とある部隊長の独白   作:⚫︎物干竿⚫︎

9 / 21
狩って狩って狩って狩りまくれ

支部長室などの重要性の高い施設が集まった極東支部の役員区画と呼ばれるところの一角、会議室に極東支部所属の部隊の隊長達が集められている。なにがしかの緊急事態でも発生したんだろう。

 

やいのやいの各人がそれぞれの予想を話あっていたが、茶髪のおさげをしたオペレーターの竹田ヒバリを伴って会議室に入って来たサカキ博士の姿を確認した瞬間一様に静まるのは流石は隊長と言ったところだ。

 

「急に呼び集めてすまないね。皆に集まって貰ったのは他でもない。もはや極東地域恒例の大規模なアラガミの群れのこの極東支部への進攻だ」

 

サカキ博士がそう言って、ヒバリに指示をすると後ろの大型モニターになんらかのビデオ映像で、そこには100は余裕で超えるであろう無数のアラガミが映っていた。

 

「この群れの中核を成しているのは、ガルム神属感応種マルドゥークです。そして、取り巻きにガルムが10体居て、他にも無数の中型種と小型種の反応があります」

 

感応種と言う言葉に全員が顔を強張らせる。俺だって、一気に余裕が消えた。感応種とはアラガミの中でも特に強力な感応波を放ち、個々が特殊な能力を持っている。おまけに強力な感応波の影響で、通常の神機が良くて機能不調、悪ければ完全に機能が停止してしまう。まぁ、これは問題無い。

 

元々、感応種の影響下でも問題無く神機が機能していたブラッド隊。その隊長であるサクラの血の力(概要は聞いたが、俺にはさっぱり分からなかった)『喚起』によって、極東支部に所属するゴッドイーターも感応種の強力な感応波の影響下でも問題無く神機を扱えるから戦えなくなるなんてことは無い。

 

それでだ。俺達全員がここまで緊張している理由は相手がマルドゥークであることも関係している。

 

マルドゥークの感応波は周囲のアラガミを呼び寄せる。これがなんだって思うか? じゃあ、少し考えてみろ。マルドゥークとの戦闘に集中してたら、死角からオウガテイルの棘飛ばしとか、コンゴウのスーパーラリアットォッ!!! とか来てみろ。なんの反応も出来ずに直撃貰って戦闘不能になるわ。

 

おまけにマルドゥーク自体の戦闘力も文句無しに高いわけで、しかも今回のは数も多いと来た。緊張しない理由がどこにも無い。

 

「ちなみにこの映像は無人哨戒機によって、半日ほど前に撮影され、つい30分程前に届いた物だ」

 

「「「それをもっと早く言え!!!」」」

 

全員のツッコミがサカキ博士に炸裂した。てか、半日前とかちょっとシャレになんねぇって!?

 

アラガミの移動速度を考えれば半日もあったら、ほとんどすぐそこまで来れるぞ……ヤバい。これはヤバい。あ、そうだ。

 

 

「サカキ博士。俺のとこの新人達はどうする? 面倒見てる側から言わせて貰うと出したくない。まだオウガテイルの1匹ですら精一杯だから、こんなのに出したら、まず間違いなく殉職する」

 

まぁ、あれこれ理由付けて置いてくけどな。アキラとマギー? 大型種にぶつけなけりゃ何とかなるから連れてきます。人手が足りないから半人前でも使うとも。

 

「そうだね。君の判断に任せるよ」

 

「了解」

 

「さて、相手は強大だが、いつものように行って来て、いつものように帰って来てくれ」

 

殴りたいこの笑顔。きっと、今この場に居るゴッドイーターは全員こう思った事だろう。

 

 

 

「大規模討伐ミッションですか……」

 

「回復錠足りっかなぁ」

 

大規模討伐ミッションはアキラもマギーも初めてだから緊張している。

 

「あ、あの本当に私達はここに待機なんですか?」

 

「ああ。半人前以下の奴はただ邪魔でしかないし、こっちまで危なくなるからな」

 

厳しい事だが事実だ。今のユイとマサヤのような半人前以下の実力じゃあ足を引っ張るどころか他を道連れにしかねない。実際、目の前でそうなったのを俺は見てるからな。

 

「何もせず引っ込んでろって、じゃあ俺達はなんなんだよ……」

 

うつむいたマサヤがボソリとそう言った。

お前達が何かか……少なくとも俺の中では、まだどっちも完全なゴッドイーターではない。見た目の通りただ神機が使えるだけの子供だな。

 

マサヤとユイを残して、アキラとマギーを連れて神機を取りに向かう。

 

 

●●●●●●●●●

 

 

「撃って撃って撃って撃ちまくれぇっ! オラクル無くなってもアンプル使うなりなんなりして撃ちまくれ!」

 

アキラとマギーにそう指示とも言えない指示をして、俺はもはや白い肉壁と言っても差し支えの無いくらいの数のオウガテイルに向かって突っ込む。

 

後ろからの2人の援護射撃を受けつつ、眼前のオウガテイルの顔面をかち割りそこに持ってきた手榴弾をぶち込み、爆破させてコアを破壊。そしてすぐさま跳躍して、押し寄せて来たオウガテイルを躱し、落下しながら神機を振り下ろし、互いにぶつかり合ってきりもみしているオウガテイル達をまとめてぶった斬る。

 

「がっ!?」

 

着地した瞬間、緑色の虫のようなアラガミ、ドレッドパイクの突進をもろに食らって吹っ飛ばされて瓦礫に叩きつけられ一瞬、意識が吹っ飛んふぁ。復帰する時には目の前にオウガテイルのデカイ口がばっくりと開いていた。

 

「くせぇんだよ」

 

神機をその口にぶち込み、そのまま神機を捕喰形態にして、その頭部をコアごと捕喰させてバースト化。瓦礫の中から出て、回復錠を口に放り込む。

 

「俺らん隊長に何やってくれてんだテメェッ!!!」

 

その怒声と共に目の前に居たドレッドパイクが無数の斬撃に切り刻まれ肉片に姿を変える。

 

「無事ですか隊長!?」

 

大質量のオラクル弾でアラガミ達を文字通り焼き払いながらマギーが声をかけてきた。

 

「あの程度でダメになるなら、俺も引退だなぁっ!」

 

白い色をした堕天種のコンゴウの拳を装甲で受け止める。動きが止まったコンゴウの顔面で爆発が起こりそのままダウンする。倒れたコンゴウ堕天種に神機を食い付かせてバースト時間を延長させて、チャージクラッシュを叩き込む。そこへ、アキラの狙撃が入りコアを撃ち抜く。

 

 

「今ので何匹だ!?」

 

「小型が50で中型が今ので3です!」

 

マギーがショートソードにした神機でオウガテイルを斬り刻みながら答える。

 

「ルォぉぉぉおおおおおお!!!」

 

赤と緑のデカイ犬みたいなアラガミ、ガルムが現れた。

やれやれ、ここで大型種のおかわりか……

 

 

「今日は長い1日になりそうだ……」

 

強制解放剤を神機のコア部分にぶち込む。すると、一瞬右手首から痛み走りバースト状態が深くなり、神機からの侵喰が進む。

 

さてさてどうなるのやら……





今回の独自設定解説(ハウスルールとも言う)

強制解放剤使えば、バーストレベルを上げられる。ただし、ゲームで言うとこの体力ゲージが下がる。1から2でマックス150の半分、2から3でさらに半分。
ちなみに体力増強剤とか使っての上限回復はバースト中は不可能。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。