【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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前回までの運動会の話に色々協議に関する事が噛みあわないところがあるみたいなので、あらさがしに追われてます(汗)




第五十一話  景品

 

運動会の次の日。朝食に集まっていた艦娘たちはそわそわしていた。

朝に俺から景品に関する事が伝達されると、昨日の閉会式に言われていたからだ。

 

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ーーー

 

 

『これにて全競技が終了しました。参加者は全員整列して下さい。』

 

そう大淀のアナウンスが入ると、皆はゾロゾロと並んでほんの1分で並び終えた。

 

「姿勢を楽にして構わない。......取りあえず艦娘vs門兵三本勝負の結果を伝える。」

 

そう俺が言うと、どこから聞こえるのかドラムロールが鳴りだした。

 

「......艦娘チームの勝利だ!おめでとう!」

 

そう言うと拍手と歓声が起こった。門兵の方も見てみると悔しそうにはしているが、どこか清々しい様な顔をしている。

俺もそれに合わせて拍手をした。艦娘チームの勝因は、綿密な作戦立案だった様だ。どうやらそれぞれの協議に合わせた艦娘を集めて参加し、更に勝つための作戦を練っていた様だ。ちなみに艦娘の身体能力は艤装の馬力なんかは関係ないらしい。

 

「提督さーん!!優勝はどこっぽいー!?」

 

そう拍手が鳴りやまぬ会場で夕立が叫んだ。

その叫び声を聞いていた全員の拍手と歓声が鳴りやむ。

 

「そうだな......。運動会優勝チームは......。」

 

またドラムロールが鳴りだした。

 

「ゼッケン色......赤っ!赤城チームだ!!」

 

そう俺が言うと、赤いゼッケンを着ている艦娘たちが飛び跳ねた。

勝因は、赤城のチームにあったのだ。

 

「やりましたっ!」←赤城

 

「赤城さん、やりましたねっ!」←瑞鶴

 

「やったぁ!」←瑞鳳

 

「かけっこなら負けませんでした!」←島風

 

「幸運の女神が微笑んで見えます!」←雪風

 

「はぁ~。楽しかったですねぇ。」←綾波

 

「こんな私でも......うれしいです。」←神通

 

「夕方だっ!もうちょっとで夜だね!」←川内

 

「応援は那珂ちゃんにおっまかせ~!」←那珂

 

「楽しかったですねー!」←青葉

 

「僕たちが勝つのは目に見えていたよ。」←時雨

 

「お風呂入りた~い。」←北上

 

「楽しかったクマー!」←球磨

 

「楽しかったですね。」←鳳翔

 

俺と大淀は『まぁそうなるだろうな。』と思っていたので想定の範囲内だったが、本当にやるとは。

 

「と、いう事で優勝は赤城チームだ。」

 

会場に拍手が起こった。

 

「因みに優勝景品は明日の朝、連絡するぞ。」

 

そう言って運動会は幕を閉じたのだ。

 

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ーーー

 

 

運動会での赤城チームは一つの席に集まり、景品が何かと盛り上がっていた。

 

「柔らかいお布団とかでしょうか?」

 

鳳翔がニコニコしながらそう言った。

 

「いえ、提督は艦娘寮に入ったことが無いのでそう言った物じゃないと思いますよ?」

 

赤城が首を捻りながら言った。

 

「お菓子詰め合わせとかですかねー?」

 

ぽわぽわした表情で綾波はお茶を飲みながら言った。

 

「司令官がすぐに教えてくれますよ!」

 

そう言った青葉に全員が同調して、今俺が立っている方向を見た。

 

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「赤城、集合!」

 

俺がそう言うと赤城はささっと俺の前に来た。

 

「なんでしょうか?」

 

「チーム集めて。」

 

そう言うとチームがさささっと集まってきた。さっきも思ったがこっちに来るの早すぎる。ここから赤城たちが居たところまで20mくらい離れているのに。

 

「集まったか?」

 

そう言って俺は全員を連れて食堂を出た。

 

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ーーー

 

 

執務室に着くと全員を中に入れて、自分はいつもの椅子に座り肘をついた。

 

「それで提督、執務室に何かあるのでしょうか?」

 

そう言ったのは赤城だった。いつも来ていて中の様子くらい把握しているだろうにと俺は思いつつ、口を開いた。

 

「実はだな......。」

 

そう言うと全員がゴクリとのどを鳴らした。

 

「赤城たちが欲しいものが分からなくて、何も用意していない。だから、赤城たちが欲しいもの、したいことを何でも叶えてやろうと思ってな。」

 

そう言うと、全員がおぉーと言ってざわざわし始めた。そうしていると赤城が俺に話しかけてきた。

 

「そうなら何故あそこで言わなかったのですか?」

 

赤城の疑問は最もだった。だが俺にはあそこで言わなかった理由がちゃんとあったのだ。

 

「あそこで言ってしまっては面白くないだろう?だからなんとなくだ。」

 

「そうですか......確かに言われてみるとそうですね。ワクワクが高まりましたし。」

 

そう言ってニコニコと赤城は微笑んだ。

 

「という訳だ。いつでも願いを言ってくれ。じゃあ朝食を食べに行こうか。」

 

赤城たちは俺がそう言うと執務室を出て行った。

 

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「赤城たち、艦娘の特性から赤城たちが欲しいものはもうないと思ってたんだがな......。結局全員分思いつかなかったし。」

 

これが俺の本音だった。

三大欲求はあるがその他の欲求が提督の着任以外にほとんどない艦娘に景品をやろうだなんて俺もそんなに想像できなかったから用意できなかった。苦渋の策でこれを思いついた俺は我ながらあっぱれだと思う。

 





今回で運動会は終わりですね。次回からどんな話にしようかと悩んでます。
未だに資材が戻らないのでその辺でもいいとは思うのですが......。開発資材集めに苦労をしてます。任務で受け取ってもいいのですが、なかなか難しいですね(汗)

ご意見ご感想お待ちしてます。

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