艦隊これくしょん Mercenary Fleet   作:Colonel.大佐

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プロローグ

 ある日、海から侵略者が現れた。

 

 人にあらず、生物にあらず、そして機械にあらず――

 

 強大な力を持ったその存在、深海棲艦は瞬く間に5つの海に現れた。

 

 人類は、深海棲艦という敵に立ち向かうために軍隊を派遣。

 だが、深海棲艦の恐るべき力とテクノロジーを前に、軍隊はなすすべもなく敗北した。

 

 始めに諸外国の海軍が、ついで中国、ロシア、そして日本。

 

 アメリカ軍は陸海空を含む全兵力を太平洋と大西洋に投入、深海棲艦の侵攻を遅らせたが、1ヶ月の内に壊滅した。

 

 人類は絶望した。海は深海棲艦の手に落ち、海から陸への侵略がカウントダウンを始めていた。

 

 だが、これまでかと思われた人類に、救世主が現れた。

 

 人であり、機械にあらず、そして兵器である乙女――艦娘。

 

 深海棲艦に立ち向かえる唯一の武装を持ち、海上を移動し深海棲艦を排除できる、人類の救世主。

 

 人類は艦娘を調べ、育て、そして実戦へと投入した。

 

 艦娘たちは戦った。

 

 人類は徐々に海上での主導権を取り戻していった。

 

 そして、深海棲艦が海を制圧して二年。

 

 人類と深海棲艦の戦いは膠着状態の様相を呈していた。

 

 深海棲艦に対抗しうる艦娘の存在、崩壊した軍を支えるべく参加した義勇兵たち、それに呼応するように戦う艦娘たち――

 

 海軍基地は増設され、戦いの為に莫大な戦費と資源が投入された。

 

 それに呼応するかのように、深海棲艦も進化し、増殖を続けた。

 

 だが、数え切れない戦いを繰り返しても尚、深海棲艦の勢いは止まらず、いつしか人類の反撃は一定のラインで停止し、ついに戦争は泥沼の中に沈んでいった。

 

 増え行く戦死者と、それと同じ量で補充されていく艦娘。

 

 だが、日増しに艦娘の補充量と深海棲艦の補充量は深海棲艦優勢になっていく。

 

 事態を重く見た軍司令部は、ある方法を立案する。

 

 精鋭の艦娘の損耗を防ぎ、尚且つ独立して行動可能であり、任務を独自に遂行し、誰からの影響も受けずに作戦目標を達成する事の出来る、非正規部隊の設立である。

 

 民間軍事企業や退役軍人から、これらの部隊を指揮可能な人員が引き抜かれ、部隊へと編入され、極秘裏に建造された基地や放棄された基地がこの部隊の根城として用意された。

 

 正規部隊とは違い、資源の配当も少ない小規模な部隊の設立に難色も示す軍高官も現れたが、研究チームの用意したデータと、深海棲艦への反抗作戦に投入された実験部隊の活躍が、ついに本格的な採用を踏み切らせた。

 

 こうして、軍の内部に独立部隊が設立された。

 

 傭兵艦隊の登場である。

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