元現代人は転生海賊一味を作りたい   作:四つ葉

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8.革命軍

「何者、って…」

 

 最初、俺はアルトが言った意味が分からなかった。

 “何者”とは――――? どういうことだ?

 

 だがしかし、アルトの次の言葉で、俺はようやく意味を理解する事が出来たのである。

 

「おめぇの記憶を覗くとよぉ、変な記憶が見つかったんだ。

たっけぇ建物に、走る鉄の塊。 歩く奴らも何だか派手な服だしよぉ…。

 なぁ、何なんだあの記憶は?」

 

 …まさか!?

 

 俺は瞬時に、アルトが言った事を、自分がよく知っているものと置き換えた。

 

 たっけぇ建物――多分だけど、高層ビル。

 走る鉄の塊――車。

 これは……前世の記憶を覗かれたんだ!

 

「なぁなぁ、教えてくれよ」

 

 思いっきりこっちに身を乗り出してきて、興味津々で問いかけてくる。

 

「…教えたら、お前は何をするんだ?」

「…何を?

いや、別に何もしねぇけど…。

喰おうっつっても、まずそうな感じしかしねぇし」

 

 …どうしよう。 どう説明するべきか。

 無視して酸を放つか? いや、でも修行をしてない――少なくともその記憶がない――状態で、攻撃するのはまずい。

 かといって、「実は俺、転生者で、それは前世の記憶なんだ」って言って騒がれても困る。 まぁ、信じてくれるかは分からんが…。

 …って待てよ?

 こいつ、俺の前世の記憶が見えてるくせに、神様との会話とかは見えないのか?

 …聞いてみるかな。

 

「…おい。

質問に答える前に、まず俺の質問に答えてくれ。

俺が、白い場所で変な爺さんと会話してる記憶は見えないか?」

「ん?

見えるけどよぉ、何だかモヤモヤしててよくわからねぇよ。

何か、その記憶にあんのか?」

 

 …何でだ?

 神様が、そこら辺を弄っててくれたのかな?

 あの神様なら……やりそうだな。

 

「…というか、早く答えてくれよぉ! 気になるじゃんか」

 

 …あぁ、駄目だなコリャ。 誤魔化しが効かねぇかもしれない。

 

 …仕方ない…。 言うか…な。

 

「…はぁ、話すよ。

実は、お――――」

 

 言いかけたその時、俺の声は誰かの悲鳴に遮られた。

 

「何だ!?」

 

 気がつけば、赤い光が見える…。

 ってあれ、炎じゃん!

 くっそ、時間がかかりすぎた! こうなったらもうグレイターミナル(ここ)から出られねぇぞ!

 

「? 何が起きたんだ?」

 

 アルトが、間の抜けた声で呟いた。

 俺は立ち上がり、アルトの首根っこを掴み、立たせると思いっきり蹴って転ばした。

「ぐおっ!?」

 

 状況はやばいけど、逃げるチャンスだ!

 今のうちに!

 

 そう考え、全力疾走でその場から逃げ出す。

 

「あっ、待て!」

 

 背後から、アルトの声が聞こえる。

 と同時に、一瞬で目の前にアルトが現れた。

 

「!?」

 

 驚いて反応が遅れた。

 その間にアルトは、武装色で固めた拳で、俺の脳天を殴る。

 

 そして俺は、意識を手放した。

 

△▼△▼△

 

 目が覚めたらそこは、船の中だった。

 周りを見ると、誰も居なく、だだっ広い空間が広がっている。

 

 

 ――え、ここどこ…?

 何で俺はここに居るんだ?

 4歳あたりからの記憶がない…。 あ、でもサンサンの実の記憶はあるな…。 そこから所々実に関しての修行の記憶はあるけど…それ以外がない。

 

 何だか怖くなってきて、まだボーッとしている頭を奮い起こし、起き上がった。

 

 ここで、部屋のドアが開き、水を持った男の人が入ってきた。

 

「お…、目が覚めたか」

 

 男の人はそれだけ言うと、部屋から出て行く。

 そして数分後、また別の男の人が現れた。

 

 顔に青い刺青を入れたその男は、ゆっくりと近付いてきて、口を開いた。

「…調子はどうだ?」

「え? …あ、はぁ…。 まぁ、悪くはないです」

「そうか…」

 

 男は、床に座り込んだ。

 俺も、釣られて座る。

 

 …というかこの人…。

 

「目覚めたら見知らぬ場所で驚いているかもしれないが、とりあえず、自己紹介しておくか。

俺はモンキー・D・ドラゴン。 革命軍という組織の総司令官だ」

 

 ですよねー。

 ドラゴンから自己紹介してきたのは驚きだけど、自己紹介されるまでもなく、この刺青は絶対ドラゴンだ。

 

 …つーか、ここ革命軍の船なのか!?

 

「…あの、僕は何故ここに…」

 控え気味にそう尋ねる。

 

「…グレイターミナルが燃やされた事は、知ってるな?」

「え…?」

 

 ちょっと待った、もうそんなとこまで進んでるのか?

 

 俺の反応に、ドラゴンは驚いたようで、目を見開いた。

 

「覚えてないのか…!

…まぁ良い。 とにかく、グレイターミナルが燃やされたんだ。

その燃やされたグレイターミナルに、お前が倒れていたんだ。

俺達は、お前を手当てする為に、船に入れた。

まぁ、手当てといっても軽い怪我だったがな」

 

 ドラゴンがそこまで話すと、船の外から、砲撃の音が聞こえた。

 ドラゴンは、その音を聞くと、素早く部屋から出て行ってしまった。

 

 

 俺はドラゴンが確実に去ったことを確認すると、再び寝転がった。

 

 ――何だか、よく分からないままこうなってしまったな…。

 記憶もないし、一体どうなってるんだ?

 

 色々考えるが、いくら考えてもきりがないため、完全に思考を遮断した――。




今回は物凄いハイスピードテンポでした。

というか、ドラゴンの口調が分からない…。

一応、ソイズ以外のグレイターミナルの人達は、既に目覚めています。
でも、その人達が一体どうなったのか分からないので、劇中ではあんまり語りません。
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