【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話 作:しゅーがく
俺は今日も起きて朝食を摂っている。朝食べなければ、力が湧かないからだ。
何故なら昨日まで金剛型に建造をやらせても金剛が進水しなかったからだ。
「くっそ......。ご馳走様。長門。」
俺は箸を置いてトレーを戻して長門を呼ぶと執務室に向かった。
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俺は執務室の机に向かって資材表を見ていた。数が芳しく無い。
今日も資材不足に悩んでいると、長門が声を掛けてきた。
「なぁ、提督。今日は私は秘書艦では無いと提督は言っていなかったか?」
そう言われ顔を上げると、長門の他にもう一人艦娘がいた。
白雪。吹雪型駆逐艦 2番艦だ。
俺はそれを言われ、ふと思い出していた。今日は駆逐艦の練度上げの為に今日1日は駆逐艦を秘書艦にすると言ったのを。
「司令官。忘れていたんですか?」
ふて腐れたように頬を膨らます白雪は、普段から大人しいとは思っていたが、こんな一面もあるんだなぁと思っていると続けざまに白雪は口を開いた。
「忘れてた......のですか?」
「いっ、いや。忘れてなどいない。」
「そうですか。では、キス島ですよね?」
そう言うと白雪は眉を吊り上げて勝気な表情をした。
「そうだ。接敵し殲滅したら戻ってこい。それの繰り返しだ。」
「いえ、大丈夫です。ですが出撃する前に建造と開発をやらせて下さい。高角砲の数が少ないので。」
「分かった。勝手は......。」
「分かりますよ。それと建造では戦艦レシピですよね?」
「あぁ。頼んだ。建造と開発の報告後に出撃してくれ。」
「分かりました。」
白雪はそう言って執務室を出て行った。
取り残された俺と長門は昨日と同様に話をしたが、建造の話にはならなかった。
白雪の言った装備の話を俺が振ったからだ。
「長門。今の駆逐艦に装備できる装備の数と種類、分かるか?」
「あぁ、艤装についていないものなら。」
「そうか。艤装についているものは分からないのか?」
「分かるのだが、駆逐艦は数が多い故、ちゃんとした数が把握出来ていないんだ。」
長門はそう言うと持っていたファイルをこっちに持ってきた。
「艤装から外されているのは、12.7mm単装砲が4、10cm連装高角砲が6、三連装魚雷発射管が6、四連装魚雷発射管が3、対空機銃が7.7mmと12.7mmが其々7だ。」
「そうか。」
俺は何が足りていないのか分からなかった。
駆逐艦は元々単装砲は装備しているし、魚雷発射管は基本的に出撃する艦娘にしか持たせなかった。
「提督、白雪は高角砲が足りないと言っていた。きっとキス島に出撃する事が近いと知っているのだろう。」
「成る程。連撃の為か。」
そう俺は思い、顎に指をやった。
「それだったらもう3回、白雪に任せるか?」
「そんな事をすればただでさえ少ない開発資材が......。」
「そうそう成功するものでもない。試しにだ。」
そう俺が長門と話していると、建造と開発に行っていた白雪が帰ってきた。
そして白雪の後ろには見覚えのある改造巫女服を着た長身の艦娘が居る。
「司令官。結果は、開発では高角砲が出ました。建造では、金剛型戦艦 1番艦の金剛さんが進水です。」
俺と長門はその知らせに飛び上がり、持っていたファイルやら書類を落としてしまった。
「本当か!?」
「白雪。私はやってくれると思っていたぞ!」
と大げさに喜ぶ俺と長門を少し白雪は変に思ったのか顰めて続けた。
「結果、第四艦隊が解放されたので遠征艦隊の新規編成を提案します。」
「そっ、そうか!すぐに編成するぞ、長門っ!!」
「おうともっ!!」
俺と長門はあまりの嬉しさに金剛を無視して艦隊編成を始め出してしまった。
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俺と長門がせっせと第四艦隊の艦隊候補を検討している間、白雪と金剛は入り口に立ち尽くしていた。
「こっ、金剛デース。」
「私は吹雪型駆逐艦 2番艦 白雪と申します。よろしくお願いいたしますね。」
白雪が後ろにいる金剛に向かってそう挨拶すると、俯いていた頭を金剛は急にあげた。
「提督ぅー!!目を離さないでって言ったノニー!!!何してるデースッ!!!!」
と言って金剛はせっせと第四艦隊候補を検討している俺のところに来たのは言うまでも無い。
因みに昨日着任した最上は霧島と熊野に怒っていた姿を白雪が見かけたとか。
これにて第四艦隊解放の話は終わりです。
実際に作者のやったことですので、真に受けないでくださいね。
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