【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

49 / 209
番外編  俺は金剛だ!③ 『出撃!』

 

俺は朝起きて支度を済ませると食堂に来た。

腹が減っては戦は出来ぬとか言うからな。まぁ入るだけで空気が変わるのは分かっていたがここまで顕著に変わると俺もびっくりする訳だ。

トレーを持って並ぶと前後がこっちをチラチラと見ていた。

 

「なっ、何だよ。」

 

「はっ?!いえ。何でもないです!!」

 

そう答えるだけだった。

というか昨日の歓迎会で全員の自己紹介があると白瀬さんが言ってたのに結局追いかけまわされて無くなった。この娘誰なんだ?

 

「名前、なんていうんだ?」

 

「はひぃ!私は五月雨といいます!」

 

そう言った。確か初期艦として選ぶことができるっていうところに書いてあった様な。

 

「五月雨、よろしくな。」

 

「はいっ!」

 

顔を真っ赤にしてそう言う五月雨に俺は笑いそうになるのを堪えた。すっごい声裏返ってるんだよ。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

トレーを持った俺と五月雨はなんかの縁と言って一緒に食べる事になった。横で五月雨が『私いつもドジばっかなのに今日はついてる!』って言ってたけどそれは置いといて、現在、脱出不可能な状態に陥っております。

 

「五月雨ぇ~。ずるいぞー。」

 

と言って五月雨に似た服を着た子が現れた。だがずるいぞーって五月雨の名前を呼んだくせに俺の空いてる横に座った。

 

「金剛君だ!あたいは涼風ってんだ!」

 

この涼風も五月雨同様に声裏返ってる......。

 

「おー、よろしく。」

 

そうとだけ答えて飯をかき込む。何だかここに居ちゃいけない感じがするんだ......。なんか素敵なパーティー的な何かが起きそう。

 

「あー!!私が一番を取ろうとしてたのにー!」

 

そう言ってまた増えた。今度は正面が埋まった。

 

「モシャモシャ。」

 

それをシカトして食べ続けるが、すっごい猛攻が来てる。質問攻めだ。

 

「どうして金剛君はそんな風なの?!」

 

「金剛君は強いっぽい?」

 

「雨は好きかい?」

 

どんどん顔が近づいてくる。怖い怖い怖い!!

 

「だぁー!静かにしてくれ!」

 

そう言って黙らせると飯をかき込む。今さらだが飯美味い。

 

「私は金剛君のイッチバーン貰うよ!」

 

「夕立にご用事はないっぽい?でも夕立はあるよ!」

 

「僕もかな?」

 

そう言う。こいつ等諦めねぇのかよ!!気付けば後ろも囲まれている。怖いんだけど。さっきから『グフフッ......。』っての聞こえてますから!あの人居るんでしょ?!

 

「やっぱ怖いわ......近い近い近い!!顔を寄せて来るな!!」

 

「それは酷いよー!」

 

「酷いっぽい!」

 

「僕も怖かったかな?」

 

そりゃそうだ。何も言われず座って質問攻めにあって顔寄せられたら誰だって怖いだろうが。しかも目がギラギラしております。俺は同じ目を見たことあるぞ!大学で可愛い子を見つけた友達じゃねぇか!俺は可愛い子ってか?!アホか!!

 

「まあまあ白露ちゃんたち落ち着いて......。昨日もそれやって逃げられてたでしょ?」

 

なんという大人なのだろうか。五月雨......。

 

「「「えぇー。」」」

 

そしてこの一体感である。

 

「モグモグ......ング......じゃあ五月雨、俺は提督のところに行く。さらばだっ!!」

 

俺はトレーを持ってその場を走り出す。だって後ろからの圧から逃げたかったんだもの。あの人いたし。武蔵に一撃で轟沈させられてた人。今武蔵達居ないから無理。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

俺は食堂を逃げるように去り、執務室に来ていた。昨日一日居て分かったんだ。あそこは安全だ!艦娘たちの猛攻(詰め寄り)に怯えなくて済むからな!

 

「うーっす。」

 

そう言って執務室に入ると既に金剛たち四姉妹は居た。そして白瀬さんも。

 

「金剛か。遅いな。」

 

「るっせ。今日は金剛たちも大和と武蔵が居なかったから囲まれてたんだよ。盾(比叡)も居ないし。」

 

「ひえぇぇー!盾とか酷いです!」

 

そう言って俺は金剛のところに行く。金剛の近くが結構安全なのだ。コイツ結構ふわふわしてる癖にな。

 

「オゥ、金剛ネー。Good morning!」

 

「おっす。着任2日目だけんど何するんだ?」

 

「今日は私たちの初陣ダヨー!」

 

そう言って金剛はガッツポーズする。初陣ってそんな感じでいいのかよ......。なんかこうもっと『初陣......初陣で死なないといいんだけど......。』的なのじゃねぇの!?

 

「そうか。って事は深海棲艦を駆りに行くと?」

 

「その通りネー。」

 

そう言って金剛が俺に一枚の紙を手渡した。上には編成表と書かれている。

 

「この編成で鎮守府正面海域を航行するネ。基本的に駆逐艦級と軽巡級しかいないカラ、楽らしいネ。言わば『無双』って奴デス!」

 

こいつさらりと何えげつないこと言ってんの?無双ってあれだろ?ほら、単機でザクとか斬りまくるガン○ム無双的な無双だろ?

 

「そうかよ......。」

 

「まぁ帰還したらそのあと補給してすぐに南西諸島沖の残敵掃討デスケドネー。」

 

そう言って目を輝かせている。どうやら楽しみらしい。

 

「それで今日の編成デース。」

 

そう言って金剛は編成表の上から説明を始めた。

 

「上から私、金剛、五月雨、涼風、蒼龍、飛龍ネー。安パイと言うか安全策と言うかって感じデスネ。」

 

そう言って金剛は俺の手を引いた。

 

「今から艤装装着して出撃デス!Follow me!」

 

と言われて出て行こうとすると比叡、榛名、霧島に通せんぼされた。

 

「どうしましたネー?」

 

そう金剛が言うと大粒の涙を比叡が流しだした。

 

「お姉様とお兄様を危険な海域に出撃させたくありません!!ひええぇぇぇぇぇん!」

 

「榛名もです!」

 

「私は共に戦いたいですが......。」

 

そう言って並ぶ比叡と榛名に白瀬がチョップをかました。

 

「この2人が居ればもっと進んで、戦争も時期に終わる。黙って見守るのが先任であり妹でしょ?」

 

俺、初めてこの人が真面目な事を言ってるところを見た気がする。

そんなこんなで俺と金剛、五月雨、涼風、蒼龍、飛龍の艦隊が鎮守府から出撃していった。五月雨と涼風は知ってるけどあとの2人は誰だ?

 





ネタにあまり走れてないという......。仕方ないですねw
かの狼さんはどこでも出現しますのでw

ご意見ご感想お待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。