リテラエルネルア(魔法少女リリカルなのはStrikerS)   作:リシュベル

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『第十一話』

「よぉ此処だ此処だ」

 

高級そうなレストランに案内されその奥にあるVIPルームに通された、するとそこには恰幅の良い中年の男性が俺を手招きしていた。

 

「まずは詳しい場所を伝えなかったことを詫びよう、状況が知られる可能性を極力避けたかったのでな」

 

まあ座れ、と言わんばかりに勧められたのでイクスと共に椅子に座る。

 

イクスの今の格好はチャイナ服ではなく、ショートスリーブのシャツにスカートと言う服装になっている。 無論俺も何着か買ったため荷物が多くなっているが、俺の工房空間にいれたため楽なものだ。

 

「さて早速本題にはいるとしよう。 レジアス・ゲイス、お前は俺の何を知っている?」

 

はぐらかすようなことはするなよ? と威圧を掛けておく。

 

するとレジアスは両手をあげる。

 

「無論だ。 此方としてはお前さんの協力が必要なのだ、おかしな真似はせん」

 

『暁、やめてあげてください。 彼女が怯えています』

 

みるとオーリスが気丈にしているが顔色は悪い。 俺は息を吐き威圧をやめる。

 

「んで? レジアス、お前は何故俺という存在を知っている?」

 

「正確に言えばワシが知っているのではなくワシの知り合いから聞いた話なのでな、ワシ自身半信半疑だったのだ。 それ故あの遺跡の調査を依頼したのだがどうやら本当だったようだ」

 

そういいながらイクスの方を見るレジアス、当のイクスは用意されていたジュースを両手で飲んでいた。

 

「その知り合いというのはこの奥の部屋に居る奴らの誰かか?」

 

壁の向こうに数人の気配があるためその中にレジアスの言う知り合いが居るのだろう。

 

「なんだ気づいておったのか」

 

「気配には敏感なんでな」

 

警戒心が漏れ出てるしな、しかしこの嫌な感覚はなんだ?

「なら紹介しておこう、おーい!」

 

レジアスが呼び声をあげると扉から四人の男女が出てきた、その中に・・・・

 

「うげ・・・!!」

 

『? どうかしましたか?』

 

「暁?」

 

扉から現れた人物の中にこの間見知った奴の顔があった、忘れたくても忘れられない奴だ。

 

「闇にのまれよ!」

 

「トレディ、少し黙れ」

 

「あう・・・」

 

全身タイツではないもののキャラは変わった様に感じる上級大尉のモノマネをした奴。 まて、そのキャラも色々やばいぞ。

 

「全く・・・。 ドクターやはり今回トレディを連れて来たのは間違いだったのでは?」

 

「いや、今回はトレディが必要だから連れてきたのだよ。 流石にここまで影響を受けやすいのは考えものだけどね」

 

そう言って眼鏡かけた銀髪に眼帯したちっこいのがドクターと呼ばれた男に話しかけた。 この顔は・・・思い出した。

 

「ジェイル・スカリエッティ」

 

「ん? あぁそうか君はあの機動六課に居るんだったね、ならボクの名前は知ってるはずだ」

 

「レジアスどういうことだ?」

 

なぜ指名手配されてる奴がここにいる。

 

「どうもこうもない、奴がワシの知り合いでお前の事を聞いた本人だ」

 

「そういうことになるね。 改めて自己紹介させてもらうとボクはジェイル・スカリエッティ、ご存知の通り指名手配されてる科学者だよ。 よろしくお願いするよ神崎 暁くん、いやアムカディム」

 

ーーガタンッ!!

 

俺の悪魔名を出した瞬間、アグニをデバイス化し瞬速を使いジェイルの目の前に行き銃口を額に突き付ける。

 

それと同時にトレディと呼ばれたやつと他の者達が一斉にナイフを取り出し俺の首筋に当てる。

 

「暁、加勢します」

 

『暁、いつでもバリアジャケットの展開できますよ』

 

それをみたこちらの二人(うち一人はデバイス)が臨戦体制にはいる。

 

リヴィはデバイスだからいいもののイクス、お前獲物無いだろう。

 

「神崎 暁、此方に貴方と事を荒立てるつもりはありません。 がドクターに銃を向けるとなるとこちらもそれなりの対応を取らなければならない」

 

妙齢の女性がそう言っているとジェイル・スカリエッティが制止の手を上げた。

 

「答えろジェイル・スカリエッティ、お前は何故俺の事を知っている? そして何が目的だ」

 

「ふむ、質問の答えだが。 ゼルレッチという老人をご存知でいいかな?」

 

・・・・まて 、なんでここであの宝石ジジィが出てくる。

 

「・・・・」

 

「沈黙は肯定と受け取るよ。 僕は過去に現れてた悪魔の脅威に不安を感じていてね、その対抗手段を考えていたんだがその老人が僕の 前に現れたのだよ。 『ワシのいる世界に面白いのがおる、悪魔だが悪魔らしからぬ変わり者じゃがな』と言ってね・・・・ってどうしたんだい?」

 

そのセリフを聞いた瞬間俺はげんなりとして銃を下ろすが、そのことを不思議がっているジェイル・スカリエッティ。

 

「いやもうわかった、あのジジィが出てきた時点でろくなことが起きないのは身に染みている」

 

問題はーーー

 

「ジェイル・スカリエッティ、お前よく無事ですんだな」

 

「ふむ、あのご老体はそこまで問題ありなのかね?」

 

あのジジィが関与すると大体が厄介ごとだと断言できる。

 

その観点からいま五体満足でいるジェイル・スカリエッティは称賛できるとおもう。

 

ん?ちょっとまて。

 

あのジジィが関与しているってことは。

 

「ジェイル・スカリエッティ、お前レリックをジジィに渡したな?」

 

俺がこっちにくることになったアイテム、『レリック』。

 

それが俺の世界にあったのなら誰かがやらないとこの世界の物もであるレリックが俺の世界にあるはずがない。

 

「よくわかったね、流石に全部よこせと言われた時は頑なに拒んだけどね。 こちらの手段がなくなってしまうよ。

3、4個で手をうったんだ」

 

あのジジィ・・・。

 

前『脅威に対抗する手段として呼ばれた』と言ったが、この話聞いたらあのジジィの暇つぶしの様に聞こえてきたから頭抱えたくなってきた。

 

まぁどう思っていようともやることは変わらんよな・・・。

 

「ジェイル・スカリエッティ、お前の考えを聞かせろ。 機動六課を狙う理由も」

 

「レジアス、いいかな?」

 

「構わん、もとより話さなければならない事だ」

 

「と、言うわけだ。

話が長くなるからそろそろ座らせて貰えると嬉しいかな。 僕はインドア派なんで立ち話が長いと辛いんだ」

 

俺たちはテーブルに戻り、椅子に座る。

 

ふとトレディ・・・だっけか?と目が合うと手を振られたが無視する。

 

「トレディ、・・・なにしている?」

「無視されたぁ・・・・」

 

 

 

「ーーーさて、本題だが。

僕が狙っているという機動六課、あそこは僕の縁がある者が結構居てね」

 

些細なことを視界の外に追いやり俺はジェイル・スカリエッティの対面して座る。

 

そしてようやく話の本腰にはいるところだ。

 

「縁?」

 

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、エリオ・モンディアル、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター。この四名は僕に何かしらの繋がりがある」

 

全員機動六課の前線メンバーだな。

 

「前者二人、フェイト・T・ハラオウンとエリオ・モンディアルの二名は僕が携わった計画の関係でね二人ともクローン体なのだよ」

 

「クローンとはこれまた身近にない単語が出てきたな」

 

「『プロジェクトF』といってね、その計画で生まれたのが彼女らで基礎構築をしたのが僕だ。

細かな説明は省略させてもらうよ、時間は少ないからね」

 

説明されても生体学はあまり興味がないんだがなぁ。

 

「スバル・ナカジマは僕の娘達と同じ戦闘機人、そのプロトタイプだ。 彼女には姉のギンガ・ナカジマという者がいてね、彼女も戦闘機人なのだよ」

 

「戦闘機人?人間にしか見えないがサイボーグとは違うのか?」

 

見た目から人間と変わらんし、トレディにかかと落としした時も手応え(足応えか?)が人間と同じだった。

 

「それに近い人造生命体とでもおもってくれればいいさ。 最後にティアナ・ランスター彼女がちょっと特殊なのさ」

 

「特殊?」

 

「彼女にはティーダという兄が居てね、彼は僕の研究所でいつ目覚めるかわからない眠りについているんだよ」

 

『兄』という単語を聞いて俺はティアナが以前倒れた時に出た言葉を思い出した。

 

「経緯がわからんな」

 

「彼は陸士だったのだけど管理局の闇を独自に追っていてね、核心に迫ったところで上層部に謀殺されかけたのを救出したのさ。

だけどかなりの重体でね、かれこれ6年医療ポットの中さ」

 

「そのティーダというはワシの部下での、異動の直後にそれが起こったのだ。

ーー凶悪犯逃亡の追跡中に何が起こったのか犯人もろとも重症の状態で見つかったのだ」

 

上層部の誰かが仕組んだ罠にはまったらしい訳か。

 

「犯人はその後死亡が確認されたけどティーダ・ランスターの彼は肉体の損傷が酷くてね、手の施しようがない程だったのだけど当時機人化の研究をしてたのでその手術を施したのさ」

 

「・・・・・・」

 

「悪魔といえども人体改造は軽蔑するかい?」

 

「悪魔と言っても思うところは何もないといえば嘘になるな」

 

あくまで人間側寄りの悪魔だからな、俺は。

 

「だが機人でも『人』のくくりつけだ、根っから悪魔がやる人の真似事よりかは人間らしい」

 

「そうかね? 今のキミを見てると真似というより人間そのものに見えるよ」

 

「そう見えるだけだ」

 

そこで一つ区切りをつけて話を整理していく。

 

フェイトとエリオがクローン体という件。

 

コレは俺が知っているクローン知識は当てにしない方がいいな。

 

スバルとその姉の件。

 

これはジェイル・スカリエッティが手掛けて研究の技術らしいが誰が行ったのかわからないらしい。

 

ティアナの兄、ティーダの件。

 

ジェイル・スカリエッティが瀕死のところを救助しては機人化手術を施すが未だ昏睡状態。

 

ふむ、機動六課に関連性があるというかジェイル・スカリエッティに関係するのが集中していると言った方が正しいか?

 

「気がついたとは思うが機動六課は特殊な課でな、とある予言に対抗するために立ち上げたテスト部隊なのだ」

 

「予言?」

 

「要約すると時空管理局のシステム崩壊と『強大な何かの出現』」

 

何かの出現・・・アルゴサクスだな。

 

『おそらくそうでしょう。 ゆりかごが無いので懸念材料はありますが今回は暁、貴方がいます』

 

ゆりかごが何なのかはわからんがあとで聞いておこう。

 

「あの、少しいいでしょうか?」

 

今まで黙ってたイクスが口を挟む。

 

「どうしたイクス?」

 

「いえ、その『強大な何かの出現』というのがアルゴサクスだとするのであれば、聖王殿下の所有していたゆりかごが必要になってくると思いますが」

 

あとで聞こうとしたのが今聞けるとはな。

 

「その件は僕が捜索しているよ、もちろん動かすための鍵の存在も確認してるよ」

 

『「鍵?」』

鍵という単語に反応する二人。

 

『ゆりかごは代々聖王が起動権利権を所有し動かすことができます。ですが私が最後の聖王だったと思いますが』

 

隠し子、というのはいないのか?

 

 

『殴りますよ? それに私には懇意にしている方は居ません』

 

冗談だ。

 

「まさかとは思うがジェイル・スカリエッティ、クローニングした訳じゃないだろうな」

 

「そのまさかだけどこれだけは言っておくよ。彼女のクローニングを行ったのは僕ではないし、誰がやったのか定かじゃないのだよ」

 

『臣下の誰かが行ったのでしょうかね、もしそうならあまり褒められた行為ではありませんが』

 

内心複雑そうな声をだすリヴィ。

 

一応言っておくが仮にクローンだろうがそいつはリヴィに似た別人だ。

 

『? どういうことですか?』

 

経験だ。

 

『・・・・・・』

 

・・・・・いくらクローンしようと、いくら真似をしようとそいつ本人にはなれないということだ。

 

ーーーん?

 

ゾクッー

 

首筋に感じる寒気と共に何処かで空間が歪む感覚。 悪魔がくるか。

 

「神崎? どうかしたのか?」

 

「・・・済まないな、どうやら話はここまでのようだ」

 

「・・・悪魔かね?」

 

「正解だ」

 

「そうかね、ならーー」

 

「?」

 

椅子から立ち上がるところでジェイル・スカリエッティから呼び止められた。

 

「ウチのトレディを連れて行ってはくれないかい?」

 

『「「は?」」』

 

見事に俺たち三人が一致した瞬間だった。

なぜにやつを連れて行かにゃならんのだ。

 

その気持ちが伝わったのかイクスも険しい顔しているし、リヴィも不穏な空気だしてる。

 

「実のところ、トレディを君に鍛えて貰いたいというのが今回の一つの目的なのだよ」

 

「理由は?」

 

「稼働したばかりでね、まだまだ実戦経験が浅いのだよ」

 

「だからと言って俺が面倒見る必要があるのか?」

 

「指名手配されてる為におおっぴらに動く事が出来ない、しかしトレディは対悪魔用に特化調整した機人。 他の娘たちは経験済みだが製造順故に一番遅かったトレディだけがねまだ戦闘経験ないのだよ。 それに今後の事もトレディを介して連絡もできるしね」

 

ふぅん、こいつらは既に悪魔と対峙済みか。

 

「神崎 暁、私からもお願いします。 私は姉妹達に比べ稼働日数が浅い為悪魔と対峙した事がありません、特化調整されているとはいえ経験がなければ意味無いのと同義」

 

うーむ、戦力が増えるというのはいい事なんだがどうしたものか。

 

『暁、私は賛成しますよ。 以前とは事情が違う以上戦力は多いに越したことはありません』

 

悩んでいるところにリヴィがまさかの異を唱えなかった。

 

「貴方の判断に委ねます」

 

イクスも俺の判断に異を唱える事はしないようだ。

 

「・・・わかった、連れて行こう」

 

幾何か逡巡していたがある条件をあげておこう。

 

「ありがとう「ただし」ござ・・・」

 

「下手にモノマネはしないこと、コレが条件だ。 俺が気疲れする」

 

「わ、わかりました。 善処します」

 

とりあえずこれで懸念してた事は注意出来た。

 

「そういうことならレジアス、トレディを機動六課に向かわせることは可能かな?」

 

「局員として向かわせることは出来んが、神崎と同じ協力者としてなら可能なはずだ。 知り合いに身元保証人を頼むとしよう。 その後にチビ狸に渡す書類も送るとしよう」

 

「助かるよ。 では神崎 暁、トレディの事よろしく頼むよ」

 

「まぁ引き受けたからには了解したと言っておこうか」

 

これで話は終いだろうと思い踵を返す。

 

「それじゃいくぞイクス、トレディ」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

俺の言葉に反応し2人は後を着いてその部屋から出、出現する悪魔の場所に向かう。

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