ドボル「突如現れた巨大な壁!それはセニアとハンゾウを引き裂くかの如く現れる。果たして、盾のみでの防戦を続けるセニアは生き延びることができるのか⁉︎」
ハンゾウ「…なんでモンスターがあらすじ解説してるんだ…」
セニア「お肉…まだ食べてないよぉ…」
ローザ(あたい…前回出番少なかったな…)
セニアside
巨体を震わせ土煙を壮大にあげるそれはセニアも見覚えがあった。もともと密林や原生林での依頼を中心に狩りをしていたので、よく知っている。
《尾槌竜 ドボルベルク》草食の巨大な獣竜種で主として尾の先端の槌にも似た部位を叩きつけたり、振り回したりして攻撃してくる。気性はおとなしい方だが、縄張りに侵入してきた者に対しては容赦なく尾を叩きつけてくる。
「…ホント、迷惑な鳥」
正直、ドボル相手なら負ける気はしない。立ち回りは身についているし、あんなに足元がお留守なモンスターはそういないだろう。
しかし、今の自分には肝腎の武器がない。荷台から急いで取り出した盾のみでの戦闘をしてしまった所為で、スタミナの温存はできてないし仮にスタミナがあってもドボルが邪魔で荷台までたどり着くには少しかかるだろうし、無理矢理呼び出されたドボルがおとなしくしている筈もない。
…さて、どうしよう…
刹那
「ウォォルァァァ!!」
ハンゾウさんの声が響いた。と同時にドボルが文字通り真横に【吹っ飛んだ】。
「グルオァァ⁈」
「ッチ…もういっちょ‼︎」
「グボォァァ⁉︎」
…なんだろう…ドボルが右方向に10㍍位かな…吹っ飛んで横たわってる。
目の前の現実を必死で理解しようと、脳みそをフル稼働させていると正面から「おい!渡すぞ!」とハンゾウさんの声がって…
「どわぁ!?」
「おい聞いてなかったのか?もっと集中しろよ〜」
私は、目の前に突き刺さっている暗夜槍【黒雨】とハンゾウさんを交互に見る。距離的には100㍍ちょっとくらいあるのだが、あの位置から軽く投げて黒雨が半分近く(沼地だからかもしれないが)うまっている状態である。
「…なんて力なの…」
只々関心し、呆然と立ち尽くしてしまっていた。
そう、クルペッコが新たな音色を奏でていることにも気付かず…
ハンゾウside
とりあえずドボルは沈めた(物理)し、セニアに槍も渡した。まさか1日で2回も槍投げをするとは思わんかった…っと、そんなこと考えてる場合じゃねぇ。
そして俺は再び荷台の方に振り返るとグラビモスの顔があった。
正確には、ローザのボウガン「ティラーフェルゼン」の銃口である。
「…あんた、寝込みを襲おうとするなんて…」
「は?ちょっと待て、落ち着け。今の状況をわかって「問答無用‼︎」ってどわぁ!?」
容赦なくボウガンが火を噴く。しかも正確に眉間を射抜こうとしてくる。
「ちょっ‼︎…おい、やめろ‼︎だからやめっ…ぐはぁ⁉︎…テメェ…おいコラ‼︎…って痛って…痛ぇ痛ぇ‼︎セ、セニア!た、助け」
「ちょっ‼︎ローザ⁈って…わぁ‼︎」
どうやら命からがら呼んだ甲斐あって、俺の助っ人が登場したらしいが…容赦なく発砲されている…あれが世に言う暴れ撃ちか…?
「こんの変態‼︎死んで償え‼︎」
「だぁから!何もしてn」
「ギャッギャ‼︎…グァバ」
ん?…ヤベェ!ペッコを完全に放置してた!またなんか呼ばれたら堪ったもんじゃねぇ‼︎
ハンゾウが声のする方へ身体を向ける、そこには恐らく流れ弾に当たったのだろう、体と翼膜に風穴を開けられたクルペッコが横たわっていた。
「……」
ペッコに対して合掌した俺は、再びローザを止めに戻るのであった。
しかし、この時には誰一人として目の前に迫る災厄を感じることができなかった…
どうもお久ぶりです。ドーントレスです。
ハンゾウ「今忙しいんだ。後にしてくれ」
ヒ、ヒドイ…
ローザ「万死に値する‼︎」
ド・ハ「「えっ」」
ちゅどん‼︎…びちゅーん
セニア「…ご感想等お待ちしております」