幻想郷で傘屋始めました。   作: 空乃

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 妖々夢のプロローグ的なものです。


冬はまだ終わらない。

 一面雪景色とはまさにこの事、銀世界となった幻想郷、ある者は犬と同じくはしゃぎ回り、ある者は雪景色にうんざり、そして傘屋さんは炬燵で丸くなっておりましたとさ。

 

「うぅ……、ぐぅ……」

 

「ご主人、こたつで寝ちゃダメですよ!」

 

 眠気に襲われ、炬燵で寝てしまった僕を、椛は激しく揺すり起こそうとする。確かに寝てはダメなのだが……、この丁度良い温度が僕を、安眠へと誘うのだ。

 抵抗は無駄だ、冬はやはり炬燵に限る。日本の良い文化だよ……、そしておやすみ。

 

「……ぐぅ」

 

「起きない……」

 

 起きないのではない、起きれないのだ。

 

 

 

 

 

 

「……はっ!?」

 

 真上にあったはずの太陽は、既に地平線に沈みかけており、部屋はオレンジ色に染まっていた。どうやらあのまま寝ていたらしいく、隣にモフモフの尻尾が……。

 

「……お前もかよ」

 

 椛の頭を叩き、外で遊んでいるこいしを連れ戻すように言う。そろそろ夕飯作らないと、今晩のメニューは何にしようかな〜?

 

 

 買出しを忘れていた僕は、残り物のもやしでもやし炒めを作った。もやしオンリーでも炒めればもやし炒めなんだよ、取り敢えず今晩はそれで凌いだ。

 だが、同居人達からは大ブーイング、本当にすみませんでした。

 

「散々な一日だよ……」

 

 今日の出来事を書いた僕は、日にちを書く。

 

「三月……十二日……っとぉぉぉ!?」

 

 今日気付いた、今気付いた、そして数分の思考。

 やっと理解する、これが『異変』なんだと。どうして今まで気づかなかった? 暦的にはもう春だ、なのに雪解けの気配は無く、まだまだ冬だと言わんばかりに氷精がはしゃぎ回っているではないか。

 

「……明日、どうするかなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―◆―

 

 

「異変解決してみない?」

 

 傘屋に紫さんが来た。

 

「専門家がいるんでしょう? その人に頼めばいいじゃないですかぁ」

 

 思考時間ゼロで、用意してあった台詞を暗唱する。

 昨晩考えた結果、異変解決という事は弾幕ごっこ、すなわち戦う事、つまり『危険』と考えが行き、それなら博麗の巫女等の専門家に任せれば良い、と言う事になり寝た。

 僕まだ死にたくないし、ソレを生業としている人がいるならば、その人に任せれば問題ないじゃないか、だが今日店を開けてみれば、八雲さんが押しかけてきて、僕に異変解決をしろだのと、意味の分からない事を言ってくる始末。

 

「霊夢は炬燵で丸くなって動かないし、魔理沙は音沙汰無いのよぉ!」

 

「あらら、それは大変ですねぇ」

 

「だから!他人事みたいに!」

 

「他人事ですし」

 

 暖かい部屋で、熱いお茶を飲む。冬はこれで幸せだ、と言うかこのまま冬でも問題ない無いじゃないか、それならいっそ炬燵で丸く……。

 

「異変解決協力で、特注傘十本分の報酬……」

 

「是非、行きましょう」

 

 今年入って最高のイケボでそう答えた。

 

「ご主人、身も蓋もないですよ……」

 

 




 これだけ時間を置きながらこの文字数、まぁいつもの事ですね。

 今回の異変は3月となっておりますが、原作の発売は8月です。比較的原作の方で細かい描写が無い限り、発売日に異変の開始とする事にします。
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