とある部隊長の独白   作:⚫︎物干竿⚫︎

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英雄の帰還②

英雄。この言葉で誰を連想するかは人それぞれで、俺もそうだと思う。まずこれの候補に名が上がるのは雨宮リンドウだろう。実際、あいつはそう言われるだけのことをやって来た。だが、あいつは英雄とは呼ばれない。それに本人が「俺は俺がやりたいようにやって来ただけだ」とか言って否定するだろう。

 

じゃあ、英雄と呼ばれるのは誰かって?

それは、俺の隣で出向中の出来事を愚痴も含めて聞いてもいないのに喋っている神薙だ。

 

こいつは、一定階級以上のゴッドイーターにすら情報規制がかかるほどのとんでもない事件を解決に導いた。その功績によって、英雄と呼ばれるようになった……だが、俺にとっては『英雄』ではなくて、色々と手間のかかる後輩だ。

 

 

「本当、本部の人間って現場舐めきってますよ。なんでたかだかオウガテイル程度が出没する程度のエリアを通過するのに、重装甲車4台に30人規模のゴッドイーターを投入するんですか? それくらいのところ極東なら非戦闘民ですら護衛も無しで移動しますよ」

 

まぁ、言わんとしてることは分からないでもない。重装甲車を4台も動かすだけの燃料が有れば、かなりの広範囲までゴッドイーターを展開させられるし、30人ものゴッドイーターが居れば、アラガミの大規模な群れの掃討だって難しくはない。要するに無駄だ。

 

で、こんなことが出来るのはフェンリル本部である程度以上地位にある奴ら。いわゆる重役とかそんな感じの連中だけだし、あいつらは後ろからあれこれ言うだけで実際の戦場がどんなのか知ろうともしないような連中ばっかだ。きっと今も、自分の権力と私腹のためにアホなことを会議室でやってるんだろうよ。

 

「それに、あのピザデブ。顔合わせる度に嫌らしい目をしてからに……」

 

「おい素が出てるぞ」

 

「っは!? す、すみません!」

 

「気にすんな。俺以外は誰も聞いてない」

 

ん? マサヤとユイ? 俺らの与太話なんて聞いてられる余裕は持たせてないから大丈夫。

 

「中尉」

 

「ん?」

 

「サカキ博士から懇意にしている女性が居ると聞いたんですけど、そこらへんお話してもらえますか?」

 

笑顔なのに笑っていないというアレが出た。

なんでサクラと言い神薙と言い、俺が少なからず女と親しくしているとこうなるんだ。いや、神薙の方が酷いか。朝起きたら神薙の自室のベッドに拘束されてた時はビビった。

 

え? そこで何があったかって? 簡単に言うと、いただきますされたんだよ。って言わせんなトラウマなんだから。

そして、神薙こそが俺ロリコン疑惑の大元である。

 

とりあえず、おとなしくゲロっとかないと後が恐ろしいことになりそうだ。まぁ、どっちにしても俺の未来は真っ暗なんだけどな。

 

はぁ……なんで、俺はこんななんだ……

 

 

「へぇ、ブラッド隊の……ふふ、色々とはっきりとさせておかなくちゃ……」

 

こいつやべぇ……どうにかこいつの思考を逸らさないとサクラがヤバイ。そして俺もヤバイ。前も言ったようにブラッド隊は仲が良い。仲間に下手なことしようもんなら隊の全員でお礼参り……なんてのも強ちありえなくもない。

 

特にシエルとかジュリウスはヤバイ。お前らサクラ好き過ぎるだろ。ってくらいだからどうなるか想像もしたくない。試作バレットの的にされたりブラッドアーツの訓練場の丸太人形にされたりするかもしれない。

 

 

「そ、そうだ神薙。そろそろ上の連中に挨拶して来い。どいつもこいつもお前が帰って来るってんで、超気張ってるんだ」

 

「それもそうですね。サカキ博士にも、顔を見せて支部の皆安心させて欲しいと言われてますし」

 

よし。話を逸らせたぞ。俺の未来が繋がった!

 

「ブラッド隊の隊長さんのこと、またあとでゆっくりと聞かせて下さいね?」

 

……とか思ってた時期が俺にもありました。チキショウ! やっぱりこの世に神は居ねぇ!

 

 

●●●●●●●●●

 

 

マサヤとユイのトレーニングは2人がランニングを終えた後に軽く筋トレ(俺的観点)を済ませたところでお開きにした。流石に2人とも体力的に限界そうだったからな。俺は無茶はさせても無理はさせない。まぁ、俺自身は無茶も無理も島くるけどな。そうしないと進化を続けるアラガミや若手達について行けない。いやはや凡人は辛いぜ!

 

地下グラウンドに併設されたシャワーで汗を流してからエレベーターで上に上がった俺は神々の黄昏に遭遇した。いや、正確にはその一歩手前ぶつかり合う直前だ。

 

 

「今なんて言ったのかな? もう一度言ってくれる?」

 

「中尉に近づかないでと言ったのよ。この阿婆擦れ」

 

「随分と口の悪い英雄も居たもんだね……英雄だかなんだか知らないけど、私と中尉さんの邪魔しないでくれるかな?」

 

 

俺はそのやり取りを見た瞬間、俺は自室のある階層のボタンを押して、逃亡することにした。

 

 

「おぉっと、こんなとこで逃げるなんて男が廃るってもんだぜ?」

 

明らかに引っかき回して楽しむ気満々の雨宮さん家のリンドウ君が、黄金の籠手の手で、エレベーターの扉を押さえている。この野郎……!

 

「リンドウ君。その手を放そうか? 今なら俺怒らない」

 

「だが断る」

 

「おいこらリンドウてめぇ」

 

プッツンして、リンドウに殴りかかろうとした瞬間。

 

「「中尉(さん)はっきりしてください」」

 

オワタ。

とりあえず、大爆笑中のリンドウ君は後で絶対ぶっ飛ばす。懲罰房? そんなもんが怖くてゴッドイーターなんざやってられっか!

 

この日の夜。ラウンジにて行われた神薙のおかえり宴会にて、俺とリンドウによるガチファイトがメインイベントとして設けられ、その場にてやりあったが、やっぱり伝説のロング使いには凡人バスター使いじゃ敵わんかったよ……




本気で何も考えずネタに走ってみたザマがこの様だよ。笑いたまえよ諸君。

むむぅ……あれだけ最初は苦戦に苦戦を重ね、あと一回オチたら終わりと言う死闘まで演じたクロムガウェインさんだというのに、一回倒してからはなぜか1オチもしていないと言う。アレか? あのストーリー初登場の時にはなんらかの補正でもついてるのか!?

RBダウンロードクエスト『バベルの片影』にてブラッドの皆とクロムガウェインさんをフルボッコにしてこう思った。

てか、良い加減サクラちゃん以外のブラッドの皆も出してやりたいなー。まぁ、出たら出たでキャラ崩壊の激しい別人達が出てくるがね! ダメダコリャ!
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