ところで、よくよく考えてみたら、主人公は主要人物に勝ってないですよね…。
ラーイエローの自室
今私は、先のことを思い起こしながら悩んでいた
それは、タイタンの1件を皮切りに間をあけながら試練を受けてきた
ただ、この試練が妙なのだ…、タイタンに関する試練が現実世界とリンクしていたこと、そしてこの前の遺跡で『ペンタクルス』が共鳴してからの試練の時、十代君は墓守の長と命を懸けたデュエルを行っていたこと…
それから、遊戯さんやシャーディーさんからの警告…、この学園に危機が訪れるという…
私や十代君たちに起きたことを学園側が正しく把握していないこと、曲がりなりにもそれに生徒が巻き込まれたことを考えるとその警告についても考えなければならない気がしたのだ
自分の身は自分で守る…、まだ若い生徒には酷であるが、これが今当てはまることだろう…
…幸い、今の私には幅は狭いとはいえ信頼できる付き合いはある…、そうと決まれば…
………………
…………
……
…
「意外とたくさん集まったな…」
「確かに…」
その週の週末、三沢君、神楽坂君はじめイエローはもちろん、レッドの十代君たち、ブルーの亮さんや明日香さんたちが、いつぞやの偽実践データ収集の時の場所に集まった
「それにしても…」
小原君が若干青筋を立てている
「フハハハハ、光栄に思うがいい。なんたって、この万丈目サンダーが貴様のデータ集めに協力してやるんだからな!」
そう、今回は幅を広げたデータ集めと称して、レッドやブルー生も集めたのだ
「サンダー、何もこんなやつらに付き合わなくても」
入学して間もない頃に十代君と万丈目君がデュエルした時に、万丈目君と一緒にいた眼鏡のブルー生が言い出した
…彼らは1度決別したらしいが、最近交友関係が復活したらしい…
「だから、別にブルーのお前なんかが来なくていいって言ってるだろ!」
「何だと、わざわざ来てやってるのに!」
ブルーを敵視している小原君と、さっきのブルー生が言い争いをはじめてしまった
…やっぱり、唐突すぎただろうか…、もう少し考えてやればよかったかな…
「やめろ、取巻」
そう考えていた時、意外な人が止めに入った
「慕谷、お前!」
「俺は参加するぜ。万丈目サンダーは参加するんだ。サンダーは地獄から這い上がってきた人だ。だから、もしここにその強さの秘密とやらが眠っているとしたら、俺はそれをモノにするぜ。」
そう言ったのは、先ほどの取巻君と一緒に万丈目君といたブルー生だった
「イエロー生、迷惑をかけたな。そう言うわけで、俺もお前たちのデータ集めに協力してやるぜ。」
慕谷は小原君をしっかり見て、そう言った
「わ、わかったよ、好きにしろ」
さっきまで青筋を立てていた小原君は、どこか牙を抜かれたような複雑な顔でそう言った
「よし、じゃあはじめようぜ!で、誰がデュエルするんだ?早くやりたくてウズウズしてるぜ!」
十代君は相変わらずであった
…でも、いい緩和剤になってくれて助かるな…
………………
…………
……
…
そうしてデータ集めと称したデュエルがはじまったのだが…
「私は『エルフの剣士』を召喚!」
「『翻弄するエルフの剣士』じゃなくて、今度は通常モンスターの『エルフの剣士』?」
「だってかっこいいんだもん!」
ジュンコさんはどうだといった顔でそう言った
…まぁ、シナジーしなくもないけど…
「『ハイドロゲドン』で守備モンスターを攻撃!《ハイドロ・ブレス》!」
「ああ!私の『レスキューキャット』が…」
「ん?壁モンスターだったか…。先ほどは『マシュマロン』が出てきたが…、なんというか君のデッキは個性的だな…」
「はい、私のカードたちはみんなかわいい子ばかりですから…」
データ戦術が聞かないのか、ももえさんに三沢君はどこかやりにくそうな表情を浮かべていた
…これもこれで、アリ…なのか…?
その一方で…
「いけ、『スピア・ドラゴン』!『バフォメット』を攻撃!《ドラゴン・スクリュー》!」
「やるな!だが、お前が守備力の勝る『バフォメット』を狙ってくることは読めていた!罠カード『魂の綱』発動!ライフを1000払い、デッキからレベル4のこいつを召喚するぜ!」
先ほどの取巻君はブルー生ということもあり、イエロー生上位の神楽坂君とドラゴン族によるパワーで互角の戦いをしていた
「く、俺の貫通コンボが破られるなんて…」
「お前の猛攻は耐えた、ここから攻めに転じるぜ!魔法カード『ウェポン・チェンジ』を発動し、『起動砦のギア・ゴーレム』の攻守を入れ換える!」
貫通を得意とする小原君と、鉄壁の守りを敷く慕谷君のデュエル
…やや、小原君が押されているか?
「うおおお!いけ、『ジャイアント・オーク』!『タイガー・カタパルト』を攻撃!」
雄叫びが聞こえたと思ったら、いつも大人しい大原君が万丈目君を圧倒していた
「く、俺のモンスターが…。だが、貴様の『スキルドレイン』があることにより『ジャイアント・オーク』は守備表示は免れるにしても、『キングゴブリン』の攻撃力は0のままだぞ!」
「僕は、速攻魔法『非常食』で『スキルドレイン』を墓地に送る!」
…うまい!これなら、『オーク』と『ゴブリン』の両立は可能だ
思えば、大原君はデザイナー志望でデュエルはあまりしなかったが、イエロー同士の特訓もあってか、すごく上達したように思う…
………………
…………
……
…
「総括すれば…」
日曜日の夜、集まりを終えて2日間で取ったデータを見返していた
HEROの十代君、『サイバー・ドラゴン』使いの亮さん、ダメージ主体の明日香さん、現在思考中の三沢君、『ブラック・マジシャン』デッキの神楽坂君…
それからそれから…
貫通狙いの小原君、レベル4ネガティブ効果持ち+『キングゴブリン』主体の大原君、ドラゴン族パワーデッキの取巻君、持久戦型の慕谷君、コアラが主な獣族の隼人さん、『ロイド』デッキの翔君…
加えて…
戦士族・魔法使い族よりにしてもらったジュンコさんと、『レスキューキャット』主軸のほぼ獣族にしたももえさん、と…
…はじめは睨まれたり悲しい顔をされたが…、良心が痛む…
なんにしても、アカデミアにいるだけあって見てて弱い・向かないと思ってた人がいなかったし、続けていけば学園に危機が訪れても回避できるだろう…
…私は何をやってるんだか…、別世界での試練と割り切ってここに来たはずなのだけれどな…
…でも、仲良くなった人を知らないふりをして見殺しになんてできない…
………………
…………
……
…
そんなことが続いたある日のことだった
「来たか…」
ある日の放課後、例のフィールドで取巻君に呼び出された
「どうしたの?急にさ」
「何も言わずに俺とデュエルしろ」
そう言うと、取巻君はデュエルディスクをかまえた
「え?」
「さっさとしろ、いくぞ!」
取巻君の顔は以前の嘲るような表情はなかった…
「わかった」
「「デュエル!」」
取巻:LP4000
青人:LP4000
「俺の先攻だ!ドロー!手札から魔法カード『コストダウン』を発動!手札を1枚墓地に送ることで、手札のモンスターレベルを2下げる!そして、レベル4となった『エメラルド・ドラゴン』を召喚する!いでよ、『エメラルド・ドラゴン』!」
エメラルド・ドラゴン:
★4 ATK2400
エメラルド色のドラゴンが姿を現す
…1ターン目から上級モンスターとは…
「先攻は攻撃が許されない。リバースカードを1枚セットし、ターンエンド!」
取巻:LP4000
フィールド:
【モンスター】
エメラルド・ドラゴン:
★6 ATK2400
【魔法・罠】
伏せカード1枚
手札:2枚
「僕のターン!」
今、手早く攻撃力の高いモンスターを召喚する術はない…、だがモンスターは攻撃力がすべてではない…
「モンスターを裏守備表示で召喚!カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
青人:LP4000
フィールド:
【モンスター】
裏守備モンスター1体
【魔法・罠】
伏せカード1枚
手札:4枚
これで次のターンまで持ちこたえられる
「俺のターンだな!ドロー!魔法カード『スタンピング・クラッシュ』!こいつは、ドラゴン族がいる時、相手の魔法・罠カード1枚を破壊して500ポイントのダメージを与える!」
青人:LP4000→3500
う、『聖なるバリア』が…
「さらに、『スピア・ドラゴン』を召喚!」
スピア・ドラゴン:
★4 ATK1900
…来たか、取巻君の主力にして守備モンスターの天敵…
「お前が守備モンスターを出すことは読めていた…。大方そのモンスターは低レベルモンスターだと見えるが、その分守備力は低くなる!そして、『スピア・ドラゴン』には守備モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値分のダメージを与える能力がある!いけ、『スピア・ドラゴン』!《ドラゴン・スクリュー》!」
「く、…」
青人:LP3500→1700
「だが、『ジャイアント・ウィルス』は破壊された時、相手に500ポイントのダメージを与え、同名カード2体をデッキから特殊召喚できる!」
取巻:LP4000→3500
ジャイアント・ウィルス:
★2 ATK1000
ジャイアント・ウィルス:
★2 ATK1000
「お前のモンスターが『ジャイアント・ウィルス』だということぐらい読めている!罠カード『バーストブレス』発動!ドラゴン族1体をコストに、そのモンスターの攻撃力以下の守備力を持つモンスターを全て破壊する!」
「な…!だが、『エメラルド・ドラゴン』の守備力も1400、破壊は免れない!」
「だからその前に速攻魔法『収縮』を『スピア・ドラゴン』に発動していた!よって発動時の攻撃力は950!やれ、『スピア・ドラゴン』!《バーストブレス》!」
うぐ…、これで私のフィールドにカードはなくなった…
「フン、所詮サンダーの買い被りか…。終わりだ!『エメラルド・ドラゴン』でダイレクトアタック!《エメラルド・フレイム》!」
炎が迫る…
このまま受けたら敗け…、だけど…
「手札から『クリボー』を墓地に送って効果発動!自分へのダメージを0にする!」
今回はクリボーが巨大化して守ってくれた
「根性だけはあるようだな…。ならば魔法カード『天使の施し』を発動!3枚引いて、2枚を墓地に送る!」
すると、その行動の後で動きを止めた
「サンダーが言っていた…」
そして、取巻君は話はじめた
「学園を出る前のお前とのデュエルのことを…、そして準備ができたら、そのデュエルの続きにいつか決着を着けたいと…。だから、今回ラーイエローのお前がどれほどの実力を持つのか、オベリスクブルー・エリートの俺が確かめに来た。その生意気なイエローの実力をな…」
そこまで話すと、手札の1枚をディスクのスロットに入れる
「速攻魔法『超再生能力』!こいつは、このターンに生け贄または手札から墓地に送ったドラゴン族1体につきターン終了時に1枚ドローするカード!俺が墓地に送ったのは3体、よって3枚ドローする!」
手札増強…
「さらに、ドローしたもう1枚の『超再生能力』を発動!新たに3枚ドローする!」
取巻:LP3500
フィールド:
【モンスター】
エメラルド・ドラゴン:
★6 ATK2400
【魔法・罠】
なし
手札:5枚
「どうあがいても次の俺のターンで終わりだ。だが、お前がサンダーに匹敵するというのなら、かかってこい!」
…そうか、この人は…
「僕のターン!」
…このカードは…!
「魔法カード『次元融合』をコストに『二重魔法』を発動!相手の墓地の魔法カード1枚を手札に加える!『天使の施し』を手札に加えて発動!『黒き森のウィッチ』を召喚!」
黒き森のウィッチ:
★4 ATK1100
「だが、そんなモンスターでは『エメラルド・ドラゴン』は倒せないぞ!」
「そして、このカードは墓地の闇属性・悪魔族3体と光属性・天使族1体をゲームから除外して特殊召喚できる!墓地の『ジャイアント・ウィルス』3体と『創造の代行者 ヴィーナス』を除外!」
…このようなカードが来ると、勝ち負けより召喚を優先したくなってしまう…、悪い癖だな…
「天光包む暗黒の海より浮上し、新たな世界を造り出さん!舞い上がれ、『天魔神 ノーレラス』!」
天魔神 ノーレラス:
★8 ATK2400
「攻撃力2400…、『エメラルド・ドラゴン』には届くが、手間隙かけて出したモンスターとは思えんな…」
「いや、これでいい。そして、このカードの効果はライフを1000支払うことで発動できる!フィールド上、それから手札をすべて焼き払う!」
「な、何だと!?」
…そりゃあ、おどろくよね…、私も時々使っていいのか迷うもの…
「ゆけ、『ノーレラス』!《疾風怒濤の創造撃 シュトルム・ウント・ドランク》!」
青人:LP1700→700
『ノーレラス』が起こした雷をまとった嵐がすべてを破壊する
「あぁー!あ、『エメラルド・ドラゴン』!おぉ、俺の手札がー!お前!なんてことしやがる!」
…私がやられても同じことを言うだろうな…
「そして、すべてのカードを破壊した後、デッキからカードを1枚ドローする!さらに、『黒き森のウィッチ』の効果で守備力1500以下のカードをデッキから1枚手札に加える!」
『ブレイドナイト』を手札に加える
これで手札は2枚になった
「僕はカードを1枚伏せて、ターン終了!」
青人:LP700
フィールド:
【モンスター】
なし
【魔法・罠】
伏せカード1枚
手札:1枚
「…ちっ、やってくれたな…。…確かにサンダーが言うだけはあるかも知れない…」
だが、と続ける
「勝つのは俺だ!ドロー!」
…何を引いた?
「引いたのはモンスターカードだ…」
グランド・ドラゴン:
★4 ATK2000
年老いたようなドラゴンが現れる
「こいつは、他のドラゴン族がいなければ攻撃することはできない」
取巻:LP3500
フィールド:
【モンスター】
グランド・ドラゴン:
★4 ATK2000
【魔法・罠】
なし
手札:0枚
「僕のターン!」
このターンは生き永らえたか…
「『ブレイドナイト』召喚!」
ブレイドナイト:
★4 ATK1600→2000
「『ブレイドナイト』は手札が1枚以下の時、攻撃力が400上がる!さらに、カードを1枚伏せてターン終了!」
青人:LP700
フィールド:
【モンスター】
ブレイドナイト:
★4 ATK2000
【魔法・罠】
伏せカード2枚
手札:0枚
布陣の外形はできあがった…
後はドロー次第か…
「俺のターン!ドロー!」
ドローした後で取巻君はフッと笑った
「色々と手を尽くしたようだが、それも終わりだ!魔法カード『火竜の火炎弾』!」
あれは、ドラゴン族の戦闘外サポートカード
「ドラゴンがいる時、2つある効果から1つ選んで発動することができる!俺は、この効果でお前に800ポイントのダメージを与える!」
「カウンター罠『ダメージ・ポラリライザー』発動!効果ダメージを無効にし、互いに1枚ドローする!」
『ノーレラス』の効果で引いた時は焦ったが、意外なところで役に立つとことになるとは…
「しぶといな…。魔法カード『強欲な壺』!カードを2枚ドローする!リバースカード1枚セットして、ターンエンドだ!」
取巻:LP3500
フィールド:
【モンスター】
グランド・ドラゴン:
★4 ATK2000
【魔法・罠】
伏せカード1枚
手札:1枚
「僕のターン!」
ドローカードはモンスターではないが…
「魔法カード『フォース』!モンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分をもう1体に加える!『グランド・ドラゴン』の力を『ブレイドナイト』へ!」
グランド・ドラゴン:
ATK2000→1000
ブレイドナイト:
ATK2000→3000
「く…」
「いけ、『ブレイドナイト』!『グランド・ドラゴン』を攻撃!《ブレイド・アタック》!」
「ぐうぅ!」
取巻:LP3500→1500
よし、ライフを大きく削ることができた!
「カードを2枚伏せる。そして、ターンの終了時『フォース』の効果は切れて、『ブレイドナイト』の攻撃力は元に戻る。」
ブレイドナイト:ATK3000→2000
青人:LP700
フィールド:
【モンスター】
ブレイドナイト:
★4 ATK2000
【魔法・罠】
伏せカード2枚
手札:0枚
「く…やるな…。あの局面から俺を追い詰めるとは…」
そう言う取巻君の顔は、戦う前の時とはうって変わって清々しい顔をしていた
「罠発動!『正当なる血統』!自分の墓地から通常モンスター1体『エメラルド・ドラゴン』を復活させ、このカードを装備する!さらにもう1体、『ドル・ドラ』を召喚!」
エメラルド・ドラゴン:
★6 ATK2400
ドル・ドラ:
★3 ATK1500
エメラルド色のドラゴンと、双首を生やすドラゴンが現れる
「このままバトルといきたいところだが、お前のその伏せカードは曲者だからな…、こいつを発動する!『スタンピング・クラッシュ』!お前のそっちの伏せカードを破壊する!」
その読みは正しいけど、私の伏せカードはどっちもハズレ
そして、そっちは多分大ハズレ
「ならば罠カード『砂塵の大竜巻』!相手の魔法・罠カードを破壊する!」
「し、しまった!発動条件がフリーのカードだったか!」
それに、発動後に墓地にいく魔法・罠は破壊されようとも効果は止まらない
「『正当なる血統』を破壊!そして、『正当なる血統』がフィールドを離れたことで、装備モンスター『エメラルド・ドラゴン』も破壊される!」
「『エメラルド・ドラゴン』!それでも、『スタンピング・クラッシュ』の効果で500ポイントのダメージを受けてもらうぜ。」
「うっ」
青人:LP700→200
取巻:LP1500
フィールド:
【モンスター】
ドル・ドラ:
★3 ATK1500
【魔法・罠】
なし
手札:0枚
ここでモンスターを引ければ…
「僕のターン!」
…モンスターカードだが…
「『ブレイドナイト』で『ドル・ドラ』を攻撃!《ブレイド・アタック》!」
「ちぃっ」
取巻:LP1500→1000
「ターン終了前にモンスター1体を裏守備表示で召喚!」
青人:LP200
フィールド:
【モンスター】
ブレイドナイト:
★4 ATK2000
裏守備モンスター1体
【魔法・罠】
伏せカード1枚
手札:0枚
「そして、お前のターンが終了する時に『ドル・ドラ』は攻撃力1000ポイントで復活する!俺のターンだ!」
ドル・ドラ:
★3 ATK1000
「フ、まさか格下の寮相手にこれを使うことになるとはな…。魔法カード『死者蘇生』発動!『ドル・ドラ』を捧げる!」
「えっ?」
『死者蘇生』は無条件でモンスターを復活させる魔法カード、コストはかからないはず…
「こいつを復活させるにはドラゴン族1体の魂が必要だが、お前を倒すには相応しいモンスターだ。暴君の名の元に復活しろ!『タイラント・ドラゴン』!」
タイラント・ドラゴン:
★8 ATK2900
紅く、ラスボスに相応しいモンスターが現れる
『タイラント・ドラゴン』…、『ノーレラス』の時か…?
「何度もかわされてきたが、これでとどめだ!『タイラント・ドラゴン』に罠は通用しない! いけ、『タイラント・ドラゴン』!『ブレイドナイト』を攻撃だ!《ドラゴン・フレイム・ブラスト》!」
炎が『ブレイドナイト』に迫る…
…確かに、罠は効かない…でも…
「速攻魔法『月の書』を発動!」
「速攻魔法だと!?」
…もしあの時『砂塵の大竜巻』を狙われていなかったら、ここで敗けていたかもしれない…
「『月の書』はモンスター1体を裏守備表示に変更するカード!」
タイラント・ドラゴン:
ATK2900→裏守備表示
取巻:LP1000
フィールド:
【モンスター】
裏守備モンスター1体
【魔法・罠】
なし
手札:0枚
「俺はこれでターン終了だ!なんとかしのいだようだが、次のターンでまた『タイラント・ドラゴン』の猛攻がお前に襲いかかるぞ。」
その通りだ…
でも、私のデッキには巨大モンスターを倒す方法が積み込まれている…、それを引けるか…?
「僕の、ターン!」
これは…!
「僕は『融合呪印生物ー光』を召喚!」
「融合呪印生物…?」
「さらに守備モンスターを反転召喚」
融合呪印生物ー光:
★4 ATK1000
慈悲深き修道女:
★4 ATK850
「だがモンスターを集めても、『タイラント・ドラゴン』の守備力には及ばないようだな」
「いや、『融合呪印生物』を使えばそうでもないよ」
「何?」
「『融合呪印生物ー光』の効果発動!自分の場の融合素材モンスター1体とこのカードを使って、光属性の融合モンスター1体を特殊召喚する!」
『融合呪印生物』が『堕天使マリー』の姿に変わる
「これは…!」
「天命に導かれし清き魂よ!その剣で、運命を切り開け!融合召喚!煌めけ、『聖女ジャンヌ』!」
聖女ジャンヌ:
★7 ATK2800
剣を携えた短髪の女騎士が現れる
「バトル!《クーラジュ・ディリージェ》!」
『タイラント・ドラゴン』の守備力は2500だが…、『ジャンヌ』の剣閃には敵わない
「俺の『タイラント・ドラゴン』が…」
1ターンで破壊されたことがよほど堪えたのか、取巻君の顔が引きつっている
「『ブレイドナイト』でダイレクトアタック!《ブレイド・アタック》!」
「あああぁ!」
取巻:LP1000→0
…ふぅ、何とか勝った…
『ノーレラス』以降はやや泥沼化していたけど…
「やるな、お前」
色々と考えていると、取巻君が言いながら近づいてくる
「ブルー・エリートの俺を負かすなんてな…、と言いいたいところだが、もしかするとお前ならサンダーに勝てるかもしれない…」
そう言う彼は穏やかだった…
「…実はな、サンダーのこともあったが、カイザー亮がお前に肩入れする理由も知りたかったんだ…」
「亮さんが僕に…?」
「ああ、お前は忘れているかもしれないが、ブルーのフィールドで1年のブルー生とイエロー生が衝突した時。その時、カイザーが仲裁に入ったそうだが、お前の味方をしたらしいじゃないか…」
…ああ、小原君たちに助太刀した時か…、たしかに派手にやらかしたけど、その1件でブルー生が手出しできなくなったんだっけ…
「聞いた時は正直ムカついたぜ…。何せそれと同じ時に、お前とカイザーが引き分けたとか言う噂まで立つし…」
「えっ?」
何だって!?…面倒になるから、人気のない灯台でデュエルしたというのに…
「いや、あれは実質僕の敗けだよ。『ラストバトル!』と『ネクロ・ガードナー』がいなかったらどうなっていたことか…」
「どうなっていたことかって、お前本当に引き分けたのか?」
驚き目を見開いている
…はぁ、口は災いのもとだね…
「すまん、今のは忘れてくれ」
「忘れられるか!マジかよお前…!」
少し深呼吸をしている
「そうか…。…サンダーは変わった。慕谷も第2のサンダーを目指しているらしい。変わったな、あいつも…」
そう言う取巻君の顔は、あの万丈目君と一緒にいた時の顔とどこか違って見えた
「お前の実力は把握した。邪魔して悪かったな。」
暗くなった空の下、背を向ける
「今週末も、データ収集するんだろ?というか、あれはもう勉強会みたいになっているけど…」
確かに、偽のデータ収集も、いつしか単なる勉強会になってきた…、まぁ予定通りなのだが…
「楽しみにしているぜ…。エリートの俺が出るんだからな、しっかり取れよ!じゃあな!」
後ろ向きで手をふりながら、去っていった
…万丈目君に慕谷君、みんな変わったんだね…
思えばあの時、万丈目君とのデュエルで自分の変化に驚いたけど、人は変わっていくんだ…良くも、それから悪くも…
そんな不思議な感覚を感じながら、寮に戻ることにした
16話終わりです。
これでほぼGX編第一期の主要メンバーは登場したところです。
ブルー生からは、取巻君と慕谷君という万丈目君の元取り巻きの2人が登場しました。
彼らは、アニメでは第二期でも万丈目君のことを見下していましたが、スピリットサモナーではどうも付き合いが続いているようです。ちなみに、話が進むとレッド寮の主人公を認めるような発言もし、わりと憎めないキャラになります。
さてデッキの方ですが、例によってスピリットサモナーを参考にしています。
ブルー女子の2人は、【ハーピィ】や【バーン】を使うようですが、イメージに合わなかったので、それぞれ【イケメン】と【プリティ】という趣味デッキを元にしました。あしからず
ブルーは、取巻君は初期デッキで挑んで攻撃力1900のドラゴンに苦戦したのが印象に残っていたのでほぼ【通常ドラゴン】、慕谷君は【波動キャノン】を使うのですがカードの守備がやたら高いので【攻守逆転】にしました。
大変長くなりましたが、それではまた。