えーと、一応今回三人称視点らしきものをを挟んでます。
こんなの三人称視点じゃねえよ、という方修正したいので教えてくださると嬉しいです。
朱色に染まる空の下、人里を歩く
時は夕暮れ、夕飯時である為人通りは其処まで多くはない
フッと何かが日を遮る
不思議に思い顔を上げると其処には『 』が見えた
「……え?」
ブシュ、という音を鳴らし目の前の男性が血を噴き出しながら倒れる
脳の処理が追いつかない、何が起きているのか、整理する間も無く惨劇は続く
「なっ、ひいぃ!」
「あ、あぁぁ!!皆、逃げろ!逃げるんだ!!」
人々の絶叫した声が響き渡る
何が起きてるのか分からない内に次々と『 』により肉塊へと変貌していく人々
幾つもの断末魔の叫び、絶叫、悲鳴、が飛び交う
地獄絵図、阿鼻叫喚、死屍累々────
考え得る言葉など幾つも思い浮かぶ
その情景は一言で言うならば
『地獄』
ばたばたとまるで人ではなく物のように倒れ、飛び、切り裂かれ、潰され、突き刺される人々
呆然と見つめる事しか出来ないでいる女性へ近づく『 』
「くっ……あ……◼︎◼︎……っ!!」
我に返り走り出す
既に周りで起きているものなど、否、動いているものなどいなかった
唯々、足を前へと動かし続けているのか縺れながらガムシャラに走っている
息が切れ、苦しくなろうとも足を止める事はなく前を目指して進む
もう少しで出口、せめて彼処まで辿り着けば、そう考える女性の願いは届く事はなかった
「……っ」
目の前にいるのは絶望、先程まで村人を貪るようにぐちゃぐちゃの肉塊に変えていたモノ
──逃げられない、此処で死ぬ
思考が、本能がそう告げる
絶望が近づき、そして私は訳も分からず終わりを迎えた────
◇◇◇
光が視界に入り目が覚める、ふと違和感を覚え辺りを見渡してみると見慣れない部屋であった
眠気を払うように首を振り、此処は上白沢さんの家だという事を思い出す
「今起きたのか……?朝、早かったからそのままにして出たがよもやそのまま寝ているとは呆れたぞ」
「ん……あれ、今どのくらいだ?」
軽くぼーっとしていると上白沢さんが扉を開けやって来、溜息をついた
「昼過ぎだ。全く……取り敢えず私はこれから再び寺子屋に行かないといけないんだが、零一はどうする?」
「うげ……そんなに寝ていたのか。なら俺ももう出るよ。妖夢を探さないと行けないからな」
「そうか。ならまた人里に来た時に遠慮なく家に来てくれ。いつでも歓迎しよう」
「ん、色々とサンキューな」
「あぁ、そうだ。もし見つからなかったら昨日言った博麗神社に行くと良いだろう。そこにいる巫女がきっと力を貸してくれるはずだ」
「えーと……それどうやって行けば良いんだ?」
「人里から出て道なりに進むだけだ。ただ少しだけ遠いから道中気をつけろよ」
遠いらしいが今は昼過ぎ、暗くなる事はないだろう
ゆっくりでも大丈夫か、と楽天的に思考を巡らす
◇◇◇
家を出て人里を歩き出入り口へと向かう
回っていて気付いたがどうやら出入り口は一つしか無いようだ
周りは簡易的な柵に覆われているが正直妖怪相手には役には立たない代物だろう
恐らく、此処からが人里という仕切りの役割しか持たないのではないだろうか
飛べる人間もいるのだから妖怪が飛べてもおかしくないので実際防御力など皆無であるという事だ
「あれ、零一さん?」
「稗田?寺子屋はどうしたんだ?」
こんにちはと挨拶をして来たのは可愛らしい少女、昨日振りである稗田 阿求であった
何処へ行っていたのか手には本を重そうに抱えている
「私、寺子屋には行ってないんです。基本的に授業が免除されてるので」
「免除……?っとそれ重そうだな。俺が持ってやるよ」
ひょいと抱えていた本を取り、代わりに抱える
数冊であった為か其処までの重量を感じる事は無かった
「あっ、有難うございます」
「良いって良いって。此れは家まで持って行くのか?」
「は、はい。あの……お願いしてもいいですか?」
「勿論、断る理由はないから行こうか」
行き先を出入り口から稗田の家に変更し二人並び歩き始める
「あの、零一さんって何処から来たんですか?」
「何処からって幻想郷の外にある世界からだぞ。俺からしたら元の世界、帰るべき世界と言った方が良いか」
「……東京ですか?」
「いや、京都……あれ、知っているのか?」
「いえ、何でもありません。あ、此処です。着きましたよ」
何かからはぐらかすように稗田の家への到着を告げる
不思議に思いつつもそういう事の書かれた書物もあるのだろうと内心で勝手な仮説を立て大した追求をせず、案内されるがままに中へと入った
無駄に大きな門を潜る、白玉楼とまではいかないが広く大きい屋敷のようだ
此れは思った通り有力者の娘なのだろうか
「──な、ぐっ……」
突然、頭部へ鋭い痛みが走り景色が揺れる
稗田の声が聞こえ、その声が遠く、遠く、遠く……
そして聞こえなくなった────
◆◆◆
慣れた手つきで書物へ文字を書き込んで行く一人の少女がいた
しかしノイズが時折走り少女の顔は見えない
其の少女は古風な和室で一つしかない机へ向かいさらさらと筆を進めている
「ふぅ……」
作業を終え一呼吸置くと書物の隣に置かれた湯呑みを手に取った
中には先程淹れたばかりの日本茶が湯気を立てながら注がれており、それを少しばかり口へ含む
程よい苦味とほんのりとした甘みが広がり、疲れを緩和させてくれた
「この後──」
立てていた予定を口に出そうと声を出すがそれが最後まで聞こえる事はなかった
ばたばたと何やら外が騒がしい
何かと思ったのか少女は立ち上がり、庭が見える障子を開け放つ、其処には──
『 』がいた
「何……あれ……」
目の前の光景が飲み込めない様子でぽつりと少女が呟く
庭にはお付きの者であろうか、刀を持っていた男性が数人、血を流し倒れている
中には肉塊と化し、原型を留めていないものまでいる始末である
もはや現実とは思えない光景に思考が停止し身体が硬直しているのか少女は動かない
──逃げなきゃ
動かない、徐々に近づく『 』
──動け
動かない、既に目と鼻の先に迫り触れるか触れないかの瀬戸際まで来ている
──ウゴ、け
動かない、視界は既に覆い尽くされ景色など見えない程まで接近され今にも襲い掛かられる一歩手前という距離
其の光景にザーッとノイズが走り始める
──と……ザーッ────
少女の声とノイズが重なり雑音を響き鳴らす
景色がぶれ始め、まるでテレビ画面のように波打ち始めた
徐々に酷くなるノイズ、やがて其れが砂嵐へと変わり…………プツンと電源が落ちるように暗転した────
◇◇◇
「──っ、はぁ……はぁ……」
よく分からない何かが見えた……気がした
しかし其れは断片的であり、思い出そうとすると鋭い痛みが頭へ響き渡る
幻視と言えばそうなのかもしれないが妙にリアルな光景であった
「れ、零一さん大丈夫ですか!?」
いつ屈み込んだのか、目線は下を向き隣から稗田の声が聞こえてくる
まだ荒い呼吸を整えつつ顔を上げると心配そうな顔で稗田が覗き込んでいた
「……大丈夫。少し頭痛がしただけだから……平気だ」
「ず、頭痛?ちょうど着きましたし休んで行ってください!」
「……いや、もう痛みもないから平気だって。それにこの後行かないと行けない所があるんだ」
立ち上がり落としてしまった本を拾い悪い事をしてしまったと思いつつ埃を払い落とす
痛みは既に治まり、先程までのものが嘘のように感じてしまう
あの
ノイズにより細部が見えなかったが不可解な光景であった
思考を振り払うと稗田へ本を渡す
あまりゆっくりしていると日が暮れてしまう
「本当に大丈夫ですか……?辛かったら言ってくださいね」
「あぁ……大丈夫。じゃあ稗田、俺はもう行くから」
別れを告げ、大きな門を潜り抜ける
再び切り替えて行こうとパシンと両頬を叩いた
「……痛い」
強く叩き過ぎたのかじんじんとした痛みがくるが先程までの疑念を振り払う事は出来たようだ
きっと此れは幻想郷という不思議な世界が見せた現象だろうと割り切る事で自己解決し歩き出した
出入り口へ向かいながら人里内を見ていたのだが妖夢の姿は無かった
もしかしたら白玉楼へ一度戻ってしまったのかもしれない
「……仕方ない。博麗神社とやらへ向かうとするか」
善は急げ、足取りを軽くし出入り口を潜り抜ける
舗装など一切されていない、デコボコとした砂利道を一歩踏み出す
アスファルトでは鳴らない音を鳴らす道を先程までとは打って変わり呑気に歩く
それも無理はない、道はボコボコだが周りの景色は良く更には昼寝をしたら気持ち良く寝れそうな気温なのだ
見渡す限り妖怪は愚か動物の影すら見えず、危険になり得るものなど無さそうなのである
しかし問題なのは時間を食い過ぎたのか日が傾き始めている
後数時間もすれば夕方となり、夜となってしまうだろう
「ま、一時間もあれば着くだろうし大丈夫か。それにしても妖怪もいないし平和で結構、結構っと」
「そうなの?」
「そうそう。平和の方が……って、え?」
唐突に聞こえた返事へ驚き声の主を探す為に辺りを見渡す
だが見つける事が出来ず、焦りが生まれ始め困惑した表情に変わる
「上だよ。上、ほらほら」
「上……」
声の通りに顔を上へ向けると、其処には黄色のボブヘアーに黒を基本にし白を被せたロングスカート、左側の頭部に赤いリボンを付け極め付けに瞳が赤い少女がふよふよと浮いていた
「……何だ女の子か。そんなとこにいると下着見えるぞ」
「うわー、変態だね。お兄さん」
実際には見えて無いのだが焦りを隠す為に冗談混じりに返した
少女は恥ずかしがる事も無くゆっくりと降り地面へ足を付ける
飛んでいた事に関してはもう驚く事でもないがまたしても少女、おそらく妖夢よりも小さい
そんな少女すら飛べる世界、もはや何でもありなのだろうか
「変態というのは変な態度と書いて変態。つまり変な態度を取っていない俺は変態ではない」
変態と言われて嬉しい訳がない為、謎の持論を持ち出し否定をする
正直、自分でも何を言ってるか分からない
「あははっ、お兄さん面白い事言うんだね。私はルーミア、よろしく────っ」
自己紹介しながら近づくルーミアと名乗った少女、しかしバチッという音がしたかと思うと弾かれるように後ろへと下がった
「……油断したわ。まさか結界を張っているなんてね」
「……結界?」
その言葉からある結論が思い当たる
ポケットから取り出したお札が仄かな光を発し、何かに反応するかのように『博麗神社』の文字が点滅していた
危険から守ってくれると八雲さんは言っていた事を思い出す
という事は目の前にいるのは妖怪であると単純に考えられるものだ
「まさか妖怪……なのか?」
「あら、やっぱり分かってなかったみたい。失敗しちゃった」
「どういう意味だ?」
「お腹の空いた私の前に美味しそうな物が来たから食べようとしただけ。自然の摂理、そうでしょ?」
当たり前とでも言うかのようにすらすらと言葉を口にするルーミア
妖怪というものはこうも本能のまま、思うがままに行動しているものなのだろうか
俺には其れが理解出来ず、困惑し返答する事など忘れ呆気に取られてしまっていた
「……あら、理解出来ないって顔してるわね。別にしなくて良いわよ。さて仕方ない、今日は妖精達と仲良しごっこしに行くとするわ」
ぽかんと状況が追いつかない中ルーミアはそう告げると飛び立ち行ってしまう
「……何なんだ一体」
後に残ったのは立ち尽くす俺とぽつりと呟いた言葉だけであった
はい、謎回ですね(真顔
どういう事なのか分かって貰うために考えたのですが分かった人いたら素直に驚きしか出ないと思います。
ちなみに分かった方はメッセージの方へ←