デュエルモンスターズ 赤の記憶を求めて   作:トパートパール

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青人がアカデミアに来てから、初めてのデュエルです。


PIECE-5 アカデミア初戦!湖畔のデュエル

今さらなことであるが、私は名前と年齢が不詳の人物である

さらに大雑把に言うなら、この世界の人間ではない

この世界には、私の試練…ひいては、それによって記憶を得るために来ているのである

…にもかかわらず、私は今ごく普通の15歳の高校生として生活している

ふむ、何が言いたいかというと、ここ数日間が試練のしの字も感じさせないほど平和なのである…

なにも起こらないのが、かえって不安なのだ

 

 

「なるほど…、これは『封印されしエクゾディア』をそろえさせる、と見せかけて相手のライフを0にする問題だね…」

 

 

そんな考えごとをしながら、今は資料室で詰めデュエルに興じている

 

 

「罠発動!『サンダー・ブレイク』!手札の『可変機獣 ガンナードラゴン』をコストに『王宮の号令』を破壊!」

 

 

何せ、ここ数日間は眠くてそれどころではなかったし…、主にあの夜に十代君と万丈目君のデュエルを覗いたことが原因で…

 

 

「『ペンギン・ソルジャー』を反転召喚!リバース効果、フィールドの『光の追放者』と『封印されし者の右腕』の2体を相手の手札に戻す!『封印されしエクゾディア』を通常召喚!」

 

 

もちろん、合間の時間に三沢君や小原君たちと会って、話すことはあったが…

 

 

「『魂の解放』を発動!自分の墓地のカードを4枚『封印されし者の右腕』『右足』『左腕』『左足』を除外!続いてライフを2000支払って魔法カード『次元融合』を発動!除外されている『ガンナードラゴン』と『封印されし者の右腕』を特殊召喚!」

 

 

いずれにしろ、もう夜は出歩かない

 

 

「『封印されしエクゾディア』の攻撃!これで…、詰める!」

 

 

よし、できたできた!

 

 

「勉強熱心で感心ですね」

 

 

すると、イエローカラーのロングコートを着た落ち着いた雰囲気の男性が声をかけてきた

 

 

「あ、樺山先生」

 

 

この方は、イエロー寮長の樺山先生だ

彼は資料室の管理も担当しているらしい

…といっても、開錠と施錠時にいるくらいで、後は職員に任せているらしいのだが…

 

 

「勉強熱心なのはいいことですが、そろそろここを閉める時間ですよ。キリがいいところで、切り上げてくれると助かります。」

「あ、今終わります。…よし、と。僕は、これで出られますから、閉めて大丈夫です。」

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

その後は、樺山先生と一緒に寮に向かった

道中では、「学校にはもうなれましたか?」とか、「理論のことならいつでも相談に乗ります」と、色々気遣ってくれた

 

寮に着くと、「カレーはお好きですか?」と聞かれたので、「はい、少し辛めのが好きです」と答えると、先生はカレーをおごってくれた

何でも、実家がカレー屋さんらしくて、本土に帰ったときは是非いらしてください、とお誘いも頂いた

…しばし話して別れたが、いい先生に巡り会えたものだ…

というわけで今自室についたが、さっきのカレーの辛さが効いたのか、わりと暑くなってきた

なので、窓を開けようかと思ったところで1人分の人影が見えてきた

…あれは、十代君?

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

「十代君?」

「よう青人、何か用か?」

 

 

行ってみると、やはり十代君だった。

彼は手漕ぎのボートを湖に出そうとしていたところだった…

 

 

「いや、僕の部屋から十代君の姿が見えたから、こんな時間にどうしたのかなと思って…」

「ああ、実は翔がさらわれて…」

 

 

そう言いながら、PDAという端末を取り出してメッセージを見せてきた

内容は、翔を預かった。返してほしければ、女子寮まで来いとのことだった

 

 

「わかった、僕も一緒に行こう。人手は多い方がいい。」

 

 

…しまった!…お人好し…

口を突いて出たその言葉に後悔しつつも、数日前に知り合った友人を見放すことはできなかった

まぁ言い訳になるが、もし例の試練に関することが手に入れば、それはそれでいいとも思った

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たわね」

 

 

着いてみると、明日香さんとブルーの女性が2人、そして拘束された翔君が待っていた

何でも、明日香さんたちは翔君が覗きをしたと疑っているらしい…当然、翔君はそれを否定している

…確かに、由々しき事態ではあったが、試練は関係なかった…

さて、肝心の翔君の言い分はというと、今日の体育の時間に自分のロッカーで明日香さんからのラブレターを見つけた、そしてその内容通りに女子寮まで行った、というものだった

…なるほど…

 

 

「それで、そのラブレターというのは…」

「これよ!こんな汚ないの、明日香さんが書くわけないでしょう!?」

 

 

私が尋ねると、明日香さんのとなりにいた少し赤みがかった髪の気の強そうな女性が乱暴に渡してきた

…こ、怖い…

 

 

「なるほど…」

 

 

初めて会ったときから好きだった、かぁ…

 

…確かに、年ごろの青年が見ればときめくような内容だが、字は男性が書くような字だし、宛名は十代君…

 

 

「どうもありがとう」

 

 

先ほどの女性にそれを返すと、十代君に尋ねる

 

 

「十代君、この学園で誰かの恨みを買った覚えはあるかい?」

「え?うーん、えーっと、特にないぜ」

「そうか…、それじゃあ…」

「話は終わったかしら?」

 

 

明日香さんが待ちくたびれたという感じで話を遮ってきた

そして、デュエルディスクをかまえている

 

 

「いい?私とのデュエルに勝ったら無罪放免、ちゃんと冤罪だっていうことも証言するわ」

「なっ、ちょっ、え?」

 

 

デュエルで決めると聞いて驚いたが、その直後に冤罪という言葉が出てきて思考が止まる

 

 

「大丈夫だぜ、青人。何かよくわかんねえけど、デュエルに勝てばいいんだろ?なら、俺が受けてたつぜ!そう言えば、明日香とデュエルするのは初めてだよな?」

「ええ、こういう機会でもなければあなたとデュエルすることなんてないもの」

 

 

…そういうこと…

向こう側にとって、もはや覗きの件は関係ないってことか

…当の翔君も、わりと気にしてなさそうだし…、当人たちがいいなら私が口出しすることもないか…

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

「『サンダー・ジャイアント』で明日香にダイレクトアタック!《ボルティック・サンダー》!」

 

 

明日香:LP2400→0

 

 

結果的に言うと、十代君の勝ちだった

 

序盤は、直接攻撃時に攻撃力が上がる『エトワール・サイバー』と、相手の攻撃モンスターとその攻撃対象のモンスターを直接攻撃させる罠カード『ドゥーブルパッセ』のコンボで攻撃を防ぎつつ、戦闘耐性を持つ融合モンスター『サイバー・ブレイダー』を召喚するも、十代君の出した融合モンスター『サンダー・ジャイアント』の元々の攻撃力以下のモンスターを破壊する効果で破壊され、その直接攻撃で決着が着いた

翔君も無罪放免…

…何か、自分1人だけ頭に血が昇って疲れた…

デュエルをすることに関しては、似た者同士寛容なのね…

何はともあれ、よかったよかった

帰ったら、この間見つけた詰めデュエル本を…

 

 

「ちょっとあなた」

「ふぇ、はい」

 

 

終わって気を抜いてたら、明日香さんから突然声をかけられた

 

 

「あなたもどうかしら?」

 

 

こちらにデュエルディスクを向けてきた

 

 

「え、えーと、翔君の疑いは晴れたんじゃ…」

「ええ、翔君の疑いは晴れたわ。でも、ここはデュエルアカデミアよ。デュエリストが集う場所でしょ?そして、デュエリスト同士が向かい合うと、デュエルするのが当然でしょ?」

「確かにそうだが…」

 

 

…そういうもんなのか?いや、そういうものなのだろう…

 

 

「端的に言うと、ラーイエローのあなたの実力が知りたいわ。十代と一緒にいるあなたの実力が…」

 

 

…うーん、十代君と行動するのは今日が初めてなんだけどな…

 

 

「面白そうじゃんか、青人。」

 

 

やれよ、と十代君は目を輝かせている。

 

 

「ほら、せっかく明日香さんが誘ってるんだから受けなさいよ」

「そうですのよ、淑女の誘いを受けるというのが紳士のたしなみですわ」

 

 

…何か、本格的に巻き込まれてきたな…

まぁ、いっか…

 

 

「わかった、そのデュエル受けてたちます。」

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張れー、青人君」

「お前のデュエルを見せてくれ」

「明日香様、ファイトー」

「ケチョンケチョンにしちゃえー」

 

 

…少ないとはいえ、ギャラリーが賑やかだな…

私と明日香さんは、距離を開けてデュエルディスクをかまえる

 

 

「島に来てからのフリーデュエルは初めてだな…」

「そう、それならあなたの実力ためさせてもらうわ」

「「デュエル!」」

 

 

青人:LP4000

明日香:LP4000

 

 

「先攻は僕か…、僕のターン!」

 

 

手札は…、お前たちが初手に来たか

 

 

「僕は『天使の施し』を発動!デッキから3枚ドローし、その後手札2枚を墓地に送る!そして、墓地の光属性2体をゲームから除外し、『神聖なる魂 ホーリー・シャイン・ソウル』を特殊召喚!」

 

 

神聖なる魂:

★6 ATK2000

 

 

半透明の女性のようなモンスターが表れる

 

 

「きれい」

「神秘的ですわ」

「生け贄なしで、上級モンスターを召喚したッス」

「へぇー、面白いカードを使うな」

 

 

方々から色んな声が上がる

 

 

「さらに、モンスターを裏守備表示でセットしてターンを終了する」

 

 

青人:LP4000

フィールド:

【モンスター】

神聖なる魂:

★6 ATK 2000

裏守備モンスター1体

【魔法・罠】

なし

手札:4枚

 

 

「あなた、光属性モンスターも使うのね。てっきり、闇属性を使うとばかり思っていたけど…」

「そうだね。もちろん、闇も入っているけど…、ん?闇と言うと、もしかして入試の時に…」

「ええ、見てたわ。闇属性モンスターのコンビネーションでデュエルに勝つところをね」

「そうか、それはうれしいね」

 

 

なるほど、では中等部組は試験を見学していたということか…

 

 

「それじゃあ行くわよ!私のターン、ドロー!私は、手札から『融合』を発動!『エトワール・サイバー』と『ブレード・スケーター』を融合!『サイバー・ブレイダー』を融合召喚!」

 

 

サイバー・ブレイダー:

★6 ATK2100

 

 

バイザーを着けたスケート衣装の女性が現れた

 

 

 

「なっ」

 

 

…もうエースモンスターを召喚するとは…

だが、『神聖なる魂』には攻撃力ダウンの効果が備わっている…、これなら…

 

 

「『サイバー・ブレイダー』の効果発動!『サイバー・ブレイダー』は相手フィールドのモンスターの数によって効果を変えるモンスター。相手フィールド上に存在するモンスターが2体の時、攻撃力は倍になる!《パ・ド・トロワ》!」

 

 

サイバー・ブレイダー:

ATK2100→4200

 

 

「こ、攻撃力4200…」

 

 

…迂闊だったか…、まさかモンスターによって、効果が変わるモンスターだったとは…

ん?効果が変わる…?まさか…

 

 

「まだ驚くのは早いわ。装備魔法『フュージョン・ウェポン』を発動!『エトワール・サイバー』に装備!」

 

 

…あれは、レベル6以下の融合モンスター1体の攻撃力を1500上げる装備魔法!

いや待てよ、『サイバー・ブレイダー』の効果は…

 

 

「こ、攻撃力5700ッスか?」

「いや、違う。『サイバー・ブレイダー』には《パ・ド・トロワ》の効果がある。つまり、攻撃力は…」

 

 

サイバー・ブレイダー:

ATK4200→7200

 

 

こ、殺される!

 

 

「覚悟はいいかしら?『サイバー・ブレイダー』で『神聖なる魂』を攻撃!《トライデント・ショック》!」

「く、だが、『神聖なる魂』の効果発動!相手フィールド上に存在するモンスターの攻撃力を300、《パ・ド・トロワ》の効果によって攻撃力が2倍の『サイバー・ブレイダー』は600ダウンする!」

 

 

サイバー・ブレイダー:

ATK7200→6600

 

 

「それでも、あなたのライフは十分削りきれるわ!」

「それはどうかな」

「え?」

「手札から『クリボー』の効果発動!このカードを墓地に送ることで、バトルダメージを0にする!」

 

 

大量のクリボーが目の前に現れ、爆散し、もくもくと煙が上がる

…さ、さすがは攻撃力6600…

直撃したら危なかった…

 

 

「中々しぶといのね。私はカードを1枚伏せてターンエンド。」

 

 

明日香:LP4000

フィールド:

【モンスター】

サイバー・ブレイダー:

★6 ATK 7200

【魔法・罠】

フュージョン・ウェポン

伏せカード1枚

手札:1枚

 

 

…何とかしのいだか…

だが、まだ逆転の手だてはある

 

 

「僕の、ターン!」

 

 

ドローカードは、『次元融合』…

…あのカードを出せということか…

 

 

「僕はカードを3枚セット!そして、セットモンスターを反転召喚!『メタモルポット』!この瞬間『メタモルポット』のリバース効果を発動!互いのプレイヤーは手札を全て捨て、デッキからカードを5枚ドローする!」

 

 

壺のようなものの中から、ひとつ目の生物が飛び出してくる

…む、このカードは…

 

 

「伏せカードオープン!魔法カード『振り出し』を発動!手札1枚をコストに、フィールドのモンスター1体をデッキの一番上に戻す!対象は『メタモルポット』!」

「…何故、私の『サイバー・ブレイダー』を戻さなかったの?」

「というか、何でわざわざ『メタモルポット』を戻したんスか?」

「簡単に詰められるところに手を出したら、詰めデュエルでは失敗だ。それに、今は何だか『サイバー・ブレイダー』を倒したい。」

 

 

…確かに妙だが、そんな感じだ

 

 

「そして、『サイバー・ブレイダー』はモンスターの数によって効果を変えるモンスター…、つまり迂闊にモンスターを増やせば、最悪の場合、攻略不可能な状況に陥る可能性もあるということさ。」

 

 

へぇー、という声が後ろで2人分聞こえた

 

 

「続いて、2枚目の伏せカード発動!魔法カード『次元融合』!ライフ2000支払うことで、お互いの除外されているモンスターを可能な限り特殊召喚する!来い、2体の『サンダー・ドラゴン』!」

 

 

青人:LP4000→2000

 

 

サンダー・ドラゴン:

★5 ATK1600

サンダー・ドラゴン:

★5 ATK1600

 

 

緑色の雷をまとった龍が2体表れる

 

 

「最初のターンで『神聖なる魂』のコストにしたのはそのモンスターたちだったのね」

 

 

…初手で2枚来た時は、どうしたものかと思ったけどね

 

 

「さらに、3枚目の伏せカード発動!魔法カード『二重魔法ダブルマジック』!手札の魔法カード『死者蘇生』をコストに相手の墓地の魔法を使うことができる!僕が選ぶのは『融合』!」

 

 

『死者蘇生』は強力カードだが、この局面では使いどころがない

 

 

「明日香さん、これが僕の2体目のエースモンスターだ。僕は『サンダー・ドラゴン』2体を融合!天空に木霊せし咆哮よ、赤き雷撃となりて轟け!融合召喚!出でよ、『双頭の雷龍 サンダー・ドラゴン』!」

 

 

双頭の雷龍:

★7 ATK2800

 

 

2つの頭を持つ赤い雷龍が姿を現す

 

 

「これが、青人のエースか…」

「でも、攻撃力2800じゃあ…」

「まだ、僕のメインフェイズは終わっていないよ。君たちにも、僕のもう1体のエースモンスターを見せてあげる。自分の墓地の悪魔族モンスター3体『クリボー』、『闇の仮面』、『ニュート』をゲームから除外!漆黒に眠りし魂、今悪夢とともに解き放て!いでよ、死の世界の支配者『ダーク・ネクロフィア』!」

 

 

ダーク・ネクロフィア:

★8 ATK2200

 

 

人形を抱いた亡霊が、スッと舞い降りる

 

 

「きゃー!ももえー!」

「ジ、ジュンコさん、落ち着いてください」

「す、すげー」

「何か不気味ッス…。でも、悪魔族3体なんていつの間に…」

 

 

…まぁ、夜に亡霊だから当然の反応か…

十代君だけは目を輝かせてるけど…

 

 

「1枚目(『クリボー』)は前のバトルの時に、2枚目(『闇の仮面』)は『メタモルポット』の効果で、3枚目(『ニュート』)は『振り出し』のコストでそれぞれ墓地に送られていたんだ」

 

 

後ろの2人にそのように説明を加えると、よく考えたなー、と返ってきた

…半分は運なんだけどね…

 

 

「確かに強力なモンスターを2体召喚したけど、おかげで《パ・ド・トロワ》の効果が発動しているわ。分かってるの?」

「ええ、大丈夫。ここで僕は魔法を2枚使用する。1枚目は、魔法カード『フォース』!これは、フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値を他のモンスターに加えるカード!『サイバー・ブレイダー』の攻撃力の半分3600を『サンダー・ドラゴン』に加える!」

 

 

サイバー・ブレイダー:

ATK7200→3600→7200

双頭の雷龍:

ATK2800→6400

 

 

「攻撃力6400…。でも、『サイバー・ブレイダー』の攻撃力が戻ってる…?」

「どうも、『サイバー・ブレイダー』の《パ・ド・トロワ》は、攻撃力が変化する度に発動するらしい…。だから、これを使う。2枚目の魔法カード『サイクロン』!フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する!」

 

 

破壊するのは…

 

 

「『フュージョン・ウェポン』が…!」

 

 

サイバー・ブレイダー:

ATK7200→4200

 

 

「これで、《パ・ド・トロワ》が発動しても、攻撃力は4200になった。バトル!『双頭の雷龍』で『サイバー・ブレイダー』を攻撃!《ギガチャージ・オーバーキャノン》!」

 

 

『サンダー・ドラゴン』がこれ以上ないほど、バヂバヂと電流を轟かせている

…これで…

 

 

「中々見事だったわ。でもね、私も負けず嫌いなの。罠カード『ドゥーブルパッセ』!」

「はっ…?」

 

 

まさか、ここで…

 

 

双頭の雷龍:

ATK6400

サイバー・ブレイダー:

ATK4200

 

 

青人:LP2000

明日香:LP4000

 

 

ということは…

 

 

「ぐああぁ!」

「きゃああぁ!」

 

 

青人:LP2000→0

明日香:LP4000→0

 

 

ものすごい爆煙が立ち込める

 

 

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、明日香さんと引き分けたなんて…」

「信じられませんわ」

 

 

ブルーの2人がそう呟く

…まぁ、あの状況から引き分けるとは考えられないわな…

 

 

「青人、お前すげぇじゃんか。今度、俺ともデュエルしてくれよ!」

「もう、アニキったら…。でも、青人君惜しかったッスね。もう少しで勝てたのに…」

「今回は明日香さんに今一歩届かなかったかな…」

 

 

…実際、読みの甘さもあったし…

まぁ、初手『サンダー・ドラゴン』2枚に、『二重魔法』、『振り出し』、『闇の仮面』から見れば上々だろう…

…わりと、焦ったし…

デュエルは詰めデュエルよりも奇なりとは、よく言ったものである

 

 

「そんなことないわ。あの場面で『ドゥーブルパッセ』を発動しなければ、私の敗けだったもの。」

 

 

そんな中、毅然とした態度で明日香さんは声をかけてくる

 

 

「それに、『振り出し』で『サイバー・ブレイダー』を戻されていたら、どの道私には勝機はなかったわ」

「明日香さん…」

「明日香様…」

 

 

…何だか、妙な雰囲気になってきたな…

 

 

「でも、今度は敗けないわ。十代にも、そしてあなたにも。」

「そうだな、あんた強かったぜ」

「うん、今度は決着を着けよう。」

 

 

それから、と僕は明日香さんの後ろの方に向き直る

 

 

「ジュンコさんとももえさん…?」

「な、何よ」

「何ですの?」

 

 

わ、わりと怖い…

…いや、…

 

 

「もしよければ、今度は普通にデュエルしましょう」

 

 

それだけ言うと、十代君たちに続いて踵を返す

…妙な気分だ…、試練のある世界としか見ていなかったここで、こんな風に自分から言い出すなんて…

そんなことを思いながら、寮に帰るのだった




5話終わりです。
主人公、順調に巻き込まれています(笑)。

そして、アカデミア初戦でいきなり引き分け、攻撃力7200、多分序盤にやるデュエルじゃないです。明日香さんもサイバー流だったのですね(違)
それにしても『サイバー・ブレイダー』の第二の効果は審判泣かせですね。まさか『フォース』使っても、攻撃力復活するとか知りませんでしたもん…。

ちなみに、冒頭で主人公がやっていた詰めデュエルの元ネタは、スピリットサモナーからです。興味がある方は、探してみてください。



それでは、また。
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