で、
もはやどこに何があって、どれだけの広さがあるのかも手に取るように分かるくらい慣れ親しんだ極東支部地下鍛錬グラウンドにて、
「という訳で、今日はよろしく頼むわ。一応、自己紹介しとくが、俺は菅森リョウゴだ」
サクラを含むブラッドの面々を見ながら名乗る。にしても、本当に若いのしか居ないな……サクラもそうだが、全員が全員うちのアキラとかとそう変わらないくらいだろう。まぁ、1人はそこそこっぽいが……
「副隊長のシエル・アランソンです。中尉のことは隊長からお聞きしています」
サクラの隣に立っている銀髪を何やら独創的なツインテール風な感じに結いあげた少女が名乗る。サクラから俺をどういう風に聞いてるのか超絶気になるが、それはまぁ置いていて、
「こんな暇人のおっさんに付き合わせて悪いな」
「お構いなく。こちらこそ、胸をお借りするつもりで行きたいと思います」
「そんな期待すんなって、俺ぁただ任期が長いだけなんだから気楽にいこうぜ。気楽に……そんじゃ、まずは軽くランニングくらいでも行っとくか」
ちなみに俺の軽くランニングは、一周約1㎞のこのグラウンドを×50程度だ。バリバリの精鋭部隊ならこれくらいは軽くこなせるだろう。と思ったんだが、
「……はぁ……はぁ……キッツイ……」
と、幼さの抜けきっていない中性的な感じのする金髪の少年、バスター使いのロミオ・レオーニがグラウンドに座り込んでそう言う。
そして、ロミオ程では無くとも他のブラッドの面々も少なからず、息を切らしたりしている。
「あ、あれだけ走ったのに汗ひとつかかないなんて、隊長から聞いてた通りスゴイ人だぁ……」
そう言うのは、短い黒の髪を猫か犬の耳のようにピンと立てた少女、ハンマー使いの香月ナナだ。こっちもはぁはぁと息を切らしている。
「てか、ハンマー使いならこれくらい出来なきゃ、ロクに立ち回れねぇぞ? ハンマーなんてバスターすら余裕で超える超重量のシロモノを振り回したいなら、鼻歌歌いながら走りきる余裕を持たねぇと」
「き、厳しい……」
それどころか、これの倍の数もこなせなきゃ満足にアラガミとやりあえんぞ? まぁ、銃があるからある程度はなんとかなるんだろうがな。それに、ブラッドは基本的に強力なアラガミの相手が多いから単身任務には出ない。これも大きいだろう。
「中尉。少し良いだろうか?」
「ん?」
金髪のどこぞの英雄譚から出て来た英雄のような端正な顔立ちの青年、ブラッド元隊長で、以前のフライアで発生したクーデターの片棒を担いだ言っちゃあ悪いが、前科持ちのジュリウス・ヴィスコンティが話しかけてきた。こいつはまだまだ余裕があるようだ。
「銃を用いないアラガミとの戦闘について、話を伺いたい」
「俺なんぞに聞かなくても、お前らならなんとかなるだろ」
「確かに、万が一にも神機の銃身が使用不能になった際に対応出来るよう、近接形態だけでも戦闘が出来るよう訓練は積んでいますが、あくまでも訓練でしかありません」
「なるほどな……けどまぁ、ブレンダンとかタツミとかに聞くのと殆ど変わらんぞ?」
あいつらももう古参と呼んで問題無いレベルのベテランだ。俺とかリンドウあたりと一括りに考えても問題ない。でだ、そんくらいのレベルにまで達したら、全員が全員ほぼ同じようなことを答えるだろう。
「まぁ、基本中の基本だが、アラガミの攻撃に当たるな。全部の動きを見切れ、これは基本中の基本であり同時に対アラガミ戦の極意でもある……まぁ、これくらいのことは理解してると思うけどな」
むしろ、ゴッドイーターとしてこれを理解出来ない奴は早死にする。だから、俺はアキラやマギー、マサヤとユイにはどんな雑魚アラガミ相手でも余裕は持っても、絶対に油断するな下に見るな。と、常々言っている。
何せ、アラガミと言うのは、どんな雑魚であろうとも一般人はもちろんのこと、俺達ゴッドイーターすらをも一撃でぬっころせるんだ。こっちは長年の経験と技量でようやく出来ることを、生成されたての生まれたてホヤホヤの奴ですら普通に出来る。チートも大概にしろって話だ。
「つまり答えは、自分で考えろ……と、そう言うわけですね」
「まぁそう言うことだ。ここらへんは誰かに教わるんじゃなくて、実戦を重ねてひとつひとつ覚えて実にしていくしかない。今でこそ、俺ぁ部隊長なんてのをやってるが、昔はアレだぞ? 味方の足引っ張りまくるどうしようもねぇ雑魚ゴッドイーターだったんだぞ?」
大した技量も無いのに、アラガミに突撃しまくってオチまくって、救援に来た仲間も倒れて……やめとこう。トラウマが蘇る。
「さて、と……休憩もこんくらいにしとかないと、折角温めた体が冷めちまうし、そろそろ本格的におっ始めますか」
とりあえず、さっきのランニングの具合からしてもアキラとマギー用の訓練メニューで良さそうだ。俺のは流石に無理だろう。サクラとかシエルにジュリウスとかはともかく、ロミオとナナがついて来れないだろう。
「「終わった〜」」
ロミオとナナの比較的体力無しコンビが言うなり、大の字でグラウンドに寝転ぶ。
「いい運動になったな」
「シエルの考案したものとは、こうクるものが違うな……」
黙々とトレーニングをやっていたブラッド最年長のギルバート・マクレインとリヴィ・コレットがそんな話をしている。こいつらはもうちょいハードでも良かったらしい。ま、どっちもブラッドとは違うそれぞれの古巣で経験豊富らしいから納得と言えば納得だ。
「疲れたね〜。いっぱい汗かいちゃった」
「あ、あの一緒にシャワーでも……」
そう言うシエルからサクラへと送られる熱い目……うん。そう言うのもあるよな。
てか、やりきった感溢れるブラッドの諸君だが、
「とりあえず、お前らは何、もう終わったみたいな顔をしてるんだ? まだ半分残ってて、これはただの小休止だ」
そう、まだ全行程の半分程度である。
この小休止自体が、折角の休日なのにこんなおっさんに付き合わせて悪いなーと思ったから設けてるだけで、本来なら無い。
「それじゃあ次はダミー神機持って、素振りと行こうか。軽く500回くらい」
戦闘中には3桁どころか4桁近い数、神機をぶん回すんだ。これくらいは普通に出来るだろう。ちなみにダミー神機ってのは、神機っぽい形をしてるだけの対アラガミ装甲製の訓練用道具だ。なお、このトレーニングで使うやつは通常のやつの1.5倍増し程度重量増してあるが、
さぁ、しごいてこうか。