【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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前回の投稿から結構時間が経ってしまいましたね......

この時期は忙しいんですよねw


第十三話  提督の挨拶回り⑥ 戦艦編

戦艦勢は人間で言う比較的に成長している女性の容姿をしている。

金剛は、戦艦の艦娘が集まるところに着くと、すぐさま姉妹のところに行ってしまった。

ここで普通は挨拶をするのかと思っていたが、どうやら金剛は戦艦の艦娘とは先に挨拶を済ませていた様だった。

俺は、金剛のいない状態での挨拶回りになってしまう。

視界にチラチラと長門や扶桑型姉妹が映っているので、殆ど話したことのない扶桑型姉妹のところに行った。

 

「よう。」

 

「あら、提督。どうされました?」

 

俺が後ろから挨拶すると、扶桑が笑顔で返してくれた。

 

「あぁ、いろんな艦種のところを回っているところだ。まぁ、戦艦は殆ど最後だけどな。」

 

そう言うと扶桑は肩をピクリと震わせた。どうやら、俺の着任挨拶の時の事を聴いていたようだった。

 

「そっ、そうですか。」

 

「あぁ。」

 

そう言うと、俺と扶桑の間に山城が入ってきた。眉を吊り上げている。様子から察するに怒っている様だった。

 

「ちょっと提督っ!扶桑お姉様に近すぎやしませんか?それになんか移りそうです!」

 

そう言った山城は腕を組んだ。

 

「こら山城。提督に失礼のない様に......。」

 

それをおっとりした感じで止める扶桑。何だか、この様子にはしっくりくるものがあった。

 

「別にいいさ。」

 

俺はここである事を思い出した。それは俺が着任した日の事だ。

 

「こう見えても山城、俺が着にっ......ムグムグ」

 

「あはは!提督、何言ってるんですかぁ?」

 

山城は察知したのか、俺の口を塞いで笑った。

『俺が着任した時、すっごい喜んでたじゃん。』って言いたかったのに。そして俺と山城、扶桑の会話をいつの間にか戦艦の艦娘が周りから固唾を飲んで見守っていた。因みに、空母の艦娘も近いので見ている。

だが、そんな空気を扶桑がぶち壊した。

 

「あら山城?あなた、提督の着任をすごく喜んでたじゃない。提督の目の前で飛び跳ねて......。」

 

その言葉に周りが吹き出した。相当面白かった様だ。俺の口を押える山城も顔を真っ赤にしている。

 

「扶桑お姉様っ......、あんまりですっ......。」

 

俺の口を押えたままの山城は今にも泣きだしそうな表情で扶桑に訴えた。だが、もうそれも意味がない。ワヤワヤと一部始終を見ていた艦娘たちが集まってきていたのだ。

 

「プハッ......本当の事だろ?」

 

俺が何とか山城の手を振りほどいて、面白そうだから追撃を仕掛けた。

 

「提督、酷いです!」

 

俺がそう言うと山城は扶桑の後ろに隠れてしまった。二人ともそんな身長的には変わらないので、そこまで隠れれてないが。

その様子を見ていた日向が俺の横に立った。

 

「そうだ、酷いぞ提督。私にも41cm連装砲を載せろ。」

 

無表情で訴える日向だが、俺が着任した日の件、日向も飛び跳ねてたじゃないか。と内心思いつつ、今の装備のあまりがどれだけあるかを俺は頭の中で考えだした。

 

「全然話しが噛み合ってない......41cm連装砲はあまりはあるけど、ちょっと載せる訳にはいかないな。」

 

「どうしてだ?」

 

俺はあまりがあるを思い出すと、いたずらっぽく日向の要求を聴かなかった。

何故なら、俺の視界の端で山城がすごい悪い顔をしている。俺もそれに乗っかろうと思ったからだ。

 

「そうだなー。おっ、山城。何でか分かる?」

 

「ん?何故、山城に訊く?」

 

俺はここで唐突に山城に訊いた。その時、一瞬山城は目を光らせた。どうやら俺の考えていた通りだったみたいだ。

 

「日向も私と一緒で提督が着任した時、飛び跳ねてたじゃない。」

 

そう言うと、余裕をかましていた日向の顔がみるみる赤くなっていった。まるで、熟していくリンゴを見ている気分。

 

「なっ!?何おう!」

 

そう言った日向はフーフーと鼻息を噴き出し、顔が赤いままでお怒りモードに入ったみたいだった。

そんな様子に見かねた長門が山城と日向の間に入っていった。

 

「どうどう、落ち着け日向。」

 

そう言った長門に向かって山城と日向が言い放った。

 

「「長門だって飛び跳ねてたじゃない!(だろう!)」」

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

山城と日向と長門の三つ巴はギャーギャーと喧嘩をしている様だったが、俺はこっそりと抜け出していた。

今は扶桑と話している。

 

「そう言えば、扶桑たちって殆ど執務室に来なかったな。」

 

そう言うと扶桑は、飲んでいた湯呑を置いた。

 

「そうですね、基本的には金剛型の3人に色々と相談されてましたから。」

 

そう言った扶桑はふふっと笑い、湯呑を手に取った。

 

「相談って?」

 

「何でも、提督の着任が遅いのはどうしてだろうか。連日のキス島出撃は何なんだろうか。ボーキサイトが少ないのはどうしてか。などと言われて、山城と一緒に長門が持っている資材の出入りに関するファイルを見たり、キス島周辺の特性を調べたりしてました。」

 

「それが、執務室に来れなかった理由?」

 

「そうなります。」

 

そう言って湯呑のお茶を扶桑は飲んだ。

 

「あと私もキス島への出撃はありましたので、入渠していたりしてましたし。」

 

そう言って扶桑はまた湯呑を置いた。今度は中が無くなったからだ。

 

「そうか。」

 

「山城が『不幸だわ。』とか口癖の様に言うから、なんか私まで不幸に感じてしまって......。出撃する度に損傷している気がします。」

 

そう言った扶桑はすくっと立ち上がると、まだ言い争いをしている3人の間に割って入った。

 

「......。......、......。」

 

何かを3人に言った様だが、俺からは聞こえなかった。

扶桑がそう言うと、3人は言い争いをピタリとやめた。どうやら、さっき扶桑が何かを吹き込んだみたいだった。3人が何も言い合わなくなると、扶桑は再び自分が座っていたところに戻ってきた。

 

「何を言ったんだ?」

 

俺はあの3人に何を言ったらすぐに辞めさせられたのかが気になった。一言で黙らせたのだ。好奇心から聞きたくなったのだ。

 

「えぇ。『提督に3人の装備を全員水偵にして貰いますよ?』と言っただけです。」

 

そう言った扶桑に俺は何も言わなかった。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

俺は扶桑とまた少し話した後、今度は金剛が居る金剛型姉妹のところに来ていた。

何やら優雅にティータイムが始まっている。どこから出したのか分からないティーセットで紅茶をすすっていた。

 

「あっ、提督ぅー!」

 

そして一番最初に気づいたのも金剛だった。

 

「よう。もう回ったから。」

 

「そうですカ。なら私たちと一緒にティータイムネー。」

 

そう言うと、金剛は余っていたティーカップに紅茶を注いだ。そして俺の目の前に突き出した。

 

「どうゾ。」

 

「ありがとう。」

 

俺は受け取った紅茶を飲んだ。至って普通のストレートティーだ。

 

「うん。」

 

俺はティーカップを置くと、肘を付いた。これまで回ってきた疲れがどっと来たのだ。

 

「はぁぁぁぁー!!」

 

「どうされました?」

 

真っ先に訊いてきたのは榛名だった。

 

「どうもなにも疲れた......。」

 

「そうですか。」

 

そう言うと、榛名は俺の前にクッキーを置いた。

 

「甘いものを食べると多少はマシになりますよ?」

 

そう言って榛名は自分の椅子に座った。

 

「ありがとう。」

 

「いえ。」

 

俺はそのクッキーを頬張りながら紅茶を飲み、残りの時間を過ごした。

偶に金剛に何かを言われ、それに答える。他の艦種の艦娘も来ては俺と話してを繰り返した。

正直このほうが楽だ。どうやら、金剛型の艦娘への恐怖感は無い様で、駆逐艦の艦娘なんかも俺のところに来たりした。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

歓迎会が終わり、食堂には一部の艦娘と妖精しか残っていない。俺はギリギリまで金剛たちと紅茶を飲んで、グータラしていた。

他では片づけが始まっている。俺はそれを手伝う事にした。

 





ウチの戦艦勢は結構そろってるんですよね。あと大和型と陸奥だけですw
中々建造では出せませんねw

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