1.誕生
次、目覚めた時には、何故か泣いていた。
オンギャー、と、耳をつんざく泣き声を出していた。
多分、今生まれたのだろう。 そうでなければこんな泣かない。
俺は医師に抱き上げられ、母親らしき女性の隣に寝かされた。
女性の額には汗が沢山浮き出ていて、とても苦しそうだが、振り絞るように声を上げて、俺の名を呟いた。
「私の息子…今日からあなたは、ソイズ。レイデルド=D=ソイズよ…」
D。 神様はしっかりと願いを聞いてくれたみたいだ。
と、ここで急激に眠気が襲ってきて、やむなく俺は意識を手放した。
▽▲▽▲▽
次、目覚めた時には、母親が死んでいた。
どうやらもともと体が丈夫じゃなくて、あのあと衰弱死したようだ。 更に何と俺には父親が居ないらしく、俺は赤ん坊ながら孤独になってしまった。
…しかし、これは逆に、母親には悪いが都合が良かった。
俺は、この世界に来ると決めた時から野望があった。 それは勿論、海賊団を作ることだ。 しかし、只の海賊団では事足りない。 ならば、転生者が他に居ることを利用しようじゃないか、転生者だけの海賊団を作ろうじゃないか、と…。
両親が居ないことにより、海賊になることを反対するものが居なくなった。 これからは自由だぞ。
両親が居なくなったことにより、自然な流れでそのまま孤児院へと入れられた。
この孤児院には他にも結構子供が居るっぽい。 皆優しそうだし、とりあえず修行とか出来そうな歳になるまで楽しく過ごすかな…。
▽▲▽▲▽
あれから6年経った。 うん、物凄い省いたけど、6年経った。
一応4歳ぐらいから覇気の特訓を始めて、一応6歳にしてはそれなりに戦えるようになった。
でも、それは
やっぱレイリーみたいな専門のやつから直々に教わらないと駄目なのかな…そもそも専門ってのが分からんが。
ん~、エースとかと会えば何か変わるかな…いや、それまでにもっと強くなっとかないと相手にもしてもらえないか? どうしよう、俺がダダンの家へ連れてかれるのは確かエースが八歳の時だから…あと一年後か! まずいな…。
悪魔の実に頼るか…いや、只の孤児院に悪魔の実が来るわけないしな…。
探しに行く? いや、どこにあるかもわからない悪魔の実を探すのは無謀過ぎる。
今から六式を使えるようにするために特訓しても絶対間に合わない。
どうしたものかね…。
自分の布団の上でそう考えながら寝ていると、ドタドタと、扉の方から騒がしい足音が聞こえてきた。
あぁ…全く、騒がしい奴らが来たな…。
「おーいソイズ兄ちゃぁーん!! 何してんのぉー!?」
「うるさいな…近いんだからそんな大声上げなくていいよ…」
ブツブツ言いながら、布団から起き上がる。
彼はコイル=ローム。 丁度俺の一つ下の、好奇心旺盛でわんぱくなうるさい子供だ。 日々迷惑してるが、これがあんまり憎めねぇんだよなぁ…。
「ねぇねぇソイズ兄ちゃん、何してんの?」
「何って、見て分かるだろ、寝てんだよ」
「へぇ~」
へぇ~、って何だよ。 しつこく聞いてきた割には反応薄過ぎだろ。
「あっ、そうそうソイズ兄ちゃん。 なんか変なお爺ちゃんが、ソイズ兄ちゃんに、ってこれ持ってきたんだよ。 ねぇねぇあのお爺ちゃん誰なの? それ何?」
「質問多すぎだ。 一旦黙れ」
「えぇ~…でも教え…イタッ!」
ロームを拳骨で黙らせると、早速ロームが持ってきた箱を開けてみる。
中には何か包まれたものと…手紙だ。
ふむ…あれだ。 多分これ、あの神様からだ。
全く…手紙なんて面倒くさい手法じゃなくて、直接会ってくれば良いモノを…。
思いながら、手紙を取り出し開封する。
ロームのキラキラした目線を感じながら、手紙を読み始めた。
▽▲▽▲▽
やぁ、久しぶりじゃの、少年よ。
さて、儂はそんなに手紙の書き方が分かるわけではないのでな、直球で行かせてもらうぞい。
お主、転生者のみで海賊団を作りたいみたいじゃのう。 そんなお主に朗報じゃ。
実は、その者が転生者かどうか分かる術があっての。 転生者は、身体のどこかに丸の中に星が描かれている紋章があるはずじゃ。
それがあれば必ず転生者。
どうじゃ? 転生者のみで海賊団を作るなら、割と重要な情報じゃろ?
後、手紙と一緒に送った物は、儂からのささやかなプレゼントじゃ。 力が伸びないようで困っているようじゃからな。
では、また会うときがあったら――――
▽▲▽▲▽
…ほぉ…これはなかなかの情報だった。 だったけど…。
「何で分かったんだよ…」
「え? 何が…イタッ!」
誰にも言ってないぞ? 海賊団作ること…。
でも神様なんだから分かるのは当然といえば当然なのか…?
というか紋章って…あ、そういえばロームと風呂入ったとき「何それ兄ちゃんかっこいい!」って背中見て言ってたっけ。 あれか。
ま、そんなことは良いか、別に。 今はこの包みの方が気になる。 大体予想ついてるけど、ワクワクするな。
包みを箱から取り出し、膝の上に置く。 ゆっくりと包みを取り、中身を見てみる。
形はパイナップル。 しかし実のトゲトゲはなく、変わりに黒い縦縞が入っている。 色は黄色。 これは…まさしく…。
「悪魔の実、か…」 これは…まさしく…。
「悪魔の実、か…」
ぶっちゃけ幼児期は書くことが何もないので、幼少期まですっ飛ばさせていただきました。
船出するまではこんな感じのハイスピードテンポです。