今回は空たちは出てこないと。
「‥‥それで、オレに探せと?」
ため息をつき、恩人に聞く。
「ああ。すまないが。流石に半月も姿が見えないのは、放任主義だとしても不安でね。」
「分かりましたよ。あんたには恩もあるからな。」
そう答え、座敷から出る。
「ああそうだ。估(あきな)を尋ねるといいよ。」
軽く会釈して、廊下に出る。
「ったく。あのアホは何処へ行ったんだか。」
自分の弟分の少年に届かない苛立ちをぶつけながら、つぶやく。
向かう先は決まっている。
「估か。 あの人は苦手なんだけど、しゃあねぇな。」
估は自分とアイツ、風魔空の陰陽術の師だ。多少どころではない変人なので、会いたくはないが、今回の件でおそらく知ってるだろうし、と一際大きなため息をつく。
「陰陽術は一流なのに‥‥、どうして性格が残念なんだよ。」
思い出せば、空の式神を作る手伝いをしてた時も、趣味丸出しだったし。
考えれば考える程、欝になってきたが、目的地に着いたのでひとまず考えるのをやめた。
「ジジイ、いやがるか!」
「ドアを蹴破りながらいうセリフではないだろ!?あとジジイ言うな。」
奥の部屋から返事が返ってきた。
「残念だったな。ドアノブ掴んでドアを引っこ抜いただけだ。」
「のォォォォ!!ちょおま、何してんだよ!?」
ドタドタ音を立てながら、四十代程の男が奥から出てきた。
「お、お前‥‥毎回毎回、何かしら壊さないと気が済まないのかよ!?」
「良いだろ。後で直しとっからよ。」
「ならいいや」
いいのかよ……
あっさりとした態度の男にため息をつく。
「それで……と、あの件か?」
「知ってるならさっさとしろ。」
「頼む態度じゃないよね!?」
オーバー気味に肩をすくめ、男こと估は叫ぶように言った。
「んじゃ、ちょっとその前に、ドアを直してくんない?」
「あいよ。」
いつも持っている工具でドアを修理する。
何でもってるかって?いつも何か壊すからだよ。わりぃーか。
◆
ドアを修理した後、離れの小屋に連れていかれた。
「それじゃ、この真ん中、座ってくれるかい。 」
言われた通りに札で作られた魔法陣の中央に座り込む。
「……こいつはなんだよ?」
尋ねてみたが、無視しやがった。
「それじゃヾ( ゚∀゚)o いってら~☆」
「は? ……!? おい!待てや……」
言葉の意味が分からず、眉を顰めていると魔法陣が発光し始めた。
止める間もなくオレは光に包まれた。
「―――ッ! し、シャレになんねえじゃねえか!」
空中に投げ出されて落下しながら、叫ぶ。
「あんのックソジジイ!後で覚えてやがれよ!!」
地面に叩きつけられる前に手を打つ。
霊力を両手に集め、空気を叩く。
ドゴォォン!!と爆音を立てて、周囲の木々と下に広がる湖が吹き飛んだ。
勢いを殺したことで着陸する。
「……で、何処だよここ。」
背後で水が落ちる音を他所にオレはぽつりとつぶやく。
新キャラ登場です。
おそらくこれが今年最後の投稿だと思います。