狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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はい、なんか最近毎日更新できていることに自分でも驚いているドーントレスです。

最近色々な人の小説を読んで「あぁ、こんな表現方があるのか」とか、「バトルシーンヤベェな…見習いてぇ」とか思わせられる日々を送っております。

この小説もオススメだよ!って作品がありましたらお願いします!教えていただきたいです!
リアルでも、小説にも出会いを求めるドーントレスでした〜

では、本編をどうぞ


第16話 「とある再会」

 

sideハンゾウ

 

まぁさか…こんな場所でこいつと再会するとは…

 

「こんなとこでなぁにしてんだ?…『ソル』」

 

「…答える必要はない」

 

俺が名を呼び、それに答えたこの男。

俺はこいつを知っている。

いや、多分下手したらどっかの田舎村の子供からゴロツキの荒くれ者でも名前くれぇは聞いたことがあるかもしれねぇ。

 

『伝説の傭兵 白銀のソル』

 

全ての近接武器を極め、風化した片手剣ですら奴の手に渡れば麒麟をも両断出来る…と言われてる程の実力者。

そして、かつて俺の師匠とパーティを組んで狩りをしていた。師匠の所に何回か訪ねてきたから覚えている…が、わからねぇことがある。

 

「あんた…なんで俺に殺気を叩きつけてきてやがんだ?」

 

まるで震度6位の地震が起きているかのような感覚に襲われる程の殺気を、一直線に俺に向けてくる。

 

「…分からないか?」

 

「分ぁかんねぇから聞いてんだろ?察してくれや」

 

「…そうか。なら…しばらくそこで足止めをくらってくれ」

 

刹那

 

「っと⁉︎」

 

ソルの斬撃を右腕でいなし、得物を踏んづける。

「っ!?」

何かを感じ其方に顔を庇うように左手を伸ばし、掌に何かを感じた瞬間に反動を殺しながら左手を握り引く。

左手を開き見た物は【徹甲榴弾Lv3】だった。

 

刹那

 

俺の左掌で球は爆破し、爆煙で視界を遮られたその一瞬で俺の首筋と頚椎に何を感じた。

 

即座に俺は両手を上げて両の掌を前に見せる形で維持する。

一般に『降参』と呼ばれるあれだ。

 

煙が晴れると、首元に白銀の太刀の切っ先が、頚椎には黄金の銃口が突きつけられている。

 

「…お見事」

 

溜息を吐き俺は一言こぼす。

ソル達はそれを合図にそれぞれ武器を納め、俺を挟むように立った。

 

「ルナさんも変わりなさそうで何よりです」

 

「あんたに敬語使われると虫酸が走るからやめなさい?

次は無いわよ」

 

「…ソル、聞いてもいいか?」

 

なんか背後の人が怖いのでソルに話を振って誤魔化す事にした。

相変わらずソルは無口だが、反応を示さないあたり肯定と受け取っていいのだろう。

…昔からそうだったし

 

「あんた…もしかして空賊に雇われてんのか?」

 

「…それについては肯定しよう」

 

「なんで空賊なんかに「話は最後まで聞け」…」

 

じゃあもうちょっと早く話してくれと文句が言いたくなったが、ここは飲み込む事にした。

 

「俺たちを空賊よりも先に雇った奴がいる。そして、雇い主がお前に会いたいと言うのでな…」

 

「…ここで足止めをしてもらったって訳」

 

「っ!?…雇い主って…まさか」

 

後ろからルナとは違う女性の声が聞こえ、俺の全身に全力で嫌な予感が走る。

背後を振り向くと…ルナと目があった。

 

「…あら、ごめんなさいね」

 

数秒見つめ合い、ルナが意図を察して退いてくれた。

そこにはーーー

 

「…久しぶり、火山から出てきちゃったんだ。悪い子ね」

 

白き疾風の乙女が立っていた。ーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゼドアラ街内 入口付近

 

「なぁ、彼奴らはハンターをめっちゃ雇って守りを固めてたんじゃねぇのか?

俺が道中ぶっ飛ばしたのもせいぜい5〜6人だったぞ?」

 

「あら、私達が居るのよ?むしろ6人も残しておいてあげたんだから感謝して欲しいわね」

 

敵を狩り残されて喜ぶハンターが何処に居んだよ…

とか言ったら間違いなく気円斬が飛んでくるから我慢我慢。

 

「…こっちだ。奴は時計塔の最上階から渡り廊下を渡った先の部屋にいる」

 

「ほぇ〜…俺、高いとこ苦手なんだけど…」

 

この時計塔…正直めちゃ高い。

高い所は何故か苦手で、俺のいた火山もそれなりの高さはあったが…何せずっと極地に居たから全然余裕だった

 

「あら、その辺は変わってないのね。今度雪山の頂上からバンジーさせてあげるわ。もちろん、紐なしでね」

 

「恐怖でってか物理的に死ぬよね⁉︎それ‼︎」

 

「あら、雪山が嫌なら孤島でも良いわよ?」

 

「場所が変わっただけで死因は変わんねぇよそれ‼︎」

 

「…バカやってないで行くぞ」

 

ルナは、普段は無口で物静かな印象を受けるが、一度喋り出すとドS毒舌オンパレードになる。

…ほんと、こんな人の何処が良いんだよ…ソルの女を見る目は節穴よりも酷いかもしれない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…ここね。私はさっきソルが言ったルートで行くわ。

ソルとルナはそこの扉から中に入って制圧していって。

ハンちゃんは…好きにして?」

 

「おいくぉらてんめぇ…なぁに人のこと馬鹿にした呼び方してんだよ」

 

例の奴が居ると思われる建物の一階部分の細い路地。

流石に4人いっぺんに動くのは効率が良く無いとのことで、別々に行動するところまでは了承したのだが…

 

「…良いじゃん、ハンちゃん。

かわいくね?」

 

「そんなこと言ってんじゃねぇ‼︎ってか可愛いとか言われても欠片も嬉しくねぇんだよ‼︎」

 

「…まぁまぁ、そう大声だしなさんな。とりあえず、遊撃。頼んだよ」

 

しかし、放った言葉とは裏腹に目の前の少女は俺の肩を離そうとはしない。

ソルとルナが扉から中に入って行ったのを確認すると、おもむろに彼女は身体を寄せて俺の耳元で囁く

 

「…私のたった1人の妹…私の宝をあんたに任せる。

セニアから笑顔を奪ったら、私がお前の命を奪う。

…まぁ、恐らくそうはならないと思うが…いつでもお前と、大事な妹は見守ってるから」

 

ゆっくりと囁き、俺から離れるとこの世の何よりも美しいと思わせる程の笑顔を向けて

 

「セニアをよろしくね、幻のハンターさん」

 

…俺は彼女に言い返すことはおろか…何も出来ずにただ彼女を見ていた。

遠く、霞のように消える彼女を…

 

刹那

 

俺は跳躍し、窓ガラスをぶち破る。

俺に何ができるのかは分からんが…

 

 

 

今できることをただ全力でやる。

 

 

かつての師の教えが、今になって蘇る。

 

 

 

さぁ…やろう。

あいつが護れなかったものを…

そして…

 

俺になら守れるものを…全力で‼︎

 




毎日更新のペースは…多分そろそろ落ちます←

感想等お待ちしております。

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