文字数が多くなっているのかといえばそうではなく4000文字のまま…で、でも継続していきますので、、、
あまり長たらしい前置きせず早く始めろや、と言ってくださる優しい方の為ここで黙ります。では読んでくださったら幸いです。
ルーミアとの一悶着(?)の後舗装のされていない道を歩く事一時間、日が傾き辺りが朱色を通り越し薄暗くなり始めた頃神社へ続く長い階段へと辿り着いていた
「……なんだこれ。長いにも程が……ん?」
何処かで見た
何処かで見たような、ふわふわとした記憶を探り当てようとするがどうしても出てこない
あと少し、其処まで来ているのに靄がかかっているのかぼんやりと『見た事がある』という感覚しか出ず妙な違和感を覚えてしまった
「おかしいな……。何処かで見た事が……あるようなないような……?」
暫く立ち止まり記憶を探っていたが思い出せないと踏み、目の前の長い階段を登り始める
空を飛べればこんな階段などひとっ飛びなのだろうが生憎俺は飛べない為、階段の上に見える鳥居を目指し最後の一踏ん張りと言わんばかりに足を動かす
「はぁ……何でこんなに階段長いんだ。これじゃ参拝客も来ないだろうに……」
愚痴を零しながら登っていると上から話し声が聞こえてきた
どうやら誰かが話しているようである
「──彼処に出来た館見に行かないか?」
「嫌よ。面倒くさい」
「なんだよー、つれないなぁ。もう私1人で行くかんな!お宝見つけてもやらないぜ!!」
その言葉の後、鳥居の上を箒に乗り白黒の服を着た金髪の女の子が飛び去って行った
あれは魔女というものなのだろうか
神社に魔女、ミスマッチな気がし、幻想郷というものが分からなくなってきてしまう
「……まぁ、良いか。さて後もう少し」
階段を登り切るとやっと鳥居全体が見え、神社の全貌が見えた
鳥居から社殿まで真っ直ぐに伸びた参道、一般的に見る神社と代わり映えはしないようだ
「あら、もしかして参拝客……ではないようね」
声をかけられ神社から目を外し声の主へと目を向ける、すると其処には肩よりも少しばかり長い髪に赤いリボンをつけ、顔の両側を一房髪飾りで結わえた黒髪
赤と白の巫女装束らしき物を着ている女の子が境内を掃除していたのか箒を持ちつつげんなりとした様子で声をかけていたのだ
なお、巫女装束らしきというのは腋の部分が露出している特徴的なデザインであり、コスプレであるように感じたからである
「あー、えーと君が博麗 霊夢?」
「えぇ、私が……」
そう言い掛けると何かを思い付いた顔をし、再び言い直し始める
「いえ、私は博麗霊夢じゃないわ。霊夢はさっき飛んで行った白黒の女の子。良い?白黒の女の子が博麗 霊夢よ」
念を押すかのように先程の白黒の女の子が博麗 霊夢だと言う目の前の紅白の女の子
しかし、そうなると折角此処まで来た意味が無くなってしまう
「うわ、という事は入れ違いか。参ったな。どうするか……」
「大丈夫、場所は分かってるわ。霧の湖の湖畔にある赤い館に行ったのよ」
「霧の湖?」
「そう、霧の湖。此処から見えるでしょ。ほら、其処よ」
指を指した方へ視線を向けると確かに湖が見える
いや、それよりも此処から幻想郷全体が見えそうな程遠くが見渡せる事に驚いてしまった
大きな山に先程の湖、人里までもが見え、夕暮れにより絶景と言える景色になっている
「おお、凄いな此処。殆ど見渡せるじゃないか。取り敢えず、彼処に見える湖が霧の湖って事か」
「そういう事。今日はもう帰って来ないらしいからさっさと追った方が良いわ」
「……え、今からか?」
「そうよ。私は此処を管理している訳じゃないからどうこう出来る訳じゃないの。だから早く行った方が良いんじゃないかしら?」
既に辺りは薄暗い、此処で待たせて貰うのが安全なのだが来ないのであればまた別の話になってしまう
折角此処まで来たのに待ち惚けを食らうのも癪である
其処でふとポケットの紙切れを思い出す
此れがあれば大丈夫なのではないか?先程の妖怪にも対抗出来ていた
ならば多少の危険だろうがメリットを得られるのではないか
「……あら、そのポケットの中にある物見せてもらえない?」
「え?あぁ、ほら」
ポケットからお札を取り出し紅白の女の子へ手渡す
「──え?」
手渡しの瞬間、手が触れた
ドクンと懐かしい感覚、何かが似ている感覚が襲い掛かる
──何処かで会った……?
何かに囚われるように惚けていると声が掛けられ我に帰る
「──ねぇ、どうしたのよ。ほら、もう良いわ」
「あ、あぁ……。えーと、何をしてたんだ?」
「……別に。其れから霊力を感じ取ったから確認しただけよ」
霊力を感じ取れる、つまりこの子も妖夢のように弾幕ごっこが出来たり飛べたりなど常識外の事が出来る子なのだろうか
お札を返されポケットに再び突っ込む、ちらりと見たが特に変化もなかった為気に留める事はなかった
「っと、悪い。早いとこ行かないと、じゃあな」
夕日が西の空へ沈むのを確認し、急ぎ階段を降り始める
「えぇ、会えたらまた会いましょう──」
◇◇◇
博麗神社を後にし暗くなった道無き道を歩く事数分、霧の湖らしき物が見えてきた
「……やっとか。後は館とやらを探すだけ、と」
月明かりが反射され、神秘的な満月を映す湖を沿って歩く
と言っても湖に寄り過ぎてしまうと足元が
既に日は沈み空を照らすは満月、空気が澄んでいるのか星々が爛々と輝いて──いたはずだった
いつからなのか空を紅い霧がまるで光を拒むかのように覆い尽くしているのだ
そのせいか空にあった星々は見えなくなり満月が赤く光り輝いているように見える
「なんだ……これ」
心無しか辺りの気温が下がり始めたように感じ身体を震わせる
明らかな異常事態に焦り、辺りを再度見渡す
「あれは……館?」
視線の先、湖沿いにどんと立派な館が建っている事に気づく
少々距離がある為全貌までは分からないのだが此処から見て分かる事は兎に角、赤い
まるで血で館を塗りたくったのか此方から見る限り館の壁面や塀、屋根までもが全て赤いのが分かる
おそらくあれが先程のコスプレ紅白少女が言っていた赤い館であろうと判断し急ぎ足で向かう事にしたのだった
◇◇◇
「……近くで見ると更に大きく見えるな。何故博麗神社から見えなかったんだ……?」
近くに来た所その館は大きく更に赤い為、遠くから見れば見えるはずなのだが、先程博麗神社からの景色には見えず疑問が浮かぶ
博麗神社があるであろう辺りを見ると山の中腹、開けた所に建物らしきものが見えるので見えないはずはないのだが……
思考に耽っていると門の辺りに人影が倒れているのを発見し、確認をする為ゆっくりと近づく、するとそこには
「……チャイナ服を着た……女の人?」
赤く長い髪に『龍』と書かれたバッチのような物を付けた帽子を被り、チャイナ服と言うべきか緑を基調とした服を着ているのだ
……ただ何があったのかボロボロになり、気絶しているが
「えへへ……咲夜さん。もう食べられませんよー……」
寝言を聞く限り大丈夫そうであるが介抱をしようか一瞬迷う、しかし此処で倒れているという事自体がおかしな事である為か躊躇してしまい行動出来ずにいると目の前にある館の存在を思い出す
目の前で倒れていたのだからおそらく何かしらの関係者であろうと無理やり決め付け倒れている女性を抱え上げ背負う
幸いな事に一定期間鍛えていた俺の身体で難なく持ち上げる事が出来、安堵しつつ館の外門を開け中へと入り、正面玄関であろう扉を押し開ける
鍵は掛かっておらず、すんなりと開き中へと入る事が出来た
「……中も赤いのか。この館の主人はどういう嗜好をしているんだ……。それに誰もいない……気味が悪いな」
実際に会った事は愚か見た事や聞いた事すら無い為、間接的な想像しか出来ないのだが、そうであってもこのチカチカするような目に悪い色にしなくても良いのではないかと思うのものだ
無駄に豪華な物品を眺めつつ勝手に入る事に若干の遠慮を感じながらも、何処かこの女性を休ませられる部屋はないかと赤い廊下を奥へと進む
「探すと言っても見た所、部屋は沢山あるな。まぁ、手近な部屋を使わせてもらおう」
一応ノックをし、返事が無い事を確認すると扉を開ける
中は休憩室なのか、ソファにテーブルという休憩に必要な物だけが置かれている部屋であった
あわよくばベッドが良いと考えていたのだが床に寝かすよりはマシだろうと思い、ソファに横になるように寝かせる
擦り傷などがあったが道具も無くそんな事している場合ではないからかそのまま置いて部屋を出る事にするのだった
「博麗 霊夢を探さないとな……。おそらく此処にいるはずだ」
一人そう呟き、長く赤い廊下を再び歩き出す
すると突然物陰から人影が飛び出して来、何やら叫びのような鳴き声のようなものをあげている
「──!──!!」
「な、なんだ……!?」
見た所俺の身長の半分以下、そしてメイド服を着用し背中の方からは羽が生えているメガネをかけた子ポニーテールの子など様々な小人のような子達が宙を浮いた状態で現れたのだ
「もしかして此処で働くメイド……なのか?」
俺の問い掛けに答える事無く小人達は謎の声をあげながら今にも飛びかかると言わんばかりに睨みを利かせている
「くそっ……聞く耳持たずか。此処は……逃げるが勝ちだ!」
くるりと踵を返し走り出し、迷路のようになっている廊下を疾走する
ちらりと後ろを振り向くと宙に浮いたまま追ってきているのが窺え、慌てて走る速さをあげ角を曲がった所にある部屋を開け放ち、敢えてその隣の部屋へと扉を閉め入る
まだ一階、何か部屋にあれば良いが無ければ窓からの逃走も考え少しでも時間稼ぎ出来ればとの行動である
何か無いかと部屋を見渡すとそこは物置きなのかごちゃっと物が乱雑に置かれている
見渡してる内に隣の部屋から先程の声らしきものが聞こえてきた事から上手く時間稼ぎは成功しているようである、だがそれも時間の問題である
幾ら何でも近過ぎる、そして実際隠れられてはいない為扉を開けた瞬間にバレてしまうのだ
「何か……何か無いのか……!?」
慌てて近くにあったロッカーを開けると其処は掃除用具入れなのか、箒やモップ、雑巾、バケツなどが入っていた
何でロクな物が入って無いんだ、とパニックになっていると次の瞬間、バン!!と大きな音を立て扉が開かれた音が背中から聞こえてきたのだ
その音に驚きロッカーに手を突っ込みある物を取り出す
その取り出しくるりと振り返り構えたた物は──
──紛れもなく見間違える事もない、床掃除に使うであろう新品の『モップ』であった
主人公の武器が決定しました!
【モップ】です。間違える事無く手に取ってしまったので誰が何と言おうとモップです(真顔