リテラエルネルア(魔法少女リリカルなのはStrikerS) 作:リシュベル
最後の方にネタがありますがわかる方いるかな(汗
ブリッツとの戦闘から二日後(いざこざはあったがはぐらかした)、俺は八神からの依頼で海岸付近の遺跡に来ていた。
情報によるとここは未だ未着手の遺跡らしい。 原因は遺跡内に徘徊するナニかに邪魔されているらしい。
それで今回の以来は『遺跡内の危険排除及び可能な限りの調査』ということだ。 この『可能な限り』っていうのはどういうわけなんだろうかね…。
「遺跡ねぇ…こういったものは大体当たりなんだがなぁ。 とりあえず中入ってみるか、入口はっと」
ひとまず入ってみなければわからないので、入口を探す。
「ん、これか……ってこれは…」
入口を探しているとそれらしきところを見つけたがその近くに見覚えのある紋章が見えた。 かなり古い記憶、悪魔の頃のものなので鮮明には思い出せないが、見たことあるのは確かだ。
「入るか…」
中へ入ると、地響きを上げながらいま入って来た入口が閉じられた。
「歓迎って感じだな?」
入口を閉ざされたことで光源がなくなりどうしようかと思っていると遺跡全体が明るくなった。
照明機能があることからどうやら単なる遺跡ではなさそうだ。
「歓迎するお客には持て成しがあるんだが――」
待機状態のアグニ&ルドラをデバイス化し身構える。
「こんな持て成しは要らないな」
奥の曲がり角からズルズルと何かを引きずる音が聞こえる。
気配からして悪魔だろう。
「コイツは……」
角から現れたのは継ぎ接ぎ人形の姿をした悪魔だった。
「ビンゴ…かな」
アグニで狙いをつけ引き金を引こうとしたとき――
[ギャ!?]
「?」
いきなり悪魔が飛んできた。
こちらに飛んできた悪魔をアグニの引き金を引き、魔力を撃ち放って消滅させる。
「なんなんだ?」
『よくぞ来ました』
消滅していくスケアクロウを見ながら警戒すると、スケアクロウの後から人の形をしたなにかが現れた。
こいつが徘徊するナニかか。
「誰だ?」
アグニの銃口を向ける。
『私はこの遺跡の主を守護する者。 貴方のことは存じ上げています『アムカディム』、我が主が貴方をお待ちしています』
「………なるほど、わざわざ悪魔名を言うとはな」
危険指定されてることから警戒するが、コイツは俺には害意はないと判断しアグニを下ろす。
ふむ、高町達の日本に桜木市が無い事と、平行世界なのに過去に見たことある事と紋様といい―――
まったくの平行世界では無いわけか、差し詰め分岐世界と言ったところか。
共通点は俺が『悪魔の時』だな。
それからなにかの切っ掛けで俺の世界とこの世界が分岐した訳か。 恐らく俺が魔界から去った時か?
となると、俺はこの世界に干渉していた時期があるということだ。
『さぁ、行きましょうアムカディム』
「あぁその前に」
踵を返し奥に行こうとするそいつを呼び止める。
『なんですか?』
「アムカディムは悪魔の時の名前だが今は人間なんでな、神崎 暁って名前なんだ。 呼ぶならそっちで呼んでくれ」
『わかりました神崎 暁』
それから、その人の形をしたなにか。 そいつは自分を『マリアージュ』と名乗った奴に案内され遺跡深部へと向かう。 だが気になることがあるため歩きながら聞くことにした。
「聞きたいことがある」
『なんですか?』
「あの悪魔は何故この遺跡の中に居た?」
そう、出現ではなく『居た』。 悪魔の出現ならば俺が感知するのだが、感知するまえに悪魔―確かスケアクロウ―が居たのだ。
『恐らく我が主の力に引き寄せられたのでしょう、そして加えて言うならあれが最初ではありません。
私達『マリアージュ』は主が御目覚めるまで守護する存在です』
「その主ってのはだれだ?」
悪魔の頃の記憶は相当昔のため曖昧な部分もある、入口にあった模様もそうだ。
『イクスヴェリアです』
「……スマホ?」
『それはエ○スペリアでは?』
「なぜそれを知っているのかと俺は聞きたいんだが?」
『主がいつ御目覚めになられても良いように情報収集は欠かせませんので』
それは殊勝な事だが、こんなところでどうやっているんだか疑問なんだがなぁ……。
『着きました。この広間に我が主、イクスヴェリアが眠っておられます』
着いたのは古代機械らしき機材が多数配置された広間、しかし部屋の中心に位置された所に柩らしき箱が鎮座している。
大きさから言えば大人が中に入るにしては小さいな。 イクスヴェリアは子供か?
まぁいいとりあえず開けてみるか。 そう思いモニターの前に行きコンソールを適当に弄ってみる。
『………』
後ろにいるマリアージュは黙って成り行きを見守るようで何も言ってこない。
「ふむふむ、なるほど」
コンソールを叩きモニターに表示されていく文字、古代ベルカ文字らしいが俺にはなんてことはない。
柩にはパスワードがかけられているが無きに等しいな。くっくっく・・・
「……まてやコラ」
『どうかしましたか?』
悪党紛いに悪乗りしてみたらパスワードがわかり、後は入力するだけなのだがそのパスワードが人物の名を示しているので考えた奴に突っ込みを入れたい。
「なんでパスワードが俺の名前だよ」
そうそのパスワードは『AMCADEYM―アムカディム―』…俺の悪魔名だ。
まぁ今考えてもしかたない。
再びコンソールを叩きパスワードを入力する。
パスワードが認証されると中心部の柩の蓋が開いていく。
さぁてイクスヴェリアってのはどんな奴かな?
「ここは…?」
『イクスヴェリア、御目覚め如何ですか?』
「マリアージュ? そうまた目覚めてしまったのですね」
柩から身を起こしたのは子供と言っても良いほどの体型をした少女だった。
駄目だな覚えてない。
「貴方が操主様ですか?」
「操主がどういう意味を指すのかはわからないがパスワードを解いたのは俺だ」
『彼はアムカディムです』
「!?」
マリアージュが俺の名前を話すとイクスヴェリアは目を見開いた。
「彼がオリヴィエが言っていた」
「ちょっとまて」
今オリヴィエといったか?
俺の記憶違いでなければ彼女なら俺の事を知っているはず、仮に知り合いならばイクスヴェリアに俺の事を話していても不思議ではない。
「そのオリヴィエってのは『オリヴィエ・ゼーゲブレヒト』か?」
「えぇ、そうです」
成る程ねぇ……
確か彼女に会ったのがムンドゥスの馬鹿が封印された後ぐらいだから、1000年ぐらい? いやもっと近かったか? まぁいいや、イクスヴェリアもその時の人物ってわけか。
当時聖王と呼ばれていたオリヴィエ・ゼーゲブレヒト。
女性でありながら優れた戦闘能力、民からの圧倒的な信頼。 歴代の聖王を名乗る者達の誰よりも優れた能力から歴代最強を称えられていた。
※
その日は気まぐれで人間界に来ていた俺は、空からその地上を見下ろしていた。
「気まぐれで来てみたが魔界とは違いなかなか活気あるじゃないか」
爆発音や怒声が響く中、紅く拡がる飛沫。人を形成していたなにか。
「しかしまぁいつの時代も争いは減らないわな。 ん?」
辺り一体の空気が変わった。しかも魔界特有の空気だ。
「人間界に来て直ぐかよ」
異形による集団の出現に場は騒然となる。
人間とは掛け離れた風貌に竦み上がっている、近くに居た人間が斬り裂かれた。
それを皮切りに悲鳴にも似た叫びの波紋が広がる。
「ん?」
全体を見渡していると何故か一点に目がいった。
他の人間とは違い気配が格段と違う人物、女性。
態勢を立て直そうとしているのか周りの兵士に激を飛ばしていた。
小柄ながら懸命に号令する姿から将軍かそれに値する地位の人物だろう。
次の瞬間女性の後ろから空間の歪みが見えた。
「しゃあない」
俺は工房空間に接続―リンク―をして武器を掴む。
盟友スパーダと同じ名前を冠する大剣を構え――
「陛下!? うしろに!!」
「え?」
ザンッ――
急降下し剣を振り下ろそうと現れた悪魔を縦に斬り裂いた。
「……アンタが指揮官か?」
消滅する悪魔を確認し目の前の女性に言葉をかける。
「え? あ」
「言葉、通じないか?」
再び声をかけると周りの兵士が槍の矛をこちらに向けてきた。
「貴様ぁ、陛下に対して無礼であるぞ!!」
陛下、ねぇ。 まだ女性になりきれていないような者を上に立たせるなんてな。
ま、俺には関係ないな。
そういう意味を込めて目を細めると、視線があった兵士は一歩退く。
「止しなさい!!」
「陛下、ですが…!」
「止しなさいと言っているのです、武器を下げなさい! 私を助けてくださったこの方に矛を向けるならばこの私、聖王への無礼と受け取ります!!」
そう言われた兵士は渋々槍を下げる。 なかなか様になっているようだな、おまけに信頼度も高いようだ。
「……もう一度聞くぞ、アンタが指揮官か?」
矛先が下げられたのを見て本題に入るため再度確認する。
「まずはお礼を、異形から助けていただきありがとうございます。 私はこの戦場の指揮官です、名をオリヴィエ・ゼーゲブレヒト」
「そうか、俺はアムカディム。 気まぐれで人間界に来た悪魔、アレと同類だ」
「!?」
同類と聞いた瞬間下げられていた矛先が再び俺に向けられた。
「止しなさいと言ったはずです!!」
「まぁコイツラの気持ちを汲んでやれ、俺が用あるのはアンタなんでな。 他はどうでもいい」
「……それでは何か用ですか?」
「なに、馬鹿な同類共を躾にな。 その為にこうしてアンタを尋ねたんだ、用件は一つ」
この場から離脱しろ
「……彼の様な得体の知れない相手に尻尾を巻いて逃げろと言うことですか?」
「どう捉えるかは勝手だ。 だがアンタら人間がいるとこっちとしてはやりにくいのでな」
「聖王たる私がかのような得体の知れない者相手に逃げ出すのは愚の骨頂。 我々の戦に介入してきたというのならばもはや我々の戦の内なのです」
「一理ある。 しかしその考えでは無駄な犠牲が増えるだけだが?」
「戦ならば犠牲は付き物。 今までも……」
埒があかないな。
「じゃ好きにやれ、俺はやりたいようにやる」
結局俺が折れ、スパーダを担ぐとその場から跳躍、最も悪魔が集まっているところにむかった。
※
「アムカディム?」
「ん? あぁ、悪い。 ちょっとオリヴィエと会ったときの事を思い出してた」
別に誤魔化す様な事はしてないはずだが、何故かイクスヴェリアはコチラを見つめていた。
「どうした?」
「いえ、オリヴィエから聞いていた特徴とは掛け離れていたので」
「訳ありでな、今は人間として存在している。 ちなみにマリアージュに言ったが今の俺は『神崎 暁』だ呼ぶならそう呼べ」
「わかりました」
さて、これで依頼の方は粗方終わりか?
「そういや、お前の口から名前を聞いてなかったな。 もう一度、アムカディム改め、神崎 暁だ」
「そうでしたね。 私はイクスヴェリア、冥府の炎王イクスヴェリアです」
「冥府の炎王とは厄介な名前だが謂れはあるのか?」
そう聞くとイクスヴェリアの表情が暗くなった。
訳を聞くと原因はマリアージュの特性に因るものだという。
マリアージュは自立増殖兵器らしくこの世界の基準で言えば間違いなくロストロギアらしい。
そしてこれが一番の要因だがマリアージュは行動不能に陥ると自爆し周りを巻き込むらしい、そして相手の死体を基に生まれるため確実に敵地を火の海にする。 そのため『冥府の炎王』と異名が付いたらしい。
ちなみにイクスヴェリア自身もマリアージュを生み出すコアを無限生成できるらしい…物騒だな。
「どうするのですか?」
「ん?」
「私は存在してはいけないのです。マリアージュも、私自身も」
「それは自らの業に、か?」
「えぇ」
「なら俺はなんだ? 俺は悪魔だ、もとより人間界に居てはならない存在だ」
「ではなぜ?」
「自分が成すべき事を見つけ、自分が出来ることをやるだけだ。 そのためにいまこうしている」
「私は貴方ではない、貴方のようにできるわけではありません」
「それはそうだ俺は俺であってお前は俺ではない。 理由を見つけるのはお前自身だ」
理由が欲しいのならば手伝いは出来るがな。と付け加えておく。
「まぁ『理由』を見つけるために探すってのもありだな」
「いまいちわかり兼ねますが?」
「まぁ俺より『年下』だしな、理解できないのも頷ける」
敢えて年下というのを強調してみるとイクスヴェリアの表情がムッ、となった。 後にこの発言が失言だということ知った。
「良いでしょう。 ではアムカディム…神崎暁でしたね、貴方と行動を共にするとします」
「は?」
こいつは今なんて言った?
『行動を共にする』だと?
「まてまてまて、ちょっとまて。 Just a moment please.だ」
「なんですか?」
「なんで行動を共にする必要がある、手伝いは出来るとは言ったが」
そうだ、この言葉が失敗だったのだと自覚した。となればこうなるというのも当然だというのに。
「ですから理由を見つけるために行動を共にすると言ったのです。それに『年下』の者を導くのは年上としての責務ではないのですか、『お兄ちゃん』」
コイツ、俺の年下発言を根に持ってやがるのか。
俺はしゃがみ込み、両手でイクスヴェリアの頬を挟む。
「ふにゅ」
「別に手伝いは出来ると言った手前それに関しては否は言わないがその『お兄ちゃん』はやめろ」
なんか調子が狂う。
「でゅわ、にゃんと呼べぶぁ?」
ちゃんと喋れないようなので挟んだ手を離し立ち上がる。
「暁で良い。 くそ、八神になんて説明すりゃ良いんだよ」
「知り合いで良いのでは?」
「俺は並行世界の人間でこの世界に知り合いは居ない」
「オリヴィエがいたじゃないですか」
「それは俺が悪魔のころだ。 そいつらに俺の正体は教えてない」
「この際偶然知り合った子供にすれば良いのでは」
「苦しい理由だな」
『あの?』
「「?」」
今まで黙っていたマリアージュが口を挟み俺達はマリアージュを見る。
『この世界には『時限漂流』という言葉があります、ですからイクスヴェリアを時限漂流者として保護したということに。 そして神崎 暁に懐いてしまったので保護者代わりということで良いのでは?』
「マリアージュ、それは良い案です」
「だな、他に案が浮かばない以上これが適当だろう」
理由という言い訳が決まった以上さっさと帰るとするか。
「あ、そういえばあなたに渡すものがありました」
イクスヴェリアはふと思い出したかのように出口に向かう足を止めてこちらに振り返る。
「渡すもの?」
「えぇ、マリアージュ。 アレはどこにありますか?」
『アレなら奥の祭壇にしまってありますが』
二人は話ながら奥にある祭壇らしきところに向かっていく。 おれは訳が分からないためその場に立って待っている。
「アムカ…暁、こちらに」
イクスヴェリアに手招きされ向かうと、一冊の古びた本がイクスヴェリアの手にあった。
「これは? 魔道書か?」
表紙の真ん中にはレンズが埋め込めれているが年月からかヒビが入り少し欠けており、装飾金具も錆び付いていたが装いから魔道書関連だと思った。
「はい、これはオリヴィエがあなたにと作ったものです」
「彼女が?」
いったいなんで?
「詳しくは聞いていません。 ですが彼女があなたにと作ったものですから何らかの意図があるのかと」
「なんかよくわからんが受け取っておこう」
差し出された魔道書を受け取るとその本から共鳴音が聞こえた。
《指定魔力を感知しました。休眠モードから活動モードに復帰します》
その本は淡く光ると古びた状態から新品と同様の綺麗なものになった。
《プログラムを起動します》
そう放つ本は俺の手から離れ目の前で留まり光り輝くとそれは現れた。
「…オリヴィエ・ゼーゲブレヒト」
そう、現れたそれは悪魔の時に見た彼女と同じ姿をしている聖王だった。
《この魔道書が起動しているということは無事に貴方の手に渡ったということなのでしょうね》
あの状態(古びた状態)を『無事』と言えるかどうかわからんが。
《イクスヴェリアも、無茶をお願いしました》
「いえ、盟友の頼みなら是非もない」
《本来なら私自身の手で彼に渡したかったものですが立場上叶わないものでした。 それで貴方に辛いことを》
「それは重々承知、あなたが気に病む必要はありません」
会話が成立してる? プログラムというからには一方通行なモンだと思っていたが。
《――アムカディム? それで貴方どうして私の前から消えたんでしょうか?》
「消えた?」
原理を考えていたらこちらに話が振られてきた。
………あ~、思い出してきた。確かあの時スパーダが接近してたんだよなぁ。
魔界封印したのに俺みたいなのが人間界にホイホイ現れたんじゃたまったものじゃないからな。
そんな中俺の力を感知したらしく追いかけてきたんだったな。
ま、俺もあいつに会うわけにもいかないのでオリヴィエに別れも言わずして帰ったわけだが。
《この人、久々の人間界だからって私の城に一時期居着いていたんです》
「あー…言われてみればそうだった気がする。 魔界は面白みがないところだったからな」
《それでも最初の頃は皆怯えていたんですよ? 悪魔と同類って言ってたから》
「そんな中最初にどんちゃん騒ぎに俺を連れ出したのは お前だったとおもうが?」
《あれはぁ~、そのぉ~…ねぇ?》
「答えになっとらんアウト」
《えぇ~》
「ほれ、そんなことより話せ。 なぜ俺にこの魔道書を?」
こいつは素の状態だと惚け出すからな、早いとこ本題はいらないとな。
《こほん、貴方にこの魔道書を用意したのはある悪魔の再来に対抗する為です》
「………なんだと?」
ある悪魔? ムンドゥスの馬鹿はあの時封印されてるはずだからこいつらは知らないしな。 それにダンテに消滅されたからこの可能性は皆無。
四天王の誰かか? あ、アルゴサクスは居なくなってるから四天王じゃなくて三か。
ん~でもほかの奴らはまず魔界を手に入れようとするだろうしなぁ。 というかそいつらどういう奴か知らん。
唯一知ってるのがダラゴネスぐらいだが、あいつの性格上人間界には興味なさそうだしな。
《心当たりありませんか?》
「有りすぎて困る。 だが、まずこちらに進行したがる奴はまず魔界を手に入れるのが優先だからまず四天王は除外だ」
《理由は?》
「それまで君臨してたムンドゥスがちょいと前に消滅したからな、あの阿呆は人間を甘く見すぎた結果だ。 んで上がいなくなったからその座を狙ってるのが現四天王。 まぁそのうちのアルゴサクスってのも消滅したからいま三竦み状態そんな中人間界進行なんてやったらそいつが残りの二つに狙われる。 そういうことは当事者がよくわかってるはず」
気に入らない連中でもそこらへんは信用できる。
《では現段階では見当つかないと?》
「だな。 だが漸く合点がいった」
《合点?》
「俺がこの世界に来た理由だよ、どうやらその『脅威』の対抗手段として喚ばれたんだろうな。 さてそいつの特徴を教えてもらおうか」
《確か、人の形をしていて二本角、炎のような揺らめきを全体にしてました》
「な…に?」
馬鹿な、ダンテに消滅されたはずだ…!
あのダンテに限って仕留め損じたわけでもないだろう。
「暁?」
《心当たりあるのですね?》
「疑うわけじゃないがそれは確かなんだろうな?」
《えぇ》
「ならそいつは間違いなくアルゴサクスだ」
「? さっきそのアルゴなんとかというのは消滅したと聞きましたが」
《私も聞きました》
「あぁ、確かに言った。 これは俺の盟友スパーダの忘れ形見が消滅させたはずだ」
《ですが特徴は言ったとおりです》
世界の違い故か? だがそれならなんでムンドゥスが出てこない。
《……ともかく貴方にこの魔道書を渡すのはその対抗策です》
「あぁ、事情はわかった。 この魔道書はたしかに受け取った」
《では改めてよろしくお願いしますね》
……『改めて』?
「どういうことだ?」
《私はこの魔道書の管制人格です》
管制人格? どっかで聞いたな。
『簡単にいえば魔道書に陛下がいるという認識で大丈夫かと』
……わかりやすいがなんかやだな
《……マリアージュの説明通りでいいですがアムカディム? 顔に出てますよ?》
「おぉこわ」
《改めて声に出さなくていいです》
すこしむくれ顔になるオリヴィエ。
《まぁいいです。 ではアムカディム、これからマスター認証を行います。 これはこの魔道書を使うために必要なことなので真面目にお願いしますよ?》
「オーライ」
《まずこの魔道書の名前を決めてください》
「名前? 俺が決めるのか?」
《はい》
「………」
いきなり言われてもね。 この魔道書に入ってるのはオリヴィエ、聖王………。
ならこれからとるとしよう。
「よし決まった」
《どうぞ》
「聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトが管制人格を務める魔道書、その名に恥じぬ使い手になろう。 アムカディム、神崎 暁が与える。聖帝の書」
《マスター認証了解。 魔道書『聖帝の書』、アムカディム、神崎 暁をマスターとして登録します》
この世界で邂逅を果たした暁は、再び頭を抱えた。
理由? この状況をどう報告しろと?
ネタ
「こんな歓迎は要らないな」
そう言って奥から出て来たのはーーー
「なんだぁこいつ・・・?」
頭がデカく、目はギョロッとしていて胴体部分が寸胴でいて一番奇妙なのが
「ブルーベリー色した何か? いや青か?」
そんな自問しているとそいつは俺の方に向かって走ってきた!?
「気色悪い!?!?」
正直生理的に受け付けられないそれは獲物を見つけたかのように迫って来る。
「こっちくんな!!」
後ろが閉じられた入り口なので逃げられないのでアグニを取り出し引き金を引く。
眉間を撃ち抜かれぐらりと後ろに倒れるブルーベリー。
「なんなんだこいつは・・・」
消滅しないことから見るとこいつは悪魔じゃないのか、まだ生きているのか。
どちらにせよこいつの横を通らない限り奥にいけない。
「………大丈夫か?」
無事に横を通り抜けて一息つく。
―ジャリ
「……まさか、な?」
後ろで砂利音がしたので嫌な予感がした。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
振り向くと先ほどと同じ様にブルーベリーが起き上がりこちらに迫ってきたので全力で逃走を開始した。
『よくぞ来ました……ってあら?』
はいw
最後の方はある意味で有名な『青鬼』ですw
この遺跡の話を書いているときにふと思いついたので書いてみましたw