【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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第百五十二話  夕張はやはり夕張

 

 今日は働くにあたって、結構気を落ち着かせれるだろうと考えていた。落ち着いている艦娘が秘書艦をやろうとも結構ハラハラすることがあるのだが、今日はまぁ落ち着いていてそこまで騒がしくない艦娘が秘書艦をするのだ。

 

「おはようございまーす。」

 

 そう軽やかに執務室に入ってきたのは夕張だ。

俺が着任の挨拶をして以来、ときたま話したりしていたが夕張は相手をしていて疲れない。何故かは分からないが、直感でそう感じているのだ。

 

「おはよう。」

 

「はいっ!初めての秘書艦なので緊張しますが、頑張りますっ!」

 

「頑張ってくれ。それじゃあ、食堂に行くか。」

 

 そう言って俺は席から立ち上がり、食堂に向かう。

夕張は早くに来るタイプじゃないみたいだ。どうやら余裕を持って着き、少ししてから朝食に行けるように動いているみたいだ。

俺はそんな夕張と話をしながら食堂に向かう。話す内容は色々だ。俺が普段何をしているかなんて、結構知られているみたいで俺のプライバシーも無いもの同然だったが、それは執務室で何をしているかだけだったみたいだ。夕張は執務が終わって、就寝時間まで何をしているのかなどを訊いてくる。訊かれて困る事なんてしてないので俺は自分が恥ずかしくない程度の内容を話すのだ。

 

「例えばそうだなぁ......テレビを見たり」

 

「提督の私室にはテレビがあるんですかっ?!」

 

 夕張は軽巡の中でもテレビに結構興味を持っている方の艦娘なので面白い反応をしてくれた。

 

「本を読んだりもしている。」

 

「本は執務室でも読んでるんじゃ......。」

 

「勿論。だけど私室では漫画が多いな。」

 

「漫画ですか......。漫画って言うとサ○エさんとかド○え○んとかですか?」

 

 今更ながら思い出したが、資料室に置いてある漫画は小中学校の図書室や県営や市営の図書館に置いてある様なものしか選んでいない。どうやら夕張はそっちのイメージが強いみたいだった。

 

「違う。酒保で売ってる様なものだ。」

 

「そうなんですか?」

 

 誤魔化しはしたが、酒保でも漫画の類は有名になったもの程度しか置いていない。比叡がまとめ買いをした進○の○人が良い例だ。他は少女漫画が多かったりする。ちなみに提督も少女漫画は読むが○に届けや○○館戦争くらいしか読まない。

俺が何をしているかという話が尽きると今後は夕張が教えてくれた。普段何をしているかについて。

夕張は資料室で勉強をしたり、酒保で買い物をしているそうだ。買い物と言ってもたまにしかいかないらしい。

 

「最近は魚雷の特性だとかの勉強は終わったので、水雷戦隊の旗艦としてのノウハウを学んでいるところです!たまーに川内ちゃんや神通ちゃんが来ますからね。」

 

「そうなのか。」

 

 夕張の話を訊いていると夕張以外の事も分かってくる。資料室で勉強をしているのは大体は軽巡や駆逐艦らしい。それも皆、水雷戦隊としてだったり雷撃戦について、艦隊護衛、対空防御に関する事に偏っていた。

そして勉強するのも同じような事を勉強している艦娘同士で固まっているようだ。相互に教え教えられているみたいだ。理想的な勉強環境が自然に作られているみたいだった。

 

「偶に机に駒を置いて机上演習とかもするんですよ。そう言う時は大体川内ちゃんとか神通ちゃんがいますけどね。」

 

 そう言って教えてくれる夕張だが一方で俺はある事を思い出した。重巡や大井などのレベリングに並行して軽巡や駆逐艦のレベリングを想定している海域があるのだ。

 

「そう言えば別方面のレベリングを予定しているんだが、事前に行ってもらう艦娘を探していたんだ。」

 

「レベリングですか?それってキス島の?」

 

「違う。軽巡、駆逐艦専用の場所だ。」

 

「そんなところがあるんですか。」

 

「それでだ。そこにさっきも言ったが事前に行ってもらう艦娘を探していた。夕張、行ってきてくれ。そのうち正式に編成表やらを作るから考えておいてくれ。」

 

 そう言った途端、夕張の表情は険しくなった。

 

「キス島じゃないなら何ですか?」

 

「鎮守府正面海域、潜水艦頻出海域だ。」

 

「潜水艦?」

 

 そう夕張が訊き返してくるので俺は夕張に問題を出した。

 

「夕張に問題だ。水雷戦隊が負う任務の中で水雷戦隊で無ければやれない任務を上げてみろ。」

 

 そう言うと夕張は考え出す。これまで勉強してきた知識が生きる場面だ。

数十秒考えると夕張は答えを出す。

 

「輸送任務?」

 

「その心は?」

 

「大型艦が輸送任務をすると輸送する資材に比べて消費する資材比が大きいからです。」

 

「一応正解だが俺の求めていた正解じゃない。」

 

 そう言うと夕張はまた考え始める。

だが分からない様だ。考えるのを止めた夕張は俺に答えを訊いてきた。

 

「......分からないです。答えは?」

 

「答えは対潜任務だ。ソナー、爆雷共に軽巡と駆逐艦にしか装備できないものだ。水上機母艦や重雷装巡洋艦にも装備は出来るが、軽巡洋艦や駆逐艦に装備させるのが望ましい。それぞれにそれぞれしか出来ない事があるからな。」

 

 そう説明すると夕張は納得した様だった。

そのこうしていると食堂に着き、朝食を食べ始めた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

 執務室に戻ると夕張は執務の書類を取りに行くと言って事務棟に向かい、それと入れ替わりで大井が来た。

 

「おはようございます。あら、夕張さんは?」

 

「事務棟だ。書類を取りに行っている。」

 

「そうですか。なら戻って来次第、執務を始めますよね?」

 

「勿論。」

 

 そう言って少しばかり待つと夕張は戻ってきて、執務が始まった。俺はいつも通り、黙々と書類をこなし、夕張は大井に教わりながら執務を進める。

大井を起用したのはたまたま昨日、近くを通りかかったからだ。大井本人からしてみるととんだ面倒事かもしれないが、運が悪かったと思えばいい。

少しすると俺も夕張も執務が終わり、それと同時に大井は戻って行った。どうやら大井はこれから勉強だと言う。夕張の言っていた事だろう。

 大井を見届けると夕張は懐から不意に紙を出すと話を持ち掛けてきた。

 

「最近、軽巡の艦娘の中で話題になっている新戦術があるんですけど訊いていただけますか?」

 

「新戦術?」

 

 俺が何か教えた訳でもないが、何かが流行っている様だ。これから暇だから聞くことにした。

 

「新戦術とは軽巡が主軸の雷撃特化の艦隊運用です。」

 

「雷撃特化だと?」

 

「はい。雷撃は魚雷一本で深海棲艦を沈める事の出来る装備ですよね?それをなるべく使う戦法が話題になったんです。」

 

「詳しく訊こう。」

 

「編成は重巡1、軽巡3、空母2の機動部隊編成です。ですが空母は速力が速い艦だけに絞り、更に小型なものと限定します。重巡は砲撃と対空防御を行う為、それに特化した艦娘を配置する事を想定しました。軽巡は酸素魚雷を積み、砲撃戦では機動力を生かして退き、雷撃時に全艦一斉射で雷撃に隙間を生まないように雷撃をします。空母はサポートと撃ち漏らしの処理ですね。」

 

 そう言った夕張は想定している艦娘を挙げていった。重巡には摩耶、軽巡は夕張、球磨、多摩、空母は祥鳳、瑞鳳を考えられているみたいだ。

編成に関して、夕張が主張したものは机上では理に適っているのは明白だったが、問題点がある。それは運用できる場所が無い。それだけだった。

 

「良い話だな。」

 

「でしょう?!それにこの魚雷斉射はいつかの提督が言ってた『飽和砲撃』を文字って『飽和雷撃』って皆言ってる。雷撃されたら最期、どの回避運動を取っても魚雷は命中するってね。」

 

 少し興奮気味にそう熱弁する夕張だが気付いてないみたいだ。俺は正直に話した。

 

「だが使えない。」

 

「どうしてっ?!」

 

 得意気に話していたから分かっていたが、これは通用するのだと思っていたのだろう。そうでなければ俺に話さないだろうからだ。

 

「先ず最初に、『飽和雷撃』をしたとしてそれは『飽和砲撃』とは違い、殆どの魚雷を無駄弾として発射する訳だろう?万年資材不足のウチには苦しい。」

 

「うぐっ?!」

 

「次に砲撃戦の最中、雷撃をする肝心の軽巡の魚雷発射管が損傷した場合、どうするんだ?」

 

「うぐぐっ?!」

 

「最後に、それをそれでも運用するとして運用できる場所が無い。」

 

「......。」

 

 最後のはクリティカルした様だ。

 

「......よくよく考えたらそうね。資材の無駄遣い、課程で軽巡の損傷は絶対に避けなければならない、そもそも運用できる海域がないなんて考えたらすぐに分かる事よね。ごめんなさい、忘れて。」

 

 そう言ってしょんぼりしてしまった夕張に俺はフォローを入れた。たった今、閃いたのだ。

 

「だが、支援艦隊を含んだ攻略作戦での運用は考えられる。」

 

「本当にっ?!」

 

「あぁ。そもそも支援艦隊ってのは我武者羅に砲雷撃を加える目的がある。それなら雷撃に絞って攻撃をするのなら、本隊に気を取られた深海棲艦を一掃できるかもしれないな。それに夕張がさっき想定して言った編成、その支援艦隊に丸々使えるかもしれない。」

 

「そうなのっ?!でも、かもしれないでしょ?」

 

「あぁ。」

 

 そう言って夕張はしょんぼりしていた顔から少し元気が出た様だ。

 

「少し提督に言われた事を踏まえて考えてみようかしら......。」

 

 夕張はブツブツと何かを言いながら考え始めてしまった。

終いには紙を用意してメモも始める始末だ。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

 午後になり、昼食を済ませて執務室に帰ると五月雨と由良が遊びに来た。どうやら夕張も居るからだと言う。

 

「五月雨はよく私と資料室で色々考え事してるんですよ。」

 

 そう言って夕張は五月雨を抱き寄せた。

 

「夕張さんっ?!それはまだ詰めてからって......。」

 

 慌て始める五月雨を置いておいて夕張は話し始めた。

 

「最近五月雨と私は戦艦と重巡が撃つ砲弾の事を考えてるんですよ。九一式徹甲弾、一式徹甲弾、三式弾......これらを種類で分けると九一式徹甲弾、一式徹甲弾は徹甲弾で三式弾は榴散弾。私たちは更に弾種を増やせるのではないかって考えてるんですよっ!今のところ開発されてない砲弾は、零式通常弾くらいですかね。あれは時限式榴弾なので、用途としては対空母用、対地用だと考えてます。」

 

「零式通常弾か......。」

 

 俺はそう思い、考えを巡らせる。

砲弾と言ってもかなり種類がある。徹甲弾や榴弾は王道だろう。さっき夕張は三式弾を榴散弾と言ったがキャニスター弾が元になっているものだ。そう考えれば砲弾の種類が少ない。よく出撃から帰還した艦娘が言う『弾かれた』という単語。それは砲弾が有効弾ではなかったという意味。それ則、弾頭が装甲板を突き破らなかったという事だ。

なので俺は貫通する弾頭は無いのかと考える。名前はあるが、多分ないだろう。硬芯徹甲弾なんていう代物が大口径砲に用意されているはずがないのだ。

 

「零式通常弾の運用を検討していただけますか?」

 

 そう考える俺に夕張は言った。それには俺は即答した。

 

「良いだろう。用途は限られるが、榴弾なら貫通せずとも被害を出す事は可能だ。」

 

 俺は夕張に応えて書類を書き始めた。それは工廠に出すものだ。零式通常弾の開発を頼むものだ。

そしてそれを夕張に渡すと今すぐ出してくると言って五月雨と工廠に行ってしまった。残されたのは俺と由良。五月雨と来てからまだ喋ってないが、遊びに来たと言ったのだ。何かあるだろう。

 

「提督さんって結構知識ありますよね?一般人だったのにどうしてですか?」

 

 由良は単純な質問をしてきた。

俺がペラペラ話す知識はどこから来ているのか、そういう質問だろう。

 

「航空機、機銃の弾薬ベルト、砲弾、戦術......訊いただけでこれだけあります。航空機や戦術なら好きな人が多いと聞きますが、弾薬ベルトや砲弾をそこまで知っている提督さんはどうやってその知識を?」

 

「弾薬ベルトは航空機の兵装に使われるものから興味を惹かれた。それぞれ特徴があって、用途が違うだろう?対空機銃に装填される弾は大体は曳光弾、徹甲弾、榴弾だ。砲弾も同じ理由。機銃の弾薬がそのまま大きくなったものだからな。」

 

「そうなんですか......。というかさっきの対空機銃の弾薬、合ってます。驚きですよ。」

 

 そうニコッと由良は笑った。

 

「そうか。まぁ、艦艇から考えてそれが妥当だろうなと思っただけだ。精々良くて焼夷弾が使われているだろうと。」

 

「焼夷弾?」

 

 由良は焼夷弾で引っかかった。どうやら訊いた事がないらしい。

 

「焼夷弾っていうのは炸薬の爆発した運動エネルギーで撃ちだされた弾頭に可燃性燃料が入っていて、物体に当たるとそれが弾頭から弾け出して着火する。」

 

「成る程、それで焼夷なんですね。」

 

 どうやら今の説明だけで分かった様だ。だが由良はさらに訊いてくる。

 

「ではなぜ、焼夷弾が対空機銃に?燃やすって、航空機を燃やしても何にも装甲板がありますよね?」

 

 由良は多分これを素で言っているみたいだ。

 

「ここで弾薬ベルトの登場。弾薬ベルトはベルト給弾する機銃でこうやって言うが、箱型弾倉を使ってても同じ様に給弾できるから割愛するけどいいか?」

 

「はい。」

 

「弾薬ベルトに例えば曳光弾、徹甲弾、焼夷弾の順番で撃ちだされるとしたらそれぞれ、どんな役割をすると思う?」

 

 由良は考え始める。だがすぐに答えた。

 

「曳光弾で機銃が撃ちだす弾丸の弾道を見て、徹甲弾で航空機に穴を開ける。そして焼夷弾で着火する......?」

 

 そう言ったはいいものの、腑に落ちない様だ。少し由良を見守る事にした。

由良はあれこれと考えた後、俺に結果を言った。

 

「徹甲弾で燃料タンクを狙ってそこに焼夷弾で着火する、ですか?」

 

「理想の回答だ。」

 

 日本の零戦なんかではよくある事だが、徹甲弾で燃料タンクを撃ち抜かれ、そこに焼夷弾が着弾すると火を噴き落ちていくという光景だ。それを狙っているのだ。

 

「そうなんですね......。勉強になります。......ちなみにそれって妖精さんに頼めば弾薬ベルトを変えてもらう事は出来ますか?」

 

「可能だ。」

 

 そう言うと由良はメモを取った。

由良はどうやらポケットにメモとペンを入れて持ち歩いているみたいだ。

 

「うん......よしっ!そう言えば提督さん。」

 

 メモを書き留め終ると由良はポケットに仕舞いながら話した。

 

「最近対潜装備の事を勉強しているんですけど、近いうちに何かありますか?」

 

 まるで狙って来たかのようにその話を持ち出した。

俺はキス島以外でのレベリングを予定している。そこは対潜装備でレベリングを行う場所だ。ついさっき夕張に話したところだというのに。

 

「あるな......。」

 

「本当ですかっ?!」

 

 この由良の反応を見ていると素の様に思えてならない。たぶん、たまたま勉強しているのが対潜装備で中々使う機会がないのを知っていたから聞いたんだろう。そうに違いない。

 

「一度夕張で試験をしてからレベリングに入るつもりなんだが......なら最初は由良だな。」

 

「ありがとうございますっ!」

 

 由良は長いポニーテールをゆっさゆさ動かしながら喜ぶ。それを俺は見ていて特段悪い気分にはならなかった。

そもそも俺は軽巡のレベリングをしなくてはと思っていたところだからだ。そうして対潜に関する事を由良と話していると工廠から夕張と五月雨が帰ってきたが、何やら様子がおかしい。

 

「提督、建造で出てきた娘ってすぐに執務室に来るんですよね?」

 

「あぁ。そうだが。」

 

 何やら訳の分からない事を訊いてくる夕張は俺のその確認を取るとすぐに扉に戻り、扉を開いた。

そこには見慣れない服を着たどうみても艦娘ともう一人、いつぞや見た艦娘がいる。

 

「ここ、提督がいらした鎮守府だったんですか。」

 

 おっとりした雰囲気にメガネをかけている艦娘は挨拶をした。

 

「私は香取型練習巡洋艦一番艦 香取です。宜しくお願いいたします。」

 

 そしておっとりした雰囲気にメガネをかけている(※2回目)が見たことのある艦娘は挨拶をした。

 

「軽巡洋艦 大淀です。私の艤装が発見されたのでこちらに移ることになりました。よろしくお願いします。」

 

 俺はその2人を見るなり夕張に言った。

 

「今すぐ赤城を連れてこいっ!!!」

 

 またやったなと俺は思い、赤城を呼びつける。ちなみにまだ赤城に"特務"を任せていた。今回も鎮守府の案内をしなかったのだ。

懲りずに赤城はもう3、4回はやっている。その度に反省してもうしないと言っていると言うのに......。そう考えながら待っていると夕張はぜえはあ言いながら戻ってきた。その間、9分。どうやら夕張が赤城に状況を聞いたらしく、執務室に入ってきた赤城は蒼い顔をしていた。

 

「赤城。」

 

「......はい。」

 

 消え入りそうな声で赤城は返事をする。

 

「言いたい事、分かるよな?」

 

「......はいぃぃ。」

 

「だったら言う事あるだろう?」

 

「ごめんなさいっ!」

 

「だから俺じゃねぇって!!」

 

 このやり取りも久しい。そう感じながら呆気にとられている2人の方を俺は見た。

 

「すまない。赤城の任務怠慢が......どれくらい待ったんだ?」

 

 そう訊くとそれぞれ答えた。

 

「1ヵ月です。」

 

 香取はそう答える。続いて大淀も答えた。

 

「私は二週間です。」

 

 俺はそれを訊き赤城に訊く。ここ最近の建造は全て赤城に任せていたのだ。

 

「間違いないか?」

 

「はいっ。ですが提督、大淀さんはっ......。」

 

「大淀がどうかしたのか?」

 

 そう言うと赤城から別の事が伝えられた。

 

「大淀さんは大規模作戦の間に突発的に行った南西諸島で艤装を発見したんですよ?」

 

「はぁ?」

 

 大規模作戦の間。それは記憶にはまだ新しいoperation"AL magic"とoperation"typhoon"の間に大本営から哨戒に出て欲しいと頼まれていた海域だ。そこで小規模で散発的な戦闘をしたとの報告を俺は受けている。

 

「私はだから......その......。」

 

 そういってモジモジする赤城だが俺はある事を思い出した。

北方海域から作戦艦隊が帰って来る日に鎮守府残存艦娘で構成した艦隊が南西諸島に出ていたのだ。その時にどうやら大淀の艤装を拾って来たみたいだ。

だが大雑把に言ってしまえば艦娘の人事は赤城がやっていると言っても過言ではない。なので赤城に責任があると俺は考えた(※暴論です)。

 

「そうだとしても、ほれ赤城。案内に行ってこい。」

 

「はいっ......。」

 

 そうして赤城はイマイチ状況の掴めていない香取と終始苦笑いしていた大淀を連れて案内に繰り出して行った。

一方で俺が赤城を叱るのを見ていた夕張、五月雨、由良は赤城のあんな姿に少し驚いていたという。

 





 今回は突貫でしたので少し乱雑です。すみません。
題名は夕張ですがオチは全て赤城が持っていきました。すみません。それとここに強引に香取と大淀をねじ込んでしまいまいた......。
 香取は建造で、大淀は先日のイベントで手に入れました。

 ご意見ご感想お待ちしてます。

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