力を溜めに溜めた神機を振り下ろす。大きな猿のようなアラガミ、コンゴウの顔面を覆う甲殻が割れ、その大きな両手で顔面を押さえて悶える。
そこに剣形態の神機を手にしたアキラとマギーが飛び込んで攻撃を仕掛ける。アキラが神機を水平に構えるゼロスタンスを取り、そこから一気に走りコンゴウを駆け抜けざまに斬りつける。すると、斬りつけた場所を基点にして無数の斬撃が発生しコンゴウを斬り刻む。マギーはそのまま特殊な構えも無く神機を振り抜く。その斬撃と共に風の刃がコンゴウを斬り刻む。うん、自分で説明して何だが、斬り刻んでばっかだな。
ちなみに2人の攻撃で発生しているのはブラッド隊の十八番であるブラッドアーツだ。
以前のアラガミの極東支部への大侵攻の際に、ブラッド隊隊長のサクラの血の力「喚起」によって、極東支部に所属するゴッドイーターの全員がこのブラッドアーツに目覚めている。アキラが疾風ノ太刀・鉄。マギーが風断ちの陣と言うブラッドアーツで、俺は溜め斬りのチャージクラッシュを強化するブラッドアーツ、ブレイカーと言うブラッドアーツだ。
なされるがままになっていたコンゴウが起き上がり、丸太のような極太の剛腕を振りかぶって叩きつけるように振り下ろすが、攻撃を予測していたアキラとマギーは既に距離を取っていて空振りに終わる。
「メンドクセェ……無駄にタフなんだよなコンゴウ」
「極東支部のゴッドイーターが皆揃ってブラッドアーツを習得して、それに適応進化した結果このタフさ……ホントめんどーです」
コンゴウくらいなら1人でも狩れる2人からすれば、ただ、無駄にタフなだけだ。何とも頼もしいことだ。
だが、若いからこそ甘い。
コンゴウが一瞬でコンゴウが2人との距離を詰め、両の剛腕で強烈なラリアットをぶちかまして、吹っ飛ばす。
マンガのキャラクターのように吹っ飛んだ2人が瓦礫に叩きつけられる。
「ゴァァァアアアアア!!!」
コンゴウが勝ち誇るように吠える。
「うるせぇんだよ大猿野郎」
奴のケツから生えた尻尾に捕喰形態にした神機を食いつかせて、バースト化して身体能力にブーストを掛け、一気に引っ張って放り投げる。無駄に鍛えまくって、ゴッドイーターとしてもかなり力ある方だとは思ってるが、それでも流石にあの巨体は重たい。
なお、コンゴウを放り投げた先には真っ直ぐ突き出した鉄骨があって、コンゴウ自身の体重もあって背中から深々と鉄骨に突き刺さる。これで少しは時間を稼げるだろう。壁に叩きつけられて、ノックダウンしている若者達の方に向き直って、
「お前ら自分の力量に自信を持つのは良いが、俺はこうも言ったよな? どれだけ研鑽を重ねて実力を上げようが、決して相手を侮るなって」
とりあえず2人にリンクエイドをかけて、復帰させる。リンクエイドとは戦闘不能になったゴッドイーターを復活させるゴッドイーターならば誰しもが可能としている基本技術だ。にしても、即死に近いダメージを受けても即復活が可能とか、オラクル細胞万能過ぎて笑える。まぁ、代わりにごっそり体力持ってかれるのはご愛嬌というやつか。
腰に付けたポーチから回復錠を取り出して、口に放り込む。回復錠はゴッドイーターの全身のオラクル細胞を活性化させることで瞬間的に自然治癒能力を爆発的に強化することによって、受けたダメージやリンクエイドで分け与えた体力を極短時間で回復することが出来るスタングレネードと並ぶゴッドイーターの標準装備品だ。
「おかわり入りましたー、ってとこか」
神機を担いで串刺しになったコンゴウにトドメを刺すために歩み寄ると、ビルの瓦礫の隙間から新たにコンゴウが2匹現れる。1匹はほぼ活動不能状態とは言え、3体同時は流石にキツい。
「けどまぁ、俺は1人じゃねぇ」
新手のコンゴウ2匹の顔面を2つの弾丸が穿つ。
「スンマセン……」
「申し訳ありませんでした」
「別に謝らんで良い。全ては行動で示せ」
「「了解」」
『ミッションお疲れ様でした! 流石の戦いぶりですね!』
インカムからミッションの達成を知らせる声が届く。あの後、更にコンゴウが増えて合計5体となった。とりあえず、スタグレ祭りでコンゴウの足を止めて全部ぬっころした。
「……しんどい……」
「早く帰ってシャワー浴びたいです……」
瓦礫に背中を預けてもうヘトヘトですと体で表現しているアキラとマギーがそう言う。
「良い加減慣れろよな。別に今回が乱入初めてって訳でもないだろ」
むしろ、ミッション中のアラガミの乱入なんてものこの極東地域じゃ当たり前だ。多分ミッション100回行って、98回は乱入有りで残りの2回が乱入無しと言った具合だろう。一応、こいつらも極東地域でゴッドイーターとして1年くらいは経つんだし、良い加減慣れても良いと思うんだが、
「慣れとか関係無いっすよ。疲れるもんは疲れるんすよ」
「アラガミの乱入報告に全く動揺も何もないのは、それはそれでアレな気もしますけどね」
ああ、単に体力不足か。
「シエル考案の極東式ガチ訓練メニューやらせるか……」
「「待って!? 極東式ガチって何!?」」
「そりゃあアレだ。アラガミの乱入による連戦も想定した超激ハード特訓メニュー。元はブラッド隊用に考案したらしいが、流石にガチ過ぎて考案者であるシエル本人もお蔵入りさせた代物だ。とりあえず一言、コレをこなせるようになればこれくらいのミッションちょっとしたお散歩気分でこなせるようになるぞ」
マジでこのメニューはヤバい。可能かどうかの検証のために1回、一通りこなしてみたが精魂尽き果てた。その事を考案者本人に話したら軽く引かれた。解せぬ……と、そんなことはともかくだ。俺もそれなりの数の修羅場も死線も越えて来たつもりだが、そのどれよりもヤバいと感じた。こんなもんを新人にさせるのは流石に鬼畜過ぎるからお蔵入りにしてたが、今のこいつらならギリギリこなせるだろう。才能も実力も有る俺みたいな凡人の下に居るには勿体無いくらいの原石だ。多分5年も経験を積めば俺なんか軽く超して行ける。
「マジで勘弁してください。今の訓練メニューでもかなりキツいのにそれ以上とか!」
「そ、そうです。あ、あれ以上訓練はミッションに異常をきたしますっ!」
必死だなこいつら。てか、今の訓練メニューがキツいのは当たり前だろう。ガチ式をベースに組んだ訓練メニューなんだからな。て言うか訓練はキツくないと意味が無い。命の危機とかも基本的に存在しないからこそ、実戦よりもよりキツくハードでないと身にならない。これは俺の実経験だ。
「大丈夫だ。俺が普段からこなしてる訓練メニューになるだけだから、大丈夫。行ける行ける」
「「マジ無理です。勘弁してください」」
おい。土下座するほどか?
土下座とは、この極東地域に古来より存在する相手に陳情を求める最上級の姿だ。相手に己の首を差し出すようにも見えるその姿にどれだけ本気であるかが伺える。
「まぁ、体力不足はミッション連れ回してるそのうちにどうにかなるか。そろそろ対象アラガミのランク上げても良い頃合いだしな。てか、良い加減ヴァジュラぬっころせ新人共」
いつの頃からか、極東支部ではヴァジュラを狩れてやっと一人前と言う風潮がある。
ヴァジュラとはライオンのようにも見える電撃を操る能力を持った大型種のアラガミで、戦闘能力も大型の名に恥じないものを持っている。特に自身の周囲に電気を放つ放電攻撃には要注意だ。
「アレをぬっころせろか軽く言ってくれんなぁ! この鬼隊長は!」
「隊長。他の地域でのヴァジュラの扱い知ってますよね?」
もちろん知っている。極東以外のとこならヴァジュラの襲撃はアラガミの支部への大侵攻と同等くらいの緊急事態だ。まぁ、それだけ極東とそうでないところでは違いがあると言うわけだ。
『あ、あのー……もう迎えが到着してるんですけど……』
ギャーギャーとやかましい部下達を引き連れて、迎えのヘリに乗り込んで窓から世界を見る。やっぱり、美しい。限りなく人間に厳しくて先の見えない世界だとしても、これだけは絶対に変わらない。
てな訳で、コンゴウ祭りじゃぁあ!!! 5匹しか居ないけど!!!
ちなみに今回のアキラ君とマギーちゃんの「コンゴウくらい楽勝だぜ」からのピチューン! はゲーム内でのわっちなんだぜ! 侮ったら負ける。小型アラガミですら時と場合によっちゃかなり脅威。
中尉さん。ゴッドイーターとしての才能はそこまででもない。微妙に神機との適合率が良いくらい。だから、生き残るために徹底的に自分を鍛えてます。それでようやく上の下くらいの力量で御座います。
ちなみにアキラ君とマギーちゃんのゴッドイーターとしての素質はほぼ原作主人公並と言うチートっぷり。でも、油断するとフルボッコだドン♪なのです。まさにゲームでもわしだ!
バグからヴィータさんが自力復帰してくれたぜ! やったね(おいやめろ
てな訳でゴッドイーターで引き続き遊んでるじぇ。やっぱり、刀身ロングが一番使いやすいね! ゼロスタンスが便利過ぎる。初代? 知らないね。俺ってばGE2から神喰いになったゆとりだから!