初めまして、自分の名は【
なろうとしていたと言うのは、自分は自分の世界とは別の世界に引き摺り込まれたからです。
世界の名は《幻想郷》神や妖怪、厄神、魔王、忘れられた偉人などが生きて生活している。
神隠しにあった者もここに紛れ込んでいる。自分もその類。
幻想郷に連れて来られた自分は華扇さんと言う女性とともに暮らしている。
一応、華扇さんと出会うまでの説明をしよう。
自分を引き摺り込んだのは幻想郷の創設者【八雲 紫】スキマ妖怪とも呼ばれている。
スキマと呼ばれる穴から紫さんに引っ張られ、連れて来られた。
その時に話しかけられたが紫さんから外来人に話しかけるのは稀らしい。
紫さんが言ってた。
何故、自分に話しかけたのか聞いてみたら自分にはある能力があると言う。
紫さんも同じような能力を持っている。紫さんは【境界を操る程度の能力】
自分はどんな能力を持っているか聞こうとしたら、時間切れと言い、足元にスキマが出現し落とされてしまった。
数秒重力のまま、落ちて行くとボチャンッ!と水の中に着水。
正直、死ぬんじゃないかと思っていた。紫さんって意地悪な妖怪だと認識しておこう。
水の中から出て辺りを見渡して気づいたけど、自分がいる場所はどうやら山の奥深くのようだ。
何故こんなところに落とされたんだろう。自分の能力に関係があるのかな?
そして、もう一つ気づいたのはここに住んでいる者がいる。
自分の目の前に大きな屋敷が建っていたからそう思った。中にいるのは、人とは限らない。注意して入ろう。
建物に近づくと、普通の大きさの一軒家って感じかな。
とりあえず、入り口に手をかけると、肩にぽんっと手を置かれた。
恐る恐る振り向くと立っていたのは綺麗な桃色の髪にシニヨンキャップを被り、右腕全体が包帯でグルグル巻きにされ、左手首には、鎖のついた鉄製の腕輪をつけ、胸元に花の飾りがあり、服の前掛けの部分には茨模様の入った服の、とても綺麗な女の子だった。
女の子は自分と同じくらいの身長。
目線がちょうど同じ高さだから、どうしても目が合う。
自分の顔をじっと見つめて、ようやく口を開いた。
「私の家に御用でしょうか?」
「あなたの家なんですか?失礼しました。自分は修羅仙我と言います。仙我と呼んでくれて構いません。この世界にさっき来たばかりで、途方に暮れていたんです」
「私は茨木華扇と言います。外来人のようですね。立ち話もなんですし、お上がりください」
華扇さんの家に上がらせてもらった。中は古風な屋敷と言う感じであろうか?落ち着く作りだ。
六畳半の部屋に案内され座ってお待ちくださいと言われた。数分すると、お茶を持って来てくれた。そこまで、気遣ってくれなくてもいいのに。
用意されたからには飲まない方が失礼だ。ありがたく頂戴します。
お茶を啜りながら、華扇さんに幻想郷について説明してくれた。
「じゃあ、自分みたいな人間は他にもいるんですね」
「ええ、だからそんな驚きはしないです。それで仙我はこれからどうするの?」
今後のことなんて、考えていなかったな。この世界には来る予定ではなかったわけだし、華扇さんの話の中に出ていた妖怪と出会えば、自分は命はない。ましてや、ここは【妖怪の山】生きて降りれる自信がない。
「もし、行く当てがないようなら、ここに住んでもいいですよ?」
「え?いいんですか?」
「自給自足になるけどいい?」
「大丈夫です。迷惑でなければ、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いするわ」
これが、自分と華扇さんの出会いです。それから、どれぐらいの月日が経過したのだろう。
一年は経過していると思うが、やはりこの世界には慣れないことが多い。
弾幕勝負と言うのにはいつも勝てない。
そして、自分の能力が未だにわからない。
華扇さんにも一度聞いてみたけど、能力は誰しもが持っているわけではないらしい。
色々と試していればいつかは使えるようになると言ってたけど、困っているわけではないから別にいい。
でも、華扇さんにばかり頼っているのは些か恥ずかしいものがある。
女の子に守って貰っているだけでも、男としてプライドにヒビが......自分はもっと強くなりたい。
「華扇さん。ちょっといいですか?」
居間でお茶を啜りながら寛ぐ華扇さんに声を掛けると、少し笑顔になって返事をする。
「どうかした?また能力のこと?」
「いえ、能力はゆっくり見つけます。自分が聞きたいのは自分も仙人の修行をすれば強くなれるか、ってことです」
華扇さんは少し驚いていた。まさか、自分がそんなことを言うとは思わなかったのかもしれない。
華扇さんは仙人であるが修行中の身らしい。そうは思えないほどの強さと雰囲気だと思う。
「強くなるかはともかく、どうして急に?」
「いつまでも、華扇さんに守られてばかりじゃいられないからです」
「......わかりました。けれど、仙人の修行は簡単ではありませんよ?」
「覚悟はあります!それに、強くなれるなら辛くても大丈夫です。そして、いつかは自分が華扇さんを守れるようになります!」
自分で言った言葉が後から恥ずかしくなり顔が熱くなる。華扇さんの前でカッコつけようとするといつもこうだ。本当にかっこ悪いよ自分.........
そんな自分に華扇さんは微笑んでくれた。いつもこの優しい笑顔で自分は頑張れているんだと実感してる。
修行も頑張れるぞ!
修行は明日からつけてくれるそうだ。
どんな修行にするか、考えるための準備と自分の心の準備の日になった。
心の準備と言っても自分は迷いなど一切ないから夕御飯を作って明日に備えて早めに睡眠を取ることにした。
△▼△
翌日、日がまだ昇っていない暗い朝。
まだ眠っている自分を華扇さんが起こしに来た。
どうやら、こんな朝早くから始めてくれるようだ。華扇さんが睡眠時間を減らしてまで、修行をつけてくれるなんて、本当に申し訳ないです。
すぐに準備をして屋敷を出ると感心されてしまった。
霊夢に見習って欲しいぐらいね、と言っていたが霊夢とは誰なのだろうか?後で聞いてみよう。今は、修行に集中。
最初の修行は精神統一と、ベタな内容だった。修行で本当にやるんだ。
ちょっと驚き。
精神統一とは言ってもさほどきついものではないようだ。朝日が出るまでジッと動かず、精神を研ぎ澄まし続けた。
朝日が昇り、顔に日差しがささると同時に、華扇さんの終わりの合図が出た。何故か、すごい褒められた。最初で、ずっと動かずにいられるのは、稀なことらしい。
華扇さんは、とても嬉しそうだった。自分もすごく喜んでいたのは秘密だ。続きは、朝ご飯を食べてからとなった。
朝ご飯を作るのは自分だ。
献立は、どうしようか。よし、簡単なものでいいか。
献立は、お味噌汁と野菜のお浸し、焼き鮭とご飯と普通の朝食かな。準備もできたし、屋敷の外にいる華扇さんを呼びに行こう。
華扇さんの花壇へ向かうと花に水をあげていた。
「華扇さん。朝ご飯の準備できましたよ」
「ほんと!仙我のご飯は幻想郷一美味しいのよね」
「そんな、大げさな」
えへへと笑うと、屋敷の中へと入って行った。本当に華扇さんは綺麗だなぁ。
華扇さんを追いかけるように屋敷に入り、いただきますと感謝を込めて食べた。華扇さんが幸せな顔をしているから、自分は満足です。
朝ご飯の食器を片付け、屋敷の外に出ると、意外な人物が華扇さんと話していた。
「あら、お久しぶりね」
「紫さん!どうしてここに?」
「あなたが来て、ちょうど一年ぐらい経つから様子を見にね」
紫さん意外に優しい。心配になって見に来てくれるのは、本当に嬉しい。あ、そうだ。
「自分の能力って結局なんですか?」
「あら?言ってなかった?けど、あなたは、もう少しで自分の能力に気づけるわ。だから、がんばってねぇ!」
そう言い残し、紫さんはスキマの中へと消えて行った。
自分の能力を知るチャンスと思ったんだけどな。やっぱり、自分で見つけろってことかなぁ。うん。ここは、自分で見つけて行こう。
さあ、次の修行も頑張っていこう!