僕には、年の離れた姉さんと双子の兄さんがいる。
2人はどちらも優秀だった。
姉さんは近所の頭がいいらしいお姉さんと友達でとても強く賢い。一を見て十を知るができるような人だった。
兄さんは姉と同じく頭も力も優秀で町の人たちからは『神童』などと呼ばれて、彼も姉さんと同じく一を見て十を知ることができるような人だった。
3歳の頃で既に僕と兄さんとでは天と地との差が付いていたらしい。
そして僕は全てが『普通』だった。
何をやっても平均的。
勉強も遊びも力も交友関係も···全てが『普通』と呼べた。
それは優秀な2人にとって " 何も出来ていない " のと同じだった。
小学校から姉さんに連れられ入った剣道道場でも勝ったり負けたり、もしかすると負けた方が多かったのかもしれない。
その頃に姉さんが兄さんと僕に言っていた言葉がある。それが──私の家族なら常に完璧であれ──だった。
それに比べて兄さんは全戦全勝。同い年や一つ二つ上の子達にも余裕で勝利を収めていた。姉さんも同じ。
僕が負けた時、兄さんは笑っていて、姉さんは──努力しろ、と言われた。
テストで初めて良い点数をとった時、姉さんにそれを見せると──お前の兄は満点だった。努力しろ、と言われ、少したってからテストで今度は満点を持った時には──それが当たり前だ、と言われた。
その時に僕は思った。
───これはまだ『普通』な事で、完璧ではないのだと──
それから僕は否定されたことを努力で一つひとつ直していくことにした。
僕が思う完璧は兄さんに、そして姉さんに褒められることだと思った。
だから努力した。それしかなかった。
まだ足りない。
それでもいろんな人に否定され続けられ、褒められることは無かった。兄さんにも。姉さんにも。
いつしか姉さんはあまり家に帰ってくることが少なくなった。
そのくらいの時期に、兄さんが僕に『
──お前は俺と姉さんの言うことを聞いて動くだけでいい──
この時から2人は僕にとっては絶対的なモノである存在になった。
小学生を卒業しても、中学生になっても褒められることは無かった。
完璧に、完璧に、完璧に、完璧に、完璧に、完璧に、完璧に、完璧に、完璧に······
ある時、そう姉さんがとある大会に出場した時、僕と兄さんは拉致られた。
突然だった。なにか布のようなものを口に当てられ気がつくとどこか廃工場のような所の中心に僕と兄さんは椅子に縛られていた。
周りには黒服の男たちが数人武器を持っていた。
ああ、まだ僕は完璧になれていなかった。
いつも護身用に持っていたナイフで紐を切り、男達を殺した。武器を持つ手首を切り、首を切っていった。
これが兄さんの手を煩わすわけには行かないと思ったから行動した。
それでもまだ完璧にはなれないようだ。
全てを見ていた兄さんからこんなことを言われた。
──ば、化け物···──
やはりまだ足りない。ただ何が足りないのか自分でも分からない。
完璧にならなくては······そう完璧に···
「はじめまして。『