魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~   作:半生

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過去の実憶、今の虚憶――友人――

たまに、夢を見る。

 

前世の夢だ。前世の記憶だ。

 

もう戻ることのできない、もう会うことのできない、もう話すことのできない、昔の実憶であり今の虚憶……。

 

俺の大切な……記憶だ。

 

 

 

 

************

 

 

「おーい、起きろ正輝。もう授業終わっちまったぞ」

 

「ん…あぁ……寝てたのか……ふわぁ…」

 

「はい、おはよーさん。珍しいなお前が授業中に寝るなんて」

 

「うるさい……俺だって寝ちまうことぐらいある」

 

それが珍しいんだよと、友人は言う。

 

「お前が授業中に寝るなんてこと俺は生まれてこの方見たことないぜ?お前、人に迷惑かけたくないが心情じゃねえか」

 

「いやいや、お前が気付いてないだけで俺は結構寝てるはずだ。というか、どこから来たその心情」

 

友人と二人で会話をすると―――

 

「ん?何の話だ?」

 

俺たちの会話が気になった他の友人が声をかける。

 

「あぁ?お前には関係ねえよ。帰れガリ勉」

 

「…それを訂正してもらおうか、この類人猿」

 

「……あぁ?」

 

そしていきなり、二人で煽り始める。

 

「ん?図星でも付かれて切れるか?やってもいいぞ?まあ、私の圧勝だろうがな。今なら、特別に許してやってもいいぞ」

 

「はっ、何を言うかガリ勉。勉強のし過ぎで体が鈍っちまってるくせに。そっちこそ、負けてぼこぼこになるだろうぜ。まあ、こっちは別に構わないけどな?」

 

「……やるか……!?」

 

「やらいでかぁ!?」

 

馬鹿二人が急に喧嘩を開始し始める。

それも教室でだ。授業もHRも終わってるけどもこんなところでやるなと思っていた。

 

「おい、おまえら…」

 

そこ口を挟もうとすると―――

 

 

ガンッ!ゴンッ!

 

彼らの頭に、大きなハードカバーの本の角が振り下ろされる。

 

 

「ぐぁあ!!」

 

「痛てぇ!!」

 

 

振り下ろされた本によって頭を押さえてやっとこさ止まる二人の馬鹿。

 

「……うるさい……」

 

ハードカバーを振り下ろした友人は小さくそう言う。

 

「やめろ!!お前のそれ痛いんだよ!!」

 

「そうだ!そんな強引に止めなくてもいいだろう!!」

 

「私がやってくださいと頼んだんです。強引に止めないと止まらないでしょう。あなたたちの場合」

 

そうやって彼女の後ろから、友人がもう一人やってくる。

 

「委員長かよ。やめてくれませんかねあの止め方。言われりゃ俺たち止まるぜ?あ、こいつは別だけど」

 

「そうです。私たちだって人間ですからね。こっちの類人猿と違ってね」

 

「おぉ?」

 

「あぁ?」

 

「やめんかお前らは……」

 

俺はそういう。さっき自分たちで言ったばかりだというのに二人に止まる様子はない。

 

「―――も―――もすまんな。いつもいつもこいつらに付き合わせて」

 

「………別に…大丈夫……」

 

「もう気にすると馬鹿馬鹿しくなりましたからね。この二人に関しては」

 

二人はそういう。

 

「いや、本当にすまないな。…なんだったら帰りにあそこのカフェでデザートなりなんなり奢るぜ?」

 

「……だったら……ストロベリーサンデー……」

 

「そうですね…でしたら、ビッグサンダースペシャルをお願いします」

 

「お前…その体にどうやってあんな化け物パフェを入れるんだよ…あれ、大の大人でも食べきれねぇってやつだぞおい」

 

「ふふふ、女の子の体は不思議でいっぱいなんですよ?」

 

「……甘い物は…別腹……」

 

そうやって、会話をしていると頭の冷めた二人が会話に入ってくる。

 

「お?何々、おごってくれるのか正輝?だったら俺は、スペシャルパンケーキ食ってみるかな。一度あの化け物サイズのパンケーキ食ってみたかったんだよな~」

 

「だったら、私はバナナサンデーをいただこうか。あそこの物はボリュームがあるからな」

 

「お前らには奢らねぇよ!!なんで、さも当たり前のように奢ってもらおうとしてるんだよ!!」

 

「「そんなぁ(´・ω・`)」」

 

「いや、そんな顔したところで奢らねえからな?食いたきゃ自分で金払え」

 

「あー、わかったよ。さて、授業も終わったところだし帰るとしますか。まってろよ、パンケーキ!」

 

「そうしますか。さて、何を食べるとしますかね」

 

「ホント食い意地だけはお前らよく似てるよな……」

 

「……同族嫌悪……なだけ……」

 

「そうですね……この二人が止まるようになる日は来るのでしょうか……」

 

「止まる日は来ない、現実は非情であるに300ペソ」

 

「……正輝が……止めるに……300ジンバブエドル……」

 

「では、二人が自主的にやめるに300ソマリアシリングで行きましょう」

 

「全員掛け金めっちゃ低いじゃねえか、これじゃ賭け事にならないな………で実際止まる可能性ってあるのか?」

 

「……ないね……」

 

「……ないな……」

 

「……ないでしょうね……」

 

 

 

これが俺の日常だった風景だ。

 

これが昔の友人たちとの虚憶だ。

 

 

************

 

 

 

「……夢か……」

 

懐かしい夢を見た。

友人たちとの日常の夢だ。

 

俺が入院してからも俺のところに来ていた。

大切な友人たちだ。

 

元気にしているのだろうか。

確かめる術はないがしりたくなる。

 

帰りたくないといえばうそになる。

でも、ここにも、今俺が生きている世界にも”友人”がいる。

それを守るためにも、帰ることはできない。

 

…そもそも、帰る方法がないけども。

 

でも、少し元気が出た。

 

「…うっし、今日もがんばるとするか」

 

実憶のはずの虚憶。

確かに大切な記憶だが、今の俺が生きているこの世界も大切なのだ。

 

 




これにて過去の話一つ目終了となります。

スパロボOGシリーズの「虚憶」、「実憶」が絡めやすかったのでこのようなタイトルとなっております。


さて、次回からようやっと本編に突入します。

次回!魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~
第一章 旧校舎のディアボロス

お楽しみに。

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