獣憑きの少年も異世界に来るそうですよ?   作:モグモグラ

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前に更新してから日が空いたなー。


第11話

本拠に戻り、黒ウサギが話をするとジンも耀もやっぱり引き止めた。そこまでは良かった、がそこからカッとなってしまったのか言い争いが始まり、そこに飛鳥も参戦して大事になってしまった。俺と月琉で止めに入ったがすごく疲れた。

結局、頭を冷やす為と、ジンがまとめて謹慎って事となった。

止めもせず、傍観者に徹していた十六夜は、「ちょっくら箱庭で遊んでくる」と姿を消した。あれって帰ってくるの?

それから三日後、俺はキッチンで年長組とお菓子作りをしていた。

飛鳥達が喧嘩した事を言った覚えは無かったが、雰囲気を察していたのか仲直りして欲しくお菓子作りをしてたところに俺が来て手伝いをしている。

「空様は料理が上手なんですね!」

「まあな、元いたとこでやってたバイトでちび共におやつとかご飯とかを作ってたからな。自然と上手くなるよ。」

短期間で仲良くなったリリと話をしながらクッキーの生地を仕上げる。基本的に子ども達に任せ、頼まれた部分のみを俺が手掛けるという感じで作っている。

「それじゃ後は出来るな?」

生地を頼んできた子に渡し、周りに目を向ける。みんなしっかりしてるからあまり心配しなくても良いが、万が一の為にしっかりと見ておく。

「後は、俺がいなくとも出来るかな?」というか仕事はあまり無かったな。やっぱりみんなしっかりしてるな。

「はい。ありがとうございます。」

「「「ありがとー!!」」」

子ども達に手を振りキッチンを後にする。

部屋に戻るとベッドではまだ月琉が眠っていた。

(‥‥いつまで”人”形態でいる気なんだ?)別に悪くはないが。考えながら椅子に座り、右手を目の高さに上げる。

意識を集中。形をしっかりと思い浮かべる。

「‥‥っ。‥‥こんなものか。」

手に握ったクナイを解析しながら呟く。毎朝少しずつ”道具作成”を使ってみたが、大抵のものは作り出せるが、俺の場合は武器や防具は定着させられる。その他も条件付き(何らかの効果、ギフトを付加するなど)なら消滅はしないようだ。

クナイをギフトカードに収納。今まで作ったものも入れてきたからかなりの数の武器、防具が入っている。どれもこれといった銘は持たないが、性能はかなりのものだと思う。

「‥‥ふう。」

一息付き、外に目を向ける。外は雨。湿気で毛が蒸れるのを嫌う月琉が起きたら不機嫌になるだろう。

月琉の機嫌取りに苦労しそうだ、と苦笑を浮かべる。

 

 

戻ってきた十六夜が手に入れてきた宝玉によって”ペルセウス”とのゲームを取り付けることが出来た。

そして数日後、ギフトゲームが始まった。

〈ギフトゲーム名 ”FAIRYTALEinPERSEUS”

・プレイヤー一覧 逆廻十六夜

久遠飛鳥

春日部耀

風魔空

・”ノーネーム”ゲームマスター ジン=ラッセル

・”ペルセウス”ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒

・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏

プレイヤー側のゲームマスターの失格

プレイヤー側が勝利条件を満たせなくなった場合

 

〜中略〜

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、”ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

”ペルセウス”印〉

 

”契約書類”に承諾すると、間を置かずに視界が光に呑まれた。

光が治まると、俺らは門前に立っていた。周りに目を向けると白亜の宮殿は箱庭から切り離され、異空間に浮かんでいた。

「‥‥見られないように、ってそらの得意分野でしょ?」

「ようは暗殺だな。確かにその気になればさっさと終わらせられるけど、それじゃつまらないだろ?」

「もちろんだぜ。」

はは、そうだよな。

「それじゃ、作戦会議か。とは言っても、役割はシンプルに三つ。」分かるよな?

目で三人に問う。

「一つ目は、ジン君とゲームマスターを倒す役割。」

「二つ目は索敵だな。んで、三つ目は」

「囮と露払いね。」

さすが三人だ。

「そういうことだな。索敵は、五感の優れた‥‥つまりは俺や耀だな。」

「うん。任せて。」

「戦力的に十六夜が、戦闘役か。」俺もいけるけど、十六夜が見つかった時だけにしよう。

「あら? じゃあ私は囮かしら?」

不満げに飛鳥が言う。

「そうなるね。飛鳥には悪いけど今回は十六夜に任せてやって欲しい。」

「‥‥ふん。良いわ。今回は任せたわ。ただし負けたら承知しないから」

飛鳥の言葉に飄々と肩をすくめる十六夜。黒ウサギは神妙な顔つきだ。

「残念ですが、必ず勝てるとは限りません。油断しているうちに倒さねば、非常に厳しい戦いになると思います。」

全員の目が黒ウサギに集中する。

「まあ‥‥。何かしらの切り札ぐらいはあるよな。」

「そうです。ルイオスさんの力はさほど。ですが、問題は彼が所持しているギフトなのです。もし黒ウサギの推測が外れていなければ、彼のギフトは「「隷属させた元・魔王(かな?)」」そう、元・魔王の‥‥‥‥え?」

俺と十六夜の補足に黒ウサギは言葉を失った。そ知らぬ顔で十六夜が続ける。

「もしペルセウスの神話通りなら、ゴーゴンの生首がこの世界にあるはずがない。あれは戦神に献上されているはずだからな。それにも関わらず、奴らは石化のギフトを使っている。―――星座として招かれたのが、箱庭の”ペルセウス”ならさしずめ、奴の首にぶら下がっているのは、アルゴルの悪魔ってところか?」

へぇー、そこまで知ってるのか。

「‥‥‥‥アルゴルの悪魔?」

十六夜の話が分からない飛鳥達は顔を見合わせ、小首を傾げていた。

「アルゴル、ラス・アル・グルは”悪魔の頭”の意味の星の事だっけな?同時にペルセウス座で”ゴーゴンの首”に位置する‥‥ああ、だから石化か。」

ポンと手を打ち、納得する。

「十六夜さん、空さん‥‥‥‥まさか、箱庭の星々の秘密に‥‥?」

そんな信じられないものを見る目で聞かないで欲しいな。

「まあな。このまえ星を見上げた時に推測して、ルイオスを見た時にほぼ確信した。後は手が空いた時にアルゴルの星を観測して、答えを固めたってところだ。まあ、機材は白夜叉が貸してくれたし、難なく調べる事が出来たぜ。」

「俺の場合は、元々天体観測は趣味だったから習慣で見上げてたらなんとなく。」

自慢げに笑う十六夜を対照的に、普通のことだと答える。

俺のいたとこは田舎よりだったし、星を見る以外じゃ鍛錬以外やることがなかったからな。

 

そんなこんなでゲームは始まった。

ゲーム開始時に十六夜が門を蹴り破ったからもうじき騎士たちが集まるだろう。

囮を飛鳥に任せ、俺達四人は息を殺して宮殿内を移動する。(月琉は黒ウサギと上で待ってもらってる。)

「待て。」

人が来る気配がしたので手で十六夜達を柱の陰に留まらせる。

「‥‥二人。耀。いけるか?」

耀に目配せすると頷きが返ってきた。

手で合図をして近づいてきた不可視の敵に奇襲を掛ける。

「な、なん‥‥」

「どうし」

騒がれる前に頭部に衝撃を与えて失神させる。

倒れ込む音がし、兜が落ちた。すると虚空から騎士たちの姿が現れた。

「やっぱ兜が不可視のギフトか。」

兜の1つを手で回し、十六夜にパスする。

「ホレ、御チビ。お前が被っとけ。」

「わっ」

兜をキャッチした十六夜がジンに被せるとジンの姿が瞬く間に景色に溶け込むように消えた。

そして耀から受け取ったぶんは自分で被った。

十六夜の姿も消えた。まあ、匂いが分かるからなんとなく場所はわかる。あとカン。

「さて、贅沢言うならば後二つ、いや最低一つは確保したいとこだな‥‥。」

十六夜のつぶやきに同意する。計画の通りに行くなら、最奥に行くのはジンと十六夜だが、万が一の為に保険を作っておきたい。

‥‥まあ、二兎を追うものはなんとやらだしね?欲は欠かないでおこう。黒いウサギは一兎しか知らないけど。

〜月琉side〜

 

場所は変わり、宮殿最上階。

そこで”ノーネーム”の挑戦者を待つルイオスと黒ウサギ、月琉。

ルイオスに関しては、挑戦者が此処まで到達するとは予想もしていないようで、玉座にふんぞり返っていた。

(‥‥あの人は、誰を敵にしたのかりかいしてないね。)

ルイオスに哀れみの目を向ける月琉はルイオスが敵に回した問題児達、特に自分の主にあたる少年の事を考えていた。

他三人の問題児に負けず劣らず、下手すれば常識のある分一番の問題児ともいえる青い瞳の少年。月琉の知る限りでは天才とは彼にのみ与えられるべき呼び方である。ただ本人にやる気がないという点さえ除けば。

(うーん‥‥。そら自身が気づいてないけど、そらの持つ力は危険だよ。)

誰よりも長く共にいたからこそ、月琉は無意識に空の持つ潜在的な力、ギフトがどんなものかを感じとっていた。

使い方によっては箱庭全域を崩壊させかねない、と。

(ここの言葉でいうなら、”魔王”だね。)

その存在になり兼ねない、月琉はそう考えていた。

 

〜sideエンド〜

 

(? ‥‥何か違和感がするな?)

騎士を処理しながら進んでいくと、理由の分からない違和感を感じた。

なんというか‥‥気配が無い気配というか。念の為にそっとフードを被り、柱の陰に潜んでから、九尾の力を一部だけおこす。

(! これは‥‥何かいる?)

異常なまでに強化された五感が違和感の正体を突き止めた。

その事を伝えようと、

「どうだ、春日部。分かるか?」

「ううん‥‥飛鳥が暴れている音や、ほかの音が大きすぎて‥‥‥‥わ!?」

伝える前に、耀が襲撃を受けてしまった。

耀が吹き飛んで俺の近くの壁に叩きつけられた。

即座に十六夜が蹴りを放つが既に移動したようで、虚空を切った。

(‥‥耀はアウト。だが、このままじゃ俺も十六夜も見つかるか。)

幸い、襲撃者は俺には気づいてないようだから、正確な位置さえ分かれば倒せる‥‥か。俺が見つかるが、十六夜が無事なら勝機はあるしな。

が、その前にこちらに注意が向いてないわけだし、今のうちに耀を助けないと。

柱の陰から出て、耀を抱き上げ、柱の陰に連れてくる。

「大丈夫か?」

「うん。でも十六夜が」

肺を打ったのか、辛そうに咳き込んだ声で応えた。

「十六夜の援護は俺がする。耀は休んどけ。」

そう言い、手当たり次第に虚空を殴りつける十六夜に目を向ける。

(あっ、そういえばジンは‥‥と。)

ジンの匂いを辿ると、反対側の柱の陰で息を潜めていた。下手に動き回ってなくて良かった。俺達がバレるのはゲーム的にはセーフだが、ジンがバレたら即ゲームオーバーだからな。

ジンの位置を確認し、更に九尾の力を発現させる。尻尾が出るまで発現させると、薄らと襲撃者の輪郭が見えた。十六夜ははっきり見えた。

とりあえず‥‥九尾の力がスゴすぎる。

十六夜から離れたところにいた。手には人間大の鉄槌。‥‥あれで殴られてよく耀は意識を保てたな。

(でもまあ、後ろがお留守なのはどうだろうな?)

警戒しないの?‥‥あれ?もしかして俺の存在って忘れられてるの?だったら半切れで暴れた末に泣くよ?いや例えだけどね。

「無視すんなキッーク!」

とにもかくにも近づいて脚力に物を言わせんばかりに蹴りとばす。

「ぐふぉ‥‥!?」

重い鎧を来てるにも関わらず吹っ飛んで壁に激突した。その拍子に兜が落ちて姿が現れる。

うん‥‥。とりあえず蹴りとばした本人の俺が驚愕したわ。ここ迄の威力とはね。

「くそっ。そっちにいたのかよ。」

十六夜が悔しそうだった。その言葉で驚愕から復活。

「ええと‥‥、どうしようか?」

襲撃者‥‥見たところ歴戦の騎士だが、見事に伸びちゃってる。

‥‥そっと靴の形にへこんだ鎧の背中から目を逸らす。オレハナニモミテナイ。

とにもかくにも、三つ目の不可視の兜を手に入れて俺も被って、奥に進む。




作者「主人公なのに存在をスルーされるwww」
空「納得いかないんだけど?」
作者「いやさ?私もこんな展開にする気は無かったんや。勘弁してくだ」
空「‥‥有罪( ^ω^ )」
作者「(´;ω;`)ソンナ~……」


遅くなりましたが、無事に更新できました。
次? いつになるのやら。
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