デュエルモンスターズ 赤の記憶を求めて   作:トパートパール

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今回はデュエルなしの日常(?)回です


PIECE-27 開催!デュエル!アカデミア祭

「別世界…」

「試練…」

「記憶喪失…」

 

 

三幻魔の事件から少したつ

 

理事長とのデュエルの後、幻魔のカードは封印され、鮫島校長をはじめ先生方は事件の後処理を何とか終え、授業も通常通りとなり日常に戻りはじめている

ちなみに、錬金術の講義は大徳寺先生が霊態と化してしまったので、ビデオ講義となっている。…なんでも、毎回の講義の教材の製作を、事情を知っている十代君たち一部のレッド生が付き合わされているらしい(大徳寺先生曰く、「然るべき時まで、お願いするのニャ…」)…

…いずれにしても、私1人ではコメント的に持て余しそうなので、気にしないこととしたい…、切実に

経過報告はこれくらいにしよう

現在私は、レッド寮の十代君たち、イエロー寮のいつもの面子、ブルー寮の取巻君たちの集まるレッド寮の食道にいた

人が集まりにくく、かつ個室よりも広い場所ということで、この場を提供してくれたようだ

…何だか、気を使わせてしまったな…

そして、何故ここに集まったかというと、私が今まで話すことを躊躇っていた私自身のことを伝えるためであった

理由は、影丸理事長との戦いの時に隠しきることができなくなったこともあるが、その事を知ってもなお仲間だと信じて託してくれたこと、それから大徳寺先生の言葉が後押ししてくれたことがあった

捨てられるかもしれないという恐怖や、巻き込みたくないという思いよりも、彼らだからこそ話さなければならないという気持ちが上回ったのだった

 

 

「なるほど。まとめると、無くした記憶を取り戻すために試練と称する何かを受けてきた。そして、その試練を受けるためにデュエルアカデミアのあるこの世界へと来たというわけか…」

「ええ…」

 

 

亮さんが、私の話した内容を総括する

ちなみに、このことは幻魔の事件が終わった後に、鮫島校長とクロノス先生に話している

 

 

………………

…………

……

 

 

校長先生は、三幻魔のことの謝罪と感謝の後、「君が何者であるかの前に、わが校の生徒です。君がもし学びたいというのであれば、ここで学ぶことは君の自由です」と言ってくれ、クロノス先生もそれに大いに同意してくれた

…何とも、恐れ多いことだ…

それから、驚くべきことに私がここにいることは海馬オーナーも認めてくれているそうだ。曰く、「貴様がどこにいようと、オカルトグッズで問題を起こさなければ、この俺には関係ない。さっさと、貴様の果たすべきこととやらを果たすがいい」だそうだ…

…オカルトグッズって何のことだと思いながら、こちらに向けられたかのような言葉に何か妙な感じを覚えた

また、クロノス先生からは、「私を助けてくれたことは覚えているノーネ。どこから来た人であろうと、アナタは私の大事な生徒なノーネ。何かあったら、必ず私を頼るノーネ」と言ってくれた。そして、最後にアナタならきっと大丈夫なノーネと付け加えた

クロノス先生からは今までたくさんのことを教えていただいた

この前の戦いの時に光は闇を凌駕できない、そう信じて決して心を折らないでほしい、と教えてくれたのも他ではないクロノス先生だった

だからこそ、彼の言葉から、その気持ちが伝わってきた

 

 

………………

…………

……

 

 

「お前、随分と大変なことに巻き込まれているんだな…」

「それならそうと、少しは俺らに頼ればいいのにさ」

 

 

取巻君と小原君が複雑そうな顔をしている

 

 

「ま、イエローのお前じゃあ力不足だろうがな」

「ブルーのようなワケわかんねー奴よりはよっぽど信頼できるだろうけどさ」

「何だと!?」

「何だよ!」

 

 

…あーあー、また喧嘩になっちゃった…

最近、取巻君と小原君はよく喧嘩するなぁ

2人とも、自分を頼れってことだと思うんだけど…

 

 

「それはともかくとして、気になるのはその試練とかって奴の方だな」

「そうね、私も少し気になっていたところよ」

 

 

慕谷君と大原君が仲裁に入るのを後目に、神楽坂君と明日香さんが話を進める

…妙か…、確かに思ったことはあったな…

 

 

「明日香さん、どういうことです?」

「僕もさっぱりッス」

 

 

ジュンコさんも翔君も、わからないといったポーズをとる

 

 

「ここまでの話を整理するとだな、記憶を失った青人がデュエルアカデミアに来た。そして、度々『封魂石』のカードに導かれて試練を受けている。ここまではいいな?」

 

 

三沢君が順を追って整理する

 

 

「だが、その試練の内容を思い出してみろ。1番最初は、十代たちが戦ったというタイタンが闇に捕らわれたもの。その次が大徳寺先生が課外授業で訪れた遺跡、十代が闇のデュエルを行った場所だ。それから、クロノス先生が倒したカミューラを取り込んだ幻魔の扉。これらの共通点は何か…」

「闇のデュエルか…」

「そして、その闇のデュエルに取り込まれた魂の救済、あるいは危機の回避だ」

 

 

三沢君の問いかけに、十代君が答え、吹雪さんがそれを引き継ぐ

…確かに、タイタンさんやカミューラの時は彼らを結果的に闇の魔の手から助けることになったし、遺跡の時はシャーディーさんから警告を受け取った

 

 

「じゃあ、青人はこの世界を救うために現れた救世主とやらとでも言うのか?」

「いや、そうとも言いがたい。救済が目的ならば、わざわざ試練などと回りくどい言い方をする必要はない。例え、記憶を回収する方法であったとしても、救いや救済と称するのが自然ではないか?」

 

 

万丈目君の疑問に対して、三沢君は否定するように答える

…そうの通り、確かに妙だ…

試練とは、何かを成し遂げるために、決まった場所あるいは決まった条件を満たした上で受けるものを指す

今回試練と呼ばれたものは、不確定な出来事の中で起こったことだ

…確かに、人生において苦難に遭遇することを試練と称する場合もあるが、それは一種の例えというものである

 

 

「つまり、その試練というのは、誰かが裏で糸を引いている可能性がある、ということなんだな」

 

 

隼人さんが、大変だという表情で言う

…もしそうであるとするなら、この世界に来る前に会った人か…?あるいは…

 

 

「それじゃあ、青人君は今も危険にさらされているんじゃ…!」

「いや、そうとも限らないぜ。青人は、『ペンタクルス』と『カップ』という未完成のカードを与えられている。そこから導き出されることは、青人にそれらのカードを完成させるようとしていることだ」

「つまり、そうなる前までは危害を及ぼさないということか」

 

 

翔君の言葉に、神楽坂君と万丈目君が答える

…つまるところ…

 

 

「今は、待つしかないかな」

 

 

仕方ないという風に私は呟く

 

 

「いずれにしても、何かあったら言ってちょうだい」

「まぁ、少しくらいなら手伝ってあげてもいいわ」

「いつでも言ってくださいませね」

「デュエルなら俺に任せてくれよ」

「この俺様がやってやるんだからな、光栄に思うがいい」

 

 

そんな感じで、話は一段落した

…いい仲間をもったもんだなぁ…

 

 

「じゃ、話は終わりだな。よし、じゃあデュエルしようぜ」

「もう、アニキったら」

 

 

さっきまでの真剣な表情はどこへやら、こうして見ると普段の日常とあまり変わらない

 

 

「お、そうだ。青人、デュエルしようぜ!今度は、俺たち同士でさ!」

 

 

理事長とのデュエルでタッグを組んだパートナーからのご指名だ

…なるほど、それもいいかも…。でもその前に…

 

 

「それじゃあ、これ解いてからね」

 

 

そう言うと、鞄から取り出した大きめのタブレットを渡す

 

 

「なんだ、こりゃ?」

「僕が考えた詰めデュエルの問題。今度、学園祭の時にイエロー寮では出店を出すことになっててね、その店の1つの詰めデュエル道場で出題する問題を考えているんだ」

 

 

鞄を探りながら答える

 

 

「で、出た…、青人の詰めデュエル…」

「俺は、遠慮させてもらおう…」

 

 

後ろの方では、さっきまで喧嘩していた小原君と取巻君が仲良く離れていくところだったようだ

 

 

「こっちは明日香さん、こっちは亮さん…」

 

 

はい、と手渡す

 

 

「あら…」

「俺たちにか?」

 

 

今回作ってきた数は少ないけど、それぞれ十代君、明日香さん、亮さんのカードをメインにした詰めデュエルだ(※)

なので、是非とも当人たちに解いて欲しかった。いわば、私なりのお近づきのしるしだ

 

 

「どれどれー」とか「どんな感じなの?」といった具合で覗いていたみたいだが、大体の人は「ワケわかんねー」といった感じで離れていった

…ちょっと、心外だな

ちなみに、当人たちからは「中々に奥深いな…」とか「よくここまで考えたわね…」といったコメントをいただいた

十代君はというと、「どうすりゃーいいんだよ、ワッケわかんねー…」と撃沈していた

 

 

………………

…………

……

 

 

「ふぁーあ…」

 

 

そんなこんなで、ラーイエローの自室にいる

あの後は、学祭のことやら何やらを話して解散した

この学校での学祭は、それぞれの寮ごとに出し物を決める形式だ

ちなみに、ブルー男子はデュエルカフェ、女子はスイーツの販売、我らイエローは小規模出店のユニオン、そしてレッドはコスプレデュエル大会をやるようだ

それぞれの中身については、ブルー男子はカフェのおもてなしをしながら特殊なルールでデュエルのお相手を、ブルー女子はカードをイメージしたようなお菓子の販売、イエローはフリーダムに、レッドはデュエリスト自身がモンスターに扮して楽しもうというものだった

…お祭りか…、思い返すと、こんな風に何も考えずに楽しむのは初めてのような気がする

いつも、どこかで遠慮していたからかな…

そう考えると、少し顔がにやけてくる

 

 

「随分と楽しそうね」

「!…ひょわああぁぁ!」

 

 

突然、聞こえた声に思わずすっとんきょうな声をあげてしまう

一応、ここは私の一人部屋であり、誰もいないと考えるのは当然だと思う

 

 

「まったく、レディに対してその態度は失礼じゃないかしら」

 

 

振り返ると、深紅のドレスの上にガウンを羽織ったカミューラが、少し不機嫌な顔をして立っていた

 

 

「え…、ええっと、いったいどこから…」

「窓、開いていたわよ」

 

 

…そう言えば、開けていたような…

 

 

「って、そういう問題じゃなくて」

「はいはい、細かい男はモテないわよ」

 

 

…細かいって、人間の世界では犯罪…、まぁいいか…

 

 

「それで、何か用ですか?」

「つれないわね、ちょうど散歩をしていたらあなたのお部屋が見えたから、少し顔を見に来たのよ。今夜みたいに月のきれいな夜は、こうして外を歩くことにしているの」

 

 

フフ、と笑ってそう答える

 

 

「前より軟らかい表情になったわね…、幻魔の一件で何かあったのかしら」

 

 

そう言う彼女の顔もどこか和らいでいるように見える

今なら話してもいいかなと思い、三幻魔との戦いの時に何があったのか、今日みんなに話したことを伝えると、「そう、あなたは前に進めたのね」と呟いた

 

 

「でも…、やっぱり私にはまだ時間が必要ね…」

 

 

さっきとはうってかわって、目を伏せながら言葉にする

…まぁ、当然か…。どんなに今生きている人間が昔と違うと言っても、自分の仲間や家族を殺した種族と仲良くやりましょうとはいかないものね…

こればかりは当人の気持ちが変化するのを待つ他ない…、むしろ自分とこうやって普通に話していることから、彼女自身も確実に一歩を踏み出せていると言えるだろう

 

 

「あせる必要も、気負う必要もないよ」

「あら、私を気遣ってくれるの?」

 

 

彼女にかけた言葉に、冗談ぽく返してくる

…こういうところは、ちょっと苦手なんだけど…

 

 

「まぁいいわ、今度は私の城にも来なさい。お茶とおもてなしぐらいはするわ」

 

 

なんなら、相談事をしてくれてもいいわよと付け加えてきた

…相談事ねぇ…、あっ!

 

 

「実は…」

 

 

………………

…………

……

 

 

そして、今日はいよいよ学祭

方々から普段よりも活気のある声が聞こえる

私は、詰めデュエル道場で午前の早い時間を担当をすることになっていた

午後からはレッドでのコスプレデュエル大会があり、こちらにも参加をしたかったので、この決定は嬉しいところだ

そんなわけで、午前は詰めデュエル道場の担当をしていたのだが、思いの外そこそこ人は来てくれた。少々地味かなと思っていたが、杞憂だったようだ。…まぁ、大半は問題に挫折していたけど…

取巻君に慕谷君、ジュンコさんにももえさんと見知っていた人が来てくれたことも嬉しいことだった

みんな真剣に挑戦してくれていたけど、それが終わると景品を片手に自分たちの店にも来てくれと言って帰っていった。…その直後に、(いつも通りと言うか)取巻君と小原君が喧嘩をはじめ、(これもいつも通り)慕谷君と大原君が止めに入っていたが…

そんなことがあって、予定よりも早くに次の担当である三沢君と神楽坂君と交代した(2人とも「今日くらいは何も考えずに楽しめ」と気遣ってくれた)

 

 

………………

…………

……

 

 

「うーん、おいしいー」

 

 

そして、今ブルー女子の出店で受け取った、ソフトクリーム風のスイーツを頬張っている

バニラのクリームをベースに、チョコボールサイズの『クリボー』を模したチョコと『レッドポーション』を模したイチゴ味のシロップあしらった、見た目はシンプルなものだ。チョコもシロップも邪魔せず、控え目な味が喉を潤してくれる。…ただ、精巧な『クリボー』チョコを食べるのは勿体ない気もする…

本当は他の店の担当が終わった小原君、大原君コンビと一緒に回るつもりだったのだが、「デュエルカフェで、あのエリート野郎とケリを付けてやる」と意気込む小原君とそのストッパーの大原君の速度にはついていけず、1人脱落した私は2人が向かった方向とは反対側の女子寮へ向かったというわけである

エリート野郎とは、十中八九ブルーの取巻君のことだろう。取巻君と小原君は三幻魔の事件前のデータ集めと称した特訓の際に衝突して以来、仲はあまりよくないものの、最近では喧嘩仲間といった表現がぴったりな気がする…。そして、喧嘩の際は慕谷君と大原君が止めに入るのが、半ば恒例と化している(ちなみに、ストッパー同士はお互いに似たような立場ということもあり、仲は良いようだ)

…無論、本気でお互いを忌み嫌っているわけではなく、むしろ傾向や行動は似ているところがあると思うくらいだ。仲良くすればいいのにと思うのだが、今の関係がちょうどいいものなのだろう…

 

 

「あんた、本当おいしそうに食べるわね…」

 

 

クリームの甘さに頬を緩ませていると、隣を歩くジュンコさんの呆れたような声が聞こえてくる

 

 

「そりゃあ、とってもおいしいからね。ありがとう」

「それ、ももえが作ったんだけど…」

「ももえさんか…」

 

 

…大丈夫かな…、そういえば…

私が女子寮に着いた時、ちょうどジュンコさんとももえさんの担当時間が終わったそうなのだが、手を貸してほしいと言われて店の中に引っ込んでしまったのである。私とジュンコさんも手伝おうかと言ったのだが、いいからいいからとイタズラっぽく笑って追い出されたのであった

そんな成り行きがあって、現在に至るのである

 

 

「ところでコレ、本当におごってもらって良かったの?」

「別に。その代わり、ブルーのカフェに着いたら、あたしになにかおごりなさいよ」

 

 

…まぁ、いっか…、何だかんだで付き合い長いし…

 

 

「お安いご用だよ」

「それから、あんたのポケットに入っているクッキー、食べたら必ず感想言いなさいよね」

「了解です」

 

 

私のポケットに入っているクッキーとは、デュエルモンスターズのカードを模した逸品で、それも『青眼の白龍』や『ブラック・マジシャン』といった中々お目にかかれないカードを元にしたものであった。こちらも、精巧なので、食べるのが勿体ない

そんな他愛のないやり取りをしていると、だんだんとブルー男子寮のデュエルカフェが見えてきた

カフェというだけあって、ウェイターをイメージした姿で接客をしているようだ

…なるほど、皆よく似合っているし、対応もスマートだ…、普段もこれくらいの対応なら悪いイメージもつかないんだけどな…主に小原君の時とか…

そう言えば、ジュンコさんも初対面の時はキツかったっけか…、あの時は結構怖かったんだよね…

 

 

「いらっしゃいませ…と、来たか青人」

 

 

入り口に近づくなり、ウェイターに扮した慕谷君が出迎えてくれる

 

 

「うん、案内お願い」

「似合ってるじゃない、慕谷」

「あぁ、まぁな…」

 

 

ところで、と慕谷君が顔を近づけてくる

 

 

「デートか?」

「あー…」

 

 

…そう言えば、一応私たち男女2人だった…

 

 

「実はね…」

 

 

かくかくしかじかと、これまでのいきさつを説明する

 

 

「あぁ…、なるほど…、お前も苦労してんだな…」

 

 

目を伏せて困ったように呟くと、奥の方を指差す

見ると、奥のテーブルでグッタリした様子のウェイター姿の取巻君、同じくグッタリした様子のさっき別れた小原君と手に顔を押さえて困った表情をしている大原君がいた。慕谷君曰く、入口で待機していた取巻君とちょうどやって来た小原君が衝突、お互いに引かなくかれこれデュエルを20戦くらい(勝率は2人とも同じ)したんだとか…

 

 

「なんか、ごめん…」

「気にするな、俺も慣れたし」

 

 

………………

…………

……

 

 

「あらためて、ご注文をどうぞ」

「あたしはカルボナーラ戦士風のパスタに真紅眼ティー」

「僕は、ヒータケーキ-メイス、ブルーアイズマウンテンのLe(レジェンド)サイズにミルクでも頂こうかな」

 

 

慕谷君に案内されてオーダーを伝える

こういうカフェも悪くないと考えていると、デュエルモンスターズのカードを模したカードの束を持った慕谷君が再び現れた

 

 

「お客様方には、料理ができるまで少しお時間をいただくことになります。なので、その間私めがお客様のお相手をさせていただきます…、ということで青人、1枚選んでドローしてくれ」

「どういうこと?」

「まさか…」

 

 

…デュエルカフェと聞いて何かあると思っていたが、そういうことだったのか…

 

 

「今から、ドローしたカードによるスペシャルデュエルを行うってわけだ」

 

 

つまり、カードによってルールが追加される通常とは異なったデュエルをするということだ

ルールの内容は、『終焉のカウントダウン』を選んだ場合の最長20ターンというシンプルなものや、『運命の分かれ道』を選んだ場合の攻撃対象をランダムに決定するといった癖のあるものまで様々あるらしい

 

 

「よし、このカードだ!」

 

 

…これは…

 

 

「『フォーメーション・ユニオン』」

 

 

…『フォーメーション・ユニオン』はユニオンモンスターを装備可能なモンスターに装備、または装備を解除して攻撃表示で戻す効果を持つ罠カード、その名前の通りフォーメーションをガラリと変えるために、モンスター同士のコンビネーションを要するテクニカルなカードだ

 

 

「これは中々面白いものを引いたな…。それじゃあ、ルールを説明するぞ」

 

 

『フォーメーション・ユニオン』の特殊ルールは以下の通りだ

●デュエルの形式はウェイター1人の2対1のデュエルで行う

●プレイヤー(客)側は、いずれか1人のプレイヤーがプレイする(プレイしないもう1人はサポート役となる)

●プレイヤー(客)側は、サポート役と相談することができる(ただし、2000ライフポイントを下回った場合は不可能)

●プレイヤー(客)側は、サポート役との合意があれば、ライフポイントを半分にすることができる。この効果を使用した後にプレイヤー側のライフポイントが0になった場合、サポート役が半分にした時点のライフポイントで引き継ぐことができる(ただし、それ以前に存在するデッキ・フィールド・墓地・除外されているカードは取り除く)

●プレイヤー(客)側は、デュエル開始前に互いのデッキを調整することができる(ただし、それぞれのデッキ枚数は40枚以上でなければならない)

●上記以外は、通常のルールとする

要するに、客側が相談アリのシングルデュエルである

サポート役というのはユニオンモンスターという扱いで、相談は2人で1つというユニオン効果、ライフ2000以下で相談不可になるのはユニオンモンスターの身代わり効果、ライフ半分で引き継ぐのはユニオン解除の効果を表しているのだろう

…しかし、デュエルの前にデッキ調整がOKなのか…、確かポケットに…あった!

ジュンコさんのデッキは男性型のモンスターが多数投入されたデッキ…、一見まとまりがなさそうに見えるが、実は意外な共通点が存在している

…さてデッキの調整は終わった、後はどちらがデュエルするかだが…

 

 

「あたしにやらせて」

 

 

そう考えていると、ジュンコさんが名乗りをあげた

 

 

「あたしだって、これまでデュエルをこなしてきた。あんたが強いのはわかってる…。でも…、あたしに任せてくれない?」

 

 

真剣な表情で、お願い!と頼んできた

 

 

「わかった、頼りにしてるよ」

「準備はできたみたいだな」

 

 

慕谷君と、ジュンコさんは互いに立ち上がり、デュエルディスクを展開する

 

 

「「デュエル!」」

 

 

ジュンコ:LP4000

慕谷:LP4000




27話終わりです。
主人公が本当の意味で仲間を信頼しはじめたことで、これまで隠していた自分自身のことについて明かしました。ようやく、遊戯王の主人公としての主人公っぽく(?)なっていくとともに、彼自身の成長の第一歩とすることができたのではないかなと思います(私としてはやっとキャラとの本格的な絡みが描けます)
ところで、前回使用したシンクロ・エクシーズのことについて、本話では誰も言及することはなかったのですが…これは一体…。その他にも気になる点がいくつかあったのではないでしょうか。

さて、本話から数話にわたって学園祭のお話です。本当は、1話でやろうと考えていたのですが、色々積み込み過ぎた結果文字数的に長すぎるので、分けることにしました。そして、※の詰めデュエルはカットすることになりました。主人公の設定も活かせるので、問題も(一応)作ったのですがスクロール的な意味で読みづらいことこの上ないです。なので、どうするか迷ったのですが、問題&開設のみ本小説の「その他」の枠で掲載しようかと考えました。大したものではないのですが、よかったら解いて見てください。

それでは、また
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