護衛艦はるにゃ、です!【完結】   作:帝都造営

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お菓子をくわえて、サングラス。上下茶色の服装に身を包めば……あなたもマッカーサー!
(なおマッカーサーはパイプ派)

マッカーサーごっこはやったことないけど、今回登場のお菓子ではよく遊んでいました。
ジェネレーションギャップのないお菓子っていいですよね。


きつえん、です!

 映画でぷかぷか。雑誌でぷかぷか。漫画でぷかぷか。

 

 ……(ふね)がぷかぷか浮いているわけではない。喫煙だ。喫煙はステータスだ。かっこよさの象徴だ。国家の収入源だ。え、最後は違う?

 

 ともかく、喫煙する漢はカッコイイ。理屈じゃなくてカッコイイ。時は第四次中東戦争前夜。禁煙なんて言葉は聞いたことがない時代。どこのオフィスにも――――そう、学校ですら――――灰皿が常駐している時代だ。

 

 しかし、この国の最新鋭護衛艦「はるな」の艦長はタバコを嗜まない。いつの時代だってそういう人間はいる。

 

 受動喫煙なんて知られていない時代ではあるが、艦長が吸わないのに士官室内でぷかぷかするのは流石に憚られるというものだ。

 艦長の性格で艦の雰囲気は大きく変わる。喫煙はその典型例と言えるだろう……艦長が愛煙家なら士官室はいつの時代の工場だよと突っ込みたくなるぐらいの煙に包まれるし、嗜まないのなら自然と喫煙勢力は皆の邪魔にならないような場所で喫煙することになる。例えば外とか、自室とか。

 

「それって、どんな銘柄ですか?」

 

 はるにゃもタバコは知っているようで、興味津々といった様子で砲雷長のポケットから半分飛び出したタバコケースを眺める。砲雷長はアメリカの銘柄だとそれを紹介した。

 

「はるなも吸ってみていいですか?」

 

 そう言いながら小さい手でケースを取り出し、小さな胸に抱くはるにゃ。

 

 楽しそうなのは結構だが……またしても、爆弾発言である。

 

「えっ……いやいや、お酒とタバコは成人してからだよ。はるにゃちゃん」

 

「……そう、ですよね」

 

 ケース返してね、と言われてしゅんとしながら砲雷長にケースを返すはるにゃ。与えてやりたい気持ちは山々だが、流石にこれは不味いだろう。砲雷長は我慢して……ふと気づいた。

 

「そう言えば、はるにゃちゃんは『戦艦のころ』タバコを嗜んでいたのかい?」

 

 戦艦榛名。就役は1915年。除籍時の艦齢は二十をゆうに超える――――そもそも、人のルールを当てはめていいのかは謎だが――――当時も酒保でタバコは取引されていたわけで、配給にも入っている。吸おうと思えば吸えたはずだ。

 

 しかしはるなは首を横に振る。黒髪がふるふるとそれに合わせて揺れた。

 

「いえ、はるなは吸いませんでした」

 

 担当の方が、吸っていなかったので。

 

「……担当の方、ねぇ」

 

 はるにゃの話によれば、帝国海軍時代のはるにゃ……いや榛名たちは軍の非公開組織に管理されていたらしい。管理といっても、担当の士官が付けられたくらいだそうだが……。

 

 正直、何に使われていたのかは気になるところだ。でも聞きづらい。なんか聞いちゃいけない気がする。

 もしそれが残酷だったら両者に不利益だ。聞いても利益がないんだから、聞かないほうが良いだろう。

 

 そんな暗黙の配慮があってはるにゃの過去はほとんど分かっていないのだが、これでまたはるにゃに関する情報が増えた。

 はるにゃはタバコを吸ったことがない。うん、役に立ちそうもないが、価値ある情報だ。

 

「だからはるな、少し興味があるんです……でも、砲雷長さんが正しいですよね」

 

 「はるな」は就役したばかり。あと十何年も待たないとタバコは吸えない。さっきも言ったように人間の法律を成人だけで運用される艦艇に適用していいのかは分からないが、このはるにゃのことだ。きっと律儀に守るのだろう。

 

「あ、そうだ」

 

 と一緒にぷかぷか吸っていた砲雷科の部下がポケットより何かの箱を取り出した。

 

「……はるにゃちゃんにイイ物あげる」

 

「?」

 

「おぉ、それは!」

 

 彼が取り出したのは1951年発売の駄菓子。タバコみたいな見た目とそのイカしたパッケージで、喫煙に憧れる子供達をたちまち虜にした商品だ。

 

「懐かしいな~学生時代に発売されたんだよな、これ」

 

「この前上陸した時に見つけて、懐かしくて買っちゃったんですよ」

 

 そこから一本取り出し、はるにゃへ渡す。もちろん誰かにタバコをあげる時のように箱から半分取り出した状態で、だ。

 

「貰ってもいいのですか?」

 

「いいよ、あげる。ただのラムネ菓子だからはるにゃちゃんでも大丈夫だよ」

 

「はるにゃ……感激です!」

 

 久々の本人からのはるにゃ発言。こんな簡単に聞けるのなら自分も買ってこようかな。砲雷長はそんなことを考えた。

 

 砲雷科二人と一人の護衛艦。二本しか煙の上がらない三人の喫煙タイムは、もうちょっと続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と、いうことがあってな」

 

「シレガット? シャガレット? それってなにさ?」

 

「どちらも違うわ、バカタレ」

 

 「はるな」艦内の一角。同期である砲雷長と船務長は、互いに煙を燻らせながら話をしていた。息抜きは大事だ。艦長が吸わないのでは士官室で堂々と吸うわけにもいかないので、こうやって別な場所に来なきゃいけないのが面倒ではあるが。

 

「ほれ、こういうお菓子だよ」

 

 そう言いながらタバコケースに似たパッケージを取り出す砲雷長。どうやら彼も買ってきたようだ。

 

「へぇ、変わったものもあるね」

 

「本当に知らなかったのか……あ、そうだ今の話は内緒な、はるにゃがこのお菓子に埋もれたら大変だ」

 

「あっ、砲雷長さん」

 

 噂をすれば影、実際はるにゃなら艦内の会話全てを聞いていても不思議ではないが……ともかく、会話の主役であるはるにゃがとてとて現れた。砲雷長たちが休憩時間と見て遊びに来たのだろう。

 

「おう、はるにゃちゃん今日も吸ってく?」

 

「はい!」

 

 はるにゃは砲雷長の差し出したお菓子を咥えて、満足げに上下に動かす。心なしか満足げな表情で、猫耳もピンと張っていた。

 

 ……内緒なのは、この表情が見られなくなるからだろうな。船務長はそんなことをはるにゃを撫でながら考えた。

 




船務長「タバコ、辞めようかな」

砲雷長「えなんで」

船務長「なんか、お菓子でも楽しめる気がしてきた」

はるな「??」


原作だとタバコなのにアニメだとペロペロキャンディに変わってる奴とかありますよね。
あれと同じ理論が船務長にも働いたのでしょう(適当


・・・ワンピースの米国版は許さない。
(ワンピースの事をこの一件でしか知らないなんて口が裂けても言えないけど)
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