急に申し込まれた弾幕勝負。もちろんお断りしたいところだ。しかし、それを許してはくれそうにないし、花の件もあるため断りにくい現状だ。
まあ、殺気は感じないから殺す気はもうないようだ。それでも怖いから受けたくはない。そして、遊びのはずの弾幕勝負、この人みたいな強者とやれば遊びじゃなくなる。
ゆえに、やりたくはないです。だから自分は逃げるタイミングを伺っています。一切の隙が見当たらないがな!
「逃げてもいいのよ?後ろから撃たれてもいいなら」
「強制じゃないですか!」
「強制じゃないわよ?あなたが断る勇気もない【弱虫】だからでしょ」
カチンと自分の頭の中から聞こえた。どうやら、無意識に怒りのスイッチが入ったようだ。久々にイラつきました。
「・・・・・わかりました。やりますよ。その代わり本気で来てください」
「手加減しての間違いじゃないの?」
「いいえ?本気の幽香さんをぶちのめして、プライドをへし折ってあげますよ」
自分の挑発に簡単に乗った幽香さんは、とてもお怒りの顔になっていた。先ほどの優しさは何処へ?
目は輝きがなく、口はつり上がって不気味に微笑み、雰囲気で「殺してやる」と訴えるかのような冷たい殺気を放っている。
自分でもやりすぎた?と思うが、後悔はないが勝てないと思います。死にます。華扇さん先ゆく不幸をお許しください。
「死ぬ気はないけどな!!」
「口を開かないで、耳障り」
一瞬で自分との距離を詰められ驚いた自分の隙を見逃さず、肋骨に傘を叩きつけられ、体が浮いた。
岩壁に叩きつけられ、軽い脳震盪が起こる。足がフラフラして歩くことも定まらない。肋も粉々だろう。立っているので精一杯な自分に情けを掛けるわけもなく、幽香さんの弾幕が追い打ちをかけた。
被弾確実、死亡確定。結局、挑発して自滅か。情けない。こんぐらいの怪我で動けないのかよ。もっと強い体になれよ。動けよ《私》の体。
強くそう念じた。そんなことで動くわけない、そう思っていた。だが、動いた。俺の体が被弾寸前まで迫った弾幕を紙一重でかわした。
「よく躱したわね」
「《私》も驚きだ」
「一人称変わってるけど?」
「うるさい。続きをやるぞ」
《私》は、幻想郷に来て初めての弾幕を放出した。撃たれた弾幕の大きさは、一軒家ぐらいを丸々飲み込めそうなほどだった。
その大きさに幽香さんは驚いていたが、《私》が一番驚いている。初めて撃つ弾幕がこんなにも巨大だなんて、びっくりだよ。
《私》は驚いて油断をした幽香さんに向け、弾幕を放った。しかし、弾幕は爆発をし消滅した。どうやら幽香さんも同じ威力を持った弾幕を放ったみたいだ。
放った弾幕の大きさは自分の体力を想像以上に削ってしまい、さらには傷付いた部分から流れた血の量が相当な量だったことにより、自分の視界が黒く染まって行った。
急に目の前で倒れた仙我と言う人間は、私が想像していた以上に強かった。いや、強くなったと言うのが正しい。先ほどとは一変した身体能力、覇気、魔力、どれもが人間の枠を超えていた。
不思議ね。さっきまで殺そうと思っていたのに殺気が湧かなくなった。不思議な子、うふふ・・・・面白い子が幻想郷に来ていたようね。あのバカの代わりのおもちゃになりそう。
「これからよろしくね。仙我・・・?」