今後の事を考えるべく唸っていると、深雪が思い出したように言いだした。
「答辞の方は・・・やはりお兄様がやるべきだと私は思います。」
そう言って詰め寄る深雪、達也は困った顔をしながらこちらを見てくる・・・これは助けてくれと言う事でいいんだよな?
「あー・・・深雪?答辞には元々お前が選ばれてたんだよな?」
「そうです、しかし私よりお兄様の方が相応しいと言う事で辞退をし、私の代わりに答辞を読んでいただこうと思い・・・」
深雪の【お兄様は凄いんです】話はこの後5分程続き、最後の方には食べ方が優雅だの寝顔が可愛いなど答辞とは関係ない話になっていた
「・・・つまりお兄様は私の中でのカースト上位の一角を担う素晴らしきお方ででしてね「ストップお願いしていいッスか?深雪さん」はい?如何されました?」
深雪は答辞の件はすでに忘れているらしく、きょとんとしていた。
「あのな・・・答辞の話に戻るけどさ、多分深雪が辞退しても達也が代わりになることはないと思うんだよ。」
「なぜ・・・いえ、そうですよね。」
一瞬、反論仕掛けたがそこら辺はどうやら理解してくれたらしい。
ここは魔法科高校だ、筆記より実技の方が優先される・・・それにあの受験方式では達也の実力は測れない、だから辞退したとしても・・・
「お兄様の一歩上を行くことのできる者が居るのを忘れていました・・・つまり!私が辞退した場合、響様が答辞を行う事になるのですね!!」
実技、筆記とも優秀な者が・・・え?今、この子なんて言った?
「ねぇ、達也・・・今、貴方の妹何て言ったの?」
小声で達也に先程の深雪の発言を聞きなおす
「・・・簡単に言うと、『答辞は響がやれ』といったところだな」
・・・深雪ってもしかしてアホの子?アホの子なの!?
「深雪が変わったのは半分程お前のせいではあるがな。」
肩に手を置き「頑張れ」と言ってくる達也の顔は今日一番の笑顔だった・・・この子ドSなの?
・・・こうなったら深雪が答辞をやる気にするしかない!
「深雪!!」
「は、はい!?」
深雪は突然の事に肩を震わせ、こちらを見る・・・よし!このまま勢いでいくしかない!!
俺は肩を掴み、正面を向かせる・・・やっぱり可愛い(小動物的な意味で)
「俺はお前の美しい答辞姿を見たいんだ!!」
「へ!?い、いきなり何を!?それに答辞でしたら響様の方がいいに決まっております!!」
「深雪・・・お前は俺が答辞を読んでいる姿を見たいのか?」
その質問に対し、深雪は「はい!」と二つ返事をした。
「俺はな・・・お前が俺の答辞を見たいと思ってるくらいお前の答辞姿を見たいんだよ」
深雪の顎をクイっと引き、顔を近づけて耳元で囁いた・・・ゴメンねイケメンじゃなくて
「し、し、しか、しかし!?ですが!?えっと!?」
深雪は混乱している・・・よし!!このまま押し切れ!!
「頼む!!お前が答辞を読んだら
深雪から手を離し思い切り頭を下げつつ俺はそう言った。
「な、なんでも!?そ、それなら私はやらざるお得ません!!いえ、やらせてください!!」
・・・どうやら深雪のやる気を引き出す事に成功したようだ・・・成し遂げたぜ。
「深雪・・・やるならそろそろリハーサルの時間ではないか?」
達也が深雪にそう言うと深雪は頭を下げ、走って行ってしまった。
「お前・・・とんでもない事言ってたの自覚あるか?」
深雪が去ってから自分の言葉、行動を思い返し、その場でしゃがみこむ俺に送られたのは達也からの笑いを堪えたような声でのトドメだった。
「ヤメテ・・・何も言わないで・・・」