狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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はい、どうも皆様、ドーントレスです。
今回は佐藤さんを多めに構成してみました。

作者は…ちょっと糖尿病にかからない様にクッソ苦いコーヒーのフルコース飲んでくるので…

今回もごゆるりと


第20+話「とある迅竜の勇気」

sideセニア

 

はぁ…どうしよう…

 

自分でも分かるくらい今の自分は異常だ。

風邪でもないのに熱が出てるみたいに顔が熱く、ギギネブラやフルフルの拘束攻撃を食らったかの様に胸が締め付けられる。

ずっとモヤモヤしてたお姉ちゃんの言葉…

 

そう、あの時私はお姉ちゃんに呼び止められてーーー

 

 

 

「…やあ、セニア。いい子にしてたか?」

 

「…おね、えちゃん?」

 

私が意識せずとも両の眼から涙が自然に、静かに流れた。

もう2度会えないと思っていた最愛の姉との再会。言葉を足すことなく私達は抱き合う。

静かに私の頭を撫でる彼女の手は、優しく私を落ち着かせる。

 

暫くしてゆっくりとお互いに離れると柔らかい姉の笑顔が見えてまた涙が溢れてくる。

姉はそれを苦笑しつつ、親指で優しく撫でて拭ってくれた。

 

「…ただいま、セニア」

 

「…おかえりなさい!お姉ちゃん‼︎」

 

昔とちっとも変わらない。私に向けてくれるその優しさに満ちた笑顔に私は元気よく応える。

 

それから暫く自分達の置かれている状況も忘れて私達は話し合った。

これまでのこと。ローザのこと。まだ人見知りが治ってないこともちょっと突かれたりして私はちょっと拗ねたりも…

そして、

 

「…今は、ハンゾウと一緒にいるんだろ?」

 

「っ⁉︎…お姉ちゃん、ハンゾウさんのこと知ってるの?」

 

姉は「あぁ」と一言相槌を打ち、少し考え込む様に首を傾げ、今度は真面目な顔で私に向き直る

 

「…あんた…あいつが好きかい?」

 

「っ!!?」

 

完全なる不意打ちだった

 

「んな!な、ななな…何をきゅ、急に言い出すのよ⁉︎お姉ちゃん!」

 

「ん?違うのかい?」

 

姉は至極当たり前の答えのある問題の、答え合わせでもするかの様に尋ねてくる。

 

「…人を好きになるのには理屈なんか必要ないし、経緯なんて最初は気にしたりするけど、後々全然意味を成さなくなるものさ」

 

「…お姉ちゃんが何を言ってるのかさっぱりだよぉ…」

 

ちょっと私のお頭じゃ付いていけない様な話な気がしてならないし、何より今の不意打ちで正常な判断ができる様な思考ではなくなっている私に、姉は追い打ちをかけてくる。

 

「…私はあいつに抱(き)か(かえら)れたことあるけどね…」

 

「……………………………………………………………………へ?」

 

私の反応を見て目の前の姉は少し意地悪そうな笑顔を見せて続ける

 

「…中々のテクニシャン(戦闘技術)でさぁ…何せこの私がイ(逝)きそうになる位に攻められて…」

 

それ以降の言葉は私の頭に入って来ず、段々と意識が遠のいていくのを感じた。

そう、若干の喪失感に似た何かと共にーーー

 

だからさっきハンゾウさんに思い切って聞いてみたんだけど、どうやらお姉ちゃんが私をからかっただけみたいだった。

うぅ…

 

色々と想像してしまった…恥ずかしい…

 

でも、なんだかあの時に感じた喪失感じみたものは今はなく、寧ろちょっと希望が見えた様な…

って

 

 

ーーーそれじゃまるで私がハンゾウさんのこと…

す、すすすす…好きみたいじゃ」

「さぁっきからなぁにぶつぶつ独り言いってんだ?まだ具合悪りぃのか?」

「ふぁっふぅぉあ!?」

 

我に返った瞬間に目の前にハンゾウさんがいた。

しかも超至近距離…ヤバイ、顔が熱く…

 

「やっぱり、顔真っ赤じゃねぇか…ったぁくしゃぁねぇな…」

 

「なっ…えぇ!?」

 

ハンゾウさんが私を負ぶさっている。

めっちゃ密着してるし!!!

ヤバイ矢場意やばい‼︎

こんなんいきなり…

 

「あんまり離れるとローザ達が心配すっから、連れてくぞ?

んで、多少はスペースあるたぁ思うから荷台で休め。いいな?」

 

「ぁ…は、い」

 

どうやら自分の世界に入り過ぎておいていかれてしまっていた様で、外側を警戒していたハンゾウさんが私がいないのに気付いて探しに来てくれたらしい。

あぁ…恥ずかしい上に迷惑までかけるなんて…

 

「なぁ、セニア…」

 

私が勝手に沈んでいると徐ろにハンゾウさんから声をかけられる

 

「その、今回のことで…無理させ過ぎてすまんかったな。

もっと俺がしっかりしてりゃぁ…お前さんたちを人質に取られる様なことも…怖い思いをさせることもなかったのにな…今更謝ったところで許してもらえるたぁ、思っちゃいねぇが、その、悪かっ…⁉︎」

 

…その先は、聞きたくなかった。

 

けど、私は今、ちょっと喋るのもままならないくらいにあれだから…

 

 

ーーー私はその大きな背中をぎゅっと抱き締めた。

 

「………も、もうそろそろ着くからな?」

 

「…うん」

 

少しだけ、勇気を出してみるのも悪くないと思った…そんな夜の林道で迅竜はそっと覇竜の背で目を閉じ、心地の良い闇へと落ちていった。




セ「…///」
ハ「…///」
ロ「…?」

えぇ…2人機能しなくなっているのでまた日を改めたいと思います。

マ「感想等お待ちしております故!どしどしお寄せください‼︎まってます!」

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