狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

9 / 55
どうも、最近狂気に触れかけるドーントレスです。

今回からextraepisodeになるわけですが…文章力が0を振り切ってマイナスに向かって全速前進している気がしてなりません。

では、本編をどうぞ


extra episode 獄炎に座させられた覇たる者
追想1 「とある俺の追想」


ーー俺には生まれつき人にはない『何か』があったーー

 

それを一概に『力』と呼べる勇気は当時の俺にはなかった…

周りからは気味悪がられ、両親にも縁を切られ、行く宛もない俺はドンドルマ近くの空き家に潜り住んでいた。

しかし、そこは決して安全とは言えず『狩人狩り』をする悪党共が中継地点に使ったり、すぐそこにまでモンスターが迫ってきていた時もあった。

 

ある時、俺は腹が減ったから罠を仕掛けてアプトノスの子供を採ろうと外に出たんだ。幸い小屋の奥の部屋にハンターナイフが置いてあったからーー罠を作るのにも肉を剥ぎ取るにも使えて便利なのでーー持って行ってたんだ。

その日はアプトノスが水飲み場にも草原にも居なくてついてないと思いながら仕方なく木の実なんかを持って帰ったんだ。

俺は小屋の前まで着いた時に気がついた…いやもっと早く気付いておくべきだった

 

小屋に明かりがついているのだ。

 

俺は狩人狩りがここを中継地点にしてることを知っていたから、なるべく音を立てないようにその場を離れようとしたんだ

 

でも遅かった…後頭部に強い痛みと無数の星を見た俺はそのまま地面に倒れた。

 

次に目が覚めた時には、何故か檻の中に入れられてたよ。そう、動物とかを逃さないように閉じ込めておくあの檻だ。

自分の身体には何ら異常はなかったが、殴られたのであろう後頭部が割れるように痛かった。腰に付けてたハンターナイフも取り上げられて、唯一俺を寒さから守ってくれていたポポの毛皮のポンチョもなく、腰に一枚ボロ布がまかれているだけの状態だった。

自分のことを把握した俺は周りを見渡す。見たところ全然知らない場所だが、複数人の男達の笑い声が聞こえるあたり此処は俺を連れ去った連中のアジトなのだろうと思った。

 

ーーしかし何故?ーー

 

まだ全然ガキだった俺はわからない事だらけの状況を整理すべく、何故俺を殺さず連れ去ったのかを考えてみた。

 

ーー奴隷か…ーー

 

確か俺の故郷にもそんな人達がいて、低賃金で厳しい労働をさせられていた…主には家畜の世話や、鉱山の開発の危険な部分を行うなんかだった。

 

ーー俺…どうなっちゃうんだろ…っ‼︎ーー

 

考えただけでも先が暗くなる自分の今後を考えようとしていた時、檻に男達が群がってきた。

まるで値踏みをするかのように俺をジロジロと見てくる。暫くして1人太った男が

 

「しっかしまぁ…女ならまだしもこんなガキ…需要あんのか?」

 

「うんにゃ、我の目ぇは誤魔化せねぇ。間違いなくこいつは「古代龍人の末裔」だかにぃ!」

 

「んー…俺にはただのガキにしか見えんがね。まぁクライアントさん次第だし、売れれば何でもいいや」

 

ああ…やっぱり売られんのか、俺…奴隷か…やだな…

 

「しかし、古代龍人の末裔っても何ら俺らと変わらないんじゃないのかい?」

 

「んなことねぇだぎゃー!なんと古代龍人の末裔は《通常のモンスターだけではなく古龍とも心を通わし、操れる》ンダ!欲しい‼︎わが研究の実験台としてぴったりだぎゃ‼︎」

 

…待てよ。じゃあ俺が気味悪がられていた原因の『幻聴』ってモンスターの声だったのか⁉︎

 

「…まあ、いいや。値段の交渉に入りましょうかねぇ…状態もいいので、この位でどうでしょう」

 

「…うむ。少々高い気がするが、俺の研究のためならこのくらいは…ちょっとまってくんろ」

 

ああ…なんかもうどうでもいいや。俺はこの先、この何処の訛りかもわからない変なおっさんの実験台になって一生ーー“諦めるな‼︎”ーーへ?

 

“諦めるな‼︎貴様の『覇道』を‼︎”

 

ちょっと遠くで何かが爆ぜる音が響き、同時に熱風が部屋に流れこんでくる。

ちょうど金を出そうとした研究者と商業人が間抜けな顔で爆発した方向を見ている。俺のいる位置からでは何があったのかがよくわからないが…

刹那、二人が文字通り『吹っ飛んだ』。

 

「おいおい、手加減したんだろうな?殺しちゃ意味ねぇんだぞ?」

 

「だぁいじょぶよ。ねらいはぱーぺきなんだから‼︎」

 

「どうだか…さあて、っと居たぁ⁉︎」

 

1人の男が俺の入ってる檻を見て驚く。なんか、シェー!ににたポージングで。

 

「あらあらそんなにおどろくことないじゃ…シェー‼︎」

 

今度は女が俺を見て、さっきの男と同じポーズをとる。つか、シェー‼︎言っちゃってるし…

 

“おい、こんなところにいつまで仲間を閉じ込めておくつもりだ?”

 

「お、おお!すまんすまん。今助けてやるからな」

 

男がそう言うと扉の鍵を弄り始めた。女の方は…まだ同じポーズで固まっている。俺には驚かれる意味がわからない。故にちょっと睨み気味に女を見ていた「あかねぇな…ナナリーちょっとぶっ壊してって…ナナリー⁉︎」

男がナナリーと呼んでいた女に近寄り肩をゆすった。すると

 

「ハ!ワタシハイッタイナニヲ⁉︎」

 

「とりあえず落ち着こうか⁉︎」

 

変な研究者に売られそうになったり変な男女に助けられたりと散々な1日だった。気がつくと外は真っ暗で疲労感と睡魔に襲われ俺は『赤いフサフサした温かいもの』の上でいつの間にか眠っていた。




はい。新キャラです。

ナナリー「あらあら〜どうも」

…あれ?もう一人の方は?

ナナリー「だってなまえでてないじゃない?」

それもそうですね。

ナナリー「じゃあ、これからのわたしたちのかつやくにきたいしててねぇー!」

…ご感想等お待ちしております

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。