狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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どーも皆さん!
SNS詐欺に連日あったドーントレスです!

ハ「みんなも詐欺には気をつけてくれよな!」

それは置いといて、今回から本編をスタートさせて行きますよ〜!
「てめぇの投稿が亀過ぎてもう話覚えてねぇよ!」と言う方…

大変申し訳ありませんでしたぁぁあああ!!!

ハ「直接的に話は続いてないが、読んでくれると嬉しいぜ!」

では、本編をごゆるらんとどうぞ


第32話 「とある城下町」

 

side?

 

とある城下町…普段賑やかで笑顔あふれる美しい顔を潜めた深夜…

 

“バ……カナ…!コン…ナ……コ、トガ⁉︎”

 

ごがんっ!

 

「はぁぁ…ったぁく。新種ってぇのも、どうも骨がねぇ…」

 

この町では決して見ない異形の者と、それの頭部から得物を引き抜く人影…

その人物はつまらなそうに一言呟くと、自分の倍以上あるそれを引きずり町の門へ向かう。

門には己の槍で自分の心臓を突き穿たれた門番が顔を驚愕に染めたまま、永久に時を止めていた。

 

彼は門番達に一瞥を投げやると再び歩き出し、仕留めた異形の生き物だったものを龍車に投げ込み、再び門に振り向くと

 

「鎮魂歌ってぇのは俺の性にあわねぇ…が、今夜は特別だ」

 

龍車のサイドスペースを開け、【マスターバグパイプ】を引き抜くと徐に静かな旋律を奏で始める。

夜の闇を淡く…優しく包み込む旋律はやがて、朝の温かい日差しを迎えるまで鳴り響いていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

朝を迎えた城下町『ヴァリアライト』は徐々に人通りが増え、挨拶や客引きなどで賑わい出す。

ヴァリアライトはヒンメルン山脈の高い山の上に城を構え、厚い城壁とそれらにバリスタや大砲を構える謂わば迎撃要塞城。

なぜこのような作りになっているのかというと、かつて栄華を誇ったこの地方には知らぬ者は居ない巨城『シュレイド城』に再び【黒龍】の姿を確認したと言う連絡が入ったからである。

 

このヴァリアライトにはドンドルマやポッケ村からの商人が交易しにくるのだが、悪報を聞いてからその数は年々減少する一方である。

それに対し、ヴァリアライト国王はハンターを雇い、城内及び城下町の警備、シュレイド城の観測、交易ルートの安全化を図り、交易の安定化及び情報の収集・提供を始めた。

 

そしてこの男。

ハンターとして城下町内の警備・治安維持を命じられた『ブラキX一式』のハンター…

 

「〜〜♪…」

 

自前の龍車に大量の狩猟笛を詰めた彼は大通りの隅でチューニングに精を出す。

 

「〜〜♪…ん〜……」カリカリ

 

「おい!にいちゃん!シカトこいてんじゃねぇっつうの!」

 

そんな彼にガラの悪そうなハンターが3人絡んでいた。

彼が顔を上げると、リーダー格と思われるピアスの付きまくった顔を近づけてくるケチャ装備の男と目が合い、ガンを付けられる。

ちょっとバレないように目を逸らすと、両サイドにはそれの子分らしきガルルガ装備の男と、やたらチャラチャラした肌の黒いボーン装備の女がいた。

 

「…なんでしょう?」

 

「『なんでしょう?』じゃねーよ⁉︎此処、俺らの縄張りだからさっさと消えろっつってんの!さっきからずぅっとバグパイプなんか弄りやがって…目障りだし邪魔だから退いてくんねぇかなぁ?あぁ?」

 

彼は男の言葉に少し考えるように下を向くと、再び男の顔を見て頷く。

 

「分かりました。すぐ退きますのでちょっとだけ待ってもらえますか?」

 

しかし

 

「待たねぇ、テメェは俺をシカトし続けた罪をつぐなってもらわねぇとなぁ?もち、テメェの体で」

 

「…ホモですか?」

「っげえよ!俺の気が済むまで殴られろっての!」

 

彼は、そういうことならとその場に立ち上がり、男を見据える。

男は下卑た笑いを浮かべ「後悔するんだなぁ!」とか言いながら憐れにも彼に殴りかかる。

 

刹那

 

「…そう言うのは…ロックじゃねぇんだよ!!!」

 

男は宙を舞い、子分らしき2人は驚き戸惑う。

彼は2人を無視して落下した男の元に歩み寄り、手を差し伸べた。

男は何が起きたかわからないと言う顔をしながら、その手を取ってしまった。

 

刹那

 

「ROCK YOU!!!」

 

男の顔面にヘッドバッドをかまし、男をそのままゴミのように捨てると再び龍車の位置まで戻り、中から【ヴォルカニックギグ】を取り出すと1つの旋律を奏で始める。

 

「よぉく覚えて帰りやがれ…これが、ROCKだ!」

 

その旋律は、聞くものを熱くさせ、忘れていた熱を…成長の段階で、理性と羞恥と言う鎖で縛った若き日のあの心を、彼は奏で、聴く者全てに思い出させる。

 

奏で終わると視聴していた町人たちから拍手が惜しみなく贈られる。

彼は民衆に手を振って答えると龍車に【ヴォルカニックギグ】を戻し、引き綱を持つと龍車を引っ張り、大通りから姿を消した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

sideハンゾウ

 

さて、俺たちは次なる目的地『ヴァリアライト城』に向けて現在移動中だ。

もう既にシュレイド東地方には入っているのだが…

 

「…予想以上に…寒ぃな」

 

昨日見た残雪は幻ではなかったようだ…ヒンメルン山脈に近づくにつれて次第に草原は一面の銀世界へと姿を変えて、俺たちを迎えてくれる。

やがて、空が陰り、白銀の冷たい塊がゆらゆらと降りかかる。

 

「ハンゾウ殿、見張りを代わろう。この寒さでは辛かろう?」

 

「お、まじ?助かるわ」

 

「小生特製の『ポポ肉の肉盛りマグマ丼』を食べるといい。猫飯よりは劣るが、味は保証しよう」

 

「サンキュー…んじゃぁ後頼むわ」

 

「うむ、任されよ」

 

俺は新調して6人乗りになった荷車の荷台に上がり、肩や頭に乗っかった雪をちょいと溶かしてマントを羽織り直し、中に入る。

 

内部はまず玄関のような足拭き場があり、此処で泥をある程度落としておかないと後でローザに大目玉食らう。

そのまま暖簾をくぐると右に貯蔵庫、左も仕切りがあったんだがスペース確保のため壁をぶち抜いた居間がある。

居間の中央にはTYA☆BU☆台が据え置かれ、今はセニアが座って顎を乗せる形でダラけている。

俺はその向かいに座り、丁寧に蓋をされて箸まで準備してある丼に手を伸ばし、蓋を開けて中を確認…うーん!まだ温かくて美味そうだ。

 

ヘルムを脱いだところでセニアがこちらを上目遣いで見ていることに気がつく。

 

「んにゅ?…ハンゾウさん、おかえりなさい」

 

「お、おぅ…外はマツバに任せたから、ちょいと休憩させてくれ」

 

特になぜいるのかと聞かれた訳でもないが、なぜか答えてしまった。

つくづく俺はセニアの『必殺・レッドアイズ上目遣い』に弱いらしい。

気付けば俺は、マグマ丼を平らげながらずっとセニアを見つめていた。

 

セニアは、最初は俺のことを見ていたが、次第に微睡み始め、再び口の横に涎を蓄えながら再び、夢の中へ落ちていく…

 

なんだろう…仮にも俺と同じ生物とは思えない

 

俺は食後のデザート『こなみかん』を剥きながら、視線だけは弾力のありそうな頰っぺたに釘付けになっていた。

 

(さ…触りてぇ!)

 

俺は剥くのをやめて、セニアの頰っぺたをちょっとだけ突っついてみる。

 

「…!!!」ぷにゅ

 

セニアは気づいてないのか、安らかな寝息を立てて涎を垂らす。

 

(も、もう一回…)

 

再び俺は手を伸ばす

 

 

 

 

 

刹那

 

 

 

 

 

「…なぁにやってんだい?」

「ぴゃっふぉい!!!?」

 

背後にいたローザにいきなり声をかけられて、これまで出したことのないような奇声をあげてしまった。

セニアは…起きてない…

 

「セニアの寝込みを襲おうなんざ…このローザ様が許すと思ってるのかい?」

 

「ばっ!変な言い方すんじゃぁねぇよ!」

 

「じゃぁあ、あんたは今なぁにしてたんだい?セニアに指一本触れてないってぇ訳じゃないよねぇ?どう見てもぉ?」

 

「ふがっ……ぬぅん…」

 

勝ち誇った笑みを浮かべるローザ。

くっそ…やましい事は何もしてない筈なのになんでこんなに罪悪感が…「でもまぁ、やりたくなる気持ちはわからなくないさね」…?

 

ローザは徐にセニアの背後にたつと

 

「ぅおりゃ!」

「きゃいん!!?!?」

 

セニアの横っ腹をくすぐり始める。

セニアは突然の事態に頭がついて行けず、泣き顔になりながら笑いをこらえようと抗っている。

 

「ぉりゃおりゃ♪」

「くぅふふふ…ちょ、ローザ、、や、やめっ…あっふぁ!ひゃははは!」

 

「……」

 

「ちょ、ハン、ゾ、ウさん!たす!助け…あふひゃひ、ははは!」

 

ハンゾウは どうする?

▷このまま鑑賞する

▷交ざってセニアを擽る

▷起立!回れ右!GET OUT!

 

ちなみに

・本能は1か2、理性は3を選んでいます。

・テレホンはありません。

・オーディエンスするとR-15の枠に入らなくなる可能性大!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に選択肢などなかった。いいね?

 

俺はホットドリンクを二、三個引っ掴むと回れ右して銀世界へと戻っていった。




感想等お待ちしております!!!

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