今日は、一週間ほど眠っていた仙我が目を覚ましました。とてつもない苦痛の叫びをあげておりましたが、大丈夫でしょうか?
目覚めた彼に謝罪をするとともに能力についてお話ししました、何と無く今まで自分が生きてきたことを思い返すと納得の行くことが何個かあったみたい、顔が曇る瞬間もあったけど過去に何かあったのでしょうか?
それで、手始めに大怪我をしている彼に能力を使って怪我に適応する体になることを提案したら、なんと痛みでまともに動けそうになかった体が一瞬で全快したのです。
しかし、やはりどんな能力にも欠点があり怪我の治癒は早くなっても体力は回復しない状態で、逆に体力を回復しやすい体に適応しようとしたら回復したはずの怪我が元に戻ってしまったのです。
つまり、能力を使う前に受けた傷は能力の使っている間だけ回復し解除すると元の状態に戻る、と言うわけです。なんというか難がある能力ですね。
そんなわけで怪我が治るまで安静にしておくように言い聞かせました、と言うのに彼は翌日体を動かそうとしました。まったく......自由人と言うか元気と言うか、心配する身になって欲しい。
昨日よりもきつく言い聞かせたので、多分大丈夫でしょう。今日から私が朝食を作らなくてはいけません......運良く仙我が寝ている間は料理をしなくてもなんとかなっていましたが......仙我が起きた今、彼の分の朝食を作らねばならない。さて、どうしましょうか?
そんなことを悩んでいると仙我の驚きの声と悲痛の声が屋敷内に響き渡った、私は急いで彼のいる部屋に向かい戸を乱暴に開けると痛み悶えている仙我とゲラゲラと笑っているアルマであった。
こちらの存在に気づくと元気に挨拶をしてきた。何故ここにいるか問い、彼らに近づくと急に手を前に出し動きを止めるように訴えた。
「ああ、あんまり近づかないほうがーーーー」
すると、突然黒い何かに押さえ付けられナイフを首に突きつけられるように感じ、辺りを見渡すと仙我も同じように何かを感じたようです。
しかし、今のはなんと言うか一言で言うと殺気に似てて、これ以上動けば殺すぞ、そう言われているようでした。ここまでの殺気は今まで感じたことがありません。アルマの方を見ると申し訳なさそうに言った。
「悪い、言うの遅かった」
「な、なんですか今の!?」
「じ、自分も感じたんですけど......」
「あー..........一言で言えばジェラシー?」
予想外の言葉に仙我は納得がいかないような声で言った。
「ジェ、ジェらしィ?」
「内の姫は些細なことで嫉妬するほどのお方でね、そこが可愛いけどさ」
「そ、それでそのお姫様の嫉妬の念がなんでここまで......?」
「ん?さぁ?あの子嫉妬するほどに強くなるから、嫉妬が強いと今みたいに殺気が飛んでくるよ?」
姫の正体がなんとなくわかりました......しかし、まさか彼と接点がありそんなに親しい関係だったとは、幻想郷は本当に何が起こるかわかりませんね。
今度、仙我が地底に行く時一緒に行って見ましょうか。面白いものが見れそうですし、ついでに地霊殿の主とお話ししたいですから。
ここに来た理由を仙我が聞くと風見幽香から教えてもらいお見舞いに来たそうな、魔王と呼ばれる方なのに全然それらしくないですね。あ、そうそう、と思い出したように彼は彼女からの伝言を思い出した。
「幽香も今度お見舞いの花を持って来るってさ」
『えっ?』
「か、風見幽香が......ここに来ると言うのですか!?」
「そうみたいだ良かったな仙我、相当気に入られたようだぜ?」
「な、なんか複雑な気分です」
仙我はその時、本当に微妙な顔をしていました。
それとこの後にアルマが朝食を作ってくれて、大体の料理の作り方が書かれたメモも残して去って行きました。
なんと言うか読めない魔王です。