クラスメイトはイタリアンマフィア!? 作:cibetkato
それは、クラスメイトの一言から始まった。
「なぁ、その~・・・アイツ、なんで“あんな”になっちゃったんだ?」
心底不思議そうに、クラスメイトがその問いを口にした。
クラスメイトがキレた綱吉(以後ツナ様)を見たのは、例の暗殺部隊とやらの日本支部が出来るという連絡があった時だった。
ツナ様はそれはもう素敵なまでに真っ黒な発言をかまし、獄寺と山本が事態の収拾に奔走したのだ。
「あの時からじゃねぇの?無理難題言われたら、誰だってキレるって」
「待てよ、だって獄寺や山本はあの時全然驚いてなかったじゃんか。つまり、アイツらは既にダメツ・・・沢田さんが“あんな”だって知ってたってことだろ?」
「あ~そっか。そうだよな。・・・ということは、いつだ?」
「聞いてみれば良いんじゃね?」
「つか、教えてくれんのかよ」
「「「「「うぅ~~ん」」」」」
唸るクラスメイト達の輪に、ヒョコヒョコと1人の男子生徒が近寄って行く。
「・・・何を唸ってるの?」
「あ~、沢田さんが“あんな”になっちゃったのはなんでだろう?ってさ」
「へ~、じゃあ、本人に聞けばいいじゃん」
「ばっか言え!そんなことできるワケないだろ!?」
「そうだよ!・・・つか、獄寺は元々だけど、山本も最近近寄りがたいしなァ・・・」
そう言って呻いたクラスメイトに、男子生徒はクスクスと笑った。
「あらら、そうなんだァ」
「おまえなァ・・・アイツらの事知らなーーーッッ!!?」
まるで他人事のように言う“彼”にクラスメイトは一言物申してやろうと振り返り、ギョッとした。
「・・・さ、沢田、さん!?」
更には声がひっくり返った。
「ち、違うんです!!」
何が違うんだ?と自分でもツッコミを入れながら弁明を始める。
「あの、だから・・・」
「うん、俺がどうしてこうなっちゃったかっていうのを知りたいんだよね」
ニコニコと笑って訊ねてくる綱吉に、クラスメイト達は仕方なく頷く。
「ふふっ・・・元々俺はこういう性格なんだよ~、ちょっと事情があって隠してただけなんだ」
「じ、事情?」
1人が訊ねると、綱吉は深く頷く。
「そう、家庭の事情でねぇ・・・ご先祖様が興した組織を継げって言われるのが、ものっっっすごく嫌でさぁ・・・ダメツナなんて言われるくらい駄目な奴を演じていれば、継げなんて言われないだろうって思ってたんだけど・・・」
「け、けど・・・?」
「けどねぇ、一番大事なのは“血筋”だったらしくてさァ・・・俺、何か知らないけど、先祖がえり的な力を持ってたらしくって」
「うんうん」
徐々に綱吉の話を真剣に聞く態勢になって来たクラスメイトに、彼は苦笑した。
「あの暗殺部隊のボスがね、同じく“血筋”を持ってるって前振りだったのに、結局それが違ったってことで、俺が継ぐことになっちゃってぇ・・・で、キレちゃったんだァ」
「・・・へ、へ~・・・」
「た、大変だったんだなァ、沢田、さん」
「別に“さん”なんてつけなくてもいいのに・・・皆はクラスメイトなんだから、俺に気を使う必要なんてないんだよ?」
「い、いや・・・その・・・なぁ?」
「あ、ああ・・・」
「なんとなく、さんづけになっちゃうっていうか・・・」
「ふーん・・・まぁ、良いけどさァ・・・で、これで納得してもらえた?」
綱吉の問いに、クラスメイト達は頷きかけてブンブンと首を振った。
「いや、だからいつのことなんだよ、それ」
「え?えーと・・・2年生になってしばらくしてから・・・だったかな?」
「じゃ、じゃあ、つい最近まで獄寺達にも隠してたってコトか!?」
「そーだよ」
微笑みながら頷く綱吉に、クラスメイト達は呻いた。
「うはぁ・・・」
「すげー・・・」
「俺たちだって、ずーっとダメツナだと思ってたもんなァ・・・」
「ふふっ・・・みーんな、見事に騙されてくれてて楽しかったなァ」
綱吉が言えば、ふとクラスメイトの1人が首を傾げた。
「そういや、ツナ様が降臨した時、開き直った割には完全に無かったことにしてなかったか?」
「あ~・・・だって皆がすっごい受け入れ難そうだったから。もうちょっと慣れさせた後の方が良いかな~なんて?あは?」
「「「「あー・・・」」」」
納得の声をあげたクラスメイト達は、一応、周りに気を使っているらしい綱吉が意外だった。
「ナニ?俺、そんなに傍若無人に見える?」
「えっ!?」
自分達はいつの間にか口に出してしまっていたのだろうかとクラスメイト達は慌てた。
「あ、違う違う、口に出してないよ。・・・コレが先祖がえり的な力ってヤツなんだって」
またも思った事を読まれて、クラスメイト達は綱吉の言葉が真実であると理解した。
「えーと、心を読む力?」
「ううん、直感。それも超が付く直感」
「直感でわかんの!?」
「らしいよ~。というか、俺もイマイチ仕組みがわかってないんだよね~」
あははー、と笑う綱吉にクラスメイト達は首を傾げるばかりだ。
「・・・って、カミングアウトしまくってるけど・・・それって、俺達が慣れたって判断したってコトか?」
「ん?・・・まぁ、ね。だって、知りたいって言ったのはそっちだろ?」
「そりゃ、そうだけど」
「受け入れる心の準備が出来てるなら別に誤魔化す理由もないし、今更取り繕うのメンドクサイ」
それが本音か、と思いながらもクラスメイト達は突然カミングアウトし始めた綱吉の行動にようやく納得したのだった。
「・・・うん、納得してもらったところでェ・・・これから、俺、容赦なく本性曝け出すから。そこんとこ、よろしく~」
ヒラヒラと手を振り、その場を去って行く綱吉を呆然と見送り、しばらくして我に返ったクラスメイト達は悲鳴にも似た叫びをあげた。
「「「「ちょっと待てぇええええええ!!!」」」」
クラスメイト達の受難は、まだまだ始まったばかり・・・。
おしまい♪