【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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第四話  第四艦隊解放② 比叡編

長門の金剛型による金剛建造の提案があった次の日、朝食後に比叡、榛名、霧島、長門が来ていた。

 

「司令。私、何故呼び出されたか何となくわかりました。」

 

俺が執務室の椅子に座って4人の方を向くと、霧島が不意にそう言った。

 

「そうか。なら言ってみろ。」

 

「ズバリッ!!金剛お姉様が建造された、とか!」

 

霧島がそう言うと比叡と榛名は拍手し、喜んだ。

 

「遂に金剛お姉様に会えるんですね!」

 

「ありがとうございます、提督。お姉様に合わせてくださるなんて。」

 

俺と長門はそう言って喜ぶ3人の空気を一気にぶち壊した。

 

「いや違う。」

 

「「「そんなっ!?」」」

 

流石姉妹といったところだ。とても息が合っている。

 

「ひえぇぇぇぇ!司令!酷いですっ!!」

 

「榛名は大丈夫ですっ。少しっ......。」

 

「そっちでしたか......。」

 

3人がそれぞれそう言うと俺は咳払いをし、説明を始めた。

 

「まぁ今回来てもらったのはその金剛が関係しているんだがな。」

 

俺は机に肘をついて言った。

 

「お前たちに1日ローテーションで秘書艦に就き、建造を行ってもらう。」

 

俺がそう言うと、すぐさま長門が補足をした。

 

「お前たち金剛型が秘書艦の状態で建造を行えば、金剛を建造する確率が上がるのでは無いか、という事だ。」

 

そう言うと3人は飛び上がった。俺としては意味が分からない喜びだったが、この際どうでも良かった。金剛さえ建造できれば、資材回収が捗る。

 

「と、いう事で比叡っ!今日は比叡だ!」

 

「はいっ!任せて下さい、司令ぇ!」

 

比叡はそう言うとガッツポーズをして見せた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

少し話した後、榛名と霧島は自室へ戻っていった。これから執務に入るからだ。

長門は建造方法を比叡に教えている。

俺はというと、遠征に行っていた艦隊が持って帰ってきた資材をつけていた。

 

「いいか。工廠の建造妖精にだな、『戦艦レシピで』というと建造が始まる。」

 

「ほぅほぅ。成程っ!」

 

「建造時間のところに『4時間』と出たら金剛型だ。これが今回、貴様に与えられた任務だ。」

 

長門が俺に迷惑にならない程度の音量で比叡に説明している。

ある程度聞こえていて逆に気になってしまっていることは黙っておこう。

 

「それをすれば金剛お姉様に逢えるという訳ですね。」

 

「いや。そういう訳もないんだ。金剛だとしたら建造ドッグから出てくるのは金剛と金剛の艤装だが、金剛以外なら艤装だけが出てくる。注意しておけ。」

 

「そうなんですか......。だけど私は気合っ、入れてっ、行きますっ!!司令っ!今すぐに金剛お姉様に逢えますからねっ!!!」

 

そう言って比叡は走って工廠に行ってしまった。

そんな姿を眺めていた俺と長門は同じことを思った。

 

「「アイツで大丈夫なのだろうか?」」

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

程なくしてドタドタと走る音が執務室にまで響いてきた。

 

「ひえぇぇぇぇぇぇ!!!司令っ!!」

 

俺も長門も想像した通り、比叡だった。

比叡の目にはうっすら涙が見える。きっと建造で金剛が出なかったのだろう。

 

「どうだった?」

 

俺は意地悪く聞いてみた。

 

「4時間が出たのでウキウキしていたら、霧島の艤装でしたよっ!!」

 

俺は想像通りだったので反応に困った反面、これをやられると結構ガチで来るものがあるのでなんも答えなかった(※本当にそうでした)。

 

「そうか。比叡で失敗とはな。金剛をこよなく愛していると俺は思っていたのだが。」

 

「そうですよ!金剛お姉様をとても愛してますよ!ですが、出ませんでした......。ひえぇぇぇぇぇぇん!」

 

比叡は同じような口癖を発しながら部屋を出て行った。

俺の第四艦隊解放への道は始まったばかりだ。

 




今回も第四艦隊解放の話です。
今後、結構続くと思います。前回のあとがきに実際に作者のした事と書かせていただきましたが、発言というかリアクションもそっくりそのまま書いてます。

ご意見ご感想お待ちしております。

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