狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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はい‼︎お久しぶりです‼︎ドーントレスです‼︎

いやぁ前回投稿から約一カ月…長かった(((殴

追想ももうじき終わりです。
元に戻ってもずっと友達だよ…

ではどうぞ


追想3 「とある決戦前。そして…」

 

 

火山地帯のとある水場でイーオスやフロギィを捌きながら特訓の疲れを癒す二人の姿がある。

片方は清々しい程の笑顔を称えたカイザー装備の男。もう一人は様々な種類の武器が山のように積まれた荷馬車に寄りかかりながら休むレックスX装備の男である。

 

「しっかし、強くなったなぁ!このままいけば来週あたりにはもう挑戦できるんじゃないか?」

 

カイザー装備の男、カトルがそう言うとレックス装備の男、ハンゾウは少し顔を上げ目の前の活火山を睨みつける。

 

「なぁ…本当に俺は『覇龍』に選ばれし者なのか?なんか火山に来ても何も感じねぇし、そもそも覇龍ってどんな奴なんだ?」

 

修行を始めて3年位か…長いようで案外あっという間だった…

俺は『覇龍に選ばし者 』らしい。覇龍ってのがどんな奴で、普段何をしてるかなんて俺は知らない。そんな奴と心を通わせるために今まで修行してきたわけだ。

 

「大丈夫大丈夫‼︎その時には僕とナナリー、テオも来てくれるから!ハンゾウは自分のことに集中すればいいよ」

 

カトルはそう言うと荷台に刺さってた太刀を引き抜き俺に向ける。

 

「さあ、続きだ‼︎君の力…本気を出して見せてくれ‼︎」

 

俺は荷馬車から少し離れると、丸腰のままカトルの正面に立つ。

 

これが俺のスタイル。数々の武器を扱ってみたものの、しっくりくるものがなかったので面倒だから手には何も持たないようにした。これはカトルと組手をするときだけでなく、モンスターと戦う際にも変わらない。

現にグラビモスくらいなら軽く捻れる。

 

カトルとの組手は、側から見るとただの殺し合いである。カトル自身本気で俺を斬ろうとするし、俺も全力で避けながらぶん殴りに行ってる。…そこらへんにガンランスやら片手剣やら大剣なんかの刃先が刺さってるから踏まねぇように気をつけなきゃ

 

「吉幾三‼︎」

 

どっかの演歌歌手の名前みたいなん叫びながら、カトルとの組手が始まる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そっから一週間後。

 

「ひさしぶりね〜はんちゃん。げんきしてた〜?」

 

“久しいなハンゾウよ。また一段と強くなっているようだな”

 

「ウッス。お陰さまでな」

 

俺たちの修行場のベースキャンプ深蒼のヘビィガンナーことナナリーと炎王龍ことテオ君がきた。

俺は軽い挨拶を交わしカトルを起こしに行く。

 

『ナナリー達が来たら起こして‼︎起こし方は任せる‼︎』

とか言って昼寝をしていたカトルの元へ行くと、案の定爆睡している。

 

「おーい起きろ?ナナリー達が来たぞぅ?」

 

最初は声をかけるだけにしたのだが…

 

「んーふぅん…あと30分だけ…」

 

野郎が出しても誰得な声を上げる上に、30分だけとかほざいているのでしょうがない。俺は心を般若にして実力行使(ベアークロー)をかます。

 

「あだ‼︎っいだだだだだぁいだぃいたい!」

 

「まだ起きないのかぁ?しゃーねーな…もっと、こうか?」

 

俺はカトルの腕を両脇に挟み込み思いっきり状態を起こしてやる。

 

「あがっ‼︎いだだいごはぁ‼︎あだだだぁいだぃいたい!おぎる‼︎おきるから‼︎」

 

俺はカトルを解放する。暫く寝そべりながら動かなかったのでもう一回かけようとしたら起き上がった。…チッ

 

「ったく、朝からランボーだな君は‼︎もっと別な起こし方とかないのかね⁉︎」

 

「やってみたけどダメだったから別の手段をとった迄だ。一回目で素直に起きてくれりゃあこっちだってやんねぇよ」

 

カトルがなんか言いたそうに口を開いたから少し指を鳴らす。

もちろん、指ぱっちんの方ではない。

 

「かとるー?いるのー?まちくたびれてきたんだけれども」

 

「あぁ‼︎ナナリー‼︎もちろんいるとも‼︎ささ、こっちに来て一緒に朝ごはん食べよう‼︎」

 

カトルが子供みたいにはしゃぎながらテントの出入り口へ向かう。やれやれ…今更だが、あれが俺の師匠とはな…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

幾分か時が過ぎて…

 

「さて、この先は十二分に注意して進むよ。…いつ彼が出てきてもおかしくないからね」

 

「あぁ…間違いなくここには出てこねぇよ」

 

いつになく真面目な声を出すカトルの後ろを俺、テオ、ナナリーの順番で進む。

此処は火山の極地。のベースキャンプだ。テントは壊れてるし暑さも尋常ではないが、少なくともここにアカムトルムが現れることはない。

 

「駄目だよぅ〜ハンちゃん。こういうのはふいんきが大zイデデイデイデアラゴン‼︎」

 

「…ふいんきじゃなくて雰囲気な?」

 

「僕にアイアンクローかましながら突っ込むとこそこ⁉︎」

 

ちょっとした茶番のあと、なんかぶっ倒れてるカトルを放置して俺はベースキャンプから狩場へと降りる。そこはマグマだらけで目がチカチカしそうなクーラードリンクなしでは呼吸しただけで内蔵が焼け爛れそうな程の暑さ。

 

奴は…いない。面倒だが、カトルから教わった『覇龍の呼び出し方』というものをやってみるか…

 

「…名乗りをあげよう‼︎我は古の龍人族の末裔、《覇》の獄を背負いし絶対強者、覇龍アカムトルムの加護を受けうる闘士‼︎名はハンゾウ‼︎我を守り、我を鍛え、我に力を与えし絶対龍よ‼︎我前にその姿を見せよ‼︎」

 

超絶恥ずいしなんか中二病っぽくて、あんま練習とかもしなかったから言えるかちょっと不安だったんだが…

 

“オォ…漸く現れおったナ。どれ、今出るから少し待っちょレ”

 

効果はあったようだな。

これで出てこなかったらどうしようかとかかんがえてたんd

 

“ホォレイ!どっこらせってナ‼︎”

 

「っ⁉︎のぁぁああぁあ⁈」

 

アンチクショウ、真下から出てきやがった…

 

向こう端4㍍位か手前に落ちた俺はすぐに覇龍の姿を確認する。

その身体は紅く、棘は鈍い光沢を帯びて辺りを威圧するかのように背中から生え、天に向かって伸びる牙は堅牢にして鋭く聳え立つ。覇龍の名に相応しい巨体、気迫。そして、この世の宝石をかき集めても手の届かないであろうコバルトブルーの美しく、透き通った目。

全てがこの存在を《覇龍 アカムトルム》だと認識させるようなそんな感覚を覚え、俺の足が無意識に震えだす。

何故震えてるか?そんなん…俺が知りてぇよ

 

“フゥン…お前さんがワシの…まぁあんまり強くなさそうだナ。それでこそ、力を貸しあたえがいのあるというモノ…ヨシ‼︎はじめるカ!何をするかくらいは分かっテきとるんダろう?”

 

俺は身構える。ナナリー達は上で待機して、俺が本当に危険になった時に助けてくれることになってる。

 

 

でも…まぁ…

 

「やってやんぜ‼︎」

 

負ける気なんざ、さらさらないがな‼︎

 

 

 




はい。宣言します。

次でextraepisode「獄炎に座させられた覇たるもの」は終わりです。

覇龍の力を身につけた時にハンゾウはどんな選択をするのか…

次回お楽しむぃに‼︎

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