【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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単発ネタが恒例化している今日この頃。
ウチの鎮守府の雪風は本当に雪風です(白目)



第二十四話  雪風の開発日記④

 

今日も俺の目の前に雪風は笑顔で立っている。

朝食を終えてすぐに雪風はどうやら執務室に来たみたいだ。口角に米粒が付いている事は黙っておこう。

 

「司令ぇ!今日はどうされますか?」

 

元気よく言った雪風はどうやら今の口の動きで米粒が落ちたみたいだ。俺はそれには気にも留めずにある事を考えていた。

戦艦は出揃った。重巡軽巡を集めるのには骨が折れる。というか、重巡に関してはもう大型艦建造でしか出ないもの以外は揃っていた。軽巡も阿武隈と大井を残して他は揃っている。

となると、潜水艦に手を出すのだろうが俺はあえてこう言った。

 

「建造は今日は空母レシピを4回だ。」

 

俺がそう言うと、執務を手伝っていた長門が書類を手から放してしまったみたいだ。

 

「ん?どうした長門。」

 

「いや、あれだけボーキサイトに困ってたじゃないか!!ボーキサイトを食う空母を建造するだと!?」

 

長門の威力に圧倒されたが、俺は負けじと反論する。

 

「これも戦力増強だ。例え建造されても出撃させなければボーキサイトは減らないし、最近足りてないのは油の方だろう?さして問題ない。」

 

俺はその一言で長門を黙らせた。そして雪風に再び言った。

 

「建造は空母レシピだ!4回。そして開発はいつも通りだ!」

 

「了解しました!」

 

雪風は俺の指令を聞き届けると、執務室を出て行った。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

「なぁ提督。」

 

長門は雪風が出て行ったしばらくした後、俺に話しかけてきた。

 

「どうした?」

 

「最近私のところに艦娘がいっぱい来るんだが。」

 

「どうして?」

 

「何でも秘書艦をやりたいそうな。今まで基本的には私がやり、交代で赤城にやってもらっていたが、他の艦娘がやりたいと言い出してな。」

 

「良いんじゃないか?長門だって書類整理に追われるのは嫌だろう?」

 

「あれは私が自分の意思でやっているんだ。あれは今後、役に立つかもしれん。」

 

どうやら秘書艦の交代を頼まれている様だった。

確かに一日の大半は長門と過ごしている。長門も俺の顔ばかり見てるのも嫌だろう、そう思った。

 

「そうか......だが秘書艦の話、いいと思うぞ?」

 

「......あぁ。提督がそう言うなら。」

 

何だか長門は寂し気な表情をしたが、どうしてそんな表情をするのか俺には分からなかった。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

長門との会話が途切れてしばらくすると廊下に3人分の足をが響いている。

 

「おい長門.......まさか。」

 

「いや......まさかな......。」

 

それは昨日も一昨日も同じことを経験している俺と長門からしたら、もう間違いなかった。新造艦だ。今日は俺は雪風に空母レシピを要求していた。

となると、廊下の足音2人は空母という事になる。

 

「一昨日は陸奥に伊勢、昨日は島風だぞ!?」

 

「雪風は何という奴だ......。」

 

俺と長門は表現し難い空気に圧迫されていた。雪風は一体何をしたらそんな事を起こせるのだ。そう思えてならなかった。

そうしていると、足音は執務室の前で止まり、雪風が執務室の扉を開いて入ってきた。

 

「司令ぇ!新しい仲間が進水しましたっ!!」

 

そう言った雪風の背後から2人の艦娘がひょこっと頭を出し、俺の前に進んできた。

 

「しょっ......翔鶴型二番キャン......妹の方、瑞鶴でシュッ!あうぅ......。」

 

「祥鳳ギャタ軽空母、ジュイ鳳ですっ!」

 

俺の目の前でカミッカミでそう言ったのは、翔鶴型二番艦の瑞鶴と祥鳳型二番艦の瑞鳳だった。

 

「俺はここの鎮守府の提督だ、よろしくな。」

 

「あっアゥゥ......提督が着任してるところだなんて......心の準備ガッ......。」

 

「ショ、翔鶴姉。私やっぱり幸運の空母だったみたい......。」

 

俺が自己紹介(※本人はそう思ってます)をしたというのに、目の前の二人は顔を真っ赤にしながらそんな事を呟いていた。

何だか2人を見ていると途端に悪戯がしたくなった俺は、少し一芝居打つことにした。

 

「どうした2人とも......。」

 

そう言って俺は席から立ち上がり、2人に近づいた。

そして額に手を当ててやる。

 

「ん......熱いぞ?熱でもあるのか?」

 

「てっ、提督さんっ!?」

 

「提督っ!?」

 

そう言って顔から湯気を出したかと思うと、すごい勢いで仰け反られた。その速さ、我慢してなければ吹き出すほどの勢いだった。

 

「まぁ、その様子なら問題なさそうだな。今日もありがとうな、雪風。」

 

「はいっ!」

 

俺は何事もなかったかのように雪風に話をそらし、席に戻った。

 

「2人とも今日からここの所属だ。頑張ろうな。」

 

そう言ってはにかんでみた。

そしてすぐに雪風に指示を出す。

 

「雪風。2人に鎮守府の中を案内してやってくれ。」

 

「はいっ!2人とも、行きますよ!」

 

雪風は元気よく返事すると、2人の袖を掴んだ。

 

「さぁ!一杯案内しますよっ!!」

 

そう雪風の声に混じって何だか俺を呼んでいた気がしたが、無視した。

瑞鶴と瑞鳳はそのあと、鎮守府を歩き回り夜に俺と長門主催の歓迎会に出た。その時には無邪気な笑顔になっていた様に見えた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

長門は歓迎会の間、皆が騒ぐ食堂である事を思い返していた。

 

「提督ってあんなセリフ言う様な人だったか?」

 

長門は俺の悪戯に気付いていない様だった。

 





連日雪風は建造で当たりを出しますね。
これが雪風なのかと実感する最近であります(あきつ丸感)

この頃雪風の開発日記が恒例化しすぎてちょっと面白みがない様な気もしなくもないです。どんだけレア艦出すんだよっ、ってマジで思ってますw

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