「最終準備…?」
先ほど熱くなった頭を冷ましながら、そう尋ねる
「そうだ、汝の記憶を探す旅、その準備だ。」
「記憶…?」
黒装束の男は、デュエルディスクをしまいながら、そうだとうなずく
「そういえば、このデッキのカードは自分が記憶を使って創った、それから僕が願った世界…デュエルの前にあなたはそう言ったが、それはどういう…?」
「私はそれに答えることはできない。私にできることは、汝をこの扉の向こうに導くことだけだ。」
そう言うと、男は私に背を向けて向こう側を向く
その先には、先程まで見えなかった石造りの大きな扉が見える
「先のデュエルによって、この扉は開かれる。そして、扉の先で試練の時を迎えると汝はそのデッキを使ってデュエルを受けなければならない。」
「試練?」
「左様、試練を受けることでもたらされる。試練の時は、そのデッキが知らせるだろう。」
…試練……
また戦うことになるのか……?
そう考えると、脚に小刻みな震えが走る
「汝がこれから向かう場所は、デュエルの中心地『童実野町』。そして、デュエルの先端『デュエルアカデミア』。」
「『童実野町』……?『デュエルアカデミア』……?うっ……」
…何だろう?……どこかで聞いたような……
これが眠っている記憶…?
「試練と場所は伝えた。後は、汝が扉を開けるだけだが……。汝の名を告げよ。」
「名前……、えっと……」
…名前……名前……、!……思い出せない!
「ふむ、名前も失っているようだな…。ならば、名前をつけよ。」
「え、僕が…?…あ…」
何だろう…、何かに乗ってシンクロ召喚をする赤いサングラスをかけた人…
そんな映像が流れてくる
……浮かんだ…!
「僕の名前は、山白 青人(やましろ せいと)」
すると、ゆっくり扉が開き出す
「これで、準備は整った。 行くがいい。」
「えっと……」
「扉をくぐれば、汝はその世界を知ることになる」
脚は震えている……
…だが、それよりもこの胸の高鳴りは何だろうか……
ゆっくり歩を進める
「試練を超えた先で会おう」
扉をくぐると、男は私にそう言った
………………
…………
……
…
「ん……」
ゆっくりと起き上がる
どうやらソファで寝ていたようだ
「試練……」
夢?思いながら、ふと目の前に目を向けてみる
「!!」
そこには、着けていたデュエルディスクが置かれていた
夢ではなかった……
…ここが童実野町なのだろうか
………………
…………
……
…
あれからわかったことは、ここが童実野町であり、その(表向き)住人としてこの一軒家に住んでいること
2階建で下の階はごく一般な備えがあり、上の階はいくつか部屋がある
そして、驚いたのがDホイールのガレージがあることだった
仕組みはわからず、運転していた記憶はなく…というか、全くしたことがなかった様な気しかしないものの、容易く扱うことが出来ることが何となくわかった…何か奇妙だ……
…頭に記憶が流れてくるのだ…
他には自分はどうやら15歳で、明日アカデミアの入学試験の実技があるらしい
受験票にそう書いてあった……
「入試か……何か懐かしいような……」
遠い昔にそんなことがあった気がした
…これも、記憶なのだろうか?
「……」
次に、この世界での生命線とも言えるデュエルモンスターズのカード、ひいてはデッキについてだが、先刻デュエルで使ったカードは試練の時以外は使用ができないらしい
その代わりか、デュエルディスクと自分の意思は連動しており、使いたいデッキがディスクに現れるらしい
「はぁー…」
…整理をしたら何だか眠くなってきた…
明日の試験に備えて休むことにしよう
そう考えると、私は意識を手放した
第2話終わりです。
本当は入学試験まで進めようかと思いましたが、長くなると思いここまでにしました。
主人公、いきなりすごい設定になっていますが、どうなることやら…
それでは、また。