今回はかなり短いです。
繋ぎの回だと思っていただければ幸いです。
ではごゆるりと…
sideハンゾウ
俺たちは、オズ(オオナズチの愛称。自分からこっちがいいと言ってきた)の案内のもと、『古龍の秘薬』を探し早5日…
ローザは大した怪我もなく、気を失っていただけらしかったので、あの後すぐじゃぁねぇが、目を覚ました。因みに、オズのことは時間こそかかったが理解してくれた。
マツバはほっといても元気そのものだし…問題は…
この5日間…一度も目を覚まさないセニアのことだ…
セニアの傷は意外と浅く、応急処置は済ませ後はそういうことに慣れているローザに任せたのだが…
「傷口から化膿したりもしてないし…血も止まったから大事にはならないとおもうけど…ただ、あたいの気にしすぎかもしれないけど…」
その後のローザの言葉は俺を急かすのには充分過ぎた。
「ーーーあの子の傷が、塞がらないんだ…まるで人間の持つ『自然治癒力』が、何かに邪魔されてるみたいに…ね」
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捜索6日目…
日が高く昇り、俺たちから影を奪う。
荷車は壊されてしまったが、完全に壊れていた訳ではなく一部はそのまま使える状態にあった。
セニアとその看護役ローザは本人(?)の了解を得て取り付けた屋根付きのオズの背に乗り、俺とマツバはオズの左右で警戒しながら追従する。
本日2度目の食事を済ませ、変わらず空気の重たい俺たち一行の前にそれは現れ、オズが声を上げる。
“キタ!ココダ!ココダ!”
俺たちの前に姿を現したのは…
「…まじかよ」
3本の猛り立った一枚岩が突き出た大海原の岬…
つまりはそう…海だった。
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sideセニア
“……………”
ーー此処は…何処?真っ暗で何も見えない…
“…………”
ーー確か…私は…イビルジョーと闘ってる最中に…なにかに突き飛ばされて…
“………”
ーーあぁ…思い出してきた。あの時ローザがイビルジョーの攻撃で…それを見ていたら…
“……”
ーー私は…どうなったの?まさか…死んじゃって“…コワイ”…っ⁉︎
“…コワイ。コワイよ…”
ーーな、何?近くで誰か…子供みたいな声が⁉︎“…コワイよ。コワイよ”…やっぱり‼︎
“コワイモノ…ヤダよ…アレ…コワイ……コワイモノは……***す”
ーーへ?アレって?それに…
私は、最後の言葉をはっきりと聞き取ることができないまま、再び深淵えと堕ちる感覚に襲われ…知らず知らずのうち意識を手離した。
こんな駄文ですが、感想等いただければ作者の励みになります。