魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~ 作:半生
前回よりは早かったですね(にっこり)
それでは、12話スタートです。
うっす、兵藤正輝です。
あの、はぐれ悪魔討伐から一日たちまして今日は休日です。
と言うわけで、兵藤家休日恒例の買出しにきております。
「えーと、冷凍食品にお米に牛乳……」
「野菜に、お肉。歯磨き粉に箱ティッシュ……」
「……よし、コレで全部だな」
先週いけなかった分も合わせ、2週間ぶりの買出しだったから割と多くなった。
いやぁ、かごが一つで足らないとか半端ないな。
「あ、兄貴。これ買っていい?」
「ん?ああ、ミ○キーか。お前それ好きだな」
イッセーは昔から乳製品が好きであり、ミ○キーやカル○゜スとかを今でもよく食べてる。
「それにしても……兄貴、昨日のアレは……凄かったね……」
とイッセーがそう切り出してきた。なんかちょっと言い方があれだけども、多分……。
「ん、ああ、リアスさん達のことか?」
「うん……私もああやって戦えるのかなって……」
昔からイッセーは割りと優しい人間だ。困ってるやつを見かけるとどうにも助けなきゃいけないと思うらしい。
俺も、そういう性質の人間だからそう思ってしまうのも分かる。
「……まあ、何とかなるさ。お前はくよくよせずに前だけ見てるのが似合ってる」
俺はそう言いながらイッセーの頭に手を載せた。
「……うん、分かった!」
元気になったようだ。うん、やっぱりイッセーは明るく笑ってるのが似合ってる。
「よし、それじゃあ「はわう!」ん?」
何か変な声が聞こえて後ろでボスンという何かが倒れるような音がした。
気になって振り向くと、シスターが転がっていた。
『ガタッ!!』
それと同時に家の精霊の誰かが立ったような擬音を口から出した。いや、と言うか……何やってんの家の精霊。
というか今のいったの誰だ!ザムージュさんじゃないことは確かだけど!!
『それどころではありません!!主様彼女を助けましょう!さぁ!さぁ早く!』
いや、一体全体なんなんだ。元々助けようとは思ったけども、なんなんだこの精霊の鬼気迫る感じの言い寄り方は。
しかもザムージュさんもはよ、はよ!って感じを醸し出してる!?珍しいって騒ぎじゃねえぞ!?
「……あー、まあいいや。大丈夫か?派手に転んだみたいだけど」
そういいながら、手を差し出す。
「うう……あ、ありがとうございます」
おや、結構な音なってたけども大丈夫だそうだな。
見た目とかから……多分イッセーと同じくらいかな。
そう思いながら俺が手を引き上げた瞬間、風でヴェールが飛んでいった。
ヴェールが飛んで行きその下で束ねられていたのであろう金髪の長髪がキラキラと流れ出した。
そして、顔にはグリーン色の双眸が輝いていた。
正直に言おう、ちょっと時が止まった感覚があった。
と言うかあれだな、朱乃ちゃんとかリアスさんとかと一緒に行動するから
よく顔を見るんだけどもやっぱり美人の人を見るのはなれないな。何と言うか……照れてしまう。
「兄貴?」
「ん、ああ、すまん」
っと、呆けていたか。
「怪我は……無いか。俺は兵藤正輝、んでこっちが妹の一誠。君は?」
「あ、ありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと申します」
今時礼儀正しい子だな……いや、そもそもシスターなんだから礼儀正しいのは当たり前か。
俺は、運よく近くに落ちていたヴェールを拾いアーシアさんに渡す。
「本当に申し訳ございません!その……私は上手く日本語が喋れないので……言葉が分かる人がいて助かりました」
「いいって、俺たちは別に迷惑にも全然思ってないから。ところで、旅行?大きめのキャリーバックだけども……」
実は、悪魔には言語翻訳機能の様なものが備わっているらしく彼女の言葉もそのまま意味が通じるように聞こえる。
結構便利なもので、英語の授業とかがまあまあ楽になった。
「い、いえ。実は今日からこの街の教会に赴任することになりまして……でも、お恥ずかしい話道に迷ってしまって……」
ん?この街の教会……そんなところ……ああ、あったわ。廃協会だけども一つだけ。昔、修行場として候補にしてた場所だ。
流石に廃墟にしておくには惜しいと思ったのかな?でも、必要ないから廃協会になったはずのところに新しく赴任する必要があるのか?
何かしらの思惑を感じるような……
「あっ!その教会だったら知ってる!私たちが案内してあげるよ!」
俺が考えていると、イッセーがそう言った。
……まあ、いいか深く考えててもしょうがない。困ってるんだったら助けないわけにもいかない。引き止めてもあれだろうし。
それに某プロレスラーも「迷わず行けよ、行けば分かるさ」って言ってたしな。
そうして、俺たちは教会へと歩き始めた。
「それにしても、俺達と同じくらいの年でシスターとして頑張ってるのか……すごいな」
アーシアさんはマジで俺たちと同い年くらいだった。この年で自立して行動できるのか、本当にすごいな。
「い、いえ、私は信仰する神様の事を知って貰おうと」
「いや、兄貴の言う通りだよ。もっと胸張っていいと思うよ、アーシアちゃんは」
「そ、そうでしょうか……?」
そう話しながら、公園を横切ろうとしたとき、
「うわーん!」
という泣き声が聞こえ、心配になり3人で聞こえたほうに向かった。
そこには、こけて膝を擦りむいた男の子がいた。
あー、懐かしいなぁ。イッセーも、昔は全力で走っては全力でこけてたなぁ。
そう思いながら、神器からガッドの宝玉を取り出す―――それと同時に、アーシアさんが先に飛び出していった。
「大丈夫?男の子がこの位の怪我で泣いてはいけませんよ」
そう言いながらアーシアさんは男の子の膝に、手のひらを当てた。
すると、そこから淡い緑色の光がでて怪我が見る見るうちに治っていく。
サイフィス、あれって……。
『ええ、神器でしょう。それも、あれほどの効力……。神器として、なかなかの物でしょうあれは』
そうしている間に、男の子の傷は完全になくなっていた。
「はい、これで大丈夫ですよ」
その言葉を聞くと、男の子は首を傾げた。おそらく何と言っているのかわからないのだろう。
「すいません、つい」
アーシアさんは俺達の方を見て、少し舌を出しながらそういう。
すると、その様子を遠めから見ていた女性が近づいて来た。おそらくこの男の子の母親だろう。その女性は、アーシアさんを怪訝な表情で見た後足早に公園を後にしようとする。
「おねえちゃん!ありがとう!」
「……?」
男の子は立ち去る前にお礼を言いながら去っていった。……アーシアさんには伝わってはいないけど。
「おねえちゃん、ありがとう。だってさアーシアちゃん」
分かっていないアーシアさんに対してイッセーがそう言う。そういうところ気が効くんだよなこいつは。
「……アーシアさん、その力は……」
「…はい、治癒の力です……神様にもらった、大切なものなんです」
そういうと、アーシアさんは何処か悲しそうな顔をした。
……何かあったのだろうか。信仰している神様からもらった賜物だというのに。
こう言うことは深く詮索してはいけないな。
「……そっか」
俺は、その悲しげな表情を自分の中で気づかないことにした。
そこで、会話は途切れそこから十分も立たないうちに教会にたどり着いた。
近づいた瞬間、体に何かよく分からない“恐怖”が走る。イッセーも感じたらしく、少し震えている。
多分、悪魔としての拒絶反応的な物なんだろう。
「ここまでで大丈夫か?」
「ええ、本当にありがとうございます。何とお礼したらいいか……!そうだ、お礼を教会で!!」
「いや、お礼をもらうためにやったわけじゃないからいいよ」
「う、うん気にしないでアーシアちゃん」
うん、アーシアさん的にちょっとお茶を飲んで貰おうという感じなんだろうが……。
何というか、身の危険を感じる。これ以上は近づいてはいけない。そう感じる。
「そうですか……」
「ごめんね、アーシアちゃん……困ったことがあったら何でも言って!主に、兄貴がなんでも解決してくれるから」
「……まあ、そういうことかな。何でも言ってくれ。ある程度、無理なことじゃなければ何とかするから」
「………はい!」
そう言って、アーシアさんは教会の中に入っていった。
「いい娘だったね、兄貴」
「ああ、そうだな………あ゛っ!?」
ここにきて俺は重要な……そう、とても重要な事に気が付いた。
「?どうしたの?」
「冷凍食品……全滅してる……」
来週……弁当の簡単なおかずどうしようか……。
正輝「冷凍……食品……」
イッセー「どんだけ落ち込んでるの……」
サイフィス『以前、迷った時に冷凍食品全滅させましたからね』
正輝「弁当の……おかず……来週……ほぼ無し」
イッセー「っ!??……おかずが…ない…」
サイフィス『……イッセー様も撃沈しましたか……では次回予告を
次回「魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~」第13話
俺、神父と対峙します。次回も、サービスサービスーです』
正&一「「弁当……」」
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